筆者は7度目の大阪万博訪問で、タクシーを使って早朝に西ゲートに移動し「大阪ヘルスケア」「ヨルダン館」など未訪問のパビリオンを巡ってきました。
朝イチ入場のための奥義・タクシーで西ゲート
7月16日(水曜日)、前日に引き続いて大阪万博を訪問してきました(7度目)。その前の訪問で既に70くらいのパビリオンを巡れていたので、この日は昼過ぎに会場を出て京都に行き、祇園祭の宵山を久々に見にいこうか…ぐらいの心づもりだったのですが、会場で色々見ていると何だかんだと時間は過ぎ、結局夜8時まで居残ることに(詳しくは後述)。
この日は7日前抽選・3日前予約ともに惨敗で、予約できたのは「国連パビリオン」(当日飛び込みでも入れる)のみという有様でした。この不利な状況を挽回するため、西ゲートに朝イチで並ぶことにしました。これまでの記事にも書いたとおり、朝早く会場に入れば当日予約でレアなパビリオンを狙えるうえ、普段は待ち時間の長いパビリオン(イタリア館とか)に早く入れるので、二重の意味で有利になります。
といっても、大阪市内各地からのバスでは早くても8時ごろにしか西ゲートにたどり着けません(ちなみに8月からは大阪駅6時台発のバスが登場するとか…)。そこで、コスモスクエア・大阪港・桜島など近隣の駅から朝一番でタクシーに乗って西ゲートに先着し、他の客を出し抜く裏技が「万博ガチ勢」の間では公然化しつつあるそうです。筆者もこれを試してみることにしました。
…といっても前日も散々歩き回って消耗していたので、実行するか否かは直前まで相当悩んだのですが、大阪に宿泊しないとこんな裏技は試せないので、頑張って早起きしてトライすることにしました。実はこの判断が思わぬ事態を引き起こすのですが、詳しくは後ほど。
豪雨で「リアル人間洗濯機」?

宿泊していた新大阪のホテルを6時過ぎに出て、早朝の地下鉄に乗って7時前にコスモスクエア駅に到着しました。まだ誰もいないんじゃないかと思っていたら何の何の、意外なほど多くの人がいますし、タクシーもかなり集まっています。(ちなみに地下鉄中央線にも、東ゲート前に並ぶのだと思われる万博客が相当数いてびっくりしてしまいました)
しかもほとんどの客が配車アプリでタクシーを予約していたようで、次々とタクシーに乗り込んでいくのでやや焦りましたが、幸い流しのタクシーもいたのでこれに乗車します。運転士さんに話を聞くと、会場のゲートが開くのは6時45分なので、それより早くタクシーに乗ってもゲート前で待つ必要があるとのこと。コスモスクエアからは10分、2200円ほどで西ゲートに到着です。


7時過ぎに到着すると、早くも200~300人ぐらいが列をなしていました。座ってしばらく待ち、8時頃から段階的にゲート前まで移動したのですが、非常に人の流れが速く、群衆雪崩の一歩手前のような状況になっていました。しかも運悪く移動のタイミングでゲリラ豪雨が発生、人波にもまれる状況では傘は何の役にも立たず、つま先から頭のてっぺんまでびしょ濡れの惨状に…
お陰でゲートの屋根の下、前から10人目ぐらいの位置でゲートオープンを迎えることができましたが(実際に入場できたのは8時55分ぐらい)、途中の道のりがあまりに過酷過ぎて、この方法をもう一度試したいとは思えませんでした。特にお年寄りやお子様連れには正直お勧めできません。
ちなみにこの時間に入場してもGUNDAMとか住友館の予約はゲットできず、結局「大阪ヘルスケア(リボーン体験)」を予約することに。リボーン体験も人気はあるのでまあ良かったのですが、「人間洗濯機」を拝む前に自分が人間洗濯機状態になるとか、最早体を張ったギャグとしか思えません…
今回巡ったパビリオン
この日も最高気温35度の猛暑だったものの、一般入場者数は12万5000人と前日よりやや多めでした。それでは、今回巡ったパビリオンを軽くご紹介したいと思います。(パビリオンのうち、コモンズ館については別途記事にする予定です) なお、パビリオン巡りのコツは過去記事を参考にしてください。
ヨルダン館(待ち時間30分)

この日最初にやってきたのはヨルダン館です。ここは現地から運んだ砂漠の砂の上を歩けるとあって評判を呼び、面積の狭いタイプBのパビリオンながらも大人気となっているようです。開館が9時20分とのことで少し待ちましたが、流石に朝一番なので待つ客は多くなく、9時半には入場できました。


館内に入ると、青色の帯のような所にアラビア語が映し出されています。その下には砂漠の石を使った楽器があり、様々な音色が出せます。

反対側の壁は砂漠の砂を塗り付けたような壁になっていて、はめ込まれたディスプレイでヨルダン各地を紹介。


そして靴を脱ぎ、いよいよ砂の上へ向かいます。砂漠の砂は現地から直輸入したものの、検疫のため洗浄することを余儀なくされ、最後には数分の1にまで減ってしまったとか。そんな砂の上を歩き回るだけでテンションが上がるのは何故なんでしょう。

そして、砂漠の砂に座って360度の映像を鑑賞します。そういえばズボンがずぶ濡れでしたが、気にせず座ってしまいました。スクリーンには星空や自然、ヨルダンの都市などの映像が流れました。
映像鑑賞中は係員による解説もあり、先ほど述べた砂の件や、ヨルダンは中東の中では非常に安全で日本とそう変わらないことなどが紹介されました。映像を見終わるとパビリオンは終了です。
外に出ると、パビリオンの行列は静けさの森の方まで延々と続いており、2時間とか3時間待ちにまでなっていたようです。しかも、筆者が訪問した次の日から過剰な行列を避けるため急遽予約制に変わったとのことです。この日の朝が、予約なしに短時間待ちで見る最後のチャンスだったようで、ずぶ濡れになりながら並んだ御利益はあったようです。
ただ、これに何時間も並んだり、激しい予約争いをするほどのものかというと個人的には少々疑問です。館内で見られる映像は、海外パビリオンとしては正直平均点レベルかなと思いました。砂に関しても「関西パビリオン鳥取ブース」で体験できますし、何なら須磨や明石の海水浴場でもいいわけで… 掛けるコストに見合ったベネフィットがあるかどうかはよく見極めて頂ければと思います。
ウズベキスタン館(待ち時間30分)


次にやってきたのはウズベキスタン館です。ここは前の日何度か来てみたのですが、毎回「今は並べません」という札が出ていて諦めてしまいました。この日も朝10時にもかかわらず札が出ていましたが、諦めきれずに待っていると急に列が進み、並べるようになりました。ここもブルガリア館などと同じく15分おきにしか列が進まないため、列に並ぶのにもタイミングを見計らう必要があります。
パビリオンに並んでいる最中、係の方から色々説明があります。上下対称のロゴは下半分が「知識を吸収する根」、上半分が「その上に伸びた幹」を表しているのだそうで、館内の構成も確かにその通りになっていました。

館内に入ると、真っ暗な空間を説明を受けながら進みます。この空間は本当に真っ暗なので、よそ見をして他の人とぶつからないように気をつけましょう。


館内にはそれほど大きくないながらも、光を放つオブジェがいくつか置かれていて、ウズベキスタンの未来のビジョンについて説明されています。この二つはモビリティと都市計画に関する説明のオブジェだったはず。


こちらは美術関連の展示のようです。ウズベキスタンというと正直「中央アジアの国」というイメージしかありませんでしたが、民族的にはトルコに近く、完全なイスラム国家みたいですね。


そのエリアを過ぎると、アゼルバイジャン館にあったような円形のスクリーンに囲まれたシアターに通されます。投影されるのはセリフのないイメージ映像のようなもので、何の気なしに見ていましたが、実はここに大きなギミックが隠されています。勘のいい方ならすぐに気付くかと思いますが…

5分強の映像が終わってかぱっと扉が開くと、真っ暗な空間とは対照的に太陽の光が注ぎ込む屋上庭園に出ました。実は円形スクリーンは巨大なエレベーターになっていて、映像を見ている間に1階から2階へと移動していたのです。途中、スクリーン内にある支柱の動きを見てようやく床が動いていることに気づきましたが、一本取られた、という気分でした。


屋上庭園に並ぶ丸太は近隣各県や飫肥・水俣などから集められた杉を使用しているそうです。木材の表面に付けられたNFTタグを読み取ると産地が分かるようになっています。
大阪ヘルスケア リボーン体験(当日予約)


続いてコモンズ館を巡った後(別途記事化予定)、いよいよ大阪ヘルスケアに入場します。ここは「リボーン体験」「モンハン」「人生ゲーム」「予約なし入場」と4パターンの入場方法があり、非常に複雑です。建物は3階建てで、中には大きなロビーが広がっていて、全パビリオンの中でも最も立派な造りと言えそうです。
筆者は予約時間通りに来場したのですが、館内の行列が長くなかなか進みません。この間に次の当日予約と、リボーン体験に必要なアプリのダウンロード&登録を済ませましたが、それでもまだまだ待たされます。結局、25分ぐらいは待ったでしょうか。


ようやく順番が来ると腕に巻くハンドストラップが渡され、プリクラの機械のようなブースに通されます。ここには様々なデバイスがあって、言われるがままに操作していくうちに健康診断が行われます。毎年面倒な人間ドックもこんな感じで簡単に終わるようにならないかな…と思っているうちに結果が出ました。

結果はこんな感じ。実年齢より若いか若くないかはノーコメントとしますが、髪ランクがEなのは朝の大雨でぐちゃぐちゃになったせいだということは声を大にして言いたいです(誰に?)。


測定を終え、エレベーターで未来の世界にタイムスリップすると、いよいよ2050年のミライの自分とご対面です。一人で見ると「ふーん」という感じで終わってしまいましたが、グループならきっと盛り上がるはず。


そして、健康診断の結果に応じてサンプル品がもらえます(大阪ヘルスケアロゴ入りの貴重品)。ここから先は、大阪の各企業によるヘルスケア関連の展示となります。この宙を舞う布は、卵の殻から再生したエコな布らしいです。


目玉が飛び交うブースでは、目の年齢を測定してくれます。その横では、未来のヘルスケアの様子を映像で紹介。このあたりまで来ると前日からの疲労が蓄積してきて、なかなか行列に並ぼうという気が起きずスルーします。


腸内環境について調べてくれるというブースは、画面上で質問に答えていくだけのようでしたし、CGで自分の髪形をバーチャルに変えられるというブースは並んでいるのが女性ばかりだったので、これまたスルー。


宇宙服姿のマネキンが並ぶエリアでは、超音波で手の洗浄をしてくれる体験ができます。どうやら宇宙船でもこの技術が活用されているそうで、確かに手がすべすべになりました。その次のエリアでは、キラキラの宝石が大量に積み重なったようなオブジェが登場。見る角度によって色味が変わるのが特徴だそうで、記念撮影に良さそうです。

その先はだんだんヘルスケアと関係なくなり、「未来の都市パビリオン」のようなブースが並びます。鉄道ファンとしては見逃せないのが大阪メトロのブースです。プレハブ小屋サイズのブースの中で未来の交通網に関する映像を眺めます。


未来の梅田や御堂筋の映像が流れますが、梅田は地下鉄線路の上の地盤がなくなり掘割のようになっていますし、御堂筋はクルマが走らなくなり公園として整備されています。筆者が生きている間に実現することは無さそうですが、何割かぐらいは現実になっているんでしょうか。


その後は未来の教育、未来の都市などを再現したブースがあって、おしまいとなります。言い忘れていましたが、各ブースの入口にはハンドストラップをかざす機械があって、これを巡ればめぐるほど健康状態が改善する(=リボーンする)という趣向になっています。


筆者も頭髪以外はAに改善しました。リボーン体験の最後は、全参加者のアバターが大阪各地を舞い踊るという映像が流れます。「自分が写っているのを見つけにくいので(写真ではなく)是非動画を撮ってください」と係の方は言っていましたが、筆者はアップになることなくモブで終わってしまったので、映像を見返してもどこにいるのか分かりませんでした。


ここを過ぎると他のコースと合流し、iPS心筋シート(前日PASONA館でも見ましたが)、そして人間洗濯機の展示があります。人間洗濯機は一日5回実演もあるようですが、タイミングが合わなかったため見ずに先に進みます。


次は、大阪の中小企業が月替わりで展示を行うコーナーで、ひな人形やランドセルなどの展示がありました。小さいランドセルがずらっと並ぶ姿はちょっとフランス館に似ている?

最後はなかなかの広さがあるフードコートがあって、ようやくお終いとなります。見ての通り展示のボリュームはかなりのもので、途中のブースはかなり飛ばしたものの、このパビリオンだけで2時間近くを要しました。全ての体験をしたいならばもう1時間は掛かるでしょう。このパビリオンの次の予約までは十分に時間の余裕を持たせた方がよいです。
ロボット&モビリティステーション:2回目(待ち時間なし)

次に、過去一度訪問した「ロボット&モビリティステーション」に来ました。全然並んでいなかったのでふらりと立ち寄っただけなのですが、中の様子が全く変わっていてびっくり。前はもっと雑然としていて「ラボ」といった雰囲気だったのですが、今回は非常にすっきりとしています。


様々な産業機器が並んでいますが、気になったのは「AIスーツケース」というものです。中にバッテリーやセンサーが仕込まれていて、視覚障がい者の歩行をナビゲートしてくれるのだとか。稼働可能な現物もあって体験もさせてくれるようでした。このパビリオン、それほど話題にはなっていませんが地味にすごいものも展示されているので、一度は立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
国際連合(3日前予約)


次にやってきたのは予約しておいた国連パビリオン。見ての通り球をモチーフとしているようです。予約を持っている人は少なくて、筆者の入場した後には予約なしの方がぞろぞろと入場してきました。この様子を見ると、予約なしでもすぐに入れそうです。
テーマは国連関係の団体の紹介(IAEAとかUNICEFとか)とSDGsです。最初のエリアではモニタに映し出された団体名を押すと、関連する頭上のオブジェが光る仕組みになっています。


次のエリアでは半球状のシアターで映像を眺めます。内容はグテーレス事務総長のスピーチなどでした。そして、出口にはアンケートに答えると誰でも参加可能な「国連ガチャ」もありました。筆者もやってみましたが、中に入っていたのは「IFAD(国際農業開発基金)」について説明した紙切れのみ。運が良ければもっといいものが当たったりするのでしょうか。
コモンズE(待ち時間なし)


次にやってきたのはコモンズE館です。ここはコモンズA~Dより面積が狭いうえ、海外パビリオンではなく「万博漫画展」というのが行われています。建物の奥の方には使われていないブースもあり、漫画展は建物の一部のみを使用しているようです。入口には中津城の写真に鎧兜、それになぜかキティがいるカオスっぷり。

館内には、様々な漫画家の方が描いた戦国武将のポートレートがずらっと飾られていました。
関西パビリオン:2回目(当日予約)
そのあとコモンズ館などを巡った後、当日予約を確保できた関西パビリオンへ。ここは過去に一度来ていますが、各県のブースに入るには中でまた並ばねばならず、滋賀と福井のブースは入れずじまいだったため再訪することに。館内はトイレも休憩用の椅子もなく、待ち時間も長いので一度の訪問で全県のブースを見るのは至難の業でしょう。
福井


最初にやってきたのは「恐竜王国福井」。テーマも分かりやすいのでお子様を中心に人気がありました。入館前に懐中電灯のような専用デバイスを渡されます。
入館すると、壁に土の塊のようなものが映し出されます。ここにみんなでライトを当てると「発掘」が開始され、無事発掘が終わると恐竜の正体が分かります。

次のエリアでは、360度スクリーンに恐竜の影が表示されるので、これにライトを当てると正体が分かります。後半は恐竜の繁栄した時代から絶滅に至るまでの様子を紹介するドキュメンタリー風の映像が流れます。
京都


次に来たのは京都ブースですが、前回とは展示内容が全く変わっていました。前半は西陣織(だったか)に特殊なスピーカーを仕込み、「音を発する布」のようにしたものを展示。後半は丹後地方特産の鉄器の紹介で、鉄製のチェスや刀などが展示されていました。
滋賀

次にやってきたのは滋賀ブースです。ここでも20分近い待ち時間があったのですが、係の方より映像の見所から滋賀県の名所まで、休むことなくお話があり飽きずに済みました。実はこの頃が前日からの疲労のピークで、半分意識が飛んでいたため内容はあまり記憶にないのですが、入口付近にあるこの丸いパネルは信楽焼でできているそうです。


シアターに入ると、滋賀県の名所や名物を巨大スクリーンで紹介します。特徴は天井から吊るされた大量のピンポン玉のような球体で、これがシーンに合わせて様々な色・高さに変化します。例えば延暦寺・不滅の法灯のシーンでは火の粉のように変化。


春の彦根城のシーンでは桜の花びらが舞うかのように動き、名物の織物を紹介するシーンでは糸から布に変化する様子を再現。このようにピンポン玉の動きと映像が実によくシンクロしていて、これを考えた人は相当センスあるなと思いました。滋賀の名所の映像も美しいですし、関西パビリオンの中ではこの滋賀ブースが個人的に一押しです。(子連れなら鳥取とか福井の方がよいかもしれない)
徳島


徳島ブースでは、名産の藍で染めた布や、スクリーン前に立っている人が影のように表示されるVR展示がありました。ここの藍染体験が話題になっているそうで、水の入ったタライなどの道具が片隅に置かれていました。
兵庫

最後は、入口にコウノトリの折り紙が大量に飾られた兵庫ブース。イザナギ・イザナミの国生み伝説から阪神大震災に至るまでの兵庫県の歴史を映像で紹介します。館内は何故か撮影禁止とのことでしたが、芸能人が出てくるとかいうこともなく、ごくオーソドックスな映像でした。
各ブースで並んだりしているとあっという間に時間が過ぎ、結局ここにも2時間近く滞在しました。時刻はもう18時過ぎで、結局祇園祭どころではありませんでした。
よしもと waraii myraii館(待ち時間5分)

少し休憩し、やってきたのはシンガポール館の偽物(?)のような赤い球体が目立つよしもとパビリオンです。このパビリオン、実態は知っていたのでこれまで敢えてスルーしていましたが、訪問パビリオン数を稼ぐために訪問してみることに。
ここは事前予約も可能なはずですが予約してくる人は全然おらず、予約なしの列も短いので5分と経たずに入場できました。


館内の展示物は巨大なネギ(花言葉は「笑顔」)のオブジェに、ボタンを押すと5秒でゲームオーバーになってしまうゲーム機、それと他に1つか2つオブジェありましたがそれだけで、過去最短の2分で見学終了しました。
…見て分かる通り、このパビリオンを予約する意味は正直なところありません。中には3日前予約の際に「他がどこも開いてないから」と予約してしまう人もいるかもしれませんが、万博の予約サイトでは「どこかのパビリオンを予約している時間帯は、他パビリオンを重複して予約はできない」というルールがあり、ここを無駄に予約したせいで他の予約困難なパビリオンを当日予約できるチャンスを失う恐れがあります。なので、ここ含め当日でも簡単に入れるパビリオン(UAE館など)は予約しないことを推奨します。

…と散々なことを書いてしまいましたが、赤い球の横にあるステージは予約なしで入れるうえ、けっこう名の売れた人も出演するようです(その日の出演者は公式サイトで確認できます)。事実上このステージがパビリオンのメインだと言っていいでしょう。
e Mover(待ち時間5分)


この日のパビリオン巡りはこのあたりで打ち止めとし、交通系マニアとして前から気になっていた構内輸送バス「e Mover」に乗ってみました。このバスは電気式で、普通のEVと同じくケーブルで充電できるほか、スマホのようにコードレスでの充電も可能です。バス停の下に充電用のコイルが張り巡らされており、停車中に充電することで電池の持ちを良くしているのだとか。
バス停は表通りからは見えない、やや目立たない所に設置されているうえ、案内の看板も目立たないため、乗車の際は地図で場所を確認する必要があります(公式マップ、つじさんの地図どちらにも記載あり)。
また、バスのルートは西ゲート付近を起点に会場の周りをぐるっと一周していますが、ルートの都合上時計回りのルートは停車するバス停が限られますので要注意。詳しくは公式サイトをご覧ください。
バスは3~4分おきに運転されているようで、バス停が目立たないこともあって待っている人はそんなに多くありませんでした。バス停にいる係員さんがもっている端末で運賃400円を支払い、1台待ってバスに乗り込みます。西ゲートから東ゲートにかけては大屋根リングの海上部分、ちょうど噴水ショーの裏あたりを走行しますが、この道は徒歩では立ち入れないので何だか新鮮な気分でした。
ウォータープラザマーケットプレイス東のフードコート

バスを降りると18時半過ぎ、まだ噴水ショーには時間があるので、ポルトガル館向かいのファミマ2階にあるフードコートでたこ焼きとポテトフライ、生ビール(各500円)を買って休憩します。この日も朝に新大阪で買い込んだパン・おにぎり以外、ここまで何も食べていなかったような…
席は案外空いていて、あっさり座ることができました。よくよく考えると、ここかファミマで食料を買い込んで、噴水ショーの場所取りをした方が良かったのかもしれません。
アオと夜の虹のパレード

19時過ぎ、噴水ショーの場所を取りにやってきましたが、海沿いの鑑賞エリアの席はほぼ埋まってしまっていました。立ち見はしんどいので、null2とチェコ館の前にあるベンチ(上記「アオと夜の虹のパレード」のロゴの手前)に陣取りました。ここは目の前が通路となっていますが、警備員さんが常駐して通路に立ち止まろうとする人を追っ払ってくれるので、割としっかり全貌を見ることができました。


見ての通り、ショーが始まると巨大オブジェ「ウォーターカスケード」に映像が映し出されます。この映像を中心としたストーリー仕立ての内容かと思っていたら、後半の方は割と超展開というか、悪者(?)が現れてそれを追い払うまでの展開は特にセリフもなく進んでいきます。噴水や炎の迫力、それに音楽は素晴らしいので、純粋にそれらを楽しむぐらいのつもりで見た方がいいのかもしれません。
あと、水辺からは結構離れていたにもかかわらず案外水が飛んできました(ショーが盛り上がる後半部は特に)。最前列だとかなり水を浴びることになりそうな気がします。水は塩分を含んでいるようですし(例の水質の問題はクリアしているはずですが)、気になる人は最前列は避けた方がよいかもしれません。ちなみに筆者はシンガポールの噴水ショーを最前列で見て海水を浴びまくり、全身塩まみれになったことがあります…

最後はオブジェの上に虹がかかり、大団円となります。
筆者はこの日のうちに新幹線で東京へ帰らねばならないので、ショーが終わったところで席を立ち、東ゲートへと急ぎます。この日は噴水ショーの直後にドローンショーも行われ、ほとんどの人はそのまま鑑賞していたので帰宅ラッシュには巻き込まれずに済みました。中央線、御堂筋線を乗り継ぎ、新大阪21時発の新幹線に飛び乗って帰宅しました。
今回の遠征で、海外パビリオンはエジプト館と、訪問直後に開業したネパール館を除いてすべて訪問しました。国内パビリオンも、住友館など予約困難なものと、そもそも訪問するつもりのないミャクミャクハウス以外は行き尽くしたはず。
実は8月に家族で万博を再訪する計画はあるものの、ひとり万博はさすがにこれが最後かもしれません…しばらくしたらまた「万博ロス」が再発して一人で来てしまうかもしれませんが。
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