【KTX/A’REX/SRT/セマウル/ムグンファ】韓国の長距離列車の乗り方をご紹介~アプリを使えば日本から予約可能

KTX、A’REX、SRT、セマウル、ムグンファといった韓国の長距離列車の乗り方や、日本から列車予約をする方法をご紹介します。

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韓国の長距離列車の乗り方を徹底解説!

2019年デビューのKTX-EUM
機関車が牽引するムグンファ号

前回の記事では韓国・ソウルの首都圏電鉄の乗り方を紹介しましたが、今回は長距離列車の乗り方をご紹介します。「長距離列車」と書きましたが、空港鉄道「A’REX」や京春線「ITX-青春」のようにソウル近郊で完結する比較的短距離の列車もまとめて説明します。

長距離列車は基本的に韓国の国鉄であるKORAILが運行していますが、ソウル郊外の水西から韓国南部へ向かう高速列車「SRT」とA’REXは別会社の運行となっています。

日本語時刻表(非公式)あり

KORAIL時刻表
KORAILのKTX・京釜線・中央線・湖南線・長項線・全羅線・東海南部線・大邱線・慶全線などの時刻表を掲載しています。

ちなみに、韓国の鉄道時刻表は上記の非公式サイトで閲覧できます(公式サイトでも何らかの方法で見られるのでしょうが筆者は未確認)。このサイトは非公式ながら日本語版のKORAIL時刻表を公開して下さっている神サイトなので、有難く利用させてもらいましょう。

首都圏電鉄とは完全別ホーム

前回の記事でも書いたとおり、首都圏電鉄と長距離列車は線路幅が同じ(1435mm)で、同じ線路を共有して走りますが、改札口はごく一部を除き完全に分かれており、運賃も別建てとなっています。

そのため、首都圏電鉄と長距離列車を乗り継ぐ場合、同じKORAILの路線であってもそれぞれの運賃を別途支払う必要があります。このあたり、日本のJRとは感覚が異なります。

そもそも、首都圏電鉄のホームは日本の電車とほぼ同じ高さなのに対し、長距離列車のホームはヨーロッパの鉄道並みに低く、ステップを3段ほど登らないと乗ることができません。よって車両の構造も大きく異なり、首都圏電鉄と長距離列車は完全にホームが分かれています(ただしA’REX直通やITX-青春など、高床ホーム発着の長距離列車もあり)。

改札なしの「信用乗車」方式を採用

首都圏電鉄と異なり、長距離列車のホームには改札口が存在しません(これも高床ホームに乗り入れる列車は例外)。「信用乗車」と呼ばれる方式で、駅のホームには切符が無くても出入りが可能です。

韓国の長距離列車は全車指定席となっており(満席の場合は立席券の発行あり)、車掌は巡回時に指定された席に座っていない客がいないか確認することで不正乗車を防いでいます。そのため、指定された席に座っていれば原則として検札が行われることはありません。

一部列車は「特室」あり、電源は…

KTXの特室
A‘REXの一般席

KTX, SRTといった高速列車には、日本のグリーン車にあたる「特室」が設けられています。座席は見ての通りゆとりがあり、デッキに設けられた機械から飲み水を自由に持ってくることができます。以前は乗務員が水やお菓子を配りに来てくれた、と聞いていたのですが、筆者が乗ったときはそのようなサービスはありませんでした(乗車時間が短すぎたのかも…)。

ちなみに、初代KTXはPCやスマホが十分普及する前に作られた車両のため、電源は2席に1個ぐらいしかついておらず、使えるかは運次第です。使えたとしてもコンセント形状は韓国のものなので、日本製の電子機器をつなぐにはコネクタが必要です。

一般席の方は、日本の特急列車とほぼ同じシートが設けられています。ただし、KTXの初期車やA’REXなど一部の車両は座席の方向転換ができず、運が悪いと逆向きに座る羽目になるので要注意です(予約時は順方向の座席から優先的に割り当てられる模様)。

また、電源の有無も運次第とといっていいでしょう。やや古いセマウル号の車両が電源完備だったのに対し、比較的新しいA‘REX直通が電源未装備であるなど今一つ設置のポリシーはよく分かりません。

窓口は混雑、券売機は海外クレカNG、ネット予約は…

先ほど長距離列車は基本全席指定と書いた通り、長距離列車に乗る際は座席の指定された乗車券を事前購入する必要があります(日本のように乗車券と特急券が分かれていたりはせず、あくまで1枚の「乗車券」として扱われます)。

乗車券は窓口や自動券売機で購入できるのですが、筆者が見た限りソウル近郊の駅窓口はどこも混雑しており、日中はそれなりに待つ可能性が高そうです。様子を見ていると券売機に抵抗のある(?)お年寄りが多く、このあたりは日本の「みどりの窓口」と似ています。

一方、自動券売機は基本的に空いていることが多いのですが、残念ながら海外発行のクレジットカードが使えず、日本人が使うことはできません。(一部、海外発行クレカが使える券売機もあるとの説も見ましたが、筆者は発見できず…)

現状、現地で最も手っ取り早く乗車券を買う方法はネット予約ということになります。KORAILとSRTがそれぞれアプリをリリースしており、これを使えば海外発行クレカでも乗車券が買えます。また、空港鉄道A’REXの直通列車は公式サイトから乗車券を購入可能です。

アプリは日本でもダウンロード可能なので、乗車券を渡韓前に購入することもできます。特にSRTは混むことが多いらしいので、事前に購入しておく方がよいでしょう。ちなみにSRTはKORAILやA’REXと違ってパソコン経由だと海外クレカが使えないので、アプリ利用が必須です。

以下、実際の画面例を見せつつ買い方をご説明します。

アプリを開き、「乗車券購入」ボタンを押すとこのような画面が表示されます。まずは出発駅と到着駅、乗車日時を人数を入力しましょう。

駅名はアルファベット表示なのですが、これを選ぶのが案外大変だったりします。何せKORAILの長距離列車が停まるすべての駅が選択肢として出てくるので、数が膨大です。ソウルを”Seoul”、釜山を”Busan”を綴るのぐらいは分かりますが、永登浦を”Yeongdeungpo”、龍山を”Yongsan”と綴るとは分からず、選ぶのに一苦労しました。

次に、選んだ駅を発着する列車のリストが出てきますので、乗りたい列車と座席タイプを選択します。足の遅いムグンファ号からKTXまでが一纏めで表示されるので一瞬面喰いますが、ここはまあ問題ないでしょう。

次に、氏名と6~13桁の数字、国籍、メールアドレスを入力します。この数字は後で乗車券情報を表示したい場合に必要となるので、忘れないようにしてください。

この後、クレジットカード情報を入力して決済となるのですが、決済時はメールアドレスに送られてきた6桁の数字を入力する必要があり、さらに時間が掛かりました。1枚の切符をゲットするのに5分ぐらいは掛ったでしょうか。なお、オンラインでは発車20分前を過ぎた列車のチケットは購入できないようで、早めに手続きを済ませておく必要があります。

無事購入が完了すると、このようなオンラインチケットが表示されます。アプリでいつでも表示可能ですが、表示の際は氏名、パスワード、メールアドレスをいちいち入力しなければならないので、スクリーンショットを取っておきましょう。

このようにアプリの使い勝手はお世辞にも良いとは言えず、あまり評判の良くない日本の「えきねっと」が可愛く思えてくるほどですが、窓口で行列に並んだり、駅員さんと筆談でやり取りしたり(英語が通じない人もまだまだ多いらしい)するよりはマシだと思うしかないですね。

以上の説明はKORAILアプリを例に行いましたが、SRTやA’REXもほぼ同じ手順でOKなはずです。

なお、韓国の列車には「のぞみ〇〇号」「はやぶさ〇〇号」といった列車種別ごとの号数はなく、最大4桁の列車番号で表されます。駅の電光掲示板にも列車番号が掲示されていますので、それを見て確認しましょう。

高床ホームからの乗り方は?

空港鉄道の改札機
ITX-青春発着ホームに置かれたタッチ機

最後に、電鉄線用の高床ホーム発着の長距離列車に乗る方法を説明します。まず、A’REXは改札機にQRコードの読み取り機が付いているため、アプリもしくは窓口で購入した乗車券に印字されたQRコードを読み取らせれば改札を通過できます。

一方、ITX-青春も改札機の使い方は同じなのですが、A’REXと違って電鉄線と同じホームで乗り換えるケースがあり得ます。そのため、T-moneyカードを「乗車中→降車中」、もしくは「降車中→乗車中」にステータス変更する機械がホームのところどころに設置されています。

電鉄線からITX-青春に乗る際はそれまで使ったT-moneyカードを機械右側にタッチして「降車中」に、ITX-青春から電鉄線に乗り継ぐ際はT-moneyカードを機械左側にタッチして「乗車中」に変えればOKなはずです。

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