【アメリカ・ラスベガスへ】ANA羽田深夜便搭乗記~アメリカ入国&乗り継ぎの注意点は?(2024/12)

2024年の年末、羽田空港深夜発のANA便を利用して、サンフランシスコ国際空港経由でラスベガスを往復してきました。

行き過ぎ?6年ぶり5度目のラスベガスへ

2024年の暮れ、訳あってアメリカ・ラスベガスに行ってきました。今回の訪問は6年ぶり5度目となります。筆者は過去の訪問国数が6か国にとどまっており、それほど外国訪問経験が豊富な方ではないのですが、ラスベガスとシンガポール(過去5回訪問)だけは何だかんだとご縁があって、妙に訪問回数が多いです…

ラスベガスは観光地なのでそもそも物価が高い(ホテル代は除く)のですが、今回は円安とアメリカの物価高が追い打ちをかけ、いかに出費を抑えるかに腐心することとなりました。そのあたりの事情はおいおい語るとして、まずは日本からラスベガスへのアクセスについて語りたいと思います。

日本からラスベガスへのアクセスは?

赤い●印がラスベガス、★印がサンフランシスコ

© OpenStreetMap contributors

「ラスベガス」という地名は誰しも知っているでしょうが、その位置は案外知られていないかもしれません。上記の地図の通り、アメリカの西寄りのネバダ州というところにあり、西海岸のカリフォルニア州に隣接しています。なので、カリフォルニアの海沿いにあるロサンゼルス(LA)やサンフランシスコ(SF)に比較的近いです。近いといってもアメリカは広大なので、LAからは500km、SFからは1000km近く離れており、間は山脈や砂漠地帯となっています。

ラスベガスはそこそこメジャーな観光地ながら、日本からの直行便は飛んでいません(2025年現在)。 そのため、日本からの航空券やツアーを手配すると、ロサンゼルス空港(LAX)やサンフランシスコ空港(SFO)経由になることがほとんどです。ただし、日本からのアメリカ航路はアラスカに近い北の方を飛ぶので、その経路上のシアトルや、カナダのバンクーバーあたりを経由しても遠回りにならずに済みます。

日本からアメリカ西海岸へはANA, JALの他にアメリカの航空会社(UA, AA, デルタ)やZIPAIRも就航しています。値段を調べてみると案外AA(アメリカン航空)なんかが一番安かったりしましたが、紆余曲折の末今回は無難にANAで飛ぶことにしました。航空券はラスベガスまで通しで買ったので、アメリカ国内の移動は自動的にANAと同じスタアラ系のUAを使うことになります。

経由地はLAX, SFOどちらがお勧め?

SFOの構内図
LAXの構内図

© OpenStreetMap contributors

私が過去ラスベガスに行った際はいずれもLAXまたはSFO経由だったのですが、ANAとUAを乗り継ぐ前提ならば個人的にSFO経由がおすすめです。

上記の構内図を見て分かる通り、SFOは4つのターミナルが円形に配置されており、乗り継ぎのストレスが比較的小さいからです。(私は行ったことがありませんが、シアトルの空港もコンパクトで乗り継ぎはしやすいらしいです)

一方、LAXはアメリカでも屈指の巨大空港でターミナルが8個もあり、しかもそれらが横並びに配置されているので乗り継ぎが大変な場合が多いです。

例えばANAとUAを乗り継ぐ場合、SFOではUAは基本的にターミナル3発着なので(ただし例外あり、詳しくは後述)、国際線ターミナルとの間の移動は比較的短く済みます。一方、LAXではUAはターミナル7発着なのですが、これが国際線ターミナルと大きく離れており、途中1kmほど歩かねばなりません。

そのため、LAXで乗り継ぐ場合は乗り継ぎの経路を事前によく調べておき、徒歩移動の時間も考慮して乗り継ぎ時間を多めに確保しておいた方がいいでしょう。ちなみに、UA国内線からANA国際線への乗り継ぎは(かなり歩かされるものの)検査後エリア内でできるので、検査後エリアの外には出ない方がいいです。外に出てしまうと再度保安検査を受ける必要があり、面倒くさい上に混雑時は乗り遅れのリスクもあるからです。

ただLAXにもいい点はあり、国際線ターミナルの免税店の数はSFOに比べ充実しています。ラスベガスの空港には免税店はほぼないので、乗り継ぎに余裕があれば買い物を楽しむのもいいでしょう。

日本からラスベガスへ、実際に移動してみた

という訳で、今回はANAでSFOへ飛ぶことにしました。日本からアメリカ西海岸への便というと、往路は成田を夕方に出てアメリカに朝到着、復路はアメリカを正午ごろに出て昼過ぎに成田に到着するのが一般的でした。

しかし最近は羽田発着の便もあって、ANAの場合だと往路は羽田を深夜に出発してアメリカに昼過ぎ到着、復路はアメリカを深夜に出て羽田に早朝に到着します。

今回は便利な羽田発着というのに惹かれたのと、アメリカ(SFOかLAX)正午発だとラスベガスを早朝に発たねばならず早起きが面倒くさいので、往復とも羽田発着の便を利用することにしました。往復とも事実上飛行機の中で宿泊することになるので体力的にはやや不安ではありますが、どうなるでしょうか。

NH108:羽田からSFOへ

まずは京急に乗り、羽田空港へと向かいます。何故か毎回出くわす気がする新1000形1890番台(L/Cシート)に乗って羽田空港第3ターミナルで下車。ANAといえば、以前午前便でシンガポールへ行ったときは第2ターミナル発でしたが、深夜のアメリカ便は3タミ発なので間違えないよう注意が必要です。

さくっと出国手続きを済ませ、フードコートにある六厘舎で腹ごしらえをして搭乗を待ちます。

ボーイング777-300ERのシートマップ(ANA公式サイトより)

今回搭乗するのはボーイング777-300ER(旧タイプシート)なのですが、この機材はエコノミークラスのシート配置が「2-4-3」と変わった配置になっているのが特徴です。この機材、ANAの長距離路線の中では今や最も古くシートも年季が入っていますが、シート幅・シートピッチ共にボーイング787などよりちょっぴり広く、古さに目をつぶれば比較的快適ではありました。

羽田を出発すると程なく水と小さなサンドイッチの入った袋が配られ、あっという間に消灯となります。離陸から1時間も経っていなかったので色々準備ができておらず慌てましたが、「早く寝ろ」というメッセージなのでしょうか。

3,4時間ほど眠ったところで目を覚ますと、フライトはもう半ばを過ぎていました。不安だった深夜フライトですが、昼間のフライトと比べて機内で無為に過ごす時間が(体感的に)減るのと、一応睡眠はとれるのでアメリカ到着後の眠気が多少軽く済む気がしました。(シートで無理やり寝るので体はバキバキでしたが…)

機内で配られた朝食
写真手前の赤い橋がゴールデンゲートブリッジ、奥の方はベイブリッジ

着陸2時間前になると朝食が配られます。昼食がなかった分、通常の朝食と比べおかずは多めですが、本来昼食で配られるハーゲンダッツのアイスがないのはちょっぴり悲しい(貧乏性)。サンフランシスコの街とゴールデンゲートブリッジが見えてくると、程なくSFOに着陸です。

長いフライトを終えてSFOに到着しましたが、ここから最も気の抜けない時間が待っています。SFOでの乗り継ぎ時間はちょうど2時間で、この間にアメリカ入国手続きとトランジットを済ませる必要があります。

ちなみに日本からアメリカ入国後に国内線に乗り継ぐ場合は、入国審査を受けた後、手荷物を受け取って税関を通り、一旦エアサイドの外に出て再度保安検査を行う必要があります。ちなみに、日本出発時にアメリカ国内線の発券を受けている場合、税関を抜けたあたりにトランジット客専用の手荷物預け入れカウンターがあるので、手荷物はここで預ければよいです。(なお、日本の空港で付けてもらったバゲージタグに終着地までの情報が書かれているので、外さないようにしましょう)

SFOでの乗り継ぎルート(ANA公式サイトより) ANAとUAを乗り継ぐ場合、青とオレンジの矢印の通り進めばよい

SFOでの乗り継ぎルートは上記のANA作成の図が秀逸なので、これに従えば大丈夫だと思います。

アメリカの入国審査は1時間近く待たされることもざらで、乗り継ぎの場合は更にターミナルを移動して手荷物検査をして…という手順が加わるので大変です。成田昼発のフライトを利用した場合、日本の深夜に当たる時間帯にこれらの手順をこなさねばならないので、(長いフライトの疲れや、アメリカ人係員のやる気の無さも相まって)毎回苦行のように感じられるのですが、今回は機内で寝られたので少し楽でした。

ちなみに今回の乗り継ぎは、

  • 搭乗ゲートから入国審査場への移動に5分
  • 入国手続きに(待ち時間含めて)40分
  • 手荷物受け取り&再度預けるのに5分
  • アメリカ国内線保安検査場への移動&検査に15分
  • 検査場から搭乗ゲートへの移動に5分

と合計1時間強で済ませ、無事間に合いました。以前渡米した時はキオスク(指紋や顔写真を取る機械のようなもの)を利用できたりもしましたが、2024年現在では外国人は有人窓口を通るのが必須のようでした(機械は残っているものの、アメリカ人やごく一部の外国人しか利用できないらしい)。

以前は必要だった紙ベースの税関申請書は不要になったようで、税関はほぼノーチェックで通過できました。

UA373:SFOからラスベガスへ

SFOからラスベガスへの機材(後方に映っているのは乗ってきたANA便)

慌ただしいトランジットを終え、アメリカ国内線に乗り込めば、ラスベガスまではあと少しです。ラスベガスへの便は、比較的小型のボーイング737に当たることが多いです。日本でも地方路線でおなじみの機材ですが、通路が一本しかないため乗り降りに時間が掛かります。

しかもアメリカ人は機内にやたらと大きなトランクを持ち込むので荷物入れに収納しきれず、CAさんが必死で再配置を行う羽目になっていました。それでも何とか荷物を詰め込み、ほぼ定刻で出発しました。

アメリカ国内線は比較的長いフライトになることも多いため、シートモニタを装備している場合も多いです。ただし、古い機材だと番組数はあまり多くなく(当然英語のみ)、国際線のもののような豊富な機能はありません。それでもフライトマップは見られたので、これをひたすら眺めていました。

ラスベガスに近づくと、雪を被った岩山や砂漠が見えてくる(2017年撮影)
空港近くではストリップ通りのホテル群が間近に見られる(写真は離陸時のもの:2018年撮影)

この日は気流が悪く、シートベルトサインが付いている時間が長かった影響でドリンクサービスもありませんでした。地形の影響か、ラスベガス手前では結構な揺れに見舞われることが多い気がします。

やがて、機体はラスベガスに向け降下を始めます。昼間の便ならば眼下には荒涼とした砂漠と雪を被った岩山が見え、そのまま砂漠に着陸するんだろうかと思い始めたところで突然ラスベガスの市街が見えてくるのですが、夜の便なので当然ながら何も見えませんでした。

着陸後、長々とタキシングをしてようやくタラップに横付けになり、降機します。ゲートを出るとそこにはいきなりスロットマシーンが並び、”Welcome to Las Vegas”の派手な看板も見えます。ラスベガスに来たんだ、という高揚感がわく瞬間です。

© OpenStreetMap contributors

しかし、ここで浮かれすぎてしまわないよう注意が必要です。 マッカラン国際空港には2つのターミナル(ターミナル1と3)があります。ターミナルビル直結のゲートに出てきた場合は特に何の問題もないのですが、タラップのみがあるサテライトのような建物(Dゲート)に到着する場合があり、その際は専用のトラムでどちらかのターミナルに移動する必要があります。

この時、自分の航空会社がどちらのターミナル発着かを把握し、正しい方のトラムに乗らないと、バゲッジクレームに行ったはいいが荷物がいつまで経っても出てこない、という悲劇に見舞われることになるので注意が必要です。どちらのターミナルに進めばよいかは通路上のモニタに表示されていますので、よく確認しましょう。UA利用の場合はRED LINEに乗り、ターミナル3に進めば大丈夫です。

ラスベガスに到着したのは19時過ぎでしたが、こんな時間に到着する観光客は多くないのか、トラムもターミナルビルも閑散としていました。無事手荷物を受け取り、後はホテルに向かうのみです。

「着陸の際ホテル街が間近に見える」と書いたとおり、ラスベガスの空港はホテル街の目と鼻の先にあり、移動は非常に楽です。ただ、ラスベガスから中心部へは公共交通機関がほぼ存在しません。一応地元客用の公共バスはあるようですが、ストリップ通りの一部をかすめるのみであるばかりか、本数も少なく空港ターミナル内での案内もほとんどなされていないので、存在感は皆無です。そのため、ホテルへはタクシーやUberで移動するのが無難でしょう。

UA2416&NH107:ラスベガスから羽田へ

モニタには直前のLAX行きがまだ表示されている

そして数日後、今度はラスベガスから日本へ戻ります。空港に着いたのは夕方6時前、事前にUAから送られてきたメールに従ってWebチェックインを済ませておいたので、カウンター付近にある機械で手荷物用のラベルを発行し、あとは荷物を預けてしまえば手続きはおしまいです。

手荷物検査が妙に厳しく(トランクの中身まで確認させられている人が多数いた)、やや時間が掛かりましたが出発の随分前にゲートに到着しました。ラスベガスの検査後エリアはスロットマシンが複数あるものの、ショップは取り立てて珍しいものはなく時間を持て余しました。

UAはANAなどと違いCAさんはそっけない感じですが、一応フルキャリアなので機内でドリンクとお菓子のサービスがあります。コーラをお願いしたら、一缶丸々渡されたのはいかにもアメリカというか何というか…

機材は行きと同じボーイング737でしたが、機内エンタメは最新の物だったようで、言語は日本語が選べる上、日本映画や日本語字幕の付いた外国映画が多数見られるようでした。この機材に当たればラッキーですね。あと、フライトマップも「パイロット視点モード」というのがあって、立体地図と速度計・高度計をリアルタイムで見られてなかなか楽しい。

閑散としたSFO国際線ターミナル

そうこうしているうちにSFOに到着しましたが、着いたターミナルが国際線ターミナルから最も遠いターミナル2で、乗り継ぎのために殺風景な通路を延々1km近くも歩く羽目になりました。それでも乗り継ぎ時間はたっぷり2時間以上あったのでむしろ時間が余りました。SFOは免税店もそれほど立派ではなく、夜遅く閑散としてきたターミナルでただただ時間をつぶします。

NH107便でSFOを出発したのは夜12時過ぎでしたが、行きとは異なり割と立派なランチボックスが配られ、ドリンクサービスも実施されました。疲労もピークに達していたので早々に眠りに落ちました。

4時間ほど寝ると飛行機は行程の半ばを過ぎ、日付変更線付近まで来ていました。

そして到着2時間前に朝食(といっても日本時間では午前2時ぐらい)が配られます。海外調製なので具材の配置が雑だったり、野菜やごはんが妙に水っぽいのはご愛敬。

そして4時30分、ようやく羽田空港に到着です。手荷物を引き取って京急の乗り場に着いたのは5時10分、駅のシャッターはまだ閉まっていましたが、朝早いにもかかわらず意外に多くの人が電車を待っていました。この後すぐにシャッターが開き、5時26分の始発電車で帰路へつきました。

…と、ラスベガスへの移動の記録だけで長々とした記事になってしまいましたが、現地で見聞きしたことについて順次記事にしていきたいと思います。

※本記事は以下の記事を加筆・修正しました。
https://rail20000.jpn.org/foreign/foreign5.html

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