新函館北斗から「はこだてライナー」で函館へ~摩周丸・ロープウェイ・函館グルメ

新函館北斗~函館間の連絡列車「はこだてライナー」に乗り、摩周丸・ロープウェイなど観光地や、ホテル朝食・ラッキーピエロといった函館グルメを満喫しました。

「はこだてライナー」の混雑状況は?

東京から「はやぶさ」に乗って新函館北斗にやってきましたが、新函館北斗は函館駅から約18kmと遠く離れており、在来線に乗り換えての移動が必須です。新函館北斗から函館までは新幹線開業時に電化され、「はやぶさ」に接続する形で「はこだてライナー」という普通列車(一部は快速)が走っています。新函館北斗までは2015年に一度来ていますが、はこだてライナーは今回が初乗車になります。

新函館北斗で新幹線を降り、まずは線路の終端を眺めてみました。すると、車止めの先には何やらトンネルが…!今後予定される札幌延伸に向け、着々と工事が進んでいるようです。開業は2030年度とまだまだ先ですが、早くも乗るのが楽しみになってきました。

在来線ホームには、「はこだてライナー」が停車し発車を待っていました。ヘッドマークは函館名所の函館山ロープウェー、五稜郭が描かれています。車両は札幌圏でよく見かける733系電車3両編成です。

ということは、車内はご覧の通りのロングシート。座席が軽く埋まるほどの混雑で新函館北斗を発車しました。行きの列車は五稜郭にしか停まらない快速列車で、20分ほどの乗車なのであっという間でした。函館駅では古めかしい「ようこそ函館へ」の看板がお出迎え。

なお、函館からの帰りに乗車した「はこだてライナー」は、新幹線に乗る客が多かったためか通勤ラッシュ並みの混雑でした。短距離とはいえ重い荷物を抱えて立ちっぱなしはつらいので、繁忙期は改札の始まる20分前ぐらいに列車に乗り込むのがいいでしょう。

他のホームに目を転じると、特急「北斗」は新塗装のキハ261でした。8年来ないうちに、キハ281/283もキハ183も無くなってしまいました。時の流れを感じます。ただ、函館の駅舎自体は以前のままでした。

函館駅の歴史を伝える「摩周丸」

2023年は折しも青函トンネル開業35周年にあたり、駅構内ではそれにちなんだ展示がなされていました。そして、函館駅というと忘れてはならないのが青函トンネル開業まで走り続けた連絡船です。廃止まで活躍した青函連絡船のうちの1つ「摩周丸」が駅のすぐ近くに今も保存展示されていますので行ってみました。

かつては本州と北海道を繋ぐ大動脈だった青函連絡船ですが、末期は飛行機に押されて乗客は減っていたといいます。実際に乗ってみると船自体はそれほど大きくなく、旅客スペースは2フロアしかありません。

船の頂上には国鉄(Japan National Railway)の象徴であるJNRマークが。最末期は国鉄からJRに移行していたのでマークも「JR」に書き換えられていましたが、元の姿に復元されています。船内は操舵室に入れるようになっているほか、数多くの模型やビデオを用いて青函連絡船の歴史と船の仕組みを解説しています。ただし展示物はどれも年季が入っていて、あまり入れ替えはなされていないようです。(ビデオは今や懐かしい縦横比4:3のものばかり)

青函連絡船といえば、昭和29年に発生した洞爺丸事故(台風で沈没し1000人以上の死者を出した)が廃止に向けた大きな転機となりました。洞爺丸事故に関する展示は結構な割合を占めており、当時の新聞記事をまとめた膨大なスクラップブックもありました。

船内には、当時の座席やカーペット席も残されています。ちなみに、連絡線も鉄道と同じくグリーン席と普通席に分かれており、それぞれ座席とカーペット席が設けられていたそうです。写真の青いシートは普通席のものです。485系など国鉄型特急車の初期のシートに何となく似ていますが、シート幅は列車のものよりも広めです。

グリーン席は近年の国際線ビジネスクラスのように90度近くリクライニングすることができました。フルに倒しても前後に干渉しないよう、シートピッチもかなり広かったようです。

船内には懐かしいポスター類も残されていますが、中でも気になったのは今から35年前、JR発足直後の1988年に制作された「613駅の、ホームドラマ。」というポスターです。北海道全駅の駅名看板の写真を張り付けた力作で、思わずアップの写真を撮影してしまいました。

こうやって見てみると、ここに写っている駅の多くが廃止になってしまったことを実感してしまいます。JR発足直後に廃止された天北線・名寄本線・池北線・標津線、つい最近廃止された札沼線・留萌本線・日高本線の末端部、そして年々廃止が進む無人駅… 35年後、これらの駅のうち何割が生き残っているでしょうか。

定番的函館観光

東京に戻る前に少し時間が余ったので、久々に函館市内を観光してみました。本当は函館から長万部あたりまで、JRと路線バス(国道5号線を延々3時間かけて走破するというとんでもない路線)で往復したかったのですが、時間が足りず断念しました。

まずは駅前からバスに乗り、函館山ロープウェイの乗り場に向かいます。路面電車でも乗り場近くまで行けますが、乗り場は急坂の上にあるので、少なくとも行きはバスを利用した方がいいでしょう。日中40分おきと本数が少ないのが難ですが。

しばらく来ないうちに真新しくなった搬器に乗り、函館山頂上へ。頂上からは函館市街だけでなく、下北半島の大間あたりも見ることができました。函館山というと夜景のイメージが強いですがオンシーズンは混雑も激しいので、空いている日中に来るのもおススメです。

ロープウェイを降り、ハリストス正教会のある元町を散策。教会のすぐ近くに、対照的な佇まいの真宗大谷派の函館別院が建っているのが面白いです。坂を下り、しばらく歩くと金森赤レンガ倉庫があります。小樽運河の倉庫街によく似た赤レンガの倉庫内は土産物店となっています。

「乗り気」より食い気

列車や観光もさることながら、北海道といえば一番の楽しみはやはり「食」でしょう。という訳で、滞在中の空き時間をフル活用して色々食べてきました。

まずは、函館朝市名物の三色丼(うに、いくら、ホタテ)。

そして、今や日本一のクオリティといわれる函館のホテルの朝食ビュッフェ。一番有名な「ラビスタ函館」の朝食は宿泊者しか利用できないため、「函館国際ホテル」をビジター利用してきました。いくら・甘エビ・イカといった海鮮が朝から盛り放題の上、塩辛じゃがバター・松前漬・スープカレー・塩ラーメンといった北海道の名物料理が味わえます。あと、搾りたての牛乳が非常に美味しかったので是非飲んでみてください。

金森赤レンガ倉庫にあるスーパーの一角では、調理したての海鮮が味わえます。写真の活きイカの造りは結構な量ながら1300円と、東京では考えられない激安でした。身はコリコリとして甘く、吸盤が舌に吸い付くほど鮮度抜群です。

函館市内各所に店舗を構える名物ハンバーガーショップ「ラッキーピエロ」。膨大なメニューの中でも一番人気なのが写真の「チャイニーズチキンバーガー」。食べてみると、甘辛いタレの味付けが絶妙で、確かに万人にウケる味です。大ぶりのチキンが3つ入ったバーガーに、マグカップに詰め込まれた味付きのフライドポテト、ドリンクが付いて1000円未満と格安なのも素晴らしいです。

店内にはオリジナルのガラナと缶コーヒー、お菓子が山積みになっていました。店の内装・外装も独特で、函館市民はみなラッキーピエロに洗脳されているのではないかとの疑惑が…

そして、忘れてはならないのが函館の伝統駅弁「鰊みがき弁当」。個人的に好きな駅弁のトップ5に入るほど愛好しています。帰りの「はやぶさ」で食べようと思ったのですが、函館駅では売り切れになっており慌てました。しかし、新函館北斗駅内の売店で無事購入できました。ラッキーピエロでお腹いっぱいだったため、食したのは下車直前の大宮~上野間通過中でした。

コメント

タイトルとURLをコピーしました