箱根「路線バス」駅伝 ~ 大手町ー芦ノ湖間を路線バスだけで踏破できるか?(2022/1/4)

青山学院の快走に触発され…

2022年の正月、毎年恒例となった東京箱根間往復大学駅伝(通称:箱根駅伝)が行われ、青山学院大学が過去の最短記録を更新する圧巻の走りで優勝を果たしました。

寝正月を過ごした私は、時折映り込む鉄道車両(京急、小田急、箱根登山線などを見つけることができた)を気にかけつつ自宅で中継を見守っていたのですが、学生ランナーの熱い走りに触発され(?)、ふと自分も箱根駅伝をやってみたくなりました。とはいえ本物のランナーさながらに自分の足で走るのはせいぜい15kmが限界でしょうし、電車で移動するだけでは簡単すぎて別に面白くもありません。ならば、大手町~箱根間を路線バスのみで移動するというのはどうだろうか、などと考えました。大変過ぎず楽過ぎず、正月休み最終日のお出かけのお題としてちょうど良さそうです。

当初は箱根駅伝のルートを極力トレースし、途中の中継所全てに降り立とうなどと考えていたのですが、色々調べてみると駅伝ルートをトレースするには相当数のバスを乗り継がねばならず、しかもバスが途切れている区間もあって、一日では到底実行不可能であることが分かりました。結局、途中のルートは問わず、大手町から箱根を目指してバスを乗り継ぐことにしました。当日は前後の予定もあり、チャレンジを行うのは朝9時半~夕方17時の間とせざるを得ませんでした。

テレビ版「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」のような下調べ・Webアクセス禁止のガチンコルールだとさすがに厳しいので、途中の想定ルートはある程度下調べし、車内でスマホを使い随時ルートを調べたりはしました。それでも、本当に実行可能であるか否かの確認はあえて行わずに挑みました。果たしてどこまでたどり着けるのでしょうか?

競走結果

今回の乗り継ぎルートマップは以下の通りです。

以下、途中ルートの走破状況について述べていきます。

まずはスタート地点へ

世間では仕事始めの企業もちらほら見られる1月4日、朝の東京駅へとやってきた。今回のバス旅は「箱根駅伝」コンセプトなので、バスに乗るのに先立ち、駅伝のスタート・ゴール地点である大手町・読売新聞社前を詣でることとした。まだ正月休みが明けていない企業も多いのか、通勤客の姿も少ない。わずか1日前、青山学院大のゴールの瞬間には多くの人が集まり、大いに盛り上がっていたのが嘘のように静まり返っていた。スタート地点に置かれた、駅伝ランナーを模したオブジェと、歴代優勝校が書かれたプレートを眺めた後、東京駅へ戻る。

駅伝のスタート地点、読売新聞社前。
歴代優勝校の名前を刻んだモニュメント。2022年青山学院大学の名前はまだない。

第1走者 東京駅南口9:35発~大鳥神社前10:13着 東急バス(東98)

赤レンガ駅舎の前に広がる、東京駅丸の内口のバス乗り場に向かう。そこには、都バスに交じってやや場違いな東急バスが停車していた。東京在住の方ならご存じの通り、山手線の内側の都心部は都バスの天下で、それ以外のバス会社の乗り入れは非常に少ない。そんな中、東急バスは目黒から山手線内に堂々と乗り入れ、東京駅まで路線を延ばしている。ちなみに東急が山手線内に乗り入れる路線は、渋谷駅周辺のコミュニティ路線を除けばこれがほぼ唯一であるらしい。

バスに乗り込んで発車を待つが、結局他の客は現れないまま発車。山手線沿いに南下し、まずは東京国際フォーラムの前へ。ここでようやく私以外の乗客が乗ってきた。その後は日比谷公園や芝公園、慶応義塾大の前を通って、白金方面へ。バスのルートにほぼ並行する形で地下鉄三田線が走っているのだが、高齢者を中心に案外乗降客は多い。麻布や白金のあたりは坂も多く、バスの需要もそれなりにあるようだ。

バスは目黒通りを通って目黒駅に到着。駅を過ぎると権之助坂という急坂を一気に下って、目黒川を渡る。その少し先の大鳥神社前というバス停で下車する。バス停の名前にもなっている大鳥神社は初詣客で賑わっていた。

東京駅前に見慣れない東急バスの姿が。
東京駅を出てしばらくの間は車内はガラガラ。

第2走者 大鳥神社前10:21発~大崎広小路10:25着 東急バス(渋41)

大鳥神社前は目黒通りと山手通りの交差点で、山手通りにも多数のバスが通っている。この後は五反田~川崎間のバスに乗りたいのだが、目黒から五反田は微妙に距離があるので、山手通りのバスに少しだけ乗ることにした。程なく大井町行きの東急バスが来たので、乗り込む。

バスは大鳥神社前で時間調整のため少し停車したが、その後は信号に何度も引っ掛かり、大崎広小路には5分ほど遅れて到着した。

大鳥神社前にて。

第3走者 大崎広小路10:36発~戸手一丁目11:10着 東急バス(反01)

大崎広小路はバス停が分散しており、乗り継ぎの際は妙に歩かされた。大崎駅からやってきた川崎駅行きのバスに乗る。この路線は国道1号線を10km以上も延々と走る、都内でも屈指の長距離路線である。途中の西馬込までは地下鉄浅草線が並走しているが、10人ほどの乗客がいた。

国道1号線はまっすぐで信号も少なく、意外に早く西馬込に着いた。西馬込では地下鉄からの乗り継ぎ客も多いようで、そこそこの人数が乗ってきた。西馬込を出てしばらくすると、高架の鉄道線路が見えてきた。最初は何だろうかと思ったが、地図で調べるとこれは浅草線の車両基地であるらしく、営業列車が通ることはないようだ。

その後も国道を順調に走り、バスは多摩川を越えて神奈川県に入った。このあたりからバスはやや遅れ始め、3分ほどの遅れになった。川崎駅では次のバスまで5分ほどしか接続時間がなく、しかも駅周辺にはラゾーナ川崎など商業施設も多いので出入りする車で道が混んでいないか心配になった。そこで、戸手一丁目というバス停で下車し、国道1号線を歩いて次のバス停に向かうことにした。バスは戸手一丁目を出ると国道1号線を離れて脇道に入るので、こうすることで時間のかかる区間を回避できるはずだ。

大崎広小路のバス停は広く分散している。
川崎駅の手前、戸手一丁目で下車。

次のバスの通り道である南幸町まで、1km余りを歩く。途中、川崎南部市場というのがあって、その入り口にコンビニがあったので立ち寄る。腹が減ったが、ゼリードリンクを買ってしのぐ。何せバス乗車中はトイレに行くのもままならないので、過剰な水分取得は大敵だ。

第4走者 南幸町11:34発~横浜駅前12:22着 横浜市営バス(7系統)

南幸町から、横浜駅前行きのバスに乗る。このバスは川崎市内では見慣れない横浜市営バスの管轄で、これまたなかなかの長距離路線である。バスは南武線や横須賀線とクロスした後、鶴見川を渡る。そのすぐ先に市立病院があり、その構内に乗り入れる。病院敷地内は最高速度が極端に制限されているらしく、まだるっこしいほどの低速で構内を一周する。病院での乗降客は多かったのでそこそこ需要はあるようだ。

病院を過ぎると、バスは坂を登って丘陵地を進む。周辺は寺尾地区というようだが、鉄道駅からかなり離れているためかバス需要が高いらしく、立つ人も出るほどの混雑となった。かなり混んだ状態で、京急子安駅近くの大口通商店街に到着。ここでかなりの客が下車した。その後はJRの線路沿いに進んで東神奈川駅前へ。ここでほとんどの客が降りて車内はようやく落ち着いた。

東神奈川を出るとJRの上をまたいで海側に出て、蒲田方面から来たいわゆる「第一京浜」と合流する。最初のバスの途中から長らく箱根駅伝のコースを外れた所を走っていたが、これでようやくコースに復帰できた。しばらく走って、横浜そごうの構内にあるバスターミナルに到着。定刻よりもやや早く到着できた。

元住吉や武蔵小杉など、遠距離へのバスが発着する南幸町バス停。
横浜駅東口バスターミナルに到着。

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