大阪万博閉幕直前、バーチャル万博に参加して全パビリオンのデジタルスタンプを収集しました。スタンプを紹介しつつ万博の思い出を振り返ります。
「バーチャル万博」で大阪万博を追体験
筆者は9月22日に大阪万博を訪問し、4月から9月まで毎月関東から万博訪問、という謎の記録を達成しました。しかしそれ以降はさすがに訪問できず、いよいよ10月13日の閉幕日を迎えることに。閉幕日が目前に迫るほど、「本当に終わってしまうんだ」という寂しい気持ちがこみ上げてきました。
そんな中、スマホやPCで手軽に楽しめる「バーチャル万博」アプリを使えば、遠く離れた関東からでも万博気分を味わうことができました(こちらも10月13日で終了)。さすがに会場にいるほどの臨場感はありませんが、会場内の風景や各パビリオンの内容などを「追体験」するには十分な出来ばえでした。

このように、会場内の各パビリオンの様子がなかなか細かく再現されていて、一通り回るだけでも楽しめました。実際にパビリオンに入ると、各パビリオンが用意したコンテンツに飛べるようになっています(ロードが非常に重たいのが難点でしたが)。
一通りプレイしてみましたが、国内パビリオンはどこもなかなか気合の入ったコンテンツを準備していました。内容はパビリオンの様子を完全再現しているところもあれば、実際の展示とは関係のないミニゲームを置いているところもあったりと様々でしたが、総じて展示を補完する内容となっていて、パビリオンを訪問済みでもそうでなくても楽しめました。

一方、海外パビリオンは館内の写真や簡単な動画を置いているだけの所が多かったですが、独自コンテンツを置いているところも半数弱ぐらいはありました。中でもすごかったのはペルー館で、館内の様子が完コピに近いレベルで再現されていました。

それに加えて、バーチャル万博専用に用意された博物館のような展示場もありました。もしスペースに限りのある「タイプB」ではなく独立した建物に出展していたならば、この展示がリアルに見られたのかもしれません。それも是非見てみたかった…
ゲットしたデジタルスタンプを完全紹介
ところで、万博の公式デジタルスタンプはバーチャル万博の各パビリオンにも割り当てられており(絵柄は現実のパビリオンに置かれているスタンプと同内容)、双方のアプリを連携させればスタンプゲットが可能でした。

筆者はバーチャル万博の全パビリオンを訪問し、全てのスタンプを獲得しました。そこで、万博の記録を後世に残すべく、万博を彩った全パビリオン&スタンプを一気にご紹介したいと思います。(なお、各スタンプの画像は「EXPO2025デジタルウォレット」アプリより引用させていただきます)
説明を分かりやすくするため、海外パビリオン(日本館含む)は原則「東から西」または「北から南」の順で紹介します。
※フランス館・マルタ館・アンゴラ館・ブータン館(コモンズF内)はなぜかデジタルスタンプが無いため、筆者が集めたリアルスタンプ画像を代わりに使用します。
海外パビリオン(東アジア・東南アジア・オセアニア)
日本館


最初に紹介するのは日本館。展示内容はやや難解でしたが、公式ガイドを読みながら進むと非常に楽しめました。スタンプは建物の構造をかたどったもの。
韓国館


建物正面の巨大なスクリーンを見るだけでも楽しめた韓国館。スタンプの模様は何かをかたどったものなのでしょうか?
中国館


中国四千年の歴史の底力が感じられた中国館。パビリオンの外観同様、スタンプにも漢字があしらわれています。
TECH WORLD(台湾)


台湾の自然、文化、テクノロジーをバランス良く紹介していたTECH WORLD。建物の形は台湾の山々をかたどっているそうです。
ベトナム館


限られたスペースながら、なかなか凝った展示を見られたベトナム館。スタンプはアオザイを着た女性像となっています。
フィリピン館


竹籠のような複雑な模様が印象的だったフィリピン館。スタンプの方も複雑な幾何学模様が描かれています。
カンボジア館


稲穂の実る水田が再現されていたのが思い出されるカンボジア館。入口にあるロゴがそのままスタンプの図柄となっています。
タイ館


木製のゾウが目立っていたタイ館、このゆるキャラは館内のどこかで見た記憶があるのですが、どこだったか思い出せない…
マレーシア館


パビリオン前のステージでのパフォーマンスを頻繁に行っていたマレーシア館。暑い夏場でも結構な頻度でイベントを行っていたのが印象的でした。
シンガポール館


会場西側エリアのランドマークとなっていたシンガポール館。マーライオンを模したこのキャラは、パビリオンで売られていたアイスクリームのパッケージにも描かれていました。
インドネシア館


スタッフの皆さんの「陽キャっぷり」が話題となったインドネシア館。最初の部屋には不思議な面相の仮面が大量に並んでいたのも印象的でした。
オーストラリア館


各国パビリオンのレストランが大混雑な中、オーストラリア館は比較的容易に食べ物が入手でき、何度もお世話になりました。
海外パビリオン(南アジア・西アジア)
バングラディッシュ館


主力の繊維産業を中心にアピールしていたバングラディッシュ館。スタンプのギザギザのような模様は何なんだろう?
ネパール館


諸般の事情から開館が7月半ばにまでずれ込んだネパール館。展示内容は手作り感がありましたが、それはそれで味がありました。
インド館(バーラト)


こちらも万博開幕後しばらくしてから開館したインド館。宇宙開発から素朴なお土産品まで、インドのカオスさを感じられる(?)展示内容でした。
ウズベキスタン館


円形ホールがエレベーターになっていて、いつの間にか1階から2階に移動しているという演出に驚かされたウズベキスタン館。2階に立つ大量の杉の柱も特徴的でした。
トルクメニスタン館


容易に立ち入れない独裁国家・トルクメニスタンのパビリオン。展示内容より、まるでカジノかパチンコ屋のような館内外のド派手な電飾がとにかく目立っていました。
アゼルバイジャン館


こちらも独裁国家として知られるアゼルバイジャンのパビリオンは、印象的な造形で非常に目立っていました。スタンプもその姿を描いています。
トルコ館


例のパフォーマンスを行うトルコアイス屋さんが大人気だったトルコ館。”Heyday of civilizations”は「文明の全盛期」という意味だそうです。
ヨルダン館


ヨルダンから輸入した砂に寝そべる体験が大人気だったヨルダン館。ガザやシリアといった紛争地に近い位置にありますが、国内の治安は安定しているのだとか。
クウェート館


オイルマネーで潤う中東のパビリオンはどれも豪華でしたが、クウェート館もその例に漏れず豪華な内容でした。スタンプはパビリオン外観の羽のような形を再現している?
サウジアラビア館


砂漠の都市をイメージさせる外観が秀逸だったサウジアラビア館。次回万博開催地だけあって今回の万博にはかなり気合いを入れて臨んでいたようで、WASSEで開かれていた期間限定イベントも面白かったです。
バーレーン館


船のような、障子のような外観が特徴的だったバーレーン館。スタンプの方はアラビア語で「バーレーン王国」と表記していると思われます。
カタール館


パビリオン前の池にはステージのような広場があり、時折生演奏も行われていたカタール館。スタンプにも描かれたロゴはどういう意味があるのだろう?
アラブ首長国連邦館


入口付近に並んだ円柱状の柱が特徴のUAE館。並ばずに入れることが多く(9月の日中はさすがに待ちが発生していましたが)重宝する存在でした。
オマーン館


赤一色の、独特な形状の建物だったオマーン館。スタンプもその造りをかたどったものとなっています。
海外パビリオン(ヨーロッパ)
北欧館


デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデンが合同で出展。それぞれ魅力的な国なので、コモンズ館のように各国独自のブースがあると良かったかも。
バルト館


ラトビアとリトアニアが合同で展示(なぜかエストニアは入らず)。訪問時は知らなかったのですが、入口のミャクミャク人形が盗まれる騒動があったのだとか(写真のミャクミャク人形が「代理」の札を持っているのはそのため)。
ポーランド館


芸術作品主体の展示だったポーランド館。スタンプは建物の構造を模したもののようです。構造は日本館にやや似ていますね。
チェコ館


同じく芸術作品主体の展示だったチェコ館。スタンプに描かれたロゴの意味は分からず。
ハンガリー館


ハンガリー民謡のショーと、ガラス製のオブジェが印象的だったハンガリー館。そんな雰囲気とは裏腹に、スタンプには漫画チックなおじさんの顔が。
ルーマニア館


ピアノ生演奏に芸術作品の展示と、こちらも芸術全振りの内容だったルーマニア館。ロゴもなかなかおしゃれ。
ブルガリア館


乳酸菌をイメージした「ラクトちゃん」というド直球な名前のキャラが描かれたブルガリアのスタンプ。デジタル化する際に手違いがあったらしく、印影が横向きになっていました。
セルビア館


ビー玉がリアルと仮想を行ったり来たりする展示が印象的だったセルビア館。スタンプにもビー玉が描かれています。
オーストリア館


五線譜をイメージした外観と、ピアノの自動演奏が特徴的だったオーストリア館。スタンプにもパビリオン外観が描かれています。
ドイツ館


入館時は気づきませんでしたが、ドイツ館は円柱を4つ組み合わせた構造になっているようで、それがスタンプにも描かれています。
オランダ館


オランダ館は側面に波打った鉄板を巡らせ、天井に白いドームがある構造になっており、スタンプはこれを描いています。(建物後方の赤いドームはシンガポール館)
ベルギー館


美しい映像を流しながら、ひたすら自国の医療技術の宣伝をするという不思議な内容だったベルギー館。ベルギーは地域によって言葉も文化も違うことから独立性が強く、スタンプにも3つの地名が併記されています。
ルクセンブルク館


ハンモックに寝て眺める映像の没入感と、巨大なホットドックが印象深いルクセンブルク館。スタンプのロゴは心臓を表しているっぽい。
英国館


テーマパーク風に英国発展の歴史を伝える内容の展示だった英国館。建物外にはちょっとした庭園があるほか、アストンマーチンの車が飾られていたりしました。
アイルランド館


アートを主体とした展示のアイルランド館。整理券をゲットすれば生演奏のショーを見られたらしいのですが、筆者は入手できずじまいでした。
フランス館


個人的に最もお気に入りだったフランス館は計3回訪問しました。初めて訪問した日にここに行ってなかったならば、万博に11回も通うことはなかったのかも知れません。
スイス館


シャボン玉が乱れ飛ぶ幻想的な雰囲気の展示が印象に残ったスイス館。スタンプに描かれたアルプスの少女ハイジはパビリオン内にも登場しました。
モナコ館


複数の円筒形の建物からなるモナコ館。スタンプにも円が描かれているのはパビリオンの形状にちなんでいるのでしょうか。
イタリア・バチカン館


東京で「万博行ってきました」というと必ず「イタリア館行った?」と聞かれるほど、その名が響き渡っていたイタリア館。スタンプはバチカンの分を含め2つあります。
マルタ館


建物内外の巨大ディスプレイでマルタの風景を映し出すマルタ館。スタンプはパビリオン入口の雰囲気を表現しているようです。
スペイン館


写真ではやや見づらいですが、スペイン館の建物は「太陽と海」を表しており、スタンプも同じモチーフだと思われます。
ポルトガル館


大量の縄をぶら下げたような外観が特徴のポルトガル館。スタンプもこの外観にちなんでいるのでしょうか。
海外パビリオン(アフリカ)
エジプト館


タイプBの小型パビリオンながら、いつも長蛇の列ができていたエジプト館。8月訪問時に30分並んで入館しましたが、まるで灼熱の砂漠のような暑さでした。
チュニジア館


チュニジア館の外壁とスタンプにあしらわれているのは、桜ではなくチュニジアの国花であるジャスミンだそうです。
アルジェリア館


アルジェリア館の外壁・スタンプには、カタール館のスタンプとよく似た幾何学模様が描かれています。同じイスラム国家ということで文化的に共通するものがあるのでしょうか。
セネガル館


西アフリカの国家では唯一、独立館として参加のセネガル館。スタンプのデザインまで手が回らなかったのか、郵便局の消印のような文字のみのスタンプでした。(コモンズ館の小国でも時折このパターンが見られた)
アンゴラ館


6月後半になって開館にこぎつけたアンゴラ館。アフリカの医療事情の厳しさと教育の大切さを教えてくれました。
モザンビーク館


南部アフリカの独立館として、アンゴラ館と並び貴重な存在だったモザンビーク館。アフリカの国々は国境線が直線的なところが多いですが、ここは非常に入り組んでいます。
海外パビリオン(南北アメリカ)
カナダ館


館内に流氷を模したオブジェをずらっと並べていたのが印象的だったカナダ館。スタンプの図柄も流氷を模しているのでしょうか。
アメリカ館


東ゲート近くに鎮座し、とても目立つ存在だったアメリカ館。日本人にとって最も身近な「外国」だからか、常に長蛇の列ができていました。
コロンビア館


コロンビア館のモチーフは「蝶」で、館内の展示も「蝶の群れが導いてくれる」という趣向になっていました。
ペルー館


多様な観光資源に恵まれ、冒頭で述べた通り展示内容も充実していたペルー館は印象深いパビリオンの一つでした。
ブラジル館


正面から見ると、真っ白な額縁のような形状のブラジル館。館内に白いビニール製の人形(?)が立ち並ぶ独特の展示内容が印象的でした。
チリ館


モアイのあるイースター島もよく考えたらチリの領土ですが、チリ館にモアイに関する展示があったかどうかは忘れてしまいました。
記事が長くなり過ぎたため、残りのパビリオンは別記事で紹介します。
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