東海道・山陽新幹線「S Work車両」に乗る~予約方法と一般車との違いを解説

東海道・山陽新幹線の「S Work車両」は、ビジネスパーソンの利用に特化した車両です。予約方法と、一般車と比べた乗車のメリットをご紹介します。

「のぞみ」7号車は「ビジネスパーソン向け車両」

S Work車両
JR東海の公式サイト。このページは東海道新幹線ネット予約サービスのスマートEXとエクスプレス予約についての情報が記載されています。| JR東海

「S Work」車両は、車内で仕事を進めたいビジネスパーソンの利用を想定し、マナーを守りつつパソコン等を気兼ねなく使える車両です。仕事を行う際は、パソコンの打鍵音や携帯電話での通話が発生するもの。「S Work」車両では、そういった最低限の作業音は乗客同士相互に許容することが求められます。

また、N700S車両限定でビジネスサポートツール(膝上クッション、簡易衝立、PC用ACアダプタ、USB充電器、小型マウス等)の貸し出しを行っています。(東海道新幹線の新横浜~京都間のみ) また、N700S車両の7・8号車では車内Wi-Fiの通信量の増強も行われているとのこと。

現在、上下線全時間帯・全曜日の「のぞみ」7号車が「S Work」車両として運用されています。(ただし、年末やGWなどの多客期は除く)

予約方法がやや特殊

「S Work」車両の特急料金は一般の普通車指定席と同額ではあるものの、予約方法がやや限定されています。みどりの窓口や指定席券売機、旅行会社などでは予約できず、東海道・山陽・九州新幹線のネット予約サービスであるエクスプレス予約・スマートEX経由でのみ予約が可能です。「えきねっと」など、JR他社の予約サービス経由での予約もできません。

また、ビジネスパーソン向けという性質上大人1名専用となり、複数名での予約はできず、子供料金の設定もありません。

エクスプレス予約での予約画面の例。車種選択の時点で「S Work席」を選びます。

一般席に比べて予約は取りやすい?

この「S Work席」、世の中での知名度がまだそれほど高くないうえ、予約方法が限定されているため、他の席に比べて予約が取りやすいのではないかと前々から思っていました。2023年3月の金曜日の夕方に、関西から東京へ向かう「のぞみ」の予約を急遽取ることになったため、エクスプレス予約経由での予約を試みました。すると、確かに「S Work席」は他の席に比べて空席が目立ち、発車の1時間前にもかかわらず2列席通路側のD席を取ることができました。(もちろん、空いている新大阪始発の便を狙うなど色々工夫はしていますが)

エクスプレス予約・スマートEX利用者は、混んでいる時間帯の予約の際はまず「S Work席」の予約状況を確認してみるといいでしょう。

ある金曜日夕方の上り列車の予約状況。このようにB列以外ほとんどの席が埋まっているが…
同じ列車の「S Work席」は、B列とD列が見事にがらがら。

実際に乗ってみた感想は…

無事予約を取り、「S Work席」に乗ってみました。すると運よく、N700S車両がやってきました。N700Sは普通車も全シートにコンセントを装備しているため、PCを利用するビジネスパーソンにはありがたい存在です。

金曜の夕方とあって、車内はほとんどの席が埋まっていましたが、打鍵音や電話の声が響くこともなく非常に静かでした。乗客は確かにビジネスパーソン風の人が多めでしたが、そもそも平日夕方の東海道新幹線は商用と思しき一人客ばかりなので、他の車両と客層はほとんど変わりません。

席に落ち着いたところで早速、帯域増強を謳っていたWi-Fiを使ってみましたが、4G回線と比べても明らかに遅く、普通のサイトを見るのもストレスが溜まるような状況でした。動画の閲覧やビデオ会議などは非常に厳しいと思われ、もう少し増強をお願いしたいところです。

そして、N700Sの7号車には「ビジネスブース」なるものが設置されています。これは喫煙ブースとほぼ同じ形状の個室で、予約サイトから予約すると30分間無料で利用できます。「S Work席」はそもそも1人客しか利用できず、Wi-Fiの状況も先述の通りなので、このブースのユースケースがそもそもあるのかは謎なところもありますが、広いテーブルを使いたい時や、集中して作業したい時などは便利なんでしょうか。

という訳で、エクスプレス予約・スマートEX利用者は、混雑時の穴場として「S Work席」の存在を覚えておくと良さそうです。

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