一年で5度目の関西、「また行くの?」と家族に呆れられ
コロナの緊急事態宣言が明けて以降、2021年9月・12月、2022年3月・5月と立て続けに関西を訪問してきたのですが、平日に休みが取れた6月のある日、再び関西へと足を延ばしました。家族にも「また行くの?」と呆れられましたが、今回の関西訪問にはやむを得ない事情(?)があります。エクスプレス予約のグリーンプログラムのポイントが6月末で切れてしまうため、それを行使する必要があったのです。
しかし、残っているポイントはおよそ1700ポイントで、「のぞみ」(1000ポイント)に片道乗るともう片道は足の遅い「こだま」(600ポイント)を利用せざるを得なくなってしまいます。そこで、今回は往復とも「ひかり」(800ポイント)を利用することにしました。とはいえ、「ひかり」にグリーンプログラムで乗るのは実はあまり賢明とは言えません。「ひかり」グリーン車は、「EXグリーン早特」を使えば通常の発売額+1000円ほどで乗れてしまうからです。
旅行の直後、「EXグリーン早特」が「EXグリーン早特ワイド」に変わり、普通席金額との差が2000円以上に開きましたので、グリーンプログラムの有益性が少しだけ上がりました。詳しくは以下の記事を参照。
一日一本、異色の新横浜始発「ひかり」
少し話が脱線しますが、「ひかり」といえば、かつては東海道新幹線の再速達列車であり日本を代表する列車の一つでした。上位種別の「のぞみ」登場後の平成前期も、「のぞみ」の本数がそれほど多くなく、かつ全車指定席で料金が割高だったこともあって、お金のない学生などはもっぱら「ひかり」を愛用していました。
しかし、エクスプレス予約が普及すると「のぞみ」と「ひかり」の料金差はなくなり、東名・東阪間を移動するユーザにとって「ひかり」は単なる遅い列車としかみなされなくなってしまいました。例えば、「のぞみ」は東京~新大阪間をだいたい2時間27分で走破する一方、「ひかり」は2時間54分と30分近く余計にかかります。そのため、「ひかり」しか停まらない静岡県内や米原などの各駅御用達の列車として細々と走る地味な存在になってしまいました。
そんな「ひかり」に1本だけ、「のぞみ」並みの俊足を誇る列車が存在します。それが午前6時ちょうどに新横浜を出発する「ひかり533号」で、新横浜から新大阪までの所要時間は2時間12分と、「のぞみ」の2時間8分に引けを取りません。途中、小田原と静岡に停車しながらもこの俊足なので、きっと途中区間は性能いっぱいの走りをしているのでしょう。
「ひかり533号」実乗
という訳で、グリーンプログラムを使って「ひかり533号」のグリーン車に乗ってみました。発車15分前にホームに上がると、既に列車が据え付けられていました。新横浜駅に夜間留置されて、そのまま始発になるようです。珍しい新横浜始発の列車ということで、思わず先頭部を撮影。ちなみに、上り線にも一編成夜間留置されていますが、こちらは回送で東京駅に向かいます。
ひとしきり撮影してグリーン車のある10号車に乗り込むと、車内は見事に空っぽ。その後3人ほど乗ってきましたが、天下の東海道新幹線とは思えない乗車率で新横浜駅を発車しました。そもそも新横浜6時出発では、埼玉や千葉からだと始発でもたどり着けない可能性が高そうです。直後に品川始発の「のぞみ79号」もありますし、横浜近辺に住んででもいなければわざわざ乗らないですよね。途中の小田原や静岡、名古屋で多少の乗車はありましたが、10号車は終始10人程度の乗車のまま京都に到着しました。
結論:エクスプレス予約会員は実用性低し
という訳で鉄道趣味的には色々と興味深い「ひかり533号」ですが、「ひかり」の特急料金で「のぞみ」並みの速さを享受できるということで一般の方にとっても乗り得列車と言えるでしょう。
しかし、「エクスプレス予約会員」ならば「のぞみ」「ひかり」共に特急料金は同額なので、料金面でのメリットはありません。加えて、先述の「EXグリーン早特」は「ひかり」だけでなく6時台発の「のぞみ」にも適用されるので、グリーン車に安く乗りたいのなら後続の「のぞみ」でも構いません。よって、グリーンプログラムの手持ちポイントが「のぞみ」分に満たない時ぐらいしか使い道はなさそうですね。あとは、盆暮れの超繁忙期に自由席の空席を狙う時とかは狙ってみるのもありかもしれません。
次回以降は、京都到着後の旅の様子について書きたいと思います。
おまけ:東海の券売機で「えきねっと」、東日本の券売機で「EX予約」を受け取ってみた
この春から、JR東海の指定席券売機で「えきねっと」で予約したきっぷを、JR東日本の指定席券売機(東京都区内・横浜市内など一部駅のみ)で「エクスプレス予約」で予約したきっぷを受け取れるようになりました。新横浜駅で早速試してみて、「えきねっと」の切符に東海の地紋(C)が、「エクスプレス予約」の切符に東日本の地紋(E)がついているのを見てひとりニヤリとしていました。
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