【2024/3最新版】シンガポール・MRTの乗り方~カード決済失敗に備え現金の準備を

2024年、シンガポールのMRTに乗車し各地を巡ってきました。乗車にあたっての注意点や、運賃の支払い方法についてご紹介します。

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シンガポールMRTの治安、清潔度は日本並み

2005年に撮影したMRT車両。近年はホームドア設置が完了し車両の撮影は難しくなりました

シンガポールには、MRTと呼ばれる公営の地下鉄が張り巡らされています。MRTは都心部の主要観光地やチャンギ空港、セントーサ島(途中でモノレールに乗り換え)にまで張り巡らされており、たいていの所には行けてしまいます。観光客の行きそうな所で、MRTで行けないのはシンガポール動物園ぐらいでしょうか。

海外の鉄道というと、「車両が汚い」「スリや置き引きが多い」「浮浪者が乗り込んでいる」などネガティブなイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、シンガポールのMRTの治安や清潔度は日本の地下鉄並みなので、子連れでも夜間でも安心して乗ることができます。

こちらが車内の様子です。見ての通り車両は日本並みにきれいで、清掃も行き届いています。車両はJRなどの通勤型車両と同じく、4ドアのロングシート車です。唯一、座席がプラスチック製なのが日本と異なりますが、乗車時間はせいぜい20~30分ほどなのであまり気にはなりません。

乗車マナーに要注意

シンガポールは「罰金大国」として知られ、チューインガムの販売(海外からの持ち込みは一応いいらしい)やごみのポイ捨て、深夜の飲酒といった行為に対し罰金が科されます。

これは地下鉄でも同様で、車内で飲食を行うと罰金を科されてしまうことになっていて、その旨が駅や車内の至る所に掲示されています。さすがにMRTでご飯を食べる人はいないと思いますが、水を飲むぐらいはしてしまう可能性があるので、気をつけねばいけません。

車内には優先席のようなものは特に設けられていませんが、お年寄りや乳幼児などに席を譲るというマナーが日本以上に徹底されている印象を受けました。

運賃の支払い方は?クレジットカードは使える?

MRTの運賃はシンガポールの物価水準からすると安く、初乗りは約1シンガポールドル、市中心部から一番端のチャンギ空港まで乗っても約2シンガポールドルです。日本の地下鉄と比べても非常に安いですね。なお、身長が90cm以上の子供大人と同じ運賃を払う必要があります。子供運賃もあるようですが、事前に面倒な申請が必要なため、旅行者が子供運賃で乗車することは事実上困難です。

MRTの運賃は、以下のいずれかの方法で支払います(定期券など、地元住民しか利用しないであろう方法は除く)。一部サイトやガイドブックでは、券売機で一回限り利用可能な乗車券(スタンダードチケット)を買う方法も紹介されていますが、2024年時点では券売機は撤去されており購入できなくなっていました。

方法1:ezlinkカードを購入する

購入時は5ドルのデポジットが必要

ezkinkカードの現物

ezlinkカードは日本のSuicaやICOCAとよく似たプリペイドカードです。駅窓口のほか、セブンイレブンなどの一部コンビニでも購入できます。MRTの主要駅の構内にはセブンイレブンが出店しており、ここなら確実に買えるはずです。カード一枚当たり5シンガポールドルのデポジットが必要で、これは後述する払い戻し手続きをしても返ってきません

チャージ:日本のクレカでチャージできず…

駅構内には写真のようなチャージ専用機が何台か設けられていて、これを使うとチャージが行えます。見ての通りクレジットカードも使えるはずなのですが、筆者の手持ちのカード(ANA VISAカード)は決済ではねられてしまい使えず…ほかのカードも試してみたのですがダメでした。

日本発行のカードが全部ダメなのかどうかは分かりませんが、カードが使えないリスクを考慮して電車賃分の現金を準備しておいたほうがよいでしょう。

現金チャージできるチャージ機は少ない

仕方なく筆者は現金でちまちまチャージしていたのですが、現金が扱えるチャージ機は各駅1台ずつしかなく、カードが使えない人(学生さんや、海外から出稼ぎにきたと思しき方など)の列ができていることもしばしばでした。特に休日の市中心部には出稼ぎの方が集まってくるようで、かなり待つ羽目になりました。

チャージが最低3ドルないと乗車不能

ezlinkカードのチャージが最低3シンガポールドル以上ないと乗車できず、改札機でエラーとなってしまうようです。お気をつけください。

後述する通り、残ったチャージは最後に払い戻しが可能なので、あまりケチケチせずまとまった額を一気にチャージしておく方が面倒が少ないと感じました。

残ったチャージは払い戻し可能

チャンギ空港第2ターミナルからMRT駅への入り口

ezlinkカードに余ったチャージは、駅窓口で払い戻すことができます。最後にチャンギ空港から飛行機に乗る前に払い戻しておくといいでしょう。駅窓口は第2ターミナルからMRT乗り場へ向かって地下へ降りた先、写真中央のエスカレータを降りた左側にあります。

カードの利用状況や残りチャージはアプリで確認可能

SimplyGoの画面例

MRTの公式アプリ「SimplyGo」を使うと、ezlinkカードの利用履歴や残りのチャージ額を確認できて便利です。アプリを起動し、画面一番下の”My Cards”を押すとezlinkカードを登録できるので、カード表面の16桁の数字を入力すればOKです。

方法2:クレカを直接改札機にタッチする

上記の改札機の画像のタッチ部分をよく見ると、VISAやMastercardのマークがあります。実は、タッチ決済可能なクレカを直接改札機にタッチして乗車することも可能です。

ただし、海外発行のクレカ利用時は0.6シンガポールドルの手数料が必要になります。これは毎回ではなく、VISAの場合1日ごと、Mastercardの場合5日ごとor15シンガポール利用ごとに必要とのこと。ちなみに筆者はVISAを利用しましたが、一日分の運賃+手数料がまとめて決済されていました。

手数料は少額ですし、ezlinkカードを購入しても結局デポジットが必要になるので、タッチ決済可能なクレカがあるならそちらを使う方が利便性が高いと感じました。

方法3:「シンガポールツーリストパス」を買う

「シンガポールツーリストパス」は、MRTとバスが乗り放題となるフリーチケットです。1日券、2日券、3日券があり価格はそれぞれ22ドル、29ドル、34ドルとなっています。このうち10ドルはデポジットで、ICカードを返却すると戻ってきます。

乗り放題なのはいいのですが問題は価格です。先述の通りMRTの運賃は安いので、一日で12ドル分乗るというのは普通の観光客ではなかなか難しいでしょう。三日で24ドルも同様です。とはいえ、ezlinkカードのようにチャージの手間がないのは便利で、面倒を避けたいという方は使ってみるのもありかもしれません。

シンガポールの2階建てバス。屋根のせいで車体上部が切れてしまいました…
「シンガポール・フライヤー」横のバス時刻表。行き先を調べるのは非常に大変

一方、バスは運賃もやや高いので、バスに積極的に乗るなら一日券の価値も出てきそうです。しかし、たいていの観光地はMRTでカバーされているうえ、バスは系統が複雑で、どのバスに乗れば目的地に行けるかをその場で判断するのは非常に困難です。おまけに、バス時刻表は表示されておらず、どのくらいの頻度で来るかすらわかりません。バスに乗るくらいならGrabなどの配車アプリを使う方が便利そうです。

正しい電車に乗るには?

ホームの次列車案内版
改札口にある上下列車の到着時刻

MRTに乗るとき、いつも間違えそうになるなのが「列車の進行方向」です。ホームの前や改札口の案内板には列車の行き先が表示されていますが、終着駅は観光客には聞きなじみがない地名ばかりで、しかもマレー語由来の難解な駅名が多いので、果たしてどちらが正解か分からなくなることが多いです。

拡大図

そこで注目していただきたいのは、路線図上の〇に囲まれた数字です。例えば、路線図の左端のTuas Link駅には(2)の数字がついています。これは路線の系統番号のようなもので、「(2)=東西線の西行き」を表しています。つまり、”Tuas Link”という名前を覚えなくても、系統番号を表す数字を覚えておけば目当ての列車に乗れるわけです。

また、各車内のドア上には、日本と同じような案内表示装置が設置されており、乗り間違いや降り遅れの防止に役立ちます。比較的新しいダウンタウン線などは阪急のような横長のLCD、やや古い北東線はLED式の路線図が設置されていました。

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※この記事は以下の記事の一部を加筆・修正しています。
https://rail20000.jpn.org/foreign/foreign4.html

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