東武東上線「川越特急」
秋葉原から地下鉄で池袋に移動し、東上線ホームに向かいます。行先案内板を見ると、「川越特急」の表示が出ていました。川越特急はその名の通り急行よりも停車駅を絞り込んだ速達列車なのですが、クロスシート状態の50090系を使用するのが大きな特徴です。駅ホームに専用の案内が貼られているなど、それなりにアピールされています。
しばらく待つと列車が入線してきました。ホーム柵越しの撮影となってしまいましたが、川越にちなんだラッピングがされた編成がやってきました。(車体中央の円の中には川越の「時の鐘」が描かれていますね) 行先表示の「川越特急」の文字が明朝体ではなく独自フォントとなっているのも面白いです。
直前に急行も走っているのですが、クロスシート狙いでこの列車に乗り込む人も多いらしく、THライナーとは対照的にシートが8割方埋まった状態で発車します。まあTJライナーだと370円掛かるクロスシートにタダで乗れるなら皆さん乗りますよね…
シートの方は、デュアルシートの第一世代ということで設備は最低限で、カップホルダーやコンセントはありません。シート自体も隣の席との間に肘掛けなどはなく、関西などで見かける転換クロスシートに似た造りです。
池袋からしばらくは、板橋区の繁華街を進みます。駅はどれも昔ながらの地平駅で、狭い改札口の先に商店街が続く光景も同じ。東上線に普段縁のない人間からすると、同じところを延々と走っているような感覚でした。それも有楽町線が合流してくる和光市の手前からは一変。踏切も無くなり、近代的な複々線に変わります。志木で複々線が終わると、あとは時折田畑の混じる真っ平らな関東平野を進み、川越市に到着です。
川越「マラソン」の末、特急「小江戸」乗車
川越から単純に折り返すのはつまらないし、どうやって戻ろうかと川越特急に乗りつつ思案していたのですが、思い付きで西武新宿線の特急「小江戸」に乗ることにしました。新宿線も長らくご無沙汰していますし、「レッドアロー」にも乗ったことが無かったのでこれを機に乗っておこうと思ったのです。西武の本川越駅が東武やJRの駅からやや離れているのが厄介ですが、東武川越市駅からなら300mほど歩けば行けることに気づきました。乗り換え時間は6分しかありませんが、急ぎ足ならば大丈夫だろうとスマホで「小江戸」の特急券を確保しました。
ところが、この日に限って川越特急が2分ほど遅れ、乗り換え時間はわずか4分になってしまいました。川越市駅の改札を出ると炎天下の公道をほぼ全力で走り、何とか発車1分前に本川越駅に到着。改札から特急ホームがやや離れており焦りましたが、再びダッシュして何とか間に合いました。
滝のような汗を流しながら車内に入ると、予想通り車内はほぼ貸切状態でした。座席はJR初期の特急列車、特に「スーパーあずさ」あたりのシートによく似ています。汗だくの体をクールダウンさせつつ武蔵野平野を眺めているうちに所沢、東村山に停車。この辺りからようやく乗客が増えてきました。
西武新宿線の駅設備は東村山駅付近で巨大な高架橋が立ち上がりつつある以外、ほぼ昭和の頃から変わっていないのではないでしょうか。とにかく踏切が多く、主要な道路とも平気で平面交差することが多いのが気になりました。駅も旧国鉄の地方駅でありがちな2面3線の配線が多く、ダイヤを組むのが大変だろうなと思いました。新井薬師前付近では地下化工事が進んでおり、その他の区間でも立体化が計画されているようなので、あと20年ほど経てば全く違う車窓になっているのでしょうか。
残るデュアルシート運行路線は?
これまで紹介した4種類の他に、関東では2種類のデュアルシート装備車が走っています。ただし、どちらも平日ラッシュ時しかクロスシート状態で走行しないので、乗車するのはそれなりに大変です。まず、東急大井町線では7両編成の急行のうち1両のみがデュアルシートを備えており、平日夕方のみ「Qシート」としてクロスシート状態で運行されます。こちらは仕事での移動の最中にたまたま乗る機会に恵まれました。
もう1つは、京急の「1000形1890番台」と呼ばれる4両編成の車両で、こちらは朝夕に2ドアクロスシートの2100系と連結して「ウィング号」として運転されています。ウィング号の運用のない土休日は逗子・葉山~羽田空港間のエアポート急行に(ロングシート状態で)投入されていることが多く、先日空港からの帰りにたまたま乗れました。(写真なし) これで、関東のデュアルシート装備車に一通り乗ることができました。
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