【ラスベガス】新名物”Sphere”が客室から見放題! Horseshoe(ホースシューホテル)のハイローラービュールームに宿泊した

ラスベガスのホテル選びのコツについて述べるとともに、新名所「スフィア」がよく見えるHorseshoe(ホースシュー)のハイローラービュールームを紹介します。

ラスベガスのカジノホテルの特異性

ラスベガスのカジノホテルのロビー。通路脇にギャンブル関係の設備がびっちりと並ぶ

ラスベガスのホテル選びについて語る前に、ラスベガスの街の作りや、ラスベガスにおけるカジノホテルの位置づけについて触れておきたいと思います。(ラスベガスを訪問済みの方は、本段落は適宜読み飛ばしてください)

ラスベガスの中心部には、ストリップ通りという太い道路が南北に貫いており、通り沿いにカジノホテルが主なものだけでも20ほど立ち並んでいます。このエリアは日本語のガイドブックだと「ストリップ地区」と表記されていることが多く、現地の人は英語で”Strip”と呼びます。

ホテルが立ち並ぶ通り、と書くと日本の温泉街のようなものを想像してしまいそうですが、ラスベガスのカジノホテルは数千の客室やカジノ・劇場・レストラン街・ショッピングモール・プール・コンベンションセンターなどを内包した巨大なもので、その広さは日本の大型ショッピングモールに匹敵します。そのため、ストリップ地区の端から端までの距離は5km近くもあります。一部の観光地や郊外の自然公園を除く、9割方の観光スポットがストリップ地区に集中しており、滞在中は(ギャンブル専念派を除けば)ここを延々とうろうろすることになるでしょう。

話は逸れますが、日本の感覚でいうとカジノホテルに一見無縁の劇場やら会議場やらがくっつているのは奇妙に思えます。これはカジノ間での集客競争がどんどんエスカレートしていった結果によるものらしく、あらゆる付帯設備はあくまでカジノへの客寄せのために存在していると言われています。その証拠にラスベガスのホテルでは1階が巨大なカジノになっていて、館内のどこに行くのにもカジノを通らされる、というパターンがほとんどです。

ちなみにカジノではタバコを吸うことが可能であり、巡回している「カクテルガール」という女性に声をかけると無料で酒を持ってきてくれたりもします(ただし近年は経費節減のためかカクテルガールの数は減りました)。そのため、ただでさえ陽気で声の大きいアメリカ人が夜遅くまで大騒ぎしているのが常です。これに加え大量のスロットマシンが常に音を発しているし、生バンドが夜中まで大音量で演奏しているしで、非常に騒々しいです。

ギャンブルは普段全くやらない私ですが、ラスベガスのカジノの騒がしい雰囲気は個人的に結構好きだったりします。とはいえ、苦手な人は苦手と聞きますので、そういう人はそもそもラスベガスに行くべきではないのかもしれません。ちなみに、カジノの収益のおかげでラスベガスのカジノホテルは(アメリカの他の都市に比べると)比較的宿泊費が安く抑えられていたりもします。

あと、ラスベガスのカジノホテルは資本の寡占化が進んでいて、大まかにストリップ地区南部のホテルはMGM系列、ストリップ地区北部のホテルはCeasers系列に分かれています(例外あり)。グループ内のホテルは同じサイトでまとめて料金検索ができたりします。

ラスベガスのホテルの選び方

ストリップのセンターに位置するベラージオ(左)とシーザーズパレス(右)

上記の通り、ラスベガスの観光はストリップ通り沿いのカジノホテル巡りが中心となります。そのため、日本からの観光客もカジノホテルに泊まる人がほとんどでしょう。どのホテルに泊まるか、というのは初めて渡航する人にとっては悩ましいでしょうが、個人的にはストリップ通りの極力真ん中に近い場所がお勧めです。

真ん中から外れたホテルに泊まる場合でも、少なくとも南のマンダレイベイ(Mandalay Bay)から北のウィン(WYNN)の間にするのが無難でしょう。このエリアから外れると日中でもあまり人が歩いておらず、特に夜間などは徒歩での移動は不安を覚えると思います。格安のツアーだとエリア外のホテルに泊まることになる可能性もあるでしょうが、その場合観光に出かける度に毎回タクシーやUberを使うことになり若干面倒です。

あとは好みや予算次第となりますが、ラスベガスではカジノやナイトショー・観光地巡りで外出していることが多く、ホテルではシャワーを浴びて寝るだけ、という生活パターンになりがちなので、ビーチリゾートなどに出かける場合と異なり、客室は質素でもいいかなという気がします。日本と違い、アメリカは安宿でも客室の広さはそこそこある場合が多いので、その点は安心です。

ホースシューを選んだ理由

現在のホースシューのエントランス
バリーズ時代のエントランス(2007年撮影:現在は撤去済み)

そんな中、今回筆者が選んだのはホースシュー(Horseshoe)というホテルです。ストリップ地区でも割と古株のホテルなのですが、「聞いたことがない」という方も多いでしょう。実はこのホテル、以前は「バリーズ」という名前だったのが最近になって変わったようです。

かつてはストリップ通りからホテル入り口までが長い動く歩道になっており、入口の装飾も相まって未来的な雰囲気でしたが、今は取り壊され、小さな飲食店やおみやげ店が並ぶ商店街になっています。ラスベガスではあまり見かけない純日本風のラーメン屋もあります。

このホテル、改名に合わせて外観は多少新しくなりましたが、内部は年季が入っていて、カジノフロアなどは古ぼけた感が否めません。豪華なアトラクションはなく、レストランもステーキハウスが1軒あるだけで、あとは地下フロアの奥の方に写真のようなフードコートがあるぐらいです。

パリスの外観
まるでテーマパークのようなパリスのカジノ

このようにやや冴えないホテルですが、実は横に立つパリス(Paris)とは同系列で、内部は短い連絡通路でつながっておりほぼ一体と化しています。パリスはフランス・パリをイメージした比較的新しいホテルで、カジノもレストランもなかなかおしゃれです。パリスよりはホースシューの方がおそらく安く泊まれるはずなので、パリスの設備を使えると思えばコスパは良いのかもしれません。あと、モノレールの駅があるので南北への移動も多少便利です。

加えて、ホテル前の商店街を超えたところにストリップ通りを渡る橋があり、これを渡ると噴水ショーのベラージオや、フォーラムショップスという巨大モールを抱えたシーザーズパレスに行けます。なので観光には便利なところです。

そして、ホースシューの一部の部屋は”ハイローラービュー”というタイプとなっており、そのうち高層階の部屋からは写真のようにラスベガスの新名所スフィア(Sphere)が見えます。(低層階からだと他の建物が邪魔になり見にくいようです)

ちなみに、スフィアは20000人近くが収容できるアリーナなのですが、写真のような球体のような形状をしており、24時間様々な映像が流れるのが特徴です。また、ハイローラーは写真左手にある巨大な観覧車の名前です。(完全に横向きになっているのでやや分かりづらいですが)

ベッドからの眺め
様々な映像が周期的に流れる

写真のようにベッドに寝そべりながらスフィアも眺めることもできます。スフィアの映像も無限に変化する訳ではなく、ある程度パターンが決まっているので15分もすれば飽きてしまいますが、それでも新名所を満喫できてよかったです。

スフィアはストリップ通りからやや離れており、意外と見える場所が限られているようで、客室からスフィアを眺められるホテルはそう多くないようです。通常の部屋との差額は大したことはないので、ホースシューにお泊りの際はぜひ“ハイローラービュー”の高層階をリクエストしてみてください。

客室内部の設備は?

一方、客室そのものはホースシューへの改名時に一通りリノベーションはなされているようで、思っていたよりはきれいで古ぼけた感じはありません。冷蔵庫、液晶テレビ、セキュリティボックスと最低限の設備は揃っていますし、持ってきたトランクを何個も広げられるぐらい客室は広いです。もっとも水は備え付けられていないので、ホテル前のCVS(ドラッグストア)などで調達するとよいでしょう。

水回りはこんな感じ。アメニティは石鹸・シャンプー・リンスと最低限で、シャワーはアメリカならではの固定式ですが、この辺は安ホテルなので致し方ありません。

テレビのチャネルは結構充実していて、NHK WORLDを見ることができるほか、中華系の観光客の増加に対応してか中国・台湾のチャンネルがやたらと多かったです。あとは、カジノフロアで行われているビンゴの生中継なんかもあったりします。

加えて、他のラスベガスのホテルと同様に宿泊明細をテレビ上で確認することもできます。特に問題なさそうであればチェックアウトの際にフロントに立ち寄る必要はなく、カードキーをフロント周辺のドロップボックスに投げ込めばOKです。明細書は別途メールで送られてきます。

客室内ではもちろんWiFiも使えますが、気になったのが1つの客室内でWiFi接続できる機器の数が2台までに制限されている点です(それ以上は追加料金が必要とのこと)。他のホテルはどうなのか分かりませんが、以前はそんな制限はなかったと思うのですが… ホテルWiFiに接続したスマホと他の機器をテザリングすれば事実上何台でもつなげるので特に支障はないのですが、無駄に何台も接続して追加料金を取られないようお気を付けください。

宿泊には英語での交渉力が必須?

以上、基本的にいい点ばかりを述べてきましたがいくつか問題点もありました

ホースシューを含むCeasers系列ホテルのチェックインはアプリでチェックインができ、ホテル到着後はロビーの機械でカードキーを受け取れる、という触れ込みになっています。

ところが、ロビーの機械でカードキーを受け取ろうとすると、「準備完了までしばらくお待ちください」というメッセージが出て全然受け取れません。長距離フライトを終えて疲労困憊の中、埒が明かないのでカウンターの列に並びますが、カウンターの人員は3名ぐらいしかおらず30分ぐらい待たされました。ホテルの規模に対して明らかに人員不足な気がしますが、ベラージオやパリスなど高級なホテルでもチェックインの長い列ができていたので、ラスベガスのホテルはどこもそんなものなのかもしれません。

カウンターで確認すると、「予約していたタイプの部屋のタイプが満室になってしまった」とのことで、初日は違うタイプの部屋に泊まり、翌日昼に本来予約したタイプの部屋に移動することになりました。日本ならばホテル側で荷物の移動などをしてくれるでしょうが、ホースシューではそんなことはしてくれず、自分でカウンターに鍵を取りに行き(この時も結構並ばされた)、荷物も自力で運ぶ羽目に…

筆者は過去にも別のホテルに泊まった際に「部屋が満室」と言われ(ちゃんと予約したのに…)、隣の系列ホテルに行けと言われたこともありました。アプリでのチェックインなど少しずつ便利にはなりつつありますが、そこはやはり海外、カウンターで英語で交渉する羽目になる可能性はあると考えておいた方がいいでしょう。

※本記事は以下の記事を加筆・修正しました。
https://rail20000.jpn.org/foreign/foreign5a.html

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