ようやく回復の兆しを見せるも、全盛期には程遠い「NEX」
ご存じ、都内各地・横浜と成田空港を結ぶ「成田エクスプレス(NEX)」ですが、コロナ禍による成田空港の需要の激減により一時期は大幅な減便を強いられていました。このところはようやく元の本数に戻りつつあるものの、乗客はまだまだ最盛期に比べると少ない状況です。
JR東日本としても手をこまねいて見ているわけにはいかず、空港客以外の利用を促進するため、これまでラッシュ時しか停車していなかった千葉に多くの列車を停車させるとともに、オンライン予約サービス「えきねっと」にてチケットレス特急券を大幅割引にて販売しています。例えば、東京駅から横浜・戸塚・大船・千葉・四街道までは何と830円。(2022/9現在) さらに、チケットレス特急券を買うと額面の5%分のJREポイントが付くため、それを考慮すれば実質およそ790円で乗れます。普通列車グリーン車の同区間が平日780円、土休日580円なので、平日であればその差はわずかです。時間さえ合えば、普通列車グリーン車の上位版として十分使えるなという印象です。
今後、日本の入国規制が緩和されて成田空港利用客が増えてくれば、この割引も無くなるかもしれませんのでご利用はお早めにどうぞ。
いざ、実乗:戸塚駅の出発ホームが??
ある日、神奈川県の戸塚から都内へ向かうことになりました。特に何も考えずに改札口の案内板を見ると、東京方面への先発は「成田エクスプレス」となっており、これはいい機会と「えきねっと」アプリを操作し、ものの2分ほどで特急券を購入しました。
程なく、NEXが入線してきました。さて、ある程度の鉄道通の方ならこの写真を見て違和感を覚えるのではないでしょうか。そうです、本来大船から東京までずっと横須賀線を走行するはずのNEXが、何故か東海道線ホームに入線してきたのです。戸塚駅の大船寄りには横須賀線と東海道線を相互に行き来できる渡り線があり(東海道線直通の湘南新宿ラインなどが常時使用)、これを利用して東海道線ホームに進入してきたようです。
予想外の展開に戸惑いながらも、やってきたNEXに乗り込みます。車内は案の定がらがらでした。枕木方向に設置されたLCD式の案内板がいつ見ても斬新です。黒と赤を基調としたシートもおしゃれで、シートピッチもなかなか広くて快適です。何よりガラガラに空いているので普通列車グリーン車とは落ち着きが違います。
列車は東海道線を横浜まで走った後、相鉄横浜駅の横あたりで東海道線から横須賀線に転線しました。どうしてこのような運転形態を取るのかは謎で、ダイヤ上も必然性が見受けられません。おそらく、使用頻度の低い渡り線の「錆び取り」(線路に錆が生じ、車輪との接触が不良となって信号装置に悪影響が及ぶのを防ぐ)が目的ではないかと思うのですが、真相はどうなんでしょうか。
ともかく横浜駅を出て、あとは武蔵小杉に停車しつつ品川まで突っ走ります。多摩川の先、新幹線と並走するあたりは線形もよく、常時120km/hの走りが見られました。品川に着いたところで下車。品川からはそこそこ乗客がいるようでした。
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