2024年3月16日、北陸新幹線金沢~敦賀間が開業しました。開業初日に早速乗りに出かけ、様相の一変した敦賀駅や福井駅を見てきました。
朝の京都駅でダイヤ改正を実感
北陸新幹線金沢~敦賀間の開業した3月16日、本来ならば東京発の「かがやき」で北陸へ直行…といきたかったのですが、この日は別件のため朝一番の東海道新幹線で京都へと向かいました。行先表示板を見ると、「サンダーバード」の行先が「敦賀」に変わっていて(写真だと日光が反射して見づらいですが)、北陸新幹線延伸を実感します。
北陸新幹線とは関係ないですが、京都駅の奈良線ホームには、国鉄時代に東海道・山陽線向けに投入された205系の姿が。そういえば大和路線に残っていた201系も間もなく姿を消すとのことで(ダイヤ改正を以って完全消滅という訳ではなさそう)、この205系が京阪神では最後の国鉄型車両となりそうです。加古川線あたりまで行けば103系もまだ残っていますが。
敦賀駅に出現した巨大な新幹線ホームを観察
私用を終え、15時過ぎに敦賀駅へとやってきました。新幹線開業前からあった平屋建ての駅舎はかつてのままですが、その後ろには巨大な新幹線ホームができています。
駅前では新幹線開業を祝うイベントが開催され、多くの人が集まっていました。駅構内は見学や試し乗りにやってきた地元の人、そして各地から集まった鉄道ファンでごった返しています。特に切符売り場は大混雑で、「JRの乗車券」「入場券」「ハピラインふくいの乗車券」の3つに列を分けていましたが、いずれも長い列ができていました。
敦賀駅・福井駅ともにしばらくは混雑が続くと思われ、乗車券類は他の駅で事前に購入するか、「新幹線eチケットサービス」などのチケットレスサービスを利用したほうがよいでしょう。
ちなみに敦賀駅で販売していた入場券は記念切符のようなものではなく、ごく普通のマルス券でした。あらかじめ大量に印刷しておいた切符を現金で手売りしていたので、他の列に比べるとはけるのは早かったです。
改札を通ると、在来線ホームへと向かう地下道は昔の姿のまま残っていました。在来線ホームはこの日開業した「ハピラインふくい」との兼用となったため、駅名標にはハピラインふくいのマークが入っていました。
在来線ホームは以前と変わらない姿ですが、この日からは特急の発着はなくなり、JRとハピラインふくいの普通列車のみが入線することになります(写真はJRの521系)。一方、在来線の背後には新幹線の駅舎が… 改めて見るとやはり巨大です。
さて、敦賀駅改札の横には、旧来の通路とは別に写真のような新しい階段ができていました。こちらを通ると新幹線駅舎に向かうことができます。
階段を登ると長い通路が続いており、途中には「動く歩道」も設置されていました。動く歩道を過ぎて再び階段を登ると、ようやく新幹線駅舎のコンコースに到着です。コンコースはアーチ状の高い屋根が印象的で、かなりの広さがあります。
コンコースには写真のような巨大なディスプレイや、珍しい直方体のディスプレイが設置されていて、ハイテクの香りがします。表示内容はいずれも地元の観光案内でした。
コンコースの床を見ると、「サンダーバード」「しらさぎ」と書かれた矢印が印刷されています。これを追って階段を降り、新幹線ホームの下層にある在来線特急乗り場に行ってみます。
ホームには683系の「サンダーバード」「しらさぎ」が停車していました。両者の停車位置を見てみると、サンダーバードは福井寄り、しらさぎは米原寄りに停車しています。どうやら、両者の停車位置をあえてずらすことで乗客が利用する階段を分散させ、階段が混雑することを防いでいるようです(サンダーバードが12連だとホーム一杯に停車してしまうのであまり意味がないが)。先程の矢印は、サンダーバードやしらさぎへの乗り継ぎ客を列車の停車位置にナビゲートするためのもののようです。
ちなみに到着列車は31・32番線、始発列車は33・34番線とホームを分けており、これも混雑緩和のための工夫のようです。
このように数々の混雑緩和の工夫がなされている敦賀駅ですが、実際に歩いてみるとコンコースの横方向の移動距離が結構長く、対面乗り換えが可能だった武雄温泉駅と比べると乗り換えの負担は結構大きいという印象でした。
いよいよ北陸新幹線延伸区間に乗車
敦賀16:04発→福井16:21着 かがやき512号
駅の見学を一通り終え、いよいよ新幹線に乗車します。今回はえきねっとの「新幹線eチケット」を利用しました。以前の記事で、「新幹線eチケットはEX予約と違って座席票の発行はない」と書きましたが、実は駅構内に写真のような「座席票発券機」なるものが置かれており、ICカードをかざすと席番が印刷されたレシートのような紙(ANAの搭乗口で渡されるやつみたいな外見)が出てきます。便利な機能のはずですが、あまり存在が知られていないのか利用している人はほぼいませんでした。
長いエスカレーターでホームへ登ると、天井には高い屋根が掛かっています。屋根上部の地上高は相当な物のはずで、つくづく「高い駅」だなあと思います。
列車に乗る前に、ホーム端部へ行ってみます。やはり新幹線の「顔面」は人気が高く、写真を撮ろうとする一般の方が多く集まっていました。そして反対側に目を移すと、線路の終端部が見えました(左に分岐するのは車両基地への線路)。将来的には、ここから小浜や京都、大阪方面へと線路が延びていくはずです。
さて、敦賀から福井まではノンストップの「かがやき」に乗車します。敦賀を発車した列車は、在来線や国道バイパスをまたぎ(このバイパスの影響で新幹線ホームが高い位置に設置されることとなった)、新北陸トンネルに入ります。在来線の北陸トンネルも長かったですが、新北陸トンネルも20km程と長く、「どこまで続くんだろう」と思うほどでした。
トンネルを抜けると、追い抜き可能な構造の「越前たけふ」を通過。あとは主に田園地帯を走って、敦賀から17分で福井駅に到着です。
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