【片道450円】首都圏で数少ない都市間高速バス!東急バス「溝の口駅~新横浜駅直行バス」の特徴と魅力(2022/9)

溝の口駅と新横浜駅を第三京浜経由で結ぶ、首都圏では数少ない「首都圏高速バス」に乗車しました。たった450円で高速走行を味わえ、気分転換にはいい線です。

首都圏では数少ない「都市間高速バス」

「高速バス」と一口に言っても、昼行・夜行、長距離・短距離と様々ありますが、首都圏は人口が多い割に、普段使いの短距離の高速バスは少ないです。(逆に福岡あたりは都市高速を経由して郊外に向かうバスが多くてびっくりします) 鉄道網が発達している上、高速道路の渋滞が激しく定時性に欠けることが原因だと思われます。短距離の高速バスというと、空港リムジンかTDR行きの直行バスぐらいしか思い浮かばない方がほとんどではないでしょうか。

そんな首都圏に、たった450円(ICカード使用時)で乗れる短距離高速バスがあるのをご存じでしょうか。それが今回取り上げる東急バスの「溝の口駅~新横浜駅直行バス」です。20年以上の歴史を誇る古株の路線ですが、あまり話題になることもなく、沿線住民以外にはそれほど知られていない気がします。先日、そんな謎の路線に乗車してみました。併せて、開業が間近に迫った東急・相鉄新横浜線の工事の様子も観察してきました。

「溝の口駅~新横浜駅直行バス」の存在意義は?

そもそも、なぜ鉄道の発達した首都圏の駅同士を高速バスで結ぶ必要があるのか?、というのがまず疑問ですが、理由の一つは溝の口から新横浜への鉄道アクセスが意外に不便であることだと思います。最短ルートで移動しようとすると溝の口~(南武線)~武蔵小杉~(東横線)~菊名~(横浜線)~新横浜と2回乗換になりますし、あざみ野経由(田園都市線+ブルーライン)や長津田経由(田園都市線+横浜線)では大回りになってしまいます。新横浜から新幹線に乗る客は大きな荷物を抱えていることも多いでしょうし、極力乗り換えは避けたいでしょう。

また、このバスが経由する第三京浜の渋滞が非常に少ないことも、長く続いている理由だと思います。第三京浜は東京側で他の高速道路と直結していないため、近所の東名や保土ヶ谷バイパスなどに比べて渋滞が少ないという特長があります。

実際に乗ってみた

赤色のイメージが強い東急バスとしては異色のグリーンな車体(新横浜到着後に撮影)
側面には「Highway Liner」の表記が

「溝の口駅~新横浜駅直行バス」に乗るべく、日曜の11時頃に溝の口駅へとやってきました。溝の口は田園都市線と南武線の交差する駅で、駅前には「マルイ」など大型の商業施設が立ち並んでいます。発車10分前にバス停にたどり着くと、既に10人近くの客が発車を待っていました。程なく、本路線専用と思われる緑色ベースのバスが入線してきました。料金は先払いで、当然ながら交通系ICカードも使えます。バスの構造は一般の路線バスとほぼ同じですが、シートが全て2人掛けのクロスシートになっていて、シートの背面も大きく観光バスのようです。高速道路を走行するため、全ての席にシートベルトを装備しているのも特徴的です。

路線バスと高速バスの折衷のような車内
溝の口を出ると南武線沿いを進む

しばらくバス停に停車して乗客を待った後、発車。溝の口駅のロータリーを出て、南武線沿いの道を南下します。第三京浜に入るまでの間に市中のバス停2つに停車し、数人の乗客が乗ってきました。結局、窓際の席はほぼ埋まり、利用が定着していることがうかがえます。新横浜から新幹線を利用するのか、トランクを抱えた客も目立ちます。

京浜川崎ICから第三京浜へ
第三京浜は流れもよく、スムーズに快走

京浜川崎ICから、いよいよ第三京浜に入りますが、日曜午前とあって流石にやや混雑していました。それでも5分ほどの停滞で何とか切り抜け、料金所を通過します。第三京浜の流れはよく、あっという間に港北ICに到着します。今回はたまたま運転席直後の席に座れたため、前面展望写真を撮ってみました。(感染防止用のビニールシート越しに撮影したため若干ボケてしまっています)

複雑な線形の横浜港北JCT
巨大な日産スタジアムが見えると新横浜はもう間近

港北ICは第三京浜と首都高のジャンクションも兼ねており、何本もの高架橋が複雑に絡み合う線形となっています。もちろんバスは迷うことなく通過し、新横浜へ向かうだだっ広い幹線道路に出ます。しばらく走ると巨大な日産スタジアムの前を通過します。ここにもちゃんとバス停があるので、スタジアムへのアクセスに使えます。日産スタジアムを過ぎると、程なく新横浜駅前のロータリーに到着。ダイヤ通りほぼ30分で到着しました。

開業間近、東急・相鉄新横浜線の様子を見る

新横浜線開業に合わせて改装された地下鉄ブルーラインの既存改札
新横浜線の改札口は、ブルーラインの改札口近くに設置される

新横浜といえば、いよいよ来年3月に東急目黒線と相鉄線を直結する「新横浜線」が開業し、相鉄線から東急目黒線・東横線方面への直通運転が始まります。せっかく新横浜まで来たので、その様子を見に行ってみました。新横浜線のホームは新幹線や横浜線のホームからはやや離れた、駅前を走る幹線道路(環状2号)の直下に作られます。地下鉄ブルーラインのホームとクロスする形になっており、ブルーラインとの乗り換えは便利そうです。

駅構内に、完成後の乗り換えイメージ図が掲示されていました。新横浜線の改札口が地下に2つ設置されるほか、乗り換え円滑化のためブルーラインにも改札口が新たに1つ追加されます。ちなみにこの工事に合わせて、既存の改札口もリニューアルされていました。

新横浜線開業に合わせて設置される改札口付近は囲いに覆われている
地下鉄ホーム側から囲いの中を眺めると、仕上げ工事中の様子が見えた

新たに設置される改札口はまだ工事中のため、白い囲いに覆われていました。後で地下鉄ホームから囲いの中を覗いたところ、今は内装の仕上げ工事中のようでした。新横浜線の方は見えませんでしたが、おそらく同じような進捗状況でしょう。

地上部の工事は完了し、復元作業が進んでいる

最後に新横浜プリンスホテル前の路上に出て、工事の様子を撮影しました。見ての通り土木工事はずいぶん前に完了しており、原状回復工事もほとんど終わっていました。開業までいよいよ半年を切り、乗車するのが今から楽しみです。

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