2023年3月に開業したJR大阪駅の新ホームを訪問し、可変式ホームドアや顔認証改札機といった最新設備を見学してきました。
コロナ禍後初の大型遠征へ
ここ数年、コロナ禍もあって泊りがけでの鉄道旅行は2016年以来長らくご無沙汰でした。(家族旅行など普通の旅行には行っていましたが) 幸い、2023年のGWは旅行をする暇ができたので、西日本を中心に乗りつぶしの済んでいない路線を巡ることにしました。
まずは2022年秋に開業した西九州新幹線、そして2023年春に開業した福岡市営地下鉄七隈線の延伸部に乗るのは必須です。加えて、まだ乗車の済んでいない西日本のケーブルカー4路線(天橋立、八栗、皿倉山、ラクテンチ)もこれを機に乗りつぶしてしまうことにしました。途中私用で関西にも立ち寄るため、九州・四国・丹後・関西を横断する2泊3日の大型遠征となりました。
加えて、今回は裏テーマとしてJR各社独自の予約サービスを使ってみることにしました。JR東日本のえきねっとや、新幹線のエクスプレス予約はこれまで何度も使っていますが、JR西日本や九州独自の予約サービスはほとんど使ったことがなく、これを機に利用してみようと思います。この手のサービスって公式サイトには「手軽で便利」というような文言しか書かれておらず、使ってみて初めて便利な点・不便な点が分かるものなので、まずは使ってみることが肝心です。
昔は大型の旅行となるとみどりの窓口に通いつめ、十枚以上のきっぷの束を手に旅立ったものですが、今回事前に入手したのは「えきねっと」で事前購入した北九州市内までの往復乗車券のみ。それ以外のきっぷはネット上で予約しておき、利用の直前に発券することにします。
2か月ぶり「はるか」で京都から大阪へ
新横浜6:11→京都8:02(のぞみ99号)
京都8:20→大阪8:49(はるか11号)
朝一番の新幹線で京都に向かい、京都から特急「はるか」で大阪に向かいます。2023年春から、梅田貨物線が大阪駅の新ホームを経由することになり、「はるか」も全列車が新ホームに停車することになりました。その新ホームを訪問することが目的です。
京都駅から「はるか」に乗るのは初めてです。京都駅始発の「はるか」は嵯峨野線の乗り場から発車し、しばらく京都総合車両所への回送線を走った後、向日町あたりで本線に合流するという変わった経路を取ります。それに初めて乗るのを楽しみにしていたのですが、よくよく考えると今回乗車する「はるか11号」は例外的に滋賀県の野洲始発なので、新快速などと全く同じルートで走行するのでした。
やや期待外れながらも「はるか」に乗り込みます。乗客は大きなスーツケースを抱えた外国人客など、いかにも空港利用者といった人ばかりです。e5489チケットレスサービスの「eチケットレス特急券」(J-WESTカード保有者のみ購入可能)を使えば京都から大阪まで650円の特急料金で乗れるのですが、大阪で下車する人はいませんでした。京都~大阪間は特急と速度の変わらない新快速が頻発していて、休日ならば座るのもそう難しくはないので、わざわざ650円を払おうとする人はいないようです。
新大阪を出て、淀川を渡ると地下トンネルに入ります。このあたりの光景は2月に乗った時と全く変わりません。地下をしばらく進むと、いよいよ大阪駅の新ホームに到着です。
日本初・可変式ホームドアとは?
到着した21番ホームには、全国初となる可動式のフルスクリーン式ホームドアが設置されています。戸袋部分にモニタが設置されている点以外、一見ごく普通のホームドアに見えますが、実は戸袋部分の下にもレールが仕込まれており、ホームドア開閉の際は戸袋部分も動きます。こうすることで、様々なドア数の列車に対応できるという優れものです。
ホームドアが開閉する際は、戸袋部分のモニタにその旨警告が出るようになっています。そして、鴨居部分に列車番号や号車番号、座席の種類といった情報が表示され、乗車する際も大変分かりやすいです。
現在21番線に乗り入れるのは「はるか」「くろしお」といった特急列車のみで、ホームドアも特急車両向けに限定して運用されているようです。将来なにわ筋線が開業した暁には、この新ホームにはJRだけでなく南海の車両も乗り入れてくることになるはずで、その際にはこのホームドアが大いに活躍するでしょう。
駅コンコースもハイテク
ホームに上がってみると、白い壁一面が巨大な水族館のようになっていました。「ネイチャーアクアリウム」というもので、画面に手を近づけると水泡が出たりします。
そして各ホームへ下る階段の前には、6面のディスプレイで作られた巨大な案内表示が。ちなみに、現在24番線は新大阪・京都方面へ向かう「はるか」「くろしお」のホームとなっています。
一方、改札外のスペースには、超アナログな特急くろしおの「顔はめパネル」が。個人的には「くろしお」も随分ご無沙汰で、287系に置き換わって以降乗った記憶が無いのでそのうち乗りに行かないと。
誰でも体験可能!未来感あふれる改札口
そして、開業直後の報道で注目されたのがこちらの「顔認証改札機」。事前にサービスに登録しておけば、ICカード等をかざすことなく「顔パス」で改札機を通過できるそうです。ゲートの横にはICカードのタッチ機もあり、ICカードで通過することも可能です。
ゲートの側面には何やらSFの世界のようなディスプレイ、そして足元には「入場」「出場」の表示が。特撮ドラマに出てくる秘密基地のようで、きっとお子様も喜ぶはず。上述の通り交通系ICカードがあれば誰でも通過可能なので、大阪駅から電車に乗る際はぜひ一度通ってみてください。
既存の地上ホームへの乗り換えは?
この新ホームのコンコースは、地下道を介して既存の地上ホームと繋がっています。エスカレータで一階層下がり、地下道を進みます。東京駅の京葉線ホームに続く地下道のようにとんでもない長さではなく、30秒もあれば歩けてしまう長さなので安心です。
地下道から再びエスカレーターで上ると、既存ホームへの乗り換え通路が出現。各ホームの最も西側へと繋がっています。(2024年1月時点で、11番ホームへの通路は工事中のため別ホームを迂回する必要あり)
この乗り換え通路には新しい改札口(西口)も設けられていますが、周辺が再開発中のため閑散としていました。2024年にはこのエリアにKITTE OSAKAが開業予定で、その暁には賑やかになることでしょう。(そしてまた梅田ダンジョンが拡張するんですね…)
次の用事までもう少し時間があるので、この後もう一つ気になる列車に乗ることにします。
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