恐竜うごめく福井で路面電車の「延伸区間」に乗車
福井駅16:27発→福井城址大名町16:34着 福井鉄道
福井駅は福井県の中心となる駅ですが、新幹線ホームは1面2線と意外とコンパクトです。県庁所在地の新幹線駅で1面2線というのは今までなかったらしく、福井駅が初のケースなのだとか。2つある改札口もコンパクトで、まるで東京郊外の私鉄駅のようです。
福井で下車したのは新幹線ホームの様子を観察したかったのもありますが、2016年に延伸し、駅前広場に乗り入れるようになった福井鉄道に乗車しておこうと思ったからです。延伸といっても距離は150mほどで、しかも従来西武百貨店近くにあった福井駅前電停の移転扱いなので、筆者の流儀では乗りつぶしはマストではないのですが。
ちなみに、乗りつぶしのルールは人それぞれで、統一された見解のようなものも特に無いのですが、ちょっとした駅の移転や線路の付け替えの度に乗りに行くのは正直面倒なので、筆者は再乗車不要のスタンスを取っています。とはいえ、完全に無視するのも後ろめたいので、機会を見つけては乗りに行くようにしています。
さて、駅前に出てみると新幹線開業の盛り上がりは敦賀駅以上で、駅前広場にはテントやステージが立ち並び、駅前のビルには「開業記念」のド派手な装飾がなされています。その余波なのか、福井鉄道の乗り場には今まで見たことのないほどの長蛇の列ができていました。
程なくやってきた電車(新型のF1000形)に乗り込むと、車内のICカードリーダには「準備中」の文字が。後で調べてみると、どうやら交通系ICカードへの対応は2025年春となるようです。あいにく小銭を持っていなかったので、運転席後ろの両替機で慌てて小銭を確保します。
福井駅を出て駅前通りを進み、右にカーブして福井城址大名町に到着です。ここはかつて市役所前という名前の電停でしたが、しばらく来ないうちに名前が変わっていました。
この福井城址大名町電停ですが、田原町~たけふ新の間の本線と、本線から分岐した福井城址大名町~福井駅の間の枝線との分岐駅となっています。ラッシュ時以外は全ての電車が福井駅に乗り入れるため、福井城址大名町を2回通ることになります。
配線の都合上、写真の1番線乗り場には3方向に向かう電車が乗り入れるため、案内表示も複雑なことになっていますね… 乗ってきた電車も1番線で方向を変え、たけふ新へと発車していきました(写真奥が田原町方面、手前がたけふ新&福井駅方面)。
福井城址大名町から、福井駅へと歩いて戻ります。しばらく来ないうちに駅前には高層のビルやマンションができ、新幹線停車駅らしい近代的なスカイラインに変わった気がします。
駅に戻ると、ホームの壁面や花壇に恐竜の姿が… 福井県は「恐竜王国」で売り出しているだけあって、駅前は恐竜一色です。巨大な恐竜のオブジェは、駅の反対側を合わせると5体ぐらいはいたような気がします。動きも結構精巧なので、恐竜博物館に行く暇のない方は見ておくといいでしょう。
そういえば、在来線駅の社名表示もJRから「ハピラインふくい」に変わっていました。車体カラーは、新京成のようなピンク色に変わるみたいです。
駅の反対側に出て、新幹線ホームを外から眺めてみます。新幹線ホーム横の2階建てのビルの屋上がデッキになっていて、常時立ち入ることができるようになっていました。この日は流石にすごい人出で、ゆっくり観察する余裕もありませんでしたが、新幹線車両を駅の外からも拝めるようになっていました。
前回来たときはまだ地上にあったえちぜん鉄道の駅も、気付けば高架化されていました。そして、「飛び出し注意」の看板もよく見ると恐竜ですね…
福井から「つるぎ」で富山へ~全線完乗達成
福井17:01発→富山18:02着 つるぎ30号
福井からは各駅停車タイプの「つるぎ」に乗って、途中の新幹線駅を観察しつつ富山へと向かいます。それにしても、新幹線のいない状態のホームはやはり私鉄駅にしか見えないですね。
福井から金沢までは平野部が多いのですが、北陸新幹線の既存区間に比べて防音壁がかなり高く、車窓は案外見えませんでした。小松~金沢間は沿線に工場や家が多く、市街地化してるなというのは何となく感じましたが。途中、多くの区間で旧北陸本線と並走しているはずですが、その姿はほぼ確認できずじまいでした。
途中駅での乗降客はそれほど多くなく(小松から乗ってくる人はそこそこ多かったが)、停車時間も割と長めだったため、ホームに降りて駅名標を撮ってみました。この3駅の中では加賀温泉のみが退避可能な構造になっていました。
乗車した「つるぎ」は5割程度の乗車率で、多くの客はサンダーバードやしらさぎから乗り継いできたようでした。途中駅で少しずつ下車があり、金沢で半数以上の客が一気に下車していきました。福井から約1時間で富山に到着です。
富山でも路面電車にちょい乗り
富山駅18:15発→オークスカナルパークホテル富山前18:16着 富山地方鉄道
富山駅にやってきたのは、北陸新幹線の開業した2015年以来なので9年ぶりです。その間に「あいの風とやま鉄道」(旧北陸本線)の高架化が行われ、駅の様子が大きく変わっていました。駅の改札前には富山を走る鉄道車両の「顔はめパネル」が設けられ、「路面電車のまち富山」の表示があります。
富山は以前から路面電車の整備に力を入れていて、富山地方鉄道の路面電車をJRの駅構内に引き込んで、乗り換えの利便性を上げる取り組みなどを行ってきました。そして、旧北陸本線の高架化が完了したことに伴い、駅の北側に乗り入れていた「富山ライトレール」と、駅の南側を走る富山地方鉄道を直結する工事が行われました(これを機に富山ライトレールは富山地方鉄道に吸収合併)。
先程の顔はめパネルの裏に、南北を直結する形で設けられた路面電車の乗り場があります。ホームは4線分あり、国内では珍しい「路面電車のターミナル」となっています。
富山ライトレール時代、駅北側の広場前に「富山駅北」という乗り場が設けられていましたが、これが無くなっており、富山駅の高架下にある乗り場まで線路が延ばされました。これを「路線延伸」と呼んでいいものなのかは微妙なところですが、せっかく北陸まで来たので乗車しておくことにします。
しばらく待つと、比較的新しい低床車がやってきました。この車両は富山ライトレールからの移籍組ではなく、元々富山地方鉄道にいた車両のようです。これに一駅だけ乗り、「オークスカナルパークホテル富山前」というえらく長い名前の駅で下車します。しかし、富山には「トヨタモビリティ富山 Gスクエア五福前(五福末広町)」というもっと長い名前の駅もあるそうです…
下車して富山駅へ徒歩で戻る途中、駅から若者が続々と歩いてくるのを目にしました。何かイベントでもあるんだろうかと思っていましたが、この日は「富岩運河環水公園」というところで花火大会があったようです。北陸新幹線延伸を記念してのものなのかは分かりませんが。
富山から「かがやき」で一気に東京へ
富山19:40発→東京21:56着 かがやき516号
余った時間でお土産を買ったり寿司を食べたりした後、「かがやき」で東京へと戻ります。北陸新幹線に乗りに遠征した人で混んでいるかと思っていましたが、案外空いていました。
これでJR全線完乗のタイトルを奪還しましたが、2020年代に次のJR新線が開業する見込みは残念ながらなさそうで、2030年代に開業するであろう羽田空港アクセス線・なにわ筋線・北海道新幹線あたりまでお預けとなりそうです。
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