区間運休時の時刻表
JR京都・神戸線 大阪駅(平成7年2月20日現在)
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JRは地震によって倒壊した六甲道駅付近の高架橋の被害が甚大で、復旧に2か月半を要しました。
それでも、損傷の少ない道床部分をジャッキアップして橋脚のみを作り直すという「荒業」により他社より2か月以上先駆けて復旧を果たし、
これを機に大幅な旅客シェアアップを実現したのでした。
(大阪側から見て)六甲道の手前の住吉までは2月8日に復旧しており、上記の時刻表はその当時のものです。
ワープロで作成したと思われる原稿をコピー用紙に印字したもので、急ぎで準備したことがよく分かります。
当時、芦屋〜住吉間は内側線(各停用の線路)のみ復旧していたようで、朝ラッシュ時の各停の一部と、
その他時間帯の快速は芦屋で折り返していたようです。運転間隔は概ね正規のダイヤに準拠していたと思われます。
京都方面行は概ね通常ダイヤ通りですが、新快速が日中以外高槻を通過していたり、
長浜や近江舞子で折り返しているのを見ると時代を感じます。この頃は新快速は221系、
快速はカボチャ色の113系がメインでした。
阪急神戸線 西宮北口駅(平成7年3月13日現在)
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阪急は神戸線の西宮北口〜夙川間、岡本〜御影間、三宮駅付近の被害が大きかったほか、支線の今津線や伊丹線でも多くの被害が出ました。
なかでも西宮北口〜夙川間、岡本〜御影間は路盤をほとんど1から再建したため、復旧は6月までずれ込みました。
(そのほか伊丹線の伊丹駅も高架橋が崩壊してしまいましたが、
これは終点駅だったことから手前に仮駅を作ることで暫定復旧しました。)
上記は震災から約2か月後の西宮北口駅の時刻表です。
駅ホームに掲示する時刻表が版元になっているようで、元原稿では急行を赤字で表記しているのですが、
白黒コピーだと黒字と区別がつかないため、手書きで○を加えて区別しています。
当時はまだ学校の週休二日制がほとんど普及しておらず、関西の私鉄各線では通学輸送に対応するため土曜ダイヤが設けられていました。
これも今では見られなくなってしまいました。
運転本数は概ね正規ダイヤを踏襲していると思われますが、朝ラッシュ時の優等列車は急行しか走っておらず、本数も少なめになっています。
震災による車両破損や、寸断区間への車両閉じ込めの影響なのかもしれません。
阪急神戸線 梅田駅(平成7年4月以降?)
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こちらはおそらく1995年4月以降のものと思われる時刻表です。
朝ラッシュ時の優等が急行ばかりなのは変わらずですが、運転本数がかなり増えています。
世情が落ち着き、通勤通学需要がかなり戻ってきたからでしょうか。
阪急神戸線は伝統的に(少なくとも昭和末期以降は)夕方ラッシュ時は12分間隔での運転を行っており、
この時も土曜日以外は12分間隔での運転です。
この伝統は2021年現在の休日ダイヤにも引き継がれています。
阪急神戸線 夙川駅(平成7年4月以降?)
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西宮北口以西の復旧は段階的に行われ、2月13日には御影〜王子公園間が、3月13日には王子公園〜三宮間が復旧しました。
御影〜王子公園間はわずか3駅2区間しかなく、一見復旧する意味があまり無さそうにも見えますが、
JR住吉駅と阪急御影駅の間、王子公園駅とJR灘駅の間を徒歩連絡することで、
阪神間を代行バスに頼らず鉄道のみで移動できるようになり、貴重な輸送ルートとなっていました。
そして4月7日には、夙川〜岡本間が復旧しました。
この頃になるとJRが全線復旧しており、さすがに利用は少なかった記憶があります。
上の時刻表はこの当時のものになります。
確か、たまたまこの区間に閉じ込められた2編成をピストン輸送する形で運行されていた記憶があります。
阪急神戸線 岡本駅(平成7年4月以降?)
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こちらは1つ前の夙川駅の時刻表の裏に印刷されていたものです。
おそらく途中の芦屋川駅の時刻表はなく、両端の駅の時刻表で代替していたのでしょう。
阪急甲陽線 夙川駅(平成7年4月以降?)
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こちらは甲陽線夙川駅の時刻表になります。
甲陽線は本線に先駆けて3月1日に復旧していました。今のようなワンマン運転はまだ実施されておらず、
この頃は本線から流れてきた3000系車両での運転でした。
運転間隔も日中は15分と今より長いです。
阪急甲陽線 甲陽園駅(平成7年4月以降?)
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こちらは1つ前の夙川駅の時刻表の裏に印刷されていたものです。
甲陽線は単線のため、2編成を使用するラッシュ時は中間の苦楽園口で行き違いをします。
そのため、両駅の発車時刻はほぼ同じになっています。
阪急今津線 宝塚駅(平成7年4月以降?)
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こちらは今津線宝塚駅の時刻表です。
今津線は比較的早く復旧し、ほぼ平常通りの運転を行っていました。
朝の神戸線直通準急の運転も行われていたようです。
阪急今津線 今津駅(平成7年4月以降?)
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こちらは1つ前の宝塚駅の時刻表の裏に印刷されていたものです。
やはり中間駅の時刻表の配布はなかった模様です。(西宮北口の時刻表はあったのかも?)
阪神本線 梅田駅(発行時期不明)
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阪神は震災で最も大きな被害を受け、御影〜西灘間の高架橋が崩壊したほか、
石屋川車庫が車両を巻き込む形で倒壊し、多くの車両が廃車となりました。
震災の日の朝、ヘリからの映像で石屋川車庫の惨状を見た時のショックは今でも覚えています。
その後、大阪方の鉄路は甲子園、青木、御影と段階的に復旧していきます。
6月末に全線復旧するまでは長らく梅田〜御影間の折り返し運転が続きました。
上記の時刻表はこの期間のものです。名刺大のやや厚い紙にカラー印刷されており、
コピー機で作った他社のものより立派で、震災で苦しい中よく準備したなと思わされます。
やはり震災による車両不足の影響があるためか、ラッシュ時の運転本数は少な目になっています。
12分サイクルで走る特急・急行・普通を軸に、ラッシュ時は梅田〜甲子園間の準急が加わるダイヤになっています。
阪神独特の、上位列車の停車駅をあえて通過する種別(区間特急や区間急行)は見られません。
阪神本線 甲子園駅(発行時期不明)
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上記は甲子園駅の時刻表です。当時の特急は梅田〜西宮間ノンストップ運転が基本で、
急行が甲子園折り返しとなる夜間のみ停車していました。
今の特急はずいぶん停車駅が増えました。
この他、掲載はしていませんが今津駅の時刻表も手元に残っており、
優等列車がほとんど停まらないような中間駅の時刻表も配布されていたようです。
神戸市営地下鉄 三宮駅(平成7年3月31日実施)
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神戸市営地下鉄は、三宮・上沢・新長田の各駅の施設が損傷し、当初は復旧に1年掛かるともいわれていましたが、
駅を休止し列車を走らせながら復旧することになりました。そして、通過していた駅も3月末には復旧しました。
上記の時刻表はその頃のものです。まだ通勤需要が元に戻り切っていなかったためか、
平日・休日で同じダイヤとなり、朝ラッシュの本数はやや少なめです。