【「乗りつぶし」の次は「全駅訪問」】東京23区内の全駅を訪問した~私鉄各社のフリーきっぷをフル活用

各社のフリーきっぷで「全駅訪問」

まず、これまでの訪問記録は以下の通りです。

東京メトロ、東京都交通局
西武
JR、りんかい線
小田急
ゆりかもめ
東急
京成
東武東上線
京急、東京モノレール

全駅訪問に欠かせないのが「フリーきっぷ」。これがないと毎回初乗り運賃を払わねばならず、大きな出費となってしまいます(一部、フリーきっぷがない所もありましたが)。今回利用したフリーきっぷを紹介しつつ、残るつくばエクスプレス、北総鉄道、東武(東上線以外)、京王の全駅訪問の様子について述べたいと思います。

今回使用したフリーきっぷ(京王線・井の頭線一日乗車券はPASMOを上書きしてしまったので残っていません)

つくばエクスプレス(秋葉原~六町・南流山)

つくばエクスプレスは一日乗車券が期間限定発売な上に2000円と高く(路線が長いので仕方ないですが)、下車の都度運賃を払うことにしました。秋葉原から北千住は、隣接して何らかの他路線の駅があるため、実質初訪問だったのは青井と六町だけでした。どちらも足立区の住宅街にあり、ごく普通の駅でしたが… そしてもう少し足を延ばし、武蔵野線と交差する南流山までの各駅もついでに訪問しました。

TXでは「沿線ウォーキング」というイベントを一年間開催しています。駅間を歩くとその記念として各駅のスタンプがもらえる(一部スタンプのない駅もあり)、というものです。もっとも、駅間をちゃんと歩いてきたかというチェックは一切なく、スタンプは台の上に置いてあるだけなので事実上常設の駅スタンプと化しており、こちらも一応集めてきました。例によってスタンプがカラカラな駅が散見されるのは残念でしたが…

北総線(高砂~新柴又・新鎌ヶ谷)

北総線は新柴又駅のみが東京都内にありますが、期間限定のフリーきっぷ(1000円)を使って新鎌ヶ谷までの各駅を巡ってきました。このフリーきっぷ、北総線内で買うとごく普通の磁気券なのですが、京成高砂駅で購入すると今や都内ではまずお目にかかれない常備券(博物館の入場券のごとく、印刷しておいたチケットに日付の判子を押したもの)が発行されるらしいです。

珍しい常備券を楽しみにしつつ京成高砂駅で下車すると、発売窓口となる定期券売り場が12時以降しか営業しておらず(訪問したのは朝9時過ぎ)、入手に失敗してしまいました。あいにく次の列車まで20分近くあるので、次の新柴又まで歩いてみることにします。京成の高砂車庫の横などを歩くと、10分あまりで到着しました。

新柴又で無事一日乗車券を入手し、北総線の各駅を巡ります。とはいえ、北総線は日中20分に1本しか普通列車がなく、駅を巡るのは一苦労です。新柴又→北国分→矢切→東松戸→秋山と折り返し乗車を繰り返したり、松飛台から大町まで駅間を歩いたり… 途中の北国分駅構内には縄文土器が飾られていたりしましたが、どの駅も非常に静かで店などもあまりありません。本当は新鎌ヶ谷より先も巡ろうかと思っていたのですが、さすがに飽きてきたので断念。

北総線は日中ほぼすべての列車が京成・都営・京急を経て羽田空港まで乗り入れているので、やってくる車両は非常に多彩です。中でも北総の9100形、通称C-Flyerは個人的にとても気に入っている車両です。運転台や車体断面が丸みを帯びていて未来的ですし、車内にクロスシートが多めに配置されているのも良いです。日中は大抵羽田空港~印旛日本医大間の長距離を往復していて、狙って乗るのがなかなか難しい車両です。

東武線(曳舟~亀戸、西新井~大師前、浅草~竹ノ塚・新越谷、和光市~朝霞台)

東武線はスカイツリーラインとそこから派生する支線を含めると、18駅が23区内に存在します(押上は東京メトロ管轄なので含めず)。併せて、埼玉県内かつ武蔵野線の内側にある9駅(東上線含む)も巡ってきました。

北千住より南の区間には浅草やスカイツリーなど観光地もあることから、「東京スカイツリー周辺散策フリーきっぷ」(510円と安い!)が常時発売されています。一方、北千住より北はフリーきっぷはなく、都度運賃を払う必要がありました。少しでも出費を抑えようと先述したTXの青井駅から五反野駅まで歩いたり、駅間の短い梅島~西新井~大師前間を歩いたりもしました。

まずは東武の玄関口である浅草駅へとやってきました。この駅は隅田川沿いの狭いスペースに建てられたことから構内が手狭なことで有名で、東武線は10両編成が標準ながら6両編成(1番線のみ8両)しか停車できません。そのため、近年は浅草~北千住間は6連の各駅停車のみの運転となっています(朝晩は優等列車もあり)。

しかも、先端部は急カーブかつホームが異常に狭いため、2番ホーム列車は6両のうち前2両がドアカット扱いとなります。23区内で未だにドアカットが行われるのはここと大井町線九品仏駅ぐらいでしょうか。

一方、1番ホームは改札の奥までホームが増設されていて、8両編成が停まれるようになっています(写真右の柵のすぐ横に改札機があります)。それでも、ホーム先端部は非常に狭くなっています。このホームに8連が入る場合も、先頭2両はドアカットとなります。

その浅草から3駅、東向島の高架下に「東武博物館」があります。蒸気機関車の時代を含め長い歴史を誇る東武鉄道に関する展示が行われています。入館料210円と安い上、「東京スカイツリー周辺散策フリーきっぷ」を所持していれば入館料が100円引きとなるので、浅草やスカイツリーと並び是非訪れるべきでしょう。

しかし、筆者が訪問した際は閉館時間を過ぎてしまっていました…(17時ぐらいまでは開いてるかなと期待してたら案外店じまいが早かった) 実はまだ来たことが無いので、いつかリベンジしたいです。

東向島の2つ先の堀切駅は荒川の河川敷にあり、小さな駅舎がポツンと建っている姿が印象的でした。駅周辺には商店は全くなく、都心部にあるとは思えないほど静かな駅です。訪問時は日が暮れてしまっていましたが、跨線橋から見る荒川の川面には首都高のライトが反射し、なかなかきれいな光景でした。

北千住より先は、本線は複々線となりほとんどの区間が高架橋となっています。中でも小菅あたりは建築されたのが相当古いらしく、駅内部はコンクリートがむき出しで非常に殺風景でした。最近高架化された竹ノ塚より先は比較的新しい駅が多く、ごく普通の郊外の私鉄駅といった印象です。

一方、支線区の駅は独特なものが多かったです。亀戸線の途中駅の東あずまや亀戸水神はいまだに構内踏切が健在で、ホームが2連分と短いこともあってまるで地方私鉄のようです。大師線の終点・大師前駅は何と自動改札機がなく、駅員も不在です。といっても料金不要で乗れるという訳ではなく、隣の西新井駅にある本線との乗り換え通路に改札口があって、ここを通ると初めて大師前から乗車したものと見なされる仕組みとなっています。

亀戸線や大師線は都内ながら2両編成と短く、今や都心部ではすっかり見なくなった鋼製の8000系が健在です。過去の塗装を再現しているのか、朱色やクリーム色のけばけばしいカラーリングとなっていました。

京王線(渋谷~吉祥寺、新宿~府中、東府中~府中競馬正門前、調布~若葉台)

そして最後に残った京王線は23区内を走行する区間が長い上、駅間が総じて短いため全駅を巡るのは非常に大変でした。まずは京王線新宿~明大前と井の頭線が乗り放題の「いのかしら おでかけきっぷ」で井の頭線の各駅を回りました。このきっぷ、580円と比較的安価なのですが、井の頭線沿いは著名な観光地があまりなく(下北沢と井の頭公園ぐらい?)、一般の方が使いこなすのはなかなか難しい気がするのは私だけでしょうか?

そして後日、1000円の全線一日乗車券で京王線の府中や府中競馬正門前、相模原線の若葉台までの各駅を一日掛かりで巡りました。23区からはみ出す調布や府中まで足を延ばした理由は別の記事で述べたいと思います。

まずは井の頭線ですが、一番ユニークな駅というと渋谷の隣の神泉駅ではないでしょうか。井の頭線は渋谷~駒場東大前駅間でトンネルを走りますが、その途中にいきなりトンネルと駅が現れるのを初めて見た時は驚いたものです。そもそも、高架上にある渋谷駅を出た列車がいきなりトンネルに入ること自体、起伏に富んだ東京の地形を知らなかった当時の私にとっては新鮮に感じられました。そんな神泉駅に初めて降り立ち、意外に静かなところなんだなと感じました。

それ以外は基本的に住宅街ばかりで見所の少ない井の頭線ですが、久我山あたりから先は神田川の作った谷底を進みます。井の頭公園駅は、その名の通り改札の目の前が公園でした。

一方の京王線ですが、笹塚から仙川にかけての区間は現在高架化工事の真っ只中で、着々と高架橋が立ち上がりつつありました。各駅では工事の概況や進捗を記したパンフレットを配布していて、各工区の状況がよく分かりました。ただ、車内から見る限りまだ用地買収すら終わっていない箇所も散見され、完成までにはあと10年前後は必要かな、と感じました。

写真の下高井戸駅は京王と東急世田谷線の共同駅で、駅舎が高架化用地に掛かっていますが、まだ何も工事は行われていません。ゆくゆくは世田谷線の駅移設も必要になってくるはずですが、どうなるのか気になるところです。一方、数年前に地下化の完了した調布市内の駅は近代的な姿に生まれ変わり、布田駅にはまるで南北線のようなフルスクリーン式のホームドアが設置されています。

京王線の世田谷区内は今まで特急で通り過ぎるばかりで途中駅で降りることはほぼなかったのですが、どの駅も結構乗降客が多いのが印象的でした。京王線には区間急行や快速といったやたら停車駅の多い(半分くらいの駅しか通過しない)優等種別があり、その存在価値がよそ者の私にはよく分からなかったのですが、これほど世田谷区内の利用があれば10分おきの各停だけでは苦しく、存在価値があることを実感しました。また、近年優等列車の停車が増えた千歳烏山や仙川の両駅周辺は賑やかで、これまた停車の必然性があることを実感した次第。

そんなことを考えているうち、芦花公園駅で23区内の全駅訪問を達成。本当は隣の千歳烏山が調布市との境に近いのですが、駅を回る順番の都合上こちらが最後となりました。

その後は23区からはみ出る調布や府中の各駅を回りました。味の素スタジアム最寄りの飛田給駅や、東京競馬場最寄りの府中競馬正門前駅の立派さ(最大数万人もの客を裁かなければならないので)が印象に残りました。一方、郊外部には主要道路との平面交差も多く(写真は東調布駅前のもの)、世田谷区内の高架化が終わってもまだまだやるべきことは多い印象でした。

全駅訪問の旅は続く…

こうして600近くある東京23区内の駅を全て巡りましたが、東京駅や新宿駅のような巨大ターミナルから、地方ローカル線のような地味な駅まで実に多彩で、駅の世界は奥が深いなと感じました。本文中でも述べた通り、23区内に飽き足らず郊外部の駅も巡ってきましたので、その記録も別記事で紹介するつもりです。

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