「東上東京メトロパス」を利用し、2023年10月に期間限定で開催されたJR・都営・東武の合同企画「7つの板橋駅スタンプラリーに参加しました。
板橋だらけのスタンプラリー
https://www.tobu.co.jp/cms-pdf/news/20230926184549y8_giq7XWlxOQozXOjShVA.pdf
東京都板橋区内には、「板橋」という名前を含む駅がJR・都営三田線・東武東上線の3路線にまたがって7個存在します。それらの3社局が会社の枠を超えて連携し、7つの板橋駅を巡るスタンプラリーを開催するということで、参加してきました。なお、三田線や東上線とJRとの連絡駅である池袋・巣鴨もチェックポイントとなっていて、スタンプ台紙には押印用の欄が設けられています(専用のスタンプはなく常設の駅スタンプで代用)。
ちなみに筆者は個人的に東京23区内の全駅訪問を目指しており、これを機にほぼ手付かずだった東武東上線の都内区間(北池袋~成増間)の各駅をついでに訪問してきました。
板橋ってどんな所?
板橋区に馴染みのない方にご紹介しておきますと(筆者もあまり詳しくはないですが)、板橋という名前を含む駅は埼京線の「板橋」、都営三田線の「新板橋」「板橋区役所前」「板橋本町」、東上線の「下板橋」「中板橋」「上板橋」の計7か所が存在します。
このうち、埼京線の板橋駅が区の中心部なのかと思いきや(実は筆者もラリー参加前はそう思っていました)、実は板橋駅は板橋区の外れに存在し、駅東側は別の区(豊島区や北区)だったりします。板橋区は成増や高島平あたりまでを包含する広い区で、板橋駅から1.5kmほどの所に位置する区役所も区全体でみるとずいぶん東に偏っています。
スタンプラリー史上最大サイズ?
閑話休題、巣鴨と池袋の各駅で押印した後、埼京線の板橋駅へとやってきました。まずは改札前のスタンプを押印しましたが、これが巨大な消しゴム版画のようなものでびっくり。池袋や巣鴨の常設スタンプと比べると、巨大さが際立ちます。
この手の小規模かつ期間限定のスタンプラリーは、どこかの業者に依頼した小ぶりなスタンプ(サイズが大きいと制作費が高くなるため)を用いるのがほとんどですが、このラリーは「駅員さんが手作りしたスタンプ」が大きな特徴のようです。素人が手彫りしたとは思えないほど細かいディテールに感心してしまいました。ただし、その大きさゆえ一発できれいに押すのは難しいので要注意。
東上線の駅巡りに最適な切符を発見
さて、JR板橋駅付近は駅が密集していて、半径500m以内に東上線の北池袋と下板橋、三田線の新板橋駅が存在しています。そこでこの3駅は徒歩で訪問してしまうことにしました。まずは下板橋駅まで歩きます。下板橋駅は踏切を挟んで上下線別々に改札が設けられた昔ながらの造りの駅でした。しばし駅を観察した後、券売機で「東上東京メトロパス」を購入しました。
関東の私鉄各社はそろって「○○(会社名)東京メトロパス」というフリーパスを販売していて、大抵は「都心までの往復乗車券+東京メトロのフリーパス」がセットになっています。東上東京メトロパスもその例に漏れないのですが、東上線の場合池袋~和光市間で有楽町線が並行しているからか、東上線の池袋~和光市間も乗り降り自由となっています。ただし、池袋駅と和光市駅では販売していないため、購入するためには東上線の各駅に出向く必要があります。
価格は池袋に近い駅ほど安く、北池袋・下板橋の各駅では750円で買えます。東京メトロの24時間券が600円なので、わずか150円追加するだけで東上線の池袋~和光市間が乗り放題になる計算となり、非常にお得です(ただし北池袋・下板橋にたどり着くための交通費は別途必要)。東上線のこの区間が乗り放題になって嬉しい人がどれほどいるかは分かりませんが… ともかく、東上線の駅巡りをしたい私にとってはこの上なくありがたいきっぷです。
昭和の風情を残す?東上線
スタンプを押し終わると程なく電車がやってきたので、これに乗って隣の北池袋へ。北池袋から三田線の新板橋駅まで歩き、三田線の板橋本町・板橋区役所前を回りました。三田線各駅のスタンプ台には今回のラリー用のスタンプだけでなく、コロナ禍で撤去されたはずの常設の駅スタンプも置かれていました。他の駅の様子は分かりませんが、復活したのでしょうか?
板橋区役所前駅は東上線の大山駅に近いので、再び徒歩で移動します。大山は都内屈指の商店街で有名なところで、乗降客も多く賑やかな駅です。しかし駅の造りは下板橋と同じく昔ながらで、商店街の目の前に踏切があり、よく事故が起きないなあと思ってしまいます。流石にこのままではまずいということで、大山駅周辺は高架化が計画されているようですね。
その後、スタンプを集めつつ成増までの各駅を巡りましたが、この前乗った西武新宿線以上にレトロ感というか、時代に取り残されてる感をひしひしと感じてしまいました(写真のときわ台駅のようにあえてレトロさを前面に打ち出している駅もありますが)。そもそも、この区間は高架化が一切行われておらず、駅の反対側に行くには踏切を通るのがマストになってしまっています(一部の駅には立体通路あり)。また、成増以外の駅には構内にエスカレーターがなく(バリアフリー法の関係でエレベーターはあり)、基本的に階段を使わねばなりません。特に中板橋駅は、国鉄時代の地方駅を思わせる古風な跨線橋(もちろんエスカレーターなどなし)が健在で、これでも23区内なのかと(以下略
車両の方も、昭和の頃から一切改修していないと思われる古びた10000系が平然と走っており、「サステナ車両」と称する他社の余剰車両を導入してまでVVVF化を推し進めるお隣の会社とは対照的ですね…。半蔵門線系統から追い出された30000系が東上線では「若手」、同系統では中堅の部類の50000系が東上線では「新人」扱いなのも、何ともギャップを感じてしまいます。
…と文句を言いつつ成増までの各駅で下車、これで東上線の都内全駅を無事訪問しました。
ラリーの景品は超マニアック
そんなこんなで7つの板橋駅ラリーを完遂し、上板橋駅で景品をゲットしました(東武管轄の駅だからか、スペーシアXのクリアケース付き!)。景品は「オリジナルペーパークラフト」とのことで、子供向けの簡易なものかと思いきや、えらく複雑かつディテールが細かくてびっくり。車両の方も103系、東武8000系、都営6000系と渋すぎるチョイス… しかも鉄道模型よろしく、大量の方向幕シールまで付いています。マニアック過ぎる… バカでかい手彫りスタンプといい、最後まで規格外のラリーでした。
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