【205系ラストラン】鶴見線・南武支線(尻手~浜川崎)の全駅を訪問した~3つの終端駅、海芝浦・大川・扇町を制覇

まもなく205系からE131系への置き換えが完了する鶴見線と、新潟からE127系が転属してきたばかりの南武支線の全駅を訪問しました。

元山手線・205系の終焉近づく鶴見線

武蔵野線エリア内に続き、最近は横浜市・川崎市内の全駅訪問を進めていますが、その際に難関となるのが鶴見線です。日中は20分間隔と本数が少ない上、海芝浦・大川・扇町の3つの終端駅へ向かう列車の本数は非常に少なく、大川支線に至っては土休日はわずか3本しか列車が来ません。

川崎駅から程近いエリアながらこれほどまで列車の本数が少ないのは、鶴見~鶴見小野間を除く沿線が工業地帯で、住宅がほとんどないためです。逆に言えば、朝夕のラッシュ時は工場へ向かう労働者が多数押し寄せるため、列車の本数も増えます。

よって、駅巡りをするならば平日のラッシュ時が最適です。という訳で平日早朝の鶴見駅に向かいました。折しも、首都圏の通勤輸送で長らく活躍し、鶴見線で最後の働きを見せていた205系が2024年3月までに引退することが発表されました。期せずして、通勤通学で長年お世話になった205系の惜別乗車と相成りました。

「下車できない駅」海芝浦駅

まだ朝の明けきらぬ鶴見駅へとやってきました。鶴見線は鶴見を起点に扇町・大川・海芝浦の3方向に路線を延ばしており(途中で折り返す列車もあり)、それぞれ赤・黄・青のラインカラーが付いています。3色LEDなので分かりづらいですが、駅や車両の行先表示にも一応ラインカラーが反映されています。まだ早朝ですが、ご覧の通り工場へ通う通勤客でホームは賑わっています。

鶴見線の駅設備は国鉄時代からあまり手が入っておらず、古めかしいものが多く残っています。例えば鶴見駅の3番線と4番線を繋ぐ地下通路は、塗装が一部剥がれながらも昭和の頃の姿をとどめています。

通勤客に交じって205系電車に乗り込み、まずは隣の国道駅に向かいます。

国道駅といえば、まるで映画のセットかと思うほどレトロな高架下空間が有名です。ただ、まるで御手洗のような異臭がするのが気になりましたが… ここにある店舗は今でも営業しているんでしょうか?

その次の鶴見小野駅はごく普通の住宅街にある駅ですが、有人改札時代の改札口がいまだに残っていました。ただし今はSuicaの読み取り機が置かれ、無人化されています。

鶴見線の車両基地のある弁天橋で下車後、海芝浦行きの電車で一気に海芝浦へと向かいます。海芝浦駅はホームの目の前が海ということで有名な駅です。ここに来るのは実に13年ぶりでしたが、やはり眺めは素晴らしく、首都高の鶴見つばさ橋が良く見えます。通勤客の方々はそんな眺めに目もくれず、プラットフォームを淡々と通り過ぎていきます。

そして、海芝浦は改札口の目の前がご覧のように東芝の工場入口となっていて、一般人は改札から出られない駅として有名です。(工場内は撮影禁止なので、工場の中が写らないアングルで撮影)一応、「海芝公園」というちょっとした公園もあるのですが、早朝だったためまだ開いていませんでした。

「首都圏最少の列車本数」大川駅

一駅戻り、新芝浦駅で下車。ここも目の前は東芝の工場ですが、一般道を挟んでいるので一応駅の外に出ることはできます。駅舎は瓦葺の古めかしいもので、中はSuicaの読み取り機が置かれている以外はがらんとしています。ホームの屋根も木を複雑に組んだ古めかしいものです。海芝浦行きホームのすぐ横は運河となっています。

海芝浦方面と扇町方面の線路が分かれる浅野駅で乗り換え、貨物側線が並ぶ安善駅へ向かいます。この安善駅は大川支線の分岐駅となっていますが、実際武蔵白石駅の構内で分かれています。

かつては大川行きの電車は武蔵白石にも停車していたのですが、カーブが急すぎて20m級の車両が通過できないため、103系電車導入の際にホームが廃止されてしまったそうです。それまでは18m級の旧型国電が使用され、首都圏唯一の存在として珍重されていました。

安善から、その大川支線に向かう列車に乗ります。武蔵白石駅構内をゆっくりと通過し、工場街を進んで終点の大川駅に到着です。小さな駅舎とホーム1本しかないシンプルな駅です。先ほど述べた103系導入の際に駅ホームを延伸した痕跡が残っていました。先端部のホームは非常に狭いです。

こちらが大川駅の時刻表です。土休日はたった3本、平日も朝夕のみ9本しか列車はありません。それでも列車の利用者はそこそこ多く、皆さん駅周辺の工場へと向かっていきました。

鶴見線から撤退間近の205系を観察

大川での折り返しを待つ間に、今回でおそらく乗り収めとなる鶴見線205系の内装を観察します。内装は首都圏各地で活躍していた頃から全くといっていいほど変わっていません。ただし先頭部は改造により設置されたため、オリジナルの形状とは異なります。この形状の車両は南武線(支線含む)・仙石線にも投入されましたが、今後は南武支線と仙石線でしか見られなくなります。

鶴見線の205系は、同じ編成の中でも製造時期の異なる車両が混在している場合があり、仕様が微妙に異なります。山手線に投入された初期の車両はドア窓が小さく網棚が金網になっている一方、埼京線などに投入された後期の車両はドア窓が大きく網棚が金属パイプになっています。

このようにローカル支線らしい寄せ集め感がある意味魅力の205系ですが、新型のE131系に置き換えられて2024年3月までに撤退する予定です。

「おしゃれなゲートがお出迎え」扇町駅

安善に戻り、すぐにやってきた武蔵白石行きに乗車します。武蔵白石は単なる中間駅ですが、ここで折り返す列車がわずかながら設定されているようです。列車は扇町方面行きのホームに入った後、数分停車して折り返していきました。

次の扇町行きに乗車し、浜川崎をいったんスルーして次の昭和駅で下車します。しかし、昭和や扇町まで来る列車の本数は少なく、次の列車を待っていると大きな時間ロスになってしまいます。幸い次の扇町までは500mほどしかないので、頑張れば扇町での折り返し待ちの間に列車に追いつくことが可能です。時折ダッシュを交えつつ人気のない工場街を歩き、無事追いつくことができました。

扇町駅は入口に白いアーチのようなものがあるのが特徴です。13年前に来たときはこのアーチに木の弦が絡まっていましたが、今では木はなくなっているようです。ホームにぽつんと止まっている205系に乗って浜川崎へと戻ります。

「首都圏最短2両編成」南武支線

浜川崎で下車し、「南武線のりかえ」という古めかしい看板に従って進むと、何と公道に出てしまいます。この浜川崎は、鶴見線と南武支線とでそれぞれ独立した改札口があるという珍しい駅です。(写真の左側が鶴見線、右側が南武支線の駅)

同様に乗り換えの際公道を渡らなければならないJR駅としては九州の折尾駅がありましたが、駅の高架化により現在は解消しています。

南武支線のホームに向かうと、2両編成の205系電車が停車していました。川崎市は「ミューザ川崎」という音楽ホールをつくるなど「音楽のまち」を売りにしており、車体には音符があしらわれています。

その205系ですが、3本中2本が新潟地区で余剰となったE127電車に置き換えられました。地方から東京への転属というのも珍しいですが、今では首都圏のJRではほぼ見られなくなった3扉車(例外は立川まで乗り入れてくる中央本線の211系くらい?)というのも異色です。

南武支線は東海道貨物線と線路を共有して走るため、時折貨物列車とすれ違います。線路も重量のある貨物列車の運転に耐えられるよう、鶴見線と比べて太くて立派です。しばらく進むと、小田栄駅に到着。川崎・横浜エリアでは初のJR新駅で、ホームはまだ真新しいです。まだラッシュの時間帯なので、結構な数の乗客が電車を待っていました。

南武支線は本数が少なく、次の列車まで20分ほど時間があるので隣の川崎新町まで歩きます。とはいえ距離は0.7kmと短く、あっという間に着いてしまいました。

川崎新町駅はやや変則的な配線となっていて、浜川崎方面へのホームは上下4本の貨物線の中央に設置されています。(尻手方面へのホームは一番南側に設置)そのホームへの通路は楕円形となっていて、まるで遊園地のアトラクションのような不思議な空間です。

最後は川崎新町から尻手に出て(八丁畷は京急全駅訪問の際に訪問済み)、無事鶴見線・南武支線の全駅を訪問できました。

横浜・川崎市内の全JR駅を訪問

川崎、菊名は駅名標を撮り忘れたので、駅スタンプの画像で代用

そして、鶴見線や南武支線以外の川崎市・横浜市内のJR駅も全て巡ってきました。(根岸線の各駅横浜線の一部駅は既に過去のスタンプラリーで訪問済み)神奈川県内ではないですが、町田駅もついでに訪問しておきました。

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