大阪万博の西ゲートは手荷物検査の待ち時間が少なく、比較的楽に入場できます。新大阪から工事中の高速道路を経由して西ゲートに直結するバスに乗車しました。
アクセスに難ありだが、空いている西ゲート
「入場者急増」「イタリア館大人気」「ユスリカ大量発生」などなど、良くも悪くも話題の尽きない大阪万博ですが、筆者は5月25日(日曜日)に2度目の訪問をしてきました。
前回訪問時は開幕直後だったため、まだそれほど入場者は多くなかったのですが、それでも入場時の手荷物チェックによる待ち時間の長さ(東ゲート9時入場で30分強)には辟易としました。今は入場者も増えているのでもっと長くなっていることでしょう。
何とか回避策がないものかと調べていると、バスしかアクセス方法のない西ゲートは東ゲートに比べかなり空いているようです。しかし、西ゲートへの主なアクセス方法である桜島駅からのバスは、予約なしの客による乗り場の混雑を避けるため朝は予約者しか利用できないことになってしまいました。しかも、筆者は準備に取り掛かったのが出発の3日ほど前だったので、桜島駅からの朝のバスはどれも満席で確保できず…
どうしたものか…と途方に暮れながら、大阪空港・梅田・中之島などからのバスの予約状況を見ていると、何と新大阪8時30分発の便に空席を発見。この便は品川始発の「のぞみ99号」に乗れば余裕で間に合いますし、所要30分で9時に西ゲートに着いてくれるのも好都合です。
それにしても、大阪駅発の便が軒並み埋まる中、新大阪発の便が取れたのは意外でした。関西人は「ターミナル駅」というと梅田や難波をイメージしがちで、新大阪は案外盲点だったりするからでしょうか。
ともかくこのバスが確保できたのきっかけに、往復の新幹線の予約や万博入場券・パビリオン3日前予約の確保(出発直前だったので、どちらもリロード地獄の末辛うじて確保するという状況でしたが…)を進め、東京から弾丸日帰りというハードなスケジュールで2度目の万博へと向かいました。
新大阪から万博会場へのバス、経路が面白い


新大阪駅のバス乗り場は、新幹線中央口の目の前にある「新大阪阪急ビル」の1階にあります。ビル内のエスカレータで下に降りるとすぐに見つかるはずです。


バスターミナルはそれほど広くなく、でかでかと案内表示が掲げられているので乗り場はすぐに見つかると思います。運行は阪急バスが行っていますが、車体はおなじみのマルーンカラーではなく、万博専用の特別塗装となっていました。
KANSAI MaaSの予約画面を運転士さんに提示し、名前の確認を行うとすんなり乗車できました。乗り場に着いたのは発車10分前でしたが、車内はほぼ満席でした。乗客の皆さんは一様にガイドブックや地図を熱心に眺めており、気合が入っている様子です。

バスは定刻に発車し、新大阪駅前を抜けて新御堂筋に入ります。御堂筋線と並走しつつ淀川を渡ったところで、写真のように三角コーンで囲われた分岐点が現れました。この分岐点、行先表示は一切なく入るとまずそうな雰囲気ですが(事実、一般車は進入禁止)、バスは躊躇なく分岐点へと進入しました。
事情を知らないと、今問題となっている「高速道路逆走」かと思ってしまいそうですが、実はここから先の区間は現在建設工事中の「阪神高速淀川左岸線(2期)」で、万博輸送に関わる車のみが特別に通行可能となっています。

そのような区間なので途中2か所ほど検問所があり、1か所にはゲートも設置されていました(見づらい写真ですみません)。検問所を過ぎると、建設中の高速道路へと入っていきます。

フロントガラスに付着した雨粒で見づらいですが、工事中のため道路の両側は白いトタン板で囲われています。また、本来は片側2車線のところ1車線しか使えないようになっていました。
道路は淀川沿いを西へと続いており、車窓を見ていると阪急電鉄・JR神戸線・阪神電鉄の淀川鉄橋の下を通り抜けるのを確認できました。この道路は最終的に屋根に覆われた地下構造となるようなので、外の様子を眺められるのは万博開催期間のみとなりそうです。
海老江ジャンクションからは開業済み区間に入り、地下トンネルを延々と進みます。トンネルを出るとUSJの横あたりに出ます(「ハリーポッター」アトラクションのホグワーツ城が見えた)。巨大な此花大橋で海を渡ると、奇抜なデザインのごみ処理場が建つ舞洲に着きました。ここまで来れば、万博会場のある夢洲はもうすぐです。

新大阪から30分弱で、西ゲート前の広大なバスターミナルに到着です。ここには各地からのバスが続々と集結していて、多くの客がゲートへと向かっていました。

西ゲート前に着いたのは9時ちょうどで、既に20mほどの列ができていました。それでも入場は割とスムーズで、9時17分ごろには入場できました。東ゲートよりもかなり楽に入場できるのは間違いないようです。
西ゲートを利用するならバスの予約をお早めに
このように、新大阪からのバスは待ち時間もなく必ず座れる上、空いている西ゲートに直接連れて行ってくれるのでとても楽でした。また、万博専用に暫定利用されている淀川左岸線2期区間だけでなく、他の区間もまず渋滞の心配はなさそうな利用状況でしたので(しいて言えば、淀川を渡る新御堂筋が混む恐れはありそう)、定時性が非常に高いのも魅力的です。
今回乗車した新大阪発着のバスのほか、梅田や中之島を発着するバスも淀川左岸線2期区間を利用するようです。いかんせんバス1台のキャパが小さいので便利な時間帯は早めに満席となる恐れが高いですが、乗車1か月前から予約可能なようですので、訪問予定が決まっている方は発売直後を狙って予約しておくとよいでしょう。
おまけ:伝説の駅弁「日本の味博覧」が復活


今回、新大阪へは新横浜始発の「ひかり533号」を利用しました。この列車、所要時間は「のぞみ」とそれほど変わらない上、EX予約の「EX早特3」というプランを使うと「のぞみ」料金にプラス数百円でグリーン車に乗れます。6時に新横浜に着く必要があるのでやや利用のハードルは高いですが、隠れた乗り得列車だと思います。


万博会場ではまともに食事もできなさそうなので列車内で栄養補給を、と思って駅弁売り場に行くと、何と「日本の味博覧」が数年ぶりに復活していました。この駅弁、愛知万博を機に販売を開始し、和食のおかずが豊富な上、季節ごとに内容が変わるという珍しい駅弁で一時期筆者はほぼ毎シーズン購入していました。
公式サイトを見る限り、大阪万博を機に復活したという訳ではなさそうですが、かつての雰囲気そのままに復活してくれたのは嬉しい限りです。
コメント