開催中の「小田急線スタンプラリー~駅舎めぐり編~」に参加しました。それに飽き足らず、小田急全駅に配備されたスタンプを集めてきました。
2021年6月に一斉リニューアルされた全駅スタンプ
先日、西武鉄道の全駅スタンプを集め終えるなど、スタンプ集めがちょっとしたマイブームになっています。関東の大手私鉄では小田急が昔からスタンプ配備に熱心で、2021年6月には全駅のスタンプがリニューアルされました。図柄は車両や沿線の名所にちなんだものでなかなか良さげです。
https://www.odakyu.jp/news/o5oaa1000001yc0q-att/o5oaa1000001yc0x.pdf
こちらは経堂駅のスタンプです。右下に切り欠きのようなものがありますが、これはかつて鋏で改札をしていた時代に使用していた鋏の形(どの駅で入鋏したかが分かるよう、駅ごとに鋏の形を変えていた)を再現しているそうです。
なお、一部の駅には入れ替え前の古いスタンプも残されていて、駅員さんが出してきてくれる場合もあります。こちらは絵柄もなかなかレトロで、相当古いものであると想像されます。代々木上原駅で押させてもらった同様のスタンプには、小田急9000形と営団6000系があしらわれていたので、これらの車両が相互乗り入れで使われていた1980年代にスタンプが作られたのだと思われます。
スタンプ収集の障壁は?
ところがこのスタンプを集めるには若干障壁があって、西武のものは駅改札付近に置かれているので自由に押せるのに対し、小田急のは駅改札口で係員に申し出る必要があります。小田急の駅は全部で70もあり、毎回駅員さんを呼びつけるのは個人的には非常に億劫に感じられ、これまで手を出さずにいました。
このように普段は大事に保管されている駅スタンプですが、自由に押せる機会もあります。2021年のスタンプ配備後、小田急ではこのスタンプを用いたスタンプラリーを期間限定で何度か開催しています。テーマは「ロマンスカー」「通勤車両」などで、テーマに該当する駅スタンプを10個ほどピックアップする形でコースが決められます。2023年夏のテーマは「駅舎」で、個性的な駅舎をモチーフにしたスタンプを持つ9駅(代々木八幡・下北沢・向ヶ丘遊園・東海大学前・渋沢・中央林間・片瀬江ノ島・はるひ野・唐木田)が対象になっています。
小田急では常時全線乗り放題のフリーきっぷを販売しているので、これを使ってまずはラリー対象の9駅+αを周ってきました。なお、このフリーきっぷは2000円と結構お高いので(乗り放題の範囲が新宿から小田原までと広いのでやむを得ないのですが)、元を取るには頑張って一日中乗りまくる覚悟が必要です。
まずはラリー対象駅+αを巡る
隠れた乗り換え駅・代々木八幡からスタート
という訳で、まずは代々木八幡へとやってきました。一般にはあまり知られていませんが、代々木八幡駅は千代田線の代々木公園駅と同一駅と言っていいほど近く、地下鉄でアプローチすることも可能です。代々木八幡駅はホームの10連対応に合わせて近年建て替えられ、真新しい駅舎となっています。
ここで最初のスタンプを押そうと思ったのですが、スタンプ台が見当たりません。不審に思いながら駅の掲示を見回すと、どうやらスタンプ台が設置されるのは9時~20時とのこと。駅を訪れたのは8時45分だったので、10分ほど待つと駅員さんが台を設置してくれて無事押印できました。
…と、ここでスタンプ台をよくよく見ると「達成賞配布終了」の文字が。全9駅のスタンプを集めると先着1500名様限定でもらえる達成賞「オリジナルクリアファイル+硬券セット」の配布はもう終了してしまったようです。訪問したのはまだ8月前半だったのですがもう品切れとは、このスタンプラリーの人気はなかなか侮れないようです。だいぶモチベーションが下がってしまいましたが、仕方ないので各駅のスタンプ+オリジナルのスマホ壁紙を集めることにします。
代々木八幡から各駅停車に乗り、まずは下北沢と周辺の駅のスタンプを集めます。このあたりの各停は主に8連(一部10連もあり)で、主力は写真の2000形という車両です。この車両は8連しか存在せず、ほぼ各停専門で小田急沿線住民以外はめったに乗る機会のない地味な車両です。
それにしても、下北沢周辺は地下化によって駅前の風景も一変しました。線路の地下化のあと建設された世田谷代田駅の駅舎などは今回初めて目にした気がします(地下線からだと駅舎が見えないので)。
観光客ラッシュの片瀬江ノ島へ
世田谷区内の駅を少し回り、別件のため登戸経由で横浜に出た後、ラリー対象駅の片瀬江ノ島に行くべく東海道線で一気に藤沢に向かいました。藤沢~片瀬江ノ島間は行き止まりの盲腸線な上、日中12分間隔とやや列車本数が少ないので、駅巡りをする上では難所といえます。残り時間は限られていますが、「乗りにくい所を最初に攻める」という、私が提唱する乗りつぶしの大原則に従い、この区間のスタンプを優先的に集めることにしました。各駅を行きつ戻りつしたため片瀬江ノ島での下車時間はわずかしかなく、竜宮城を思わせる駅舎の写真を撮り損ねました。
飛び道具・ロマンスカーで渋沢へ
片瀬江ノ島を発着するロマンスカー「えのしま」は、日中は2時間に一本しかない(しかも土休日限定)レアな列車なのですが、運よくこれに乗れるタイミングだったため久々に乗ってみました。前乗った時は空気輸送の如くがらがらだったのですが、この日は夏休みとあってほぼ満員の盛況でした。大和で下車し、中央林間のスタンプを押しつつ相模大野へ。
相模大野でも、これまた一日3本とレアな「ふじさん」がやってきたので秦野まで乗車。こちらも夏休みとあって旅行客で盛況でした。
渋沢駅は丹沢登山の玄関口となる駅で、「山小屋風」をテーマにした装飾がなされています。近くの鶴巻温泉駅も似たような意匠でしたね。改札口の上には人造の植物が貼り付けられ、山の雰囲気づくりに寄与しています。この辺りで夕方に差し掛かり、だんだん時間が無くなってきたので東海大学前に立ち寄った後、急行と快速急行を乗り継いで一気に新百合ヶ丘に向かいます。急行はロマンスカーの待避のため伊勢原でしばらく停車していたので、抜かりなくスタンプをゲット。
最後は多摩線と向ケ丘遊園
新百合ヶ丘から各駅停車に乗り、まずははるひ野へ。2004年開業と小田急では最も新しい駅で、発電用の風車が回るなど新しいテクノロジーを活用した駅です。スタンプ台でスタンプを押していると、同じくラリーに参加していると思しき親子連れがやってきました。この夏は色々なスタンプラリーに参加してきましたが(追々記事にします)、小田急と東急(リアルスタンプの方)は参加者数も明らかに多く、やっぱり鉄道会社の人気にも優劣があるんだなと感じてしまいます。
暑いので駅前コンビニでしのいだ後、次の列車で終点の唐木田へ。こちらは1990年開業の2番目に新しい駅で、駅天井のステンドグラスが特徴的です。今はまだ乗降する人はそれほど多くありませんが、相模原市方面への延伸計画が進んでいて容易に延伸できる駅構造になっています。
唐木田からは、それほど本数の多くない土休日の多摩線急行に乗って、一気に最後のラリー対象駅である向ケ丘遊園に向かいます。向ケ丘遊園駅は、開業時からの古い駅舎がいまだ残っていることで有名ですね。実物を見たのはずいぶん久しぶりでした。
こうして、ラリー対象の全てのスタンプを集めることができました。ラリー対象のスタンプはどうしても押される頻度が高いからか、インクが枯れ気味のことが多かったです。完璧な印影を求めるなら、ラリーを行っていない時期に回るのが良さそうです。
続いて各駅のスタンプ回収へ
ラリーの途中、ラリー対象外のいくつか駅でも改札口でお願いしてスタンプを集めました。駅員さんに「面倒な鉄道マニアが来やがった」と舌打ちでもされるのではと心配していましたが(半分本気)、全くそんなことはなく大変親切に対応して頂きました。
これに気を良くして、別途数日をかけて全駅のスタンプを集めてきました。改札口で大事に保管されているだけあって、スタンプの状態はほとんどの駅で非常に良く、配備から間もない西武のものとも遜色ないレベルでした。ただ、登戸や町田のような乗降客の多い駅ではややガタがきている気がしました。これらの駅では駅員さんはひっきりなしに対応に追われており、スタンプを依頼するのも一苦労でした。
小田急の急行通過駅(と本厚木~新松田間)はどの駅もきれいに10分間隔で、かつ西武と違って路線の分岐もほとんどないので行程を工夫する余地はほとんどありません。各駅停車で一駅ずつ淡々と下車していくのみです。車両の方も、個性的なロマンスカーと違って小田急の通勤電車はどれも大人しく程よくまとまっている印象で、あまり特筆するような所もありません。(ちょっと前までは幅2mの超ワイドドアの1500形とか個性的な車両もいましたが) そんな中、新型の5000形は木目調の床と鮮やかなオレンジのシートモケットが特徴的で、なかなか気に入りました。
まずは新宿に近い世田谷区や狛江市あたりの駅を回りました。この辺りは複々線化の際に建て直されているので、どれも新しい駅舎ばかりです。祖師ヶ谷大蔵駅は円谷プロダクションの発祥の地ということで「ウルトラマン」の看板が至る所に掲示されていました。成城学園前駅には、ご覧の通り円柱状の柱に沿うように張り付けられたユニークな形の発車案内表示がありました。これまで数々の駅を巡ってきましたが、こういう形状のものは初めて見ました。
そして、次に向ケ丘遊園より西の各駅を回りました。こちらは特急の停まるようなターミナル駅を除くと、一転して昔ながらの駅ばかりで、駅前もごく普通の住宅地です(多摩線を除く)。回った時は真夏の日中で、駅を降りても行く当てもないので、一駅進んではスタンプを押し、終わったら即座に冷房の効いた待合室に引きこもって暑さをしのぐ、という作業の繰り返しでした。しかし一部の駅(特に江ノ島線の急行通過駅)は待合室すらなく、仕方ないので跨線橋の窓を開けて風に当たって暑さをしのいでいました。さながら修行のようで、一体何やってるんだろう、と自分で自分に呆れてしまいました。
以下、今回集めたスタンプのリストです。スタンプの色は小田原線が赤、江ノ島線が青、多摩線が緑に統一されていました。
駅番号 | 駅名 | 図柄 |
---|---|---|
OH01 | 新宿 | 小田急線の起点 |
OH02 | 南新宿 | 小田急電鉄旧本社ビル |
OH03 | 参宮橋 | 明治神宮 |
OH04 | 代々木八幡 | 光降り注ぐ橋上駅舎 |
OH05 | 代々木上原 | 千代田線への乗り入れ駅 |
OH06 | 東北沢 | 日本民芸館 |
OH07 | 下北沢 | 文化の街の玄関口 |
OH08 | 世田谷代田 | 代田八幡神社 |
OH09 | 梅ヶ丘 | 梅の羽根木公園 |
OH10 | 豪徳寺 | 豪徳寺の招き猫 |
OH11 | 経堂 | 馬事公苑 |
OH12 | 千歳船橋 | 砧公園 |
OH13 | 祖師ヶ谷大蔵 | 駅を囲む商店街 |
OH14 | 成城学園前 | 成城から望む富士山と複々線 |
OH15 | 喜多見 | 電車基地ときたみふれあい広場 |
OH16 | 狛江 | 泉龍寺の山門 |
OH17 | 和泉多摩川 | 多摩川のボート |
OH18 | 登戸 | 名産の梨 |
OH19 | 向ヶ丘遊園 | マンサード屋根のレトロな駅舎 |
OH20 | 生田 | 五反田神社 |
OH21 | 読売ランド前 | よみうりランド |
OH22 | 百合ヶ丘 | 花百合とロマンスカー |
OH23 | 新百合ヶ丘 | 多摩線の分岐駅 |
OH24 | 柿生 | 王禅寺と禅寺丸柿 |
OH25 | 鶴川 | こどもの国 |
OH26 | 玉川学園前 | 玉川池とロマンスカー |
OH27 | 町田 | 薬師池公園 |
OH28 | 相模大野 | 江ノ島線の分岐駅 |
OH29 | 小田急相模原 | 国立病院に続く商店街 |
OH30 | 相武台前 | 相模の大凧あげ |
OH31 | 座間 | 坂東三十三観音八番札所 星谷寺 |
OH32 | 海老名 | ロマンスカーミュージアム |
OH33 | 厚木 | 相模國一之宮寒川神社 |
OH34 | 本厚木 | 鮎が泳ぐ相模川 |
OH35 | 愛甲石田 | 企業 研究所が集まる街 |
OH36 | 伊勢原 | 阿夫利神社下社と大山コマ |
OH37 | 鶴巻温泉 | 鶴巻温泉 |
OH38 | 東海大学前 | 学園の街の駅舎 |
OH39 | 秦野 | 弘法の清水 |
OH40 | 渋沢 | 山小屋風の駅舎 |
OH41 | 新松田 | 松田山とロマンスカー |
OH42 | 開成 | あじさいの咲く町 |
OH43 | 栢山 | 二宮尊徳 生誕の地 |
OH44 | 富水 | 富士山とロマンスカー |
OH45 | 螢田 | ホタル |
OH46 | 足柄 | 玉宝寺の五百羅漢 |
OH47 | 小田原 | 歴史ある城下町 小田原 |
OE01 | 東林間 | 東林間神社 |
OE02 | 中央林間 | 小田急線・東急線との連絡駅 |
OE03 | 南林間 | 諏訪神社 |
OE04 | 鶴間 | 引地川源流泉の森 |
OE05 | 大和 | 文化創造拠点シリウス |
OE06 | 桜ヶ丘 | 引地川の桜並木 |
OE07 | 高座渋谷 | 花のお寺常泉寺 |
OE08 | 長後 | 長後天満宮 |
OE09 | 湘南台 | 湘南台文化センター |
OE10 | 六会日大前 | 丹沢山系と富士山を望む丘陵地 |
OE11 | 善行 | トンネルが見える駅 |
OE12 | 藤沢本町 | 相州藤沢 白旗神社 |
OE13 | 藤沢 | 時宗総本山 遊行寺 |
OE14 | 本鵠沼 | 長久保公園 |
OE15 | 鵠沼海岸 | 鵠沼海岸 |
OE16 | 片瀬江ノ島 | 竜宮造りの絢爛な駅舎 |
OT01 | 五月台 | 自然が残る丘陵地 |
OT02 | 栗平 | 閑静な住宅街 |
OT03 | 黒川 | クラシック音楽が流れる駅 |
OT04 | はるひ野 | 環境にやさしい開放的な駅 |
OT05 | 小田急永山 | 多摩ニュータウンを貫くトンネル |
OT06 | 小田急多摩 センター | パルテノン大通り |
OT07 | 唐木田 | ステンドグラスが似合う駅 |
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