乗車時間わずか5分・世界最短の国際列車でシンガポールからマレーシアへ~ターミナル駅へのアクセス方法は?

乗車時間5分、走行距離2.1kmの世界一短い国際列車”KTM Shuttle Tebrau”に乗り、シンガポールからマレーシア・ジョホールバルへと向かいました。

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総距離2.1km、世界最短の国際列車”KTM Shuttle Tebrau”

日本からシンガポールに到着した翌朝、早起きしてシンガポールからマレーシアのジョホールバルへ向かう国際列車”KTM Shuttle Tebrau”に乗りに出かけました。せっかくシンガポールに来たのに、最初の行き先がマレーシアというのも妙な話ですが、この旅行では「やりたいことから順に手を付ける」ことにしていたので致し方ありません。

国際列車というと、仰々しい手続きを経て長距離・長編成の列車に乗る、というのをイメージしがちですが、シンガポールとジョホールバルの間は最も狭い所で幅1kmに満たない海峡(ジョホール水道)となっていて、列車だとたった5分で着いてしまいます。本数も30分から1時間に1本ぐらいは走っていて、世界一「安・近・短」な国際列車といっていいでしょう。(ヨーロッパあたりにはもっと気楽に乗れる国際列車もありそうですが)

とはいえ一応国際列車なので、出入国の手続きはそれなりにきちんとしていて、事前準備も必要です。幸い、この列車の乗り方については以下のサイトで非常に詳しくまとめられているので、これに従えば特に問題なく乗れました。

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あとは、筆者が実際乗り降りした際気付いた細かい点を補足しておきます。

まず出入国関連ですが、マレーシア側に到着する際のアライバルカードを電子申請する際、滞在先の住所を求められしまい、どう書けばいいか悩みました。ジョホールバルで友人の家にでも行くか、ホテルに泊まるのならそれを書けばいいのですが、日帰りだと何を書けばいいか分からず、結局ジョホールバル駅の住所を書きました。入国の際、特に怒られることはなかったのであまり気にしてないのかもしれません…

あと、上記サイトには記載されていませんが、日本からの旅行者はマレーシア→シンガポールの入国の際にシンガポールのアライバルカード提出が必要ですのでお忘れなく。やり方は日本からシンガポールに行く時と全く同じです。

続いて乗車券関連ですが、座席の予約は早いうちにしておいた方がよいです(前日ぐらいには全便埋まっている可能性も高い)。なお、平日のジョホールバル朝発とシンガポール夜発の便は通勤客の利用が多いためか1か月以上前からどれも満席なので、そもそも利用しないプランにした方がよさそうです。また、土日も夕方以降の便を中心に満席が目立ちます。

あとは、行きと帰りで乗車券の額が妙に違う(筆者訪問時のレートで行きは573円、帰りは168円)のは気になりました。

シンガポール側の乗り場は?

この国際列車、以前はシンガポール中心部にほど近い所が起点だったのですが、今はジョホールバルに最も近い北部のWoodlands Chackpointという所が起点となっています。しかも、MRTのWoodlands駅やWoodlands North駅からはやや離れていて、バス移動がほぼ必須なのが面倒です。

旅行開始時点での未乗区間(実線)。白く塗りつぶした区間は2024年に乗車済み

話が脱線しますが、筆者は今回の旅行では観光と並行してシンガポールの鉄道完乗をひそかに狙っています。シンガポール中心部からは、Woodlands Northへトムソン東海岸線という路線が伸びていて、国際列車乗車のついでに乗りつぶしておくことにしました。

なお、MRTの一部区間は2024年に乗車済みなので、その区間は今回の旅行での乗車対象からは外すことにしました。それ以前の訪問で乗っている区間もあるはずですが、記憶が曖昧なので考えないことにします。

という訳でまずはLavender駅から東西線に乗車し、少し寄り道して南北線のMarina South Pier駅へ。ここは南北線で唯一未乗だった区間で、忘れないよう最初に乗っておくことにしました。折り返してMarina Bay駅からトムソン東海岸線に乗り換え、40分ほど掛けてWoodlands Northに到着。ラッシュ時なのに空いていたのは良かったのですが、この路線は全てトンネル内のため外が全く見えず、流石に最後の方は飽きてきました…

Woodlands Northは開業から新しく、周辺はまだ開発中のようでバス乗り場以外はほとんど何もありません。それでも結構な数の人がバスへと乗り込んでいきます。

どのバスに乗ればいいんだろうか…とまごまごしていると、バス乗り場に立っていた案内係のおばさんにどこに行きたいか聞かれました。Woodlands Chackpointに行きたいというと、目の前のバスに乗り、途中で下車して別のバスに乗り換えればいい…と言ってくれたようですが、いかんせんマレー系の訛りがきつくほとんど聞き取れません。

困惑していると、おばさんは親切にもバス運転手にその旨を伝えてくれたようで、運転士の案内で無事乗り継ぎに成功しました。2本目のバスは乗車距離は長くなく、徒歩でもなんとかなりそうでしたが、暑い中歩かずに済んだので助かりました。

一応具体的な乗り継ぎ方法を書いておくと、856系統のWoodlands行きに乗ってMarsiling CCで下車、同じバス停から出る903系統に乗り換えればOKです。どちらも運行頻度は高いのでそれほど待たされる心配はないでしょう。もっとも、次の記事で述べるようにWoodlands駅からは直通のバスがあるので、特にこだわりがなければそちらからアクセスするのがよいです。

セキュリティチェックを経て、いよいよ乗車

到着したWoodlands Chackpointは、天下のシンガポールの玄関口とは思えないほど狭く古びていて、日本でいえば年季の入った私鉄駅のような雰囲気でした。これから乗るのは9時40分発の列車で、9時5分にチェックインが始まるとのこと。到着したのは9時前ですが既に列ができていました。扇風機しかない暑苦しい跨線橋でしばし待ちます。

9時5分になるとゲートが開き、出入国審査場へと向かいます。シンガポール・マレーシアそれぞれの審査が別々にありますが、電子申請を済ましていたので割とすんなり通過できました。

結局、9時20分ごろには手続きを終え、1面1線の古びたホームにたどり着きました。一応駅名標もあったので撮影しておきます。ちなみにホーム上はマレーシアへの入国手続き済みの人しか入れず、外界から見ると事実上外国扱いなので、仰々しく鉄条網が設置されています。

列車はディーゼル機関車によるプッシュプルで、ステンレス製の客車4両に電源車らしき車両が連結されていました。ホーム上に駅員さんはいなかったので、怒られないかびくびくしつつも機関車を撮影します。

ひとしきり撮影を終え、列車に乗り込みます。客車は低床のホームからの乗降を考慮しステップ付きですが、Woodlands駅はホームがかさ上げされているので「落とし穴」のようになってしまっています。客車ドアは手動式ですが、デッキと客室の間のドアは押しボタンの付いた自動式でした。

座席は自由席なので、筆者はあえて一番改札口から離れた車両に乗ってみました。車内はまだ無人だったので、中の様子を思う存分撮影できました。

わずか5分しか走らない列車ながらも(マレーシア国内の別路線で使われる機会はあるのかもしれませんが)、見ての通り特急列車のようなリクライニングシートとなっています。シートの回転はできず、中央部を境に座席の向きが異なる「集団離反式」です。

座席は全体的にやや年季が入っているものの、国鉄末期あたりの特急車を思い出させる厚ぼったいシートで、座り心地はまずまずでした。シート背面には一応テーブルもついています。あと、車内の冷房はギンギンに利いており、シートの座り心地うんぬんよりも有り難かったです。

時間が経つにつれて車内の乗客は増えていき、5割弱の乗車率で出発時間を迎えます。

ジョホールバルに向けて出発!?

9時40分、列車はゆっくりとWoodlands Chackpointを発車します。シンガポール島内は相変わらず鉄条網の中を進みますが、ジョホール水道に出ると鉄条網がなくなり外がよく見えるようになりました。並行する道路にはかなりの数のトラック、自家用車、バスが行き交っており、国境の行き来は鉄道よりも道路の方が圧倒的に多いことが分かります。

マレーシア側のビル街が近付いてきて、上陸するとすぐにジョホールバルの駅に到着します。流石は世界一短い国際列車、感慨に浸る間もありません。

駅はコンクリ製の上屋に覆われた近代的な佇まいでした。ホームは4本ほどありますが、他の列車は何も停まっていませんでした。見るものもないので案内に従って出口に向かいます。マレーシアへの入国手続きは済んでいるので、特に何のチェックもないまま外へと出られました。

この後は約1時間と短い時間ながらも、ジョホールバルの街を観察してきました。

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