【3/18うめきた新駅開業】地下化された梅田貨物線に乗ってみた 一足先に新ホーム体験(2023/2)

2023年3月にJR大阪駅地下ホームが営業を開始しますが、その直前の2月に地下化された梅田貨物線の列車に乗り、一足早く新ホームの様子を眺めてきました。

新大阪から大阪に至る2つのルート

関西人でも知っている人は多くないかもしれませんが、JRの新大阪から大阪駅方面へのルートは2つあります。1つは新快速などが走る一般的なルート、もう一つは旧梅田貨物駅(現在はグランフロントとして開発中)を経由して福島駅付近で大阪環状線と合流し西九条へと向かうルートで、大阪駅にホームはありません。そのため、このルートを使う「はるか」「くろしお」は大阪駅を通過していました。

このルートには2011年に乗車したことがあります。両ルートは淀川を渡るところまで並走しますが、渡り終えたところで二手に分かれ、しばらく街中を走った後、阪急の高架橋をくぐり、梅田スカイビルの脇に至ります。この辺りから単線となり、いくつかの踏切を通った後、福島~野田間で大阪環状線と合流します。列車からは大阪駅前のビル群が遠巻きに見え、賑やかな大阪駅の裏舞台をこっそりと通り過ぎるような気分になったのを覚えています。

「スーパーくろしお」グリーン車からの車窓(2011年撮影)

「うめきた新駅」&旧梅田貨物駅ルートは乗りつぶしの対象?

旧梅田貨物駅の再開発に伴い、地上を走る線路を地下化した上で大阪駅近くに移設する工事が数年前から行われていました。この工事が2023年2月に完成し、貨物列車を含め全列車が地下ルートを走行するようになりました。3月18日のダイヤ改正からは、新たに設置されたプラットホームが稼働を開始し、「はるか」「くろしお」が晴れて大阪駅に停車することになります。併せて、新大阪止まりだったおおさか東線も大阪駅まで乗り入れるようになります。

この新ホームはこれまで、「うめきた新駅」「北梅田駅」などと通称され、北新地駅のように大阪駅とは別の駅として設置されるとみられてきましたが、結局は大阪駅の一部として開業することになりました。元の大阪駅とは地下通路を介して繋がっており、東京でいえば京葉線東京駅のような位置づけになります。そのため、路線図上は新線ではなく、既存の新大阪~大阪~福島間の線増扱いとなるため、一般的な乗りつぶしルールではJR全線完乗には影響しません。とはいえ、折角の新ルートですので是非乗っておきたいと思い、たまたま別件で関西を訪問した際に乗りに出かけました。

新大阪から、久々の「はるか」乗車

まずは、去年6月にも乗った新横浜6時発の「ひかり533号」にて新大阪に向かいます。そういえば、3月改正からは新横浜始発の「のぞみ」が誕生し(ただし不定期運転)、ひかり533号は関東から新大阪への一番列車の地位からは陥落してしまう予定です。新大阪に降り立つと、おおさか東線からやってきた221系が2番線に停車していました。新大阪で折り返す光景が見られるのもあとわずかです。

このところ、雪による大幅なダイヤ乱れや旅客の閉じ込めで非難を浴びたJR西日本ですが、この日も京都線のダイヤは乱れており、乗ろうとしていた「はるか」も7分遅れての到着でした。やってきた281系はド派手な「キティちゃん」のラッピングが前面から側面に至るまでなされています。日本文化好きなインバウンド観光客を狙ったものなのでしょうか?車内に入ると、枕カバーまでキティちゃんでした。

281系に乗るのはデビューから間もない頃以来なので、おそらく20数年ぶりでしょうか。座席も内装もすっかり年季が入り、「お互い年を取ったなぁ」と言いたくなりました。

コロナ禍で激減した関空の需要は回復しつつあるようで、列車は大きなトランクを抱えた外国人客などでなかなかの盛況でした。新大阪を出た列車は淀川を渡ると右にカーブして、本線と分かれます。地上に降りると程なく、新しく設置された地下線に入ります。まだ工事の様子が生々しく残っており、地上時代に使っていた線路も残っていました。地下線を淡々と走ると、いよいよ真新しい大阪駅の地下ホームに入ります。もっとも、駅は未開業なのであっさりと通過してしまいます。

大阪駅の「はるか」「くろしお」が使用するホームには、日本で唯一の「可動式フルスクリーンホームドア」が設置されています。これは東京の南北線のようなフルスクリーン式のホームドアでありながら、扉の動きにより2ドアや3ドアの車両に対応できるという優れものです。もっとも、このホームに入線するのは2ドアの「はるか」「くろしお」ばかりらしいので、本領を発揮できるかは分かりません。

大阪駅を出ると単線になり、大阪環状線の高架線に向けて上っていきます。この区間は貨物列車も走るのですが、貨物列車にはやや厳しい勾配のため、後ろに補機を従えて走行するという珍しい光景が見られることになりました。地上に出ると、なにわ筋と長い踏切で交差します。どうやらここだけは平面交差を解消できなかったようで、なにわ筋線の完成により旅客列車が通らなくなるのを待つしかなさそうです。

列車は西九条で貨物線から環状内回り線に転線。あとは環状線をのんびり走り、大阪ドーム(とその横にある巨大なガスタンク)が見えてくると天王寺まであと少しです。新今宮手前で大和路線に転線し、天王寺駅の地上ホームに到着しました。

天王寺からJR難波へ…ようやく工事の始まった「なにわ筋線」の様子

少し時間があるので、長らく乗っていなかった大和路線の天王寺~JR難波間にも乗ってみることにしました。地下化直後に来て以来なので、20数年ぶりでしょうか?やってきた車両は引退目前の201系でした。見た感じ車体の状態はまだ良さそうですが、出発時のぎくしゃくした乗り心地を味わうと「古い電車なんだな」というのを実感します。

そんな201系に乗って、JR難波に到着。ホームの行き止まりの方を見てみると、なぜか明るく照明が照らされており、線路の終点の先にもある程度線路を敷くスペースが確保されているのが分かります。実はこれが将来なにわ筋線になる予定で、ここからまっすぐ北上して先ほど見た大阪駅地下ホームに線路がつながる予定です。今のところ、工事をしている様子は見られないので完成はまだまだ先でしょうが、新たな路線の出現に期待です。

廃止された地上線跡を眺める

その後大阪駅に戻り、今通ってきたルートを大阪駅ノースゲートビルディングの屋上から眺めてみました。右側に写っているビルがグランフロント、奥に写っているのが梅田スカイビルで、その足元を通っている線が廃止になった貨物線です。(ちなみに、新しくできた地下ホームは写真下の方に見切れてしまっています) 今はグランフロントと梅田スカイビルの間が空き地になっていますが、ここも開発が進められるのでしょう。変貌著しい大阪梅田が更に大きく変化することになりそうです。

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