【「さくら」ヘッドマーク】阪急電車で関西の桜スポット巡り(2022/3)

阪神線:昔ながらの車両に出会う

せっかく香櫨園駅まで歩いてきたので、大阪梅田への戻りは阪神を利用することにしました。香櫨園はラッシュ時以外は各停しか停まらない小駅ですが、駅の外を眺められるバルコニーのようなスペースも設けられた瀟洒な高架駅です。しばらく待つと、紺とクリーム色の昔ながらの塗装を纏った5000系(正確には5001形か?)がやってきました。最近の阪神は車両の置き換えやリニューアルが進み、私が関西にいた20年ほど前の面影を残す車両は本当に減りました。国鉄型を思わせる薄緑の化粧板もレトロです。

どこかの邸宅のような瀟洒な造りの香櫨園駅
もはや古豪の域となった5000系

西宮で8000系の直通特急に乗り換え、梅田へ向かいます。最初の停車駅は甲子園。かつての甲子園駅は、「よくこれで甲子園球場の大観客をさばけるな」というぐらいホームも通路も狭苦しい駅だったのですが、ホームが拡幅されたうえ、ホーム全体が大屋根で覆われた開放的な造りに変わりました。また、2年前から一部の快速急行が2両増えて8両編成で運転されるようになったため、4線あるうちの内側2線のみホームが延伸されていました。

次の尼崎では、両側にホームのある2番線に到着。特急の場合この駅では特に接続列車はないのですが、なぜか両側のドアを開けていました。ちなみに、奈良行き快速急行と大阪梅田行き急行が接続する際は、間の2番線に各停が停車し、両側のドアを開けて通路代わりとするという変わった接続方法をとります。

西宮から野田までの区間はほぼ高架化が完了していて、高架化のあまり進んでいない阪急神戸線とは眺めが随分違います。また、沿線に町工場が目立つのも阪神の特徴です。終始阪神高速と並行する形で進んでいくのですが、その高架橋が時々見えなくなるぐらい、高いマンションが増えてきました。

やがて地下に入り、終点の大阪梅田駅に到着。駅は拡張工事の真っ最中で、1番線ホームが北側に新たに作られたスペースへと移設されていました。このホームは工事の関係で他のホームとは壁で隔絶されており、しかも日中は入線列車がないことから閑散としていました。

大阪梅田駅の新1番線。新しいが閑散としており、天下の梅田の駅とは思えない
1番線の発車時刻表。夕ラッシュ以外ほとんど存在しない。12時台に使うのは車両交換のためか。
2番線の先頭部には古代ローマ時代のような古い彫刻が健在

京都線:大胆な減便もあるか??

最後に、阪急京都線に乗って一気に京都へ向かいます。大阪から京都の市中へ行く方法としては京阪もあり、以前一度だけ乗ったプレミアムカーにまた乗ってみようかとも思ったのですが、京橋や淀屋橋に出るのが面倒なのと、やはり今日は阪急な気分だったので止めておきました。阪神の駅から阪急の駅に移動する途中、フォトジェニックなスポットを発見。梅田の街はちょっと来ないうちにどんどん変化してしまうので、追随するのが大変です。

特急の定位置・1号線で発車を待つ9300系特急。

転換クロスシートを備えた9300系の特急に乗り、大阪梅田を発車します。最初は空いていましたが十三で結構乗ってきて、結局座席が軽く埋まり立ち客も出るほどの乗車率でした。一方、途中ですれ違った準急や各停はガラガラでした。

以下、たまにしか乗らない非沿線住民の勝手な妄言を少し。コロナ禍で鉄道会社の減収が著しい中、並行するJRや京阪では大胆な減便が相次いでおり、その波は阪急京都線にもやってくる可能性が高いのではないかと思っております。減便の方法としては、例えば現状の10分サイクルを12分もしくは15分に間延びさせるという方法もあるのですが、そうするとただでさえ混んでいる特急をも減便することになってしまうので、多分やらないのではないかと。となると、準急と各停の一本化が行われる可能性が高い気がします。すなわち、

【現状の運転パターン(10分サイクル)】
特急:大阪梅田~河原町
準急:大阪梅田~河原町
普通:大阪梅田~高槻市 or 北千里
普通:天下茶屋~高槻市 or 北千里

【減便後の運転パターン(10分サイクル)】
特急:大阪梅田~河原町
普通:大阪梅田~河原町
普通:天下茶屋~北千里

のような感じになるのではないかと。(南茨木あたりは準急がなくなると一気に不便になるので、救済で特急を停める必要があるかも) 阪急のダイヤ改正って想像の斜め上を行く内容が多く、予想が当たった試しがないですが…

妄想はさておき、電車は南方を過ぎると高架化工事区間に差し掛かります。この工事は、4方向から線路が合流する淡路駅をそっくりそのまま高架化しようという大胆なもので、2008年から2031年(予定)まで20年以上を掛けて行われる壮大なプロジェクトです。南方の次の崇禅寺駅は今の駅の直上に、淡路駅は今の駅の脇の敷地に高架駅が作られるようで、盛んに工事が行われていました。南方~淡路まではおおむね橋脚が完成していましたが、それより先は橋脚工事がまだの所も多く、高架化まではもう数年はかかりそうです。

淡路を出ると直線区間が増え、一気にスピードアップしますが、茨木市や桂の手前で前を行く普通や準急が前につかえて減速を強いられているようでした。特急が京阪間ノンストップだった時代は徐行などせずひたすら疾走していた記憶があるので、今の走りは何だかもどかしいです。その割に所要時間は昔と比べてほとんど延びていない(停車駅が増えたことを考慮すれば)ので、電車の性能アップで補っているのでしょう。

西京極駅を過ぎると、京都市内の地下区間に入ります。西京極~大宮までの地下線は、地下鉄銀座線に次いで日本で二番目に古い地下鉄です。その区間を進み、京都河原町に到着。

八坂神社~円山公園へ

今回京都ではそれほど滞在時間が取れないのですが、せっかく四条河原町まで来たので「八坂さん」こと祇園の八坂神社を参ることにしましょう。祇園に向かって四条通をてくてく歩きますが、人が非常に多くてなかなか早く進めません。特に最近流行っているのか、和装をした若い男女の姿がやたら目立ちました。京都の観光が復活しつつあることはありがたいことですが、人ごみに巻き込まれるのはたまらないので一筋外して裏道を進むことに。

すると、風情のある路地や無名の寺院、お地蔵さんが並ぶ京都らしい光景が残っていました。八坂神社や清水寺などメジャーどころもいいですが、こういう何気ないところを歩くのが京都観光の真の醍醐味だと、自称京都通の私としては思います…この話は長くなりそうなのでまたの機会にしましょうか。

四条通りから少し離れると、静かで趣のある通りがある
祇園祭にも深くかかわる八坂神社は、いつでも観光客で賑わっている

祇園交差点から山門へと上がり、境内を通り抜けます。境内には屋台が多数出店していて、こういう光景を見るのは久々だなと思いました。本殿の前を抜けると、その奥にある円山公園へ。ここは桜がちょうど見頃で、桜の下には机や椅子がいくつも備え付けられ、屋台で購入したものを飲食できるようになっていました。これも長らく見ていなかった光景ですね。2022年度はコロナ禍が収束し、こんな光景が全国でも当たり前になっていることを望みます。

円山公園の桜

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