【GUNDOM/いのちめぐる冒険ANIMA!/ネパール館】大阪万博・激混みお盆の弾丸訪問

筆者は通算8度目の大阪万博訪問で、「GUNDOM」「いのちめぐる冒険 ANIMA!」「ネパール館」など未訪問のパビリオンを巡ってきました。

これまで訪問したパビリオンの一覧はこちらから

万博マニア・最後の聖戦!?

筆者はお盆真っ只中の8月15日(金曜日)に東京から日帰りで大阪万博を訪問してきました(通算8度目)。元々は混んでいるお盆にわざわざ訪問するつもりはなかったのですが、今年のお盆休みはほとんど予定もなかったので、急遽日帰りで遠征することに。

前回訪問時点で既に全99個中92個のパビリオンを訪問済みなので、今回は総仕上げとして未訪問のパビリオンのうち「ミャクミャクハウス」を除く6個に何らかの足跡を残すことを目標としました。とはいえ、残るパビリオンは予約困難なものも多く、色々と妥協せざるを得ない面もありましたが…詳しくは後述。

5月撮影

という訳で、繁忙期のみ運転の新横浜始発「のぞみ97号」に乗って新大阪へ。新大阪到着は8時6分で、毎日運転の「のぞみ99号」より10分早く到着できました。万博会場へと急ぎたい身としては有り難い存在です。

そして新大阪からは例によって直通バスで会場へ向かいます。この路線、数ある会場アクセス手段の中でも個人的に一番のお気に入りで、実に4度目の利用となります。過去記事に書いたとおり万博専用の道路を利用する上、途中一般道を走行する区間がほとんどないため、距離の割に所要時間が短い(鉄道ルートより速い!)のが魅力的です。

当初は、まだ利用したことのない水上ルートを使ってみようかと思っていたのですが、訪問直前にこのバスの予約が取れたので急遽変更することに。

バスは順調に進み、9時ごろに西ゲート前に着きましたが、やはりお盆だけあって前回よりも行列は長く、50分近くかかってようやく入場できました。万博会場は入ってしまえば楽しいのですが、この入場待ちだけは毎回ストレスフルで参ってしまいます… この日は朝から暑く、入場の時点で大きく体力を削られてしまいました。

後で確認すると、この日の一般入場者数は約16万人と過去トップクラスの多さだったようです。8月上旬は比較的入場者数が少なかったので、猛暑を敬遠する人が意外と多いのかと思っていましたが、やはりお盆を舐めてはいけなかったようです。

それでは、今回巡ったパビリオンを軽くご紹介したいと思います。なお、パビリオン巡りのコツは過去記事を参考にしてください。

今回巡ったパビリオン

エジプト館(待ち時間30分)

最初にやってきたのはエジプト館です。ここは前回訪問後に開業したネパール館を除き、海外パビリオンでは唯一未訪問でした。列に並ぼうとすると「ここから90分待ち」という恐ろしい看板が設置されていましたが、実際には列の進みは早く(10分おきに30人ほどが入場)、幸い30分待ちで入れました。

入館直後のエリア
360度シアターに置かれたオブジェ

館内に入ると、壁面にはエジプトの王墓を再現したかのような模様が描かれています。ここで軽く説明を受け、次の360度シアターへと進みます。ちなみにエジプト人とおぼしきパビリオン担当者の説明は英語オンリーでしたが、日本人の女性が補助で付いていて日本語での補足もありました。

次の360度シアターの中央にはファラオの棺のような大きな箱が置かれ、古代エジプト語が書かれていました。他パビリオンだとこれがプロジェクションマッピングで色々と変化したりもするところですが、今回は何も変化なしでした。

で、この部屋で古代のエジプトをテーマとした3分ほどの映像を見ます。映像は古代エジプトの街並みに始まり…

ギザの3大ピラミッドにツタンカーメンのマスクと、知名度の高い古代遺跡の映像が流れます。分かりやすいけど新鮮味には欠けるかもしれません。

次のエリアも360度シアターになっていて、ここでは未来のエジプトを紹介。巨大な高層ビルやピラミッド型のビル、モノレールのような交通機関やビルの立ち並ぶ街並みなど、まるでドバイのような未来都市の映像が流れます。

この映像はてっきりエジプト政府の単なる「願望」のようなものかと最初は思っていましたが、出口付近にいた日本人案内員の方によるとそうではないようです。いわく、エジプトでは現在首都移転構想が進んでおり、2030年代にはすべてが完成する(一部は完成済み)予定とのこと。

そのあたり、出口付近のエリアにパネルで説明がありましたので(いかんせん全部英語ではありますが…)興味があれば読んでみて下さい。写真のIconic Towerは高さ385メートルもあって、現在アフリカで最も高い建物のようです。

このような内容のエジプト館、ネット上では「期待外れ」との意見もあって筆者も避けていましたが、タイプBパビリオン(横にあるセネガル・バングラディッシュ等のような長屋構造のパビリオン)としては標準以上の展示内容だったと思います。とはいえ日本では「エジプト展」のようなイベントが国内至る所でしょっちゅう開催されており、それと比べてしまうと見劣りはするかもしれません。

ガスパビリオン おばけワンダーランド(予約不要エリアのみ)

続いてやってきたのは「ガスパビリオン おばけワンダーランド」。ここは名前からしてお子様向けですし、内容的にもおっさん一人で体験するようなものではないらしいので、今後入館することはないでしょう。なので、予約なしで入れるエリアのみを見ておくことに。

予約なしエリアも案外広く、SDGsについてお子様にも分かりやすく説明するような展示でした。白・黒・緑・青など様々な色のおばけ達がパネルにあしらわれていて、予約が取れればこれらのおばけ達の活躍ぶりを鑑賞できると思われます。

ネパール館(待ち時間ゼロ)

次にやってきたのは、諸問題から建築がストップしてしまい、7月後半になってようやくオープンしたネパール館です。ネパール館の開業によって、大阪万博の全パビリオンがようやく出そろいました。まだ存在が浸透していないのか、待ち行列はできておらずすぐに入場できました。

案内図を見ると、1階は全て飲食店と物販で、展示は2階のみという大胆過ぎる構成となっているようです… 建物の方も見た目は綺麗ですが内装はプレハブ感が強く、クーラーも床置きの仮設のものだったりして、ご近所にある豪勢なアメリカ館・フランス館あたりとの落差はどうしても感じてしまいます。

とはいえ、中庭には首都カトマンズの仏塔のレプリカがあったりして、ネパールの雰囲気を出そうという心意気は感じられます。

2階の展示室の方に行ってみると、会議室のようなスペースに机が置かれ、主に仏教関係の美術品がずらっと並べられていました。その数は大小合わせると100点近くはあり、まるで美術館のようでなかなか圧巻です。

美術品の脇には細かな説明書きも添えられていて、ゆっくり読もうとすると結構時間が必要です。制作時期や場所は書かれていなかったので詳しい由来は分かりませんが、木製やクリスタル製の仏像はどれも非常に細かな彫り込みがされていて、見ごたえがありました。

このように一見すると仮設のフードコートと勘違いしてしまいそうなネパール館ですが、ぜひ2階の展示室にも立ち寄ってみて下さい。

住友館(予約不要エリアのみ)

続いてやってきたのは、万博でも最も素晴らしい内容と噂の住友館です。ここは通期パスを持って通い詰めている地元勢でも予約が難しいらしく、筆者も2か月前抽選・7日前抽選・3日前予約・当日予約・LINEを使った入場整理券とあらゆる手を尽くしましたが予約は取れませんでした。不本意ながら、ここだけは入館をあきらめざるを得ないようです。

仕方ないので、パビリオン出口にある予約不要エリアを見ていくことにします。ここでは住友グループを中心とした各社の先進的な取り組みを紹介しており、金融・化学・ITなど各分野の「未来のアイデア」とソリューションをを紹介していました。アイデアを書いたボックスは100個くらいはあったはずで、なかなか壮観でした。

GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION

そして、次に満を持してやってきたのが「ガンダムパビリオン」です。開幕当初からトップクラスの人気を誇る名物パビリオンですが、予約の困難さも相まってずっと手を出せずにいました。それでも8月に入ってようやく訪問できることに。

なお、筆者は一応ガンダム世代なはずなのですが、正直言ってガンダムの知識はほぼゼロなので間違ったことを書いていたら申し訳ありません。幼少の頃、こういうロボットアニメに手を出す前に鉄道趣味一色に染まってしまったもので…

入館するとまず、モニタで導入の映像を鑑賞します。ガンダム達が戦争に追われていた時代が終わって数十年、モビルスーツは宇宙開発に転用され、その成果である宇宙ステーション「スタージャブロー」に「軌道エレベーター」を使って行ってみることに。

ガンダムの仲間(?)、ハロの説明をあれこれ聞いていると宇宙エレベーターの扉がパカッと開き、4グループに分かれて搭乗します。

宇宙エレベーターは側面のほか、上部の様子も見られるようになっています。発進すると轟音とともに床が振動し、宇宙へ向けて登っていきます。

しばらくすると上空に青空が開けてきました。窓からは大阪平野が一望できるようになります。

やがてエレベーターは宇宙空間に到達、宇宙空間でデブリ回収の任務を行っているザクと会話していると宇宙ステーションに到着です。

ステーション内で4グループが合流し、しばし宇宙の眺めを楽しみます。ここでもザクなど様々なモビルスーツが船外活動を行っていますが…

デブリに扮したジオン軍のワルモノが来襲、ザクを蹴散らしてステーションを破壊しようとします。このままでは危ないということで、渡り廊下を通って脱出艇に移動することに。

脱出艇に移動したところで、暴れまわる敵を倒すべくガンダムが登場。最初は苦戦しますが、モビルスーツにパーツを追加することでパワーアップ、見事に倒すことに成功しました。

…と思ったら首だけの姿になった敵が復活、窮地に陥りますが、助っ人として駆け付けた仲間とともに何とか敵を倒すことができました。脱出艇はガンダム達と分かれ、炎を上げながら大気圏に突入し、無事地上に戻ってくることができました。

館外に出ると、ちょうどガンダム像の裏側にきました。入館者だけの特典として、ガンダム像の背中や足元を観察することができます(館外からだと正面しか見えない)ので、記念撮影をお忘れなく。

最初に述べた通りガンダムの事をほとんど知らない筆者ですが、本パビリオンは非常に楽しめました。特に宇宙エレベーターや宇宙ステーションの仕掛けはよくできていて、USJなどテーマパークのアトラクションにも引けを取らないレベルだと思いました。というか、このまま万博終了とともに取り壊してしまうのはもったいないのでUSJかどこかに移植してもらいたい気もします。

やはり「ガンダム」という作品に確固たる世界観があるうえ、高い技術を誇る日本のアニメ業界の方々が迫力ある映像と精巧なセットに落とし込んだことで、これだけ見事なパビリオンに仕上がったと言えるのではないでしょうか。「クールジャパン」を世界にアピールすることに成功している本パビリオンは、本万博における国内パビリオンの最高峰だと個人的に思います。(住友館は行ってないので偉そうには言えないけれども…)

もっとも、冷静に科学的に見ると若干突っ込みどころもある(宇宙空間なのに重力がある点、等)、完全に和製コンテンツな上に音声が日本語のみ(途中までは英語字幕がありましたがいつの間にかなくなっていた)、人気がありすぎて入館のハードルが厳しい…等々気になる点もない訳ではないですが、ガンダムの知識の有無や年齢を問わず楽しめるパビリオンだと思います。

JR西日本グループ 会場内オフィシャルストア

続いてやってきたのは、西ゲート前にやってきたオフィシャルストアです。2つあるストアのうち1つはJR西日本が運営しており、鉄道ファン的に気になったので入ってみることに。見ての通り、店内の看板の意匠はJRの駅構内のサイン類を模しています。

ちなみに東西ゲート前のオフィシャルストアは近鉄百貨店や大丸、MARUZENが運営を請け負っているようです。

店内のグッズラインナップの方は鉄道とは無関係なものになっていますが、関西の鉄道各社とのコラボグッズや、ミャクミャクとイコちゃんの絵柄が入ったグッズもありました。

店舗の片隅には様々な鉄道パーツをコラージュした装飾があるほか、485系時代の「雷鳥」「加越」などのヘッドマークも飾られていました。店内は買い物客で混雑していてなかなかゆっくり鑑賞するのは難しそうですが、鉄道ファンならば一度は見ておきたいところです。

いのちめぐる冒険 ANIMA! (当日予約)

前述の通りこの日は入場したのが9時50分と遅めだったのですが、当日予約で運よくシグニチャパビリオン「いのちめぐる冒険」の予約が取れました。ここは2つの全く異なる体験ができ、前回は「499秒 わたしの合体」の方を体験しましたが、今回はもう一つの「ANIMA!」に参加します。

ちなみに”anima”はラテン語で「生命、魂」を意味する言葉で、animationの語源にもなったらしいですが、今回の「ANIMA!」にはアニメ要素はあまりありません。…筆者もそんなことは訪問するまで知らなかったので、てっきりアニメをがっつり鑑賞するものだと思い込んでいましたが。

日没後に撮影

パビリオン入館前に、ゲート外の様子を確認してみます。パビリオンの一角にはガラスで囲われた箱のようなものがあり、この中にある巨大ディスプレイにパビリオンの象徴である「いのち球」や、夜明けから日没までの地球の様子などが表示されていました。もう8回も万博に来ているのに、今回初めてその存在に気づきました…

その他、予約なしで鑑賞できるエリアもあり、甕の中の花が枯れている様子を表した現代アート(生命の循環を表現しているらしい)などを見ることができます。

また、類似する生物同士を線でつないだ巨大な樹形図のようなものも展示されていました。

予約不要エリアを眺めているうちに時間となったので館内へ。前回訪問した「499秒~」の方はVRを使ったショーだったのですが、今回は鏡張りの空間に、網戸の網のような布が多数吊るされた空間に通されました。空間内では多数の光の粒が布で不規則に反射し、何とも言えない不思議な空間となっていました。雰囲気は以前訪問した「null2」に近いかもしれません。

そして足元には四角いタイルが敷き詰められ、そのうち半分が振動する仕掛けとなっています。とはいえ振動はそれほど強くなく、「少ししびれてるかな」ぐらいの感覚だったので、過度な心配は不要でしょう。このタイルは、上で人がジャンプしたことを検知できるそうで、開演前に全員でジャンプの練習を行いました。

ショーの内容ですが、前半は「499秒~」と同じく人の体内に入り込むというのがテーマのようで、瞳や血管・細胞をイメージさせる映像がスクリーンに流れます。後半は生物の多様性をイメージした(?)多数の仮面のような顔が出現、一緒にジャンプをして盛り上がるという内容でした。null2や「499秒~」と同様、言葉では何とも表現しがたい内容でしたが、気になる方は是非体験してみて下さい。

Better Co-Being(夜の自由観覧)

時間は飛んで夜8時過ぎ、未訪問のまま最後まで残ったシグニチャパビリオン「Better Co-Being」の前にやってきました。ここは基本的に予約制ですが、9時30分~50分の間と20時30分~45分に限り、予約なしで一部エリアを観覧できます(一部の日を除く)。筆者が訪問した20時10分ごろには早くも列ができていましたので、確実に訪問したい方は早めに到着しておいた方がよさそうです。

Better Co-Beingは万博唯一の完全屋外パビリオンで、現代アートが3作品展示されています。予約入場すると、天井から赤い糸が吊るされたオブジェと、スピーカーを活用したアート作品を体験できるそうです。赤い糸の方は、入口付近から遠巻きながらも見れました。

そして自由観覧では、天井から大量の透明なオブジェが吊るされた空間に立ち入ることができます。オブジェは全てランダムに配置されていて、「生命の多様性」を表現しているそうです。オブジェがライトにキラキラと照らされている様子は美しく、ここは夜に来る方がお勧めな気がします。

そこを過ぎると、虹色に輝く巨大なボール型のオブジェが鎮座していました。これも写真映えしそうなので記念撮影にお勧めです。予約なしで観覧できるのはこの2つだけなので、ほぼ一瞬で退出となりました。

アオと夜の虹のパレード(2回目)

Better Co-Beingをあっさりと見終えると時刻は20時半過ぎ、ちょうど噴水ショーが始まるところだったので見ていくことにします。

陣取った場所は噴水からやや離れた「いのち動的平衡館」の前あたりでしたが、音は聞こえにくいもののショー自体は意外とよく見えました。前に人が立っているのである程度身長がないと厳しいでしょうが、ショー全体の様子が見渡せるので、目の前で見るのとはまた違う新鮮な感覚で楽しめました。

見るべきほどのことは見つ…

以上、筆者にしては短めの訪問記でしたが、実は途中でシンガポールインドネシアサウジアラビアの各パビリオンを再訪していました。これらのパビリオンは列の流れが速く、いずれも10~20分ほどの待ちで入場できましたし、展示内容も充実していると改めて確認できました。よってこれから万博初訪問の方にもお勧めです。

余った時間は、前回雑に見飛ばしてしまったコモンズ館を改めて訪問していました。お盆ということで日中はかなりの混雑でうんざりしましたが、ほぼ休みなく動き回って納得いくまで鑑賞できました。今回見た内容は過去記事の方に反映する予定です。

今回の訪問で、気になるパビリオンは住友館を除いてほぼすべて訪問できましたし、見るべきものは見尽くした、という気分です。

パビリオン以外で気になる点としては、万博へのアクセスルートをもう少し試しておきたかった(特に水上ルート)というのはあります。遠く関東から遠征するには効率のいいルートを選ばざるを得ず、結局地下鉄や新大阪からのシャトルバスばかりになってしまいました。(一応、最後ぐらいは変わったルートをということで、東京まで直通の夜行バスを利用してみました。)

あと、パビリオングルメも全然試せておらず、結局オーストラリア・ルクセンブルク・チュニジアでしか食べていないはずです。これも効率重視で予算や時間を切り詰めるためで(パビリオンのフードは総じて高いので…)、毎回空き時間にコンビニ飯で飢えをしのぐ、という酷い有様でした。パビリオン巡りのため、さながら修行のような生活を延べ7日間も繰り返した訳で、自分でも呆れてしまいます。

…と若干の心残りはありますが、これから閉幕に向けて混雑度も増してくるはずなので、「ひとり万博」はさすがに今回で打ち止めかな、と思っています。(実は後日家族と共に訪問する予定もあるのですが、その時はアテンドに徹することになるので自分のペースでは周れないはず) もっとも前回もそう言いつつ前言撤回したので、また気分が変わって来てしまうかもしれませんが。

コメント

タイトルとURLをコピーしました