【2024年5月版】韓国・ソウルの電車・地下鉄の乗り方をご紹介〜T-moneyカード・アプリを活用してスムーズに乗ろう

韓国・ソウルには、首都圏電鉄という鉄道路線が網の目のように張り巡らされています。アプリをうまく活用して上手に乗車する方法をお伝えします。

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実は難しくない!韓国の電車の乗り方

本格的にソウルでの鉄道旅行記を書く前に、韓国の鉄道の乗り方を一旦整理しておこうと思います。ソウルは東京などと同じく、複雑な通勤路線網(「首都圏電鉄」と呼称)が存在するほか、ソウル駅などのターミナル駅からは韓国各地に向かう長距離列車が発着します。

首都圏電鉄と長距離列車は線路幅が同じ(1435mm)で、同じ線路を共有して走りますが、改札口はごく一部を除き完全に分かれており、運賃も別建てとなっています。

路線図を見てみるとソウル市内は20以上も路線があって非常に複雑ですが、乗車する方法自体は外国人にとってもそこまで難しくはありません。今回は、首都圏電鉄の乗車方法をご紹介したいと思います。(長距離列車の乗り方は別途紹介します)

なお、駅名や路線名はハングルが正式表記だと思われますが、筆者はハングルが全く分からないため、本稿では漢字・カタカナで表記します。

首都圏電鉄(地下鉄・近郊電車)の乗り方

運営主体関係なく、距離に応じて運賃計算

1号線の車両(KORAIL所有)

首都圏電鉄はソウルを中心に仁川・水原といった周辺の都市にまで路線網を延ばしています。運営主体は韓国の国鉄であるKORAIL、ソウル交通公社、その他私鉄が入り混じっています。例えば1号線は清凉里~ソウル駅間がソウル交通公社、その他がKORAILが運営主体です。

しかし、現地では運営主体に関しては一切案内されておらず、意識する必要もありません。首都圏電鉄は運営主体に関わらず乗車距離に応じて運賃計算が行われるためです(新盆唐線など、加算運賃が必要な路線もあり)。

運賃の方も10kmまでは1400ウォン、10kmから50kmまでは5km毎に100ウォン加算(T-money使用時)と、日本と比べてもかなり低廉です。

T-moneyカードを買いましょう

右側がT-moneyカード。箱(左側)に入った状態で販売される

首都圏電鉄では日本のような紙のきっぷはありません。各駅には券売機が設置されていて、一回のみ使用可能なICカードが発行されます。ただし、運賃が後述するT-moneyカード使用時より多少割高(100ウォン)なうえ、デポジットが必要です(デポジットは専用の機械で返却される)。

何度も電車を乗り降りする場合、T-moneyカードというICカードを駅やコンビニで購入する方が便利です。T-moneyカードはSuicaやPASMOと同じく、券売機もしくはチャージ専用機でチャージをして使用します。チャージしすぎた場合は駅の窓口で返金可能ですが、デポジット(500ウォン)は戻ってきません。

なお、駅でのチャージの際はクレジットカードではチャージができませんので電車賃分の現金(韓国ウォン)を持参する必要があります。

ちなみに改札機の現物はこちらです。路線によって形がまちまちで、上記の写真も一部の例に過ぎないのですが、まあ使う分には問題ないかと思います。

使用履歴、残高確認はアプリで

残高確認アプリの表示例

T-moneyカードの使用履歴や残高の確認は、スマホアプリで行えます。AppStoreやPlayストアにて「T-money」で検索すればアプリが見つかるはずです。(公式アプリなのか野良アプリなのかよく分からず…)

履歴の表示例は上記の通りです。日本やシンガポールの同種アプリと異なり、タイムスタンプが一部欠落しているうえ、乗車駅・下車駅の表示がないので見ても何だかよく分からないのは困りものです…

市内をくまなくカバーする路線網、調べ方は?

首都圏電鉄はソウル市内に網の目のように張り巡らされており、ほとんどの観光地にアクセス可能です。しかし路線網は非常に入り組んでいるため、路線図や地図での行き先確認が欠かせません。が、見ての通り駅の地図はすべてハングル&アルファベット表記で、初見ではほぼ理解不能です。

日本語のガイドブックを持ち込むのも一つの手ですが、以下のアプリがあれば概ね何とかなるはずです。(なお、日本ではポピュラーなGoogle Mapは韓国ではあまり主流ではないようで、路線図が表示されないなど使い勝手は今一つです。)

NAVERマップのスクリーンショット

まず、現地でメジャーな地図アプリ「NAVERマップ」をインストールしておくとよいです。駅名や建物名が日本語表記される上(時々、ハングルになってしまう場合あり)、地下鉄の出入り口が番号付きで表示されるためとても便利です。

「Subway Korea」のスクリーンショット

もう一つは、「Subway Korea」というアプリです。日本語表記の路線図がみられる上、全駅・全路線の時刻表も参照できます。やや操作方法に癖がありますが、時刻表に基づく乗り換え検索もできます。

乗車駅・下車駅、電車の行き先の間違いに注意

地図や路線図を調べていざ乗車…の前に1つ注意点があります。ソウルの地下鉄は方向別に改札口が分かれている駅が多く(特に2号線は要注意)、間違えるとやや面倒なことになってしまいます。

乗車の際は、改札手前の案内板をよく確認してください。上記の看板は2号線の蚕室駅で撮影したものですが、2号線の行き先は「建大入口、聖水、往十里…」と書かれていて、反時計回りに進んだ先の駅名のみ記載されています。つまり、時計回りに進んだ先にある江南などに向かう際はこの改札口を入ってはいけないということになります。

ちなみに韓国の鉄道はKORAILが左走行なのに対し、地下鉄の多くは右走行(ただしKORAIL直通路線の一部は左走行)と、路線によってまちまちなのでややこしさを助長している面もあります。

駅のホームやホームドアの鴨居の上には、カタカナ・漢字も記載された駅名標が設置されていますので、乗り降りする際は確認するようにしましょう。駅名標には一応駅番号も書かれていますが、残念ながら駅番号は路線図など各種案内ではあまり表示されておらず、存在感がありません。

余談ですが、首都圏電鉄では郊外の閑散駅に至るまで全ての駅にホームドアが設置されています。安全性が高い一方、車両の外観がほとんど見えないのは鉄道ファン的にはちょっぴり残念。

2号線の駅名表示器
空港鉄道の駅名表示器
多くの車両に搭載されるLED式駅名表示器

車内には駅名表示器が設置されていますが、先ほどの改札機と同じく仕様は路線や会社によってバラバラです。2号線のような地図式、空港鉄道のようなLCD式はいい方で、多くの車両では次に停車する駅名がハングルと英語で表示されるのみです。これまで紹介したアプリは英語表記にはほとんど対応していないため、Wikipediaなどのサイトで漢字とアルファベットの駅名の対応関係を調べるしかなさそうです。

首都圏電鉄の車内の様子は?

車内は4ドアロングシートで、日本の通勤電車と全く同じです。ただ、座席が固く(鉄板にフェルトを張り付けた状態、といってもいい)、座席幅が狭い(それでも韓国の人は容赦なく尻をねじ込んできます)ため、居住性は今一つです、

車内端部は優先席となっているほか、妊娠している人専用の優先座席も一部に設置されていました。韓国はお年寄りを大事にする儒教思想の影響が強く、若者が優先席に座っていると注意されることもあるようですが、私が乗った限りでは日本とほぼ同じ運用がなされていました。 

ちなみに、椅子は布が張ってあればまだいい方で、中には金属板むき出しやプラスチックのものもあります。かつて大邱で発生した車両火災の反省でこのような形になったそうです。

車内の治安は特に悪くなく、夜間でも問題なく利用できました。ただ、噂によると無許可の物売りが出現することもあるようで、無視した方がよいでしょう。

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