運賃が高いことで知られる大阪メトロですが、一日乗車券ならばお得に乗車できます。一日乗車券で中心部の各駅を巡ってきました。
容易に元が取れる、大阪メトロ一日乗車券
大阪人にとっては半ば常識なのですが、大阪メトロは同じ関西のJRや私鉄、あるいは東京の地下鉄と比べて運賃が高いです。例えば梅田~なんば、梅田~新大阪といった短距離でも240円もします。東京など他地方から大阪を訪問した方はびっくりするかもしれませんね。
一方、一日乗車券は平日820円、土休日ならば620円と比較的安価です。土休日ならば、例えば「新大阪~梅田~なんば~新大阪」と乗るだけでもう元が取れてしまいます。土休日に大阪市内をうろつくなら一日乗車券を買うのがマスト、と覚えておくといいでしょう。
例年通り関西へと帰省していた筆者は、空いた時間に一日乗車券を購入し、久々に大阪メトロの駅を巡ってみることにしました。デジタル乗車券原理主義な筆者は、スルッとKANSAIが運営する「スルッとQRtto」というサービスを用いてQRコード形式の一日乗車券を購入しました。
ただ実際に使ってみると、東急のQ SKIPと同じくQRコードが使える改札機が各改札口に1個しかなく、いちいち改札機を探すのがやや面倒に感じられました(特に乗降の多い主要駅では)。券売機で売っている一日乗車券は壊れやすい紙の磁気券ではなく耐久性のあるプラスチック製磁気カードのようなので、こちらを使う方が便利かもしれません。ちなみに、値段はQRコード版と同額です。
余談ですが、大阪メトロの一部駅には写真のようなゴツい改札機が設けられています。これは実証実験中の顔認識改札機で、事前に利用登録をしている人しか利用できません。
大阪メトロでも全駅訪問&スタンプ収集
さて、筆者は最近首都圏の全駅訪問に取り組んでいますが(詳細はトップメニューの「全駅訪問」を参照)、別件で関西に行ったついでに大阪メトロでも全駅訪問をすることにしました。
…いや、本当は阪急京都線の「プライベース」に乗るつもりだったんですけど、朝方発生した輸送障害の影響で全便運休となってしまい、仕方なくメトロに乗ることにしたというのが正直なところです。
ただし、今回は3時間ほどしか時間が取れなかったので、梅田からなんばにかけての狭いエリア(上図の黒枠内)のみを巡ることにしました。本当はせめて天王寺や谷九(上本町)ぐらいには足を延ばしたかったのですが、次回以降の課題ということで。
そして、大阪メトロでは全駅に駅スタンプが常時設置されており、こちらも集めてみることにしました。駅スタンプは各駅の事務室前に置かれています(一部例外あり、詳しくは後述)。大阪らしく(?)スタンプ台がド派手に装飾されていることも多く、よく目立っていました。
もっとも、東京メトロと違って駅構内の出口案内には駅事務室の位置が表示されておらず、Webで構内図を見るか、駅員さんに聞かないと場所が分からないことがしばしばでした。
また、大阪メトロは同じ駅の中でも路線ごとに駅事務室が分かれているところも多く(1つにまとまっている場合もあり)、その場合はスタンプも路線ごとに分かれて配置されています。写真のなんば駅も御堂筋線(&千日前線)と四つ橋線はスタンプの置き場所が分かれていて、広い駅構内を延々と歩く羽目になりました。
御堂筋線と対照的、静かな四つ橋線
という訳で、まずは西梅田駅から四つ橋線の各駅を巡ります。四つ橋線はわずか11駅の短い路線で、しかも梅田から大国町までは御堂筋線と並行しています。いつも賑やかな御堂筋線と対照的に、日中は8分おきと本数も多くなく、6両編成の車内は空いていました(平日はビジネスマンが多いのかもしれないが)。御堂筋線とは違って乗客も地元っぽい人ばかりです。
なので筆者も久しぶりの乗車…かと思いきや、実は3年前に乗車していました。梅田から難波へ行く際に乗ったようなのですが、なぜ四つ橋線に乗ったのかは覚えていません。あえて御堂筋線ではなく四つ橋線を選ぶあたり、ひねくれた筆者らしいというか何というか…
千日前線&堺筋線に乗車
なんばからは千日前線で日本橋(にっぽんばし)へ、さらに堺筋線に乗り換えて長堀橋へ向かいます。千日前線は四つ橋線と同じく新20系でしたが、堺筋線は阪急車両にやたらと当たりました。地下ホームの両面を阪急車が占拠する光景を見て、「まるで烏丸駅みたい」と思ったのは筆者だけでしょうか。
そんな中、印象に残ったのが日本橋駅です。この駅は堺筋線、千日前線、近鉄難波線が三層に交わった構造になっていて(上記の構内図では近鉄が描かれてないので分かりづらいですが)、まるで迷路のようでした。堺筋線と千日前線のホームは階段で直結しており、堺筋線のホームが千日前線のコンコースを兼ねているのも特徴的です。
もっとも、異なる路線のホーム同士が階段で直結している駅は大阪メトロには他にもあり(南森町、堺筋本町など)、決して珍しくはありません。東京の地下鉄には不思議とこういう駅は少なく、乗り換え時は通路を歩かされる場合はほとんどなのですが、それには建設時期が絡んでいるものと思われます。
即ち、東京都心の地下鉄は戦前から2000年代に至るまで少しづつ継ぎ足すように造られたのに対し、大阪都心の地下鉄は(御堂筋線と長堀鶴見緑地線を除き)1970年の大阪万博の頃に一気に造られたため、ホーム同士をつなぐ連絡通路が作りやすかったのではないでしょうか。例えば日本橋駅に乗り入れる堺筋線と千日前線はわずか1年違いで開業しています。
心斎橋駅で大迷走…スタンプの置き場所は?
そんなことを考えつつ、長堀橋から長堀鶴見緑地線に乗ります。東京の大江戸線と同じく鉄輪式リニアモーターかつ小断面の路線で、実に14年ぶりの乗車です。この路線は入線音楽や発車メロディが他路線とは異なり「未来的」なのが特徴です。といっても、開業から30年以上使われているので曲自体は古いのですが。
一駅移動して心斎橋で下車し、スタンプ台を探します。長い乗り換え通路を歩いているうちに御堂筋線の北改札に来てしまいましたが、駅員さんに場所を聞くのも野暮なので自力で探してみることにします。
ひとまず、御堂筋線のスタンプがパルコ横の南改札に置かれているのは発見しましたが、長堀鶴見緑地線のは全然見つかりません。長堀鶴見緑地線ホームに戻り、動く歩道を延々と歩いて四つ橋線の改札口まで来ましたが、ここにもありません。
休日の心斎橋は人が多く、そのせいでスタンプ台を見落としているのかも…と思いながら駅構内を10分以上さまよい、仕方なく四つ橋線改札口の駅員さんに聞くと「御堂筋線の北改札にある」とのこと。北改札は先ほど聞くのを躊躇したあの場所です。
再び動く歩道に乗り、北改札で駅員さんに尋ねると奥の方からスタンプを出してきてくれました。何と心斎橋駅だけは例外的にスタンプ台がなく、「駅員さん預かり」になっているのでした。これまでの駅は全てスタンプ台に設置されていたのですっかり油断していましたが、道理で見つからないはずです。
御堂筋線・中央線・谷町線を巡る
心斎橋で予定外に時間を食ってしまったので、時間内に全駅を回れるか怪しくなってきてしまいました。時間短縮のため、各駅の駅事務所を大阪メトロのサイトで事前に調べ、それに近そうな場所に乗車るようにしました。加えて、少しでもスタンプの置き場所に迷ったら駅員さんに尋ねるようにしました。
心斎橋から御堂筋線で淀屋橋、本町と巡り、さらに中央線に乗り換えて堺筋本町へ向かいます。中央線では新型の400系に始めて乗車しました。設計時のCGを見るとえらく奇抜な車両に見えましたが、実物に乗ってみるとそこまででもない印象です。
再び堺筋線に乗って、北浜、南森町で下車後、最後は谷町線で東梅田へ。最後は東梅田から地下街を通って御堂筋線の梅田駅へ徒歩で移動し、これで予定していた全駅を訪問できました。
こちらが各駅の駅名標です。こうやって並べてみると意匠が見事にバラバラで、統一させる気はないんかいな、と突っ込みたくなってしまいます。
大阪メトロのスタンプは超個性的
一方、普通は会社内でフォーマットが統一されていることが多い駅スタンプも、なかなか独特な柄な上、線区ごとに大きくデザインが異なります。とはいえ、この3線はまだおとなしい方です。
千日前線は提灯のような電車のようなデザイン、谷町線は横綱の綱を思わせるデザイン(相撲の「タニマチ」に掛けているっぽい)、四つ橋線は切手の様な何とも言えないデザインです。
そして、一番ぶっ飛んでいるのが堺筋線です。コーヒーに赤べこが浮かんでるんですけど…
常時配置の駅スタンプではありがちなことに、残念ながら一部駅のスタンプはインクが非常に薄く、柄が判別しづらいものもありました。とはいえ、機会があれば別の駅のも集めてみたいです。
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