多種多様な横浜の鉄道フリーきっぷを比較してみました。中でも最も便利な「ヨコハマ・みなとみらいパス」で変わり種のスタンプラリーに参加してきました。
意外に種類が多い、横浜観光向け鉄道フリーきっぷ
休日ともなると、中華街やみなとみらいを中心に観光客でごった返す横浜。その観光エリアは結構広く、徒歩のみで移動しようとすると結構大変です。加えて、大半の観光客の出入り口となるであろう横浜駅からもやや離れており、電車の利用はほぼ必須でしょう。
多くの観光客は市内を電車移動する際、SuicaやPASMOで運賃を都度支払っているかと思われますが、あまり知られていないものの横浜を通る複数の鉄道会社がフリーきっぷを発行しており、これを利用することで案外電車賃を節約できます。
横浜駅には現在6社局(JR、東急、みなとみらい線、京急、相鉄、横浜市営地下鉄)が乗り入れており、各社が様々なフリーきっぷを発行しているので、似たような名前のフリーきっぷが乱立している状況です。以下、各社のフリーきっぷを整理してみます。(横浜市外からの往復乗車券付きのものは除く)
- みなとみらい線一日乗車券(460円)
- 有効範囲:みなとみらい線全線
- 発売箇所:みなとみらい線各駅
- ヨコハマ・みなとみらいパス(530円)
- 有効範囲:みなとみらい線全線、JR根岸線(横浜~新杉田)
- 発売箇所:モバイルSuicaアプリおよび横浜~新杉田間の各駅
- 東急線みなとみらい線ワンデーパス(1220円)
#フリーエリアが広すぎる(東急全線なので都内路線まで含まれる)分高いのがネック。- 有効範囲:東急線、みなとみらい線全線
- 発売箇所:東急線、みなとみらい線各駅
- 横浜1DAYきっぷ(870円)
- 有効範囲:京急線(横浜~上大岡)、みなとみらい線全線、横浜市営地下鉄(横浜~上大岡)、横浜市営バス(「あかいくつ」号を含む市内路線)
- 発売箇所:京急線各駅
- みなとぶらりチケット(500円)
- 有効範囲:横浜市営バス(「あかいくつ」号を含む市内路線)、市営地下鉄ブルーライン(横浜~伊勢佐木長者町)
- 発売箇所:市営地下鉄ブルーライン(横浜~伊勢佐木長者町)各駅、定期券売り場、連携ホテルなど
こうやって見ると多種多様なきっぷがあり、どれがいいか迷ってしまいます。ところで、横浜の主要な観光地は、元町・中華街・港の見える丘公園・山下公園・マリンタワー・大さん橋・赤レンガ倉庫・カップヌードルミュージアム・パシフィコ横浜・コスモワールド・クイーンズモール・ランドマークタワー・アンパンマンミュージアムと、多くがみなとみらい線沿いに偏っています。
一応、桜木町・関内(JR線・地下鉄)各駅も上記観光地に近いので、こちらは横浜駅への帰途の際などに補助的に使えばよいかなと思います。これ以外の路線(東急・相鉄・京急)は、観光という視点ではあまり存在感はありません。
一方のバス路線ですが、「あかいくつ」号などの観光客向けバスは観光地のすぐ近くまでアプローチできるのがメリットであるものの、私が見る限り土日は猛烈に混んでおり、定時性にも難があるのがデメリットです。その他の路線は運行系統が非常に複雑で、地元客でもなければ使いこなすのは困難でしょう。
結論として、「みなとみらい線一日乗車券」か、わずかな追加料金でJRにも乗れる「ヨコハマ・みなとみらいパス」がお勧めです。中でも「ヨコハマ・みなとみらいパス」はモバイルSuicaで購入できるため、券売機に並ぶ手間いらずなのも有り難いです。値段も530円と安く、例えば「横浜→みなとみらい→元町・中華街~(徒歩)~石川町→横浜」と乗れば、みなとみらい線の運賃が高いこともあり簡単に元が取れてしまいます。
横浜で一風変わったスタンプラリーに参加
前置きが長くなってしまいましたが、スタンプラリーの話に戻ります。近年、鉄道各社はスタンプラリーを盛んに開催しているものの、有名キャラクターとタイアップしたものを除くと、概して知名度向上に苦戦しているように見受けられます。予算の少ない小規模なイベントは、少しでも参加者を増やすべくあの手この手で工夫を凝らしています。
そんな中、JR横浜支社管内では「秋のハンカチスタンプラリー」「横浜線獲れ印めぐり」というイベントが開催されました。スタンプ台紙が「ハンカチ」というのは斬新ですし、「獲れ印」という謎なものを配布するというのも珍しいです。
「獲れ印」の方は対象エリアが遠く八王子市内にまで至るので、使用するフリーきっぷは「のんびりホリデーsuicaパス」一択でした。一方、「ハンカチ」の方は上記の「ヨコハマ・みなとみらいパス」の圏内に奇麗に収まるため、これを利用してきました。
「秋のハンカチスタンプラリー」をクリアする
ハンカチスタンプラリーのチェックポイントはJR根岸線の桜木町・石川町駅、みなとみらい線の馬車道・日本大通り駅に加え、「大さん橋」と「ヨコハマエアキャビン」の計6か所でした。ヨコハマエアキャビンのスタンプは新港パーク駅の乗り場付近に置いてあり、ケーブルカーに乗る必要はありませんでした。午前中だったので空いていましたが、運賃が1000円とお高く、一人で乗るのも何なので乗らずじまい。
せっかく乗り放題のチケットを持っていたので、みなとみらい線のスタンプのない駅も訪問してみました(つい先日、東横線を全駅訪問したばかりですし)。元町・中華街とみなとみらいの両駅は何度も利用したことがありますが、改めてということで。
そんな中、気になったのが新高島駅です。かつては未開発の閑散とした場所でしたが、久々に降り立ってみると周囲は大々的に開発され、オフィスビルが立ち並んでいました。今後は利用者も増えそうな気配ですが、この駅はホームが8連分しかなく、10連の急行や特急は停車できないという問題があります。時間があったのでホーム端部を見てみましたが、非常時に10連が停まれるよう通路が設置されているものの幅は1mほどしか無く、本設のホームを置くのは厳しそうです。
チェックポイントがそれほど多くないこともあり、2時間ほどで全てのスタンプを回収できました。景品として、根岸線各駅の駅名標を模したシールをゲットしました。加えてみなとみらい線の全駅訪問も達成。
「横浜線獲れ印めぐり」をクリアする
「横浜線獲れ印めぐり」は、9月の9日間だけ開催されたイベントです。駅改札で申し出ると、半紙に駅名や路線名を縦書きし、真ん中に朱色の駅スタンプを押した御朱印のようなものをもらえました。対象駅は横浜線内の乗換駅ではない各駅(ただし小机・中山両駅は例外)です。乗換駅は乗客が多く、駅員さんも何かと忙しいので避けたのでしょう。また、相原や片倉など一部駅は駅員不在時間帯があるようで、配布時間帯が限定されていました。
横浜線は東京都内に直結しておらず、首都圏でもやや地味な存在ですが、各駅とも駅前ロータリーが整備され、駅舎も都心部に遜色ないぐらい立派なものが多かったです。そんな中、大口駅は昔ながらの駅舎が残っていました。ホームドアの整備も進んでおり、設置率はJR線内ではかなり上位に入るのではないでしょうか。
車両の方は京浜東北線、埼京線などと同じE233系ですが、横浜線用のは帯の部分に独自の装飾が施されていたりします。
獲れ印の方は初日のうちに集め終わり、景品として「獲れ印綴」なるものをもらいました。てっきり獲れ印を冊子上に格納できるアルバムのようなものをもらえるのかと思いましたが、ゲットしたのはクリアフォルダ状のものでした。
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