昭和レトロな遊園地「別府ラクテンチ」でケーブルカーに乗車~883系・885系ソニックのパワフル走行を満喫

「九州ネットきっぷ」で大幅に安く乗れる特急「ソニック」で別府まで往復し、小さい子連れに人気の「ラクテンチ」にあるケーブルカーを乗りつぶしました。

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博多阪急屋上の不思議空間「つばめの杜ひろば」

博多駅では小一時間ほど時間が余りました。そこで、博多に来ると必ずと言っていいほど訪れている博多阪急屋上の「つばめの杜ひろば」に行ってみることにしました。デパートの屋上というと、最近は単なる広場になっているところが多いのですが、ここは水戸岡氏プロデュースの一風変わったスペースになっています。

エリアの一角には「鉄道神社」なるものがあったり、写真のような九州をかたどったオブジェがあったり、なぜか駄菓子を売っていたり… そして、博多の街を眺めることができる展望台もあります。すぐ近くに福岡空港があるため、博多駅周辺は建物の高さ制限があるようで、他のターミナル駅周辺とは違って高層ビルが無いのが特徴です。

885系「ソニック」のソウルフルな走りを満喫

博多11:00発→別府12:57着 ソニック17号

博多から大分方面へは、特急「ソニック」が日中30分おきに走っています。本当は1本前の列車にも間に合ったのですが、せっかくなら停車駅の少ない「速達タイプ」の方に乗りたいと思い、11時発の列車を選びました。別府までの停車駅は折尾・黒崎・小倉・行橋・中津と非常に少ないです。

列車に乗る前に、博多駅のホームをうろついてみます。ホームにはJR九州の観光列車の先駆けとなった「ゆふいんの森」、そして比較的新しい部類に入る「或る列車」が停車していました。しばらく九州に来ないうちに観光列車の種類も増えてきているので、またじっくり乗りに来たくなりました。

別府駅にて撮影

11時発のソニックは885系「白いソニック」でした。車両のロゴは、しばらく見ないうちに「ソニック」独自のものからJR九州汎用のものに変わっていました。

車内に足を踏み入れると、JR九州の特急らしく独特な電飾やポスターが目につきます。シートはデビュー時のままの革張りですが、さすがに登場から20年以上が経過しているだけあってひび割れが目につきましたね…

座席の足元にはコンセントが。JR九州の特急型車両は全シートにコンセントを備えた車両が多く、デザインだけではなく機能面でも配慮がなされていることが分かります。一方、車内販売や売店はなくなり、車内の一角にはカーテンで覆われ閉鎖されたエリアもありました。

そして、今回も切符の購入は「九州ネットきっぷ」を利用しました。博多~別府間は高速バスとの競合が激しいためか割引率が非常に高く、本来乗車券が3740円・特急券が3130円(最繁忙期)のところ、ネットきっぷではそれぞれ1870円・1280円と大幅割引となっています。JR全社で見てもここまで凄まじい割引はそうそうなく、普段JR九州に乗らない旅行者も必ず利用すべきでしょう。

久々に乗った「ソニック」ですが、その走りっぷりはなかなか凄まじく、宇佐~杵築間の山間部以外はほぼ全力疾走に近い状態でした。振り子型車両の特性を生かしてカーブにはかなりの速さで突っ込むので、トイレに立とうとするとスッ転びそうになるぐらい横Gが激しかったです。

あと、小倉で進行方向が変わるのですが、ほぼすべての客が慣れたように座席を転換する姿には驚きました。関東あたりだと、方向転換に気づかずそのまま乗ってしまっている人も目立つので。

湯のまち別府の「ラクテンチ」

小倉から2時間で別府に到着しました。日本屈指の有名温泉地の最寄り駅だけあって、駅構内には至る所に温泉マークが描かれています。下車客も温泉目当てであろう観光客ばかりです。

その別府にはるばるやってきたのは、「ラクテンチケーブルカー」を乗りつぶすためです。このケーブルカーは「ラクテンチ」という遊園地へのアクセス路線で、遊園地に入場する客しか乗車できません。すなわち、ケーブルカーに乗るには遊園地への入場料金を支払う必要があります。もっとも、入場料はケーブル乗車券込みで1300円と比較的お安いです。

ケーブルカー乗り場までは1時間おきにバスがありますが、次のバスまでは少し待つ必要があったので、時間節約のためタクシーで乗り場へと向かいました。(なお、このバスは2023年に廃止されてしまい、現在は最寄りのバス停からケーブル乗り場まで徒歩10分ほど掛かります。)

ラクテンチのケーブル乗り場は、昭和の頃の姿をとどめているであろうレトロな建物でした。構内には「車内持込禁止物のお知らせ」という、これまたレトロな看板も残っていました。今時「セルロイド」という単語もなかなか目にしないですよね…

そして、ケーブルカーの乗車待ちの列に並んでいるのは見事に家族連ればかりで、大人一人で乗ろうとする筆者は激しく浮いていました。とはいえ、遠路はるばる大分まで来たのでここで引き下がるわけにもいかず、勇気を出して1300円の入場券を購入します。

ケーブルカーの車体も、内装・外装ともに非常にレトロです。車体に描かれたキャラクター(?)もなかなか愛嬌があっていいですね。ケーブルカーの距離は短く、3分ほどで山上に到着です。

せっかくなので遊園地内を少し歩いています。一番目につくのが構内の谷を横切る大きな吊橋で、橋から地面までの高さもあってスリルがあります。橋の上からは、別府湾を眺めることもできました。他にも「あひるの競争」という、他所ではまず見かけないようなアトラクションもあり、小さなお子さん連れならば楽しめるのではないでしょうか。ただ、男一人で訪れるようなアトラクションはなく、次の便で麓に降りることにしました。

ケーブルカーで下山したものの、またしてもバスとの接続が悪く、駅まで歩くことにしました。今度は下りなので歩きやすく、15分ほどで駅に戻りました。別府駅はずいぶん前に高架化されたようで、高架下にはレトロな商店街が続いていました。

今度は元祖ソニック・883系で小倉へ

別府14:53発→小倉16:03着 ソニック38号

別府からも「速達」ソニックに乗って小倉へと戻ります。駅の一角には、先ほど博多駅で眺めた「ゆふいんの森」が。そういえば一往復は久大本線回りで別府まで乗り入れていましたね。すっかり忘れていましたが、こちらに乗る手もあったなと調査の甘さを反省。

今度のソニックは883系の青いソニックで、メカメカしい外見が特徴的です。最近の水戸岡作品はシックなものが多いのですが、昔はこういうロボみたいなデザインも結構多かったです。

車内もガラスやステンレスのパネルが各所に配されたモダンな造りになっています。一方、屋根を見てみると一部に金属のさびや塗装の剥がれを修正した箇所が。登場から20年を超えて、さすがに老朽化は否めない所です。

車内にはミニギャラリーが設けられ、大分の名産品の現物が飾られているのは斬新ですね。

別府から小倉までの間もネットきっぷを利用しました。別府~小倉間はそこまでダンピングが激しくないからか、乗車券2020円、特急券1020円となっており、乗車券に関しては博多~別府間の方が安いという妙な逆転現象が起きています。

帰りの列車も相変わらずソウルフルな走りで、あっという間に小倉に到着です。ここから本州に帰る前に、関門海峡をうろちょろしてみたいと思います。

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