「リアル桃鉄で沿線巡り 東武vs近鉄」で野田線全駅訪問~リアル桃鉄の基本ルール&所要時間をご紹介

桃太郎電鉄の世界を本物の鉄道路線上で再現する「リアル桃鉄」が盛り上がりを見せています。今回、東武野田線を舞台としたイベントに参加してきました。

「リアル桃鉄」で東武野田線(アーバンパークライン)巡り

大宮駅に掲示されたポスター

「桃太郎電鉄」はファミコン時代から続く有名ゲームで、ご存じの通り全国の鉄道路線図を模したコース上を、サイコロを振りながら双六のように進みます。これを本物の鉄道路線を使ってやってみようという「リアル桃鉄」なる企画が近年盛り上がりを見せています。既に全国各地の鉄道路線を舞台に展開されており、今は2024年4月19日~8月18日の期間限定で東武・近鉄の各線で開催中です。

イベントの開催エリアはある程度限定されていて(といっても結構広いですが)、東武の場合はスカイツリーライン(浅草~羽生・栃木)・東上線・野田線のいずれかを選ぶ形となっています。

実は筆者は個人的に関東近郊の鉄道全駅訪問を進めていて、今度は東武野田線あたりを制覇しようと考えていました。「リアル桃鉄」イベントには前々から興味がありましたし、沿線にあまり名所もなく地味な野田線を巡る際のちょうどいいアクセントになるのではと思い(沿線住民の方すみません)、全駅訪問を兼ねて参加してみることにしました。

野田線は全線乗り放題の切符が発売されることはほとんどないのですが、桃鉄イベント参加時は全線フリーきっぷをセットで購入できることも参加を後押ししました。今回はスカイツリーラインの越谷~春日部間も全駅訪問することにしたので、「イベント参加券+3エリアのフリーきっぷ(2日間)」のセットを3750円で購入しました。

フリーきっぷと参加記念の「リバティカード」

このフリーきっぷ、18きっぷなどと同じく券面に日付印を押した時点から有効になるのですが、当然ながら改札機は通れず駅員さんを呼ぶ必要があります。大きな駅は駅員さんが改札口に常駐しているのでいいのですが、小さな駅だと駅員さんが奥に引っ込んでしまっている場合も多くて、大声で呼ぶ必要があることもしばしばでした。やはり自動改札機に対応している方が有難いです…

「リアル桃鉄」の基本ルール

実は筆者はろくにルールも把握せずに参加したのですが、知っておいた方が所要時間が読めますしゲームの戦略上も有利なので、簡単に記載しておこうと思います。

まず、ゲーム期間は1年(12か月)で、上半期と下半期でそれぞれ1か所ずつ設定される目的地を目指します。ゲーム版桃鉄と同じくサイコロを振って目的地を目指すのですが、停車駅では専用ポスターのQRコードを読み取ると停車したものとみなされ、次のサイコロを振ることができるようになっています。

なお、半期が終わる前に目的地に着いた場合、改めて目的地が選ばれることはなく、早く着いた分だけ賞金が増えます。ちなみに目的地にはちょうどのマスでなくてもゴールできますが、ぴったりの数でゴールした方が賞金が増えます。

目的地は最初に出発地を選択した際と、下半期に入る際にランダムに選ばれます。出発地として選べる駅は限られており、野田線の場合は大宮・野田市・船橋のいずれかです。筆者は大宮から出発しましたが、目的地は上半期が野田市、下半期が船橋でした。アプリの挙動を見る限り、最初に選んだ出発地によって目的地はほぼ固定される仕様ではないかと思われます。

なので、野田線コースで大宮か船橋を出発地に選んだ場合は、大宮から船橋(あるいはその逆)を完走し、かつ途中駅で最大12回下車することになります。野田線全線を走破するのに要するは1時間半ほどなので、順調に進めばゲームの所要時間は3時間~3時間半ぐらいになるでしょう(休憩時間を除く)。

桃鉄名物のカードも健在で、早く進めるカードや目的地での賞金が増えるカード(虎につばさカード)などがあります。物件を買うことはできないものの、キングボンビーやスリの銀二といった妨害役は出てきます。途中何問か出されるクイズに答えつつ(超簡単なものから意外に難しいものまで幅広い)、カードを駆使して早く、かつぴったりゴールを目指すことがゲームのミッションといえるでしょう。

ちなみに、今回のイベントにシリーズ名物の「牛歩カード」(相手プレイヤーのサイコロを1に固定)は登場しませんが、筆者は強制的に全駅で下車する訳で、いわば「セルフ牛歩カード」状態で旅を行うこととなります。

大宮駅から最初の目的地・野田市駅を目指す

という訳で朝早くやってきた大宮駅にてイベント参加券を購入、さっそく専用サイトにアクセスしてゲームをスタートします。早速サイコロを振ると出た目は6で、一気に東岩槻まで進めました。なかなか幸先良いスタートです。

といっても筆者は一人牛歩モードなので、出目とは関係なく途中の駅に一つ一つ下車しながら進んでいきます。幸いこの時間帯は朝ラッシュのため本数は多く、ほぼ5分おきに電車がやってきます。車両も真新しい60000系が立て続けに来て、野田線も変わったなあと実感します。

何せ、筆者が前回野田線のこの区間に乗ったのは20年以上前で、その頃はまだ単線区間が残り、吊り掛け式の5000系が健在でした。その時代と比べるとずいぶん変わりました。

と思っていたら、古い8000系もまだまだ残っていました。どうやらあと数年で置き換えられてしまうみたいですが。

駅の方も建て替えが進んでいて、写真の七里駅などは真新しい橋上駅に転じていました。もっとも、駅前はまだまだ開発途上のようで空き地も目立ちましたが。そうやって各駅を巡りつつ、あっという間に春日部に到着しました。

一旦野田線を離脱・スカイツリーラインへ

春日部で一旦野田線を離れ、まだ降りたことのないスカイツリーラインの越谷までの区間を巡ります。春日部といえば「この方々」の天下で、発車メロディにまでアニメのテーマ曲が使われていて思わず苦笑…

春日部は埼玉県東部のターミナルながら駅の造りは昔ながらで、昭和の頃の佇まいを残す跨線橋も健在でした。もっとも、駅構内は高架化に向けた工事が始まっており、あと何年かすれば真新しい高架駅に変わるはずです。

春日部からは、ラッシュで混雑する通勤電車に乗って一駅ずつ南下します。ラッシュ時なので本数が多いのかと思いましたが、一ノ割から大袋にかけては案外各停の本数が少なく、むしろ15分以上も列車間隔が開く時間帯もあったりして意外でした。

途中の北越谷は急行通過駅ですが、複々線の終端に位置するため東京方面への始発列車が多く発着します。乗降客も多く、急行停車の越谷駅とそう変わらないレベルでした。

単線区間を通って野田市へゴール

春日部に戻り、野田線巡りを再開します。春日部から野田市の先の運河までは大半が単線区間で、ラッシュ時であっても10分おきにしか電車が来ません。もっとも、日中でも10分待てば次の電車が来るので、途中駅で長く待たされる心配がないのはありがたかったです。その名の通り駅前に藤棚がある藤の牛島、江戸川を渡り千葉県に入って最初の駅である川間、と淡々と下車していきます。

川間の次は車両基地を併設した七光台駅なのですが、この駅はなかなかすさまじかったです。駅正面側はスーパーなどもあり、ごく普通に開発が進んでいるのですが、駅の反対側の出口の目の前は何と藪に覆われていました。少し歩けば住宅などもあるようなのですが、意外な光景でした。

七光台の次の清水公園を過ぎると、線路は真新しい高架となります。筆者もすっかり忘れていましたが、このあたりは長らく高架化工事が進められていて、それが最近ようやく完成したのでした。ただし線路は単線のままのようでした。

前来たときは古めかしい地上駅だった野田市駅は、2面4線の真新しい高架駅に転じていました。急行と各停の追い抜きなどに活用できそうですが、いかんせん野田市周辺は単線のため急行運転が行われておらず(急行は春日部~運河間は各駅に停車)、この設備が活用される機会は当面なさそうです。

…とすっかり忘れていましたが、リアル桃鉄の方はわずか3ターンで野田市に到着。早く着いた分賞金が出るのですが、この賞金を決めるサイコロの出目が最悪で(3個振って合計値が4…)、結局上期は何とも微妙な成績で終わってしまいました。

次は下半期に入りますが、サイコロの目は1… どうやら急激に出目が悪くなってきたようです。ひとまず野田市の横の梅郷に向かいます。

ところで、野田線の各駅の通路入り口には「〇〇駅自由通路」と大きく表示があるのですが、これは何故なのでしょうか?東武の他線でも見たことがなく、野田線独自の文化な気がします。

運河を過ぎると再び複線となり、あとはごく普通の住宅街を進んでいきます。相変わらず橋上化された駅が多いですが、その中でも初石と豊四季は昔ながらの平屋駅舎が健在でした。しかし初石駅は改築工事が間もなく始まるようで、この駅舎が見られるのもあとわずかになりそうです。

柏を過ぎ終盤戦へ~動態保存車両8111Fに遭遇

野田線は柏でスイッチバックする線形となっており、運転系統も柏で分かれています(急行を除く)。柏~船橋間はごく普通の住宅地が続きます。江戸川沿いに進む柏以北に比べると地形はやや起伏があり、並行する武蔵野線(新松戸~西船橋間)に雰囲気が似ている気がしました。

そんなことを考えながら駅でぼんやりしていると、クリーム色にオレンジの古めかしい塗装の8000系がやってきました。しかも、前面はオリジナルのままです。実は8000系で唯一オリジナル前面のまま残ったこの車両は、現在動態保存という形で残されているそうです。ただし、イベント開催時以外は通常の運用に入ることもあるようです。

動態保存ということで車内も極力オリジナルの状態を復元したそうで、ドア周辺はクリーム色の塗装がなされていました。

さて、リアル桃鉄の方は相変わらず出目が悪いので、一度にサイコロを2個振れる「スペーシアXカード」を使用、柏を通り越して一気に増尾駅へと向かいます。

が、増尾駅でのイベントでこれが出てきて大量の現金を奪われ意気消沈… これで上位進出の目はほぼなくなってしまいました。

苦節14時間・ゴール船橋駅へ

そんな出来事にもめげず、リアル桃鉄(と全駅訪問)は続行します。実は途中で野田線を離れて流鉄と新京成の各駅も巡っていたので、船橋に着いたのは夜9時近くだったのですが、どうにかゴールできました。

結果はこのような感じとなりました。実際のプレイ時間は14時間を超えていたのですが、途中ゲーム画面を立ち上げていなかった時間帯がカウントされていないものと思われます。

リアル桃鉄の感想ですが、基本的にサイコロの出目任せの運ゲーなので、戦略うんぬんで上位を狙えるものではないかなと感じました。参加費も1000円とそこそこいいお値段なので、この手の鉄道系有料イベントならば謎解きの方が個人的には好みかなと。

そして、全駅巡りの成果はこの通りです。TXの流山セントラルパーク・流山おおたかの森の両駅と、船橋駅から徒歩圏内にある東葉高速線の東海神駅もついでに訪問しておきました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました