【東京メトロ24時間券・都区内パス・東京フリーきっぷ など】東京の鉄道フリーきっぷ一覧~どれくらい乗れば元を取れる?券詰まり・紛失を防ぐ方法は?

東京都内のJR・地下鉄では複数種類のフリーきっぷが販売されています。その価格や有効路線をまとめるとともに、おススメの買い方をお伝えします。

5種類もある!都内のフリーきっぷ

東京都の中心部の鉄道は主にJR・東京メトロ・都営地下鉄の3社局が担っていますが、各社とも自社内あるいは他社エリアも含めたフリーきっぷを販売しています。最近、モバイルスタンプラリーにハマっていたこともあって各社のフリーきっぷを何度か使用しました。フリーきっぷの選び方のコツと、使う際の注意点について述べたいと思います。

現在のところ、上記3社局が常時発売しているフリーきっぷは以下の5種類が存在しています。この他にも期間限定のきっぷや、京急や小田急といった私鉄から都内への往復券をセットにしたきっぷ、外国人観光客向けのきっぷ、JR線のもっと広いエリアが乗り放題となるきっぷも存在しますが、ここでは割愛します。

名前都区内
パス
東京
メトロ
24時間券
メトロ
・都営
一日券
東京
フリー
きっぷ
都営
まるごと
きっぷ
価格760円600円900円1600円700円
乗車エリア
新幹線除く
都区内JR
東京メトロ
都営地下鉄
都電
日舎
ライナー
都営バス
切符の形態
紙の磁気券
(券売機)

(券売機)
プラ製
カード
○(定期
売り場)
○(メト
ロ定期
売り場)
Suica
PASMO
モバイル
Suica
モバイル
PASMO

※日舎ライナー:日暮里・舎人ライナー、メトロ・都営一日券:東京メトロ・都営地下鉄共通一日乗車券

こうして見てみると、東京メトロ24時間券(600円)の安さが目を引きます。東京メトロは初乗り178円なので、4回乗車すれば元が取れてしまいます。加えて東京メトロは都内の観光地や商業エリアの大半をカバーしており、まずは東京メトロ24時間券で自分の行程をカバーできないか考えてみるといいでしょう。一方、六本木や秋葉原(岩本町)あたりなどは、東京メトロだけだと心もとなく、都営地下鉄が使えた方が便利ではあります。そういったエリアに足を運ぶ場合は東京メトロ・都営地下鉄共通一日乗車券(900円)の方が便利かもしれません。

一方、東京駅・品川・渋谷・新宿・池袋・上野・秋葉原といったJR山手線エリアをぐるぐる回りたい場合は都区内パス(760円)が便利です。ちなみに、都区内パスは蒲田・小岩・西荻窪・浮間舟渡といった23区ぎりぎりのエリアまでカバーしているのが特徴です。例えば都内を巡りつつ横浜まで足を延ばすといった場合、蒲田~横浜間の運賃230円を別途払えばよく、ふつうに乗るのに比べ運賃が節約できます。

最後に、最上位に位置する東京フリーきっぷ(1600円)ですが、りんかい線・ゆりかもめ・東京モノレール・私鉄を除く都内の全路線をカバーしているという強みはあるものの、値段が高いのが気になるところです。例えば東京メトロは初乗り178円、JR山手線は初乗り146円であり、それぞれ9回もしくは11回乗らないと元が取れません。昔は電車に乗る際、毎回券売機できっぷを買う必要があったため、JRも地下鉄もきっぷを買うことなく乗れる東京フリーきっぷは貴重な存在でしたが、交通系ICカードの普及でそのメリットも薄れてしまいました。

ただ、東京フリーきっぷはJRや地下鉄だけでなく、都電や都バス、日暮里・舎人ライナーにも乗れます。「都営交通スタンプ」のコンプリートを目指す人には便利かもしれません。

「元を取る」ためのモデルルート

では、実際どのくらい乗ればフリーきっぷの「元を取った」といえるのでしょうか?新宿を起点として、「きっぷの値段と同額分乗る」「きっぷの値段の倍乗る」例をそれぞれ挙げてみます。

東京メトロ24時間券

東京メトロで六本木や秋葉原へ行くには日比谷線の利用が必須だが、他線との接続はあまりよくない。

きっぷの値段と同額(600円分)乗る

新宿→銀座→池袋→新宿(596円)

きっぷの値段の倍(1200円分)乗る

新宿→渋谷→六本木→銀座→秋葉原→池袋→新宿(1173円)

まずは「東京メトロ24時間券」ですが、この例だと乗車わずか3回でほぼ元が取れることが分かります。一方、都内各地をたっぷり巡ろうとすると、東京メトロの路線だけでは六本木・秋葉原あたりへの出入りが面倒(例えば渋谷から六本木に行く際は霞ヶ関を、秋葉原から池袋へ行く際は日本橋を経由しなければならない)であることが分かります。

東京メトロ・都営地下鉄共通一日乗車券

都営新宿線の岩本町は秋葉原に近く、新宿方面からのアクセスに使える。

きっぷの値段と同額(900円分)乗る

新宿→渋谷→六本木→秋葉原・岩本町→新宿(893円)

きっぷの値段の倍(1800円分)乗る

新宿→明治神宮前→渋谷→六本木→銀座→秋葉原・岩本町→飯田橋→池袋→新宿(1640円)

次に「東京メトロ・都営地下鉄共通一日乗車券」ですが、東京メトロだけだと行きづらい六本木や秋葉原(岩本町)への行き来がぐっとやりやすくなります。メトロと都営にまたがって乗車すると運賃が高いため、この例だと乗車回数4回でもほぼ元が取れています。一方、値段の倍乗ろうと思うと都内7か所を巡ってもなお足りず、普通の人にはなかなかハードです。

都区内パス

東京を代表する路線である山手線だが、都内中心部へのアクセスには使えない。

きっぷの値段と同額(760円分)乗る

新宿→有楽町→秋葉原→池袋→新宿(729円)

きっぷの値段の倍(1520円分)乗る

新宿→原宿→渋谷→品川→有楽町→秋葉原→上野→池袋→飯田橋→新宿(1482円)

次に「都区内パス」ですが、こちらも山手線を一周しつつ3か所で下車すればほぼ元が取れます。ただし、山手線の内側の六本木・赤坂などには一切行けませんので、用途はかなり限られるという印象を受けます。一方、値段の倍乗るためには8か所で途中下車してもなお足りませんでした。

今回、東京フリーきっぷについては検証しませんでしたが、1600円の元を取るのは相当困難であることは想像頂けると思います。

きっぷの磁気エラー・折れ曲がり・紛失にご用心

これは主にスタンプラリー等で何度も入出場を繰り返す人向けのアドバイスとなりますが、紙の磁気きっぷは何度も改札機に通すと、高確率で磁気エラーが発生し改札機を通れなくなります。経験上、東京メトロのフリーきっぷは長持ちしましたが、JRの都区内パスは20回以上乗り降りを繰り返すとほぼ毎回エラーとなってしまいました。

また、汗をかきやすい暑い日に尻ポケットにきっぷを入れて持ち歩いていたところ、水分を吸ってしまったからか改札機で派手に券づまりを起こし、ぐちゃぐちゃに曲がってしまったこともありました。対策としては汗を吸わないよう鞄などに入れ、かつスマホなど磁気を発するものに極力近づけずに持ち歩くしかありませんが、慌ただしいスタンプラリーでそこまで気を遣う余裕がないのも事実です。

一方、都営まるごときっぷなど一部の乗車券は、かつてのパスネットのようなプラスチック製になっており、紙製よりは耐久性があります。しかし、このプラスチックカードは結構滑りやすく、私は途中で見事に無くしてしまい買い直しを余儀なくされました。一番は本人の注意力の問題でしょうが、普段使いなれないきっぷを持ち歩くとどうしても収納場所が定まらず、一瞬どこに行ったか分からなくなることもしばしばあります。

できればICカード版を買おう

モバイルSuica版都区内パスの券面。このきっぷの画像が表示される前に操作をやめてしまわないよう注意。

そこでお勧めしたいのが、ICカード版のフリーきっぷを購入することです。これならば磁気エラーもまず起きませんし、収納場所も定まっているでしょうから紛失のリスクもぐっと下がります

ただし、交通系ICカードなら何でもOKという訳ではありません。まず、定期券情報が搭載されたカードはフリーきっぷとしては使えません。また、JRのフリーきっぷを乗せるならSuica、地下鉄のフリーきっぷであればPASMOでなければなりません(東京フリーきっぷはどちらでもOK)。JRに関してはモバイルSuicaもOKで、モバイルアプリ上で直接購入できるので便利です。地下鉄のフリーきっぷもモバイルPASMOで買えると便利なのですが、まだ対応していないようです。

とりあえず、「東京メトロ24時間券」や「都区内パス」あたりの存在を頭に入れておくと、都内をぶらぶらする時にちょっと得をできるかもしれません。

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