2021/12/10
新横浜8:45発〜名古屋11:06着 こだま709号
名古屋11:17発〜新大阪12:06着 のぞみ217号
冬晴れの朝の新横浜駅へとやってきた。
この時期はコロナ禍もかなり落ち着いてきており、新大阪方面へと向かうホームにはそこそこ客がいる。
一時は激減していた列車の本数も徐々に回復してきており、「のぞみ」は概ね10分おきの運転となっていた。
今回は「ずらし旅」ということで、次々に発車する「のぞみ」を見送り、やってきた「こだま」のグリーン車に乗る。
利用したのは、拙サイトにて以前から紹介してきた「EXこだまグリーン早特」である。
これを使うと新横浜〜名古屋間の「こだま」グリーン車に9060円で乗車できる。
同区間でEX予約サービス(普通席)を使うと9650円なので、グリーン車に乗れることを加味すれば大幅に安い。
とはいえ、「こだま」というと「遅い」というイメージが強く、
東京から名古屋や新大阪まで使おうという人はほとんどいないのが実情だ。
では、何故「こだま」は遅いのだろうか。以下の表は、今回利用した「こだま709号」の時刻表である。
新横浜 | 小田原 | 熱海 | 三島 | 新富士 | 静岡 | |
---|---|---|---|---|---|---|
着 | 9:00 | 9:12 | 9:20 | 9:34 | 9:47 | |
発 | 8:45 | 9:05 | 9:13 | 9:25 | 9:37 | 9:52 |
掛川 | 浜松 | 豊橋 | 三河安城 | 名古屋 | |
---|---|---|---|---|---|
着 | 10:06 | 10:19 | 10:35 | 10:51 | 11:06 |
発 | 10:08 | 10:23 | 10:39 | 10:56 |
このように、待避線のない熱海を除く全ての駅で3〜5分停車し、後続の「のぞみ」「ひかり」に追い抜かれるため遅いのである。
普通に乗ればまだるっこしいことこの上ないが、今回はこの停車時間を生かして途中下車し、
普段なかなか買う機会のない途中駅の駅弁を買って車内で食べる「グルメ旅」をしてみようと思う。
グリーン車の車内は、窓側の席が半分ほど埋まる程度の乗車率だった。閑散期の平日ということもあり、やはり空いている。
新幹線はあっという間に最高速に達し(「のぞみ」も「こだま」も車両は共通なので、最高速度は変わらない)、
相模川、酒匂川を渡って小田原に着く。ここで早くも5分停車するので、下車してみる。
ところが、コロナ禍の影響もあってホームの売店は休業していた。これは三河安城までのほぼすべての駅に共通で、
現在ホーム上の売店が営業しているのは「のぞみ」停車駅だけと考えた方がよさそうだ。
仕方なく、コンコースの売店に向かう。ここはさすがに営業していて、駅弁もいくつか売られていた。
小田原の駅弁は何回か買ったことがあるし、気が向けばいつでも買いに来れるよね、と思い、あえて見送る。
果たしてこの判断が吉と出るか凶と出るか。
小田原を出ると、一部相模灘を見られる区間もあるものの、ほとんどの区間がトンネルである。
熱海の次の三島で再び5分停車するので、下車する。
この駅には「港あじ鮨」という弁当が売られており、一度買って気に入ったので今回も買おうと思ったのだが、
何と駅弁売り場は11時からしか営業していないという。これもコロナ禍ゆえだろうか。
右手に富士山を眺めつつ西へと進み、新富士へ。ここも以前は駅弁を売っていたはずだが、今は新幹線構内の売店はそもそも営業していないらしい。
降りた訳ではないので確証は持てないが、掛川、三河安城など「ひかり」が停車しない小駅は駅弁を売っていない可能性が高そうだ。
仕方なく、次の静岡で。ここでようやく駅弁を買うことができた。
車内の客は三島や静岡で続々と下車し、当初の半分ほどに減った。
車内が十分空いていることを確認して、駅弁を食べ始める。牧之原台地に散在する茶畑などを眺めながら更に西へ進み、
もう1個弁当を買えないだろうかと浜松で下車してみる。浜松はYAMAHAの本拠地だけあって、
コンコースにはグランドピアノが置かれ、自動演奏が行われていた。駅弁売り場もあったが、先客がいて時間が足りず買えずじまい…
浜松から豊橋にかけては、浜名湖に浮かぶ弁天島あたりの車窓が素晴らしい。
まるで湖の上を走行しているかのようで、左右どちらの席に座っても車窓を楽しめる。
湖を過ぎてしばらく走ると、豊橋に着く。ここが駅弁の買えそうな最後の駅なので、降りてみる。
まだ静岡の駅弁が腹に残っているので軽めのものを、ということで、豊橋駅名物の稲荷寿司を購入。
やや持て余し気味だったが名古屋到着までに何とか完食した。これで家に帰るまで腹が持ちそうだ。
途中の三河安城で車内の残った最後の客が降り、グリーン車は完全な貸切状態になった。
東京から2時間20分ほどで、名古屋に到着。「のぞみ」の倍ほどの時間を要したが、
途中の各駅で歩き回り、車内では駅弁も食べていたのであっという間に感じられた。
久々に座ったグリーン車のシートも座り心地は上々だった。
車内も空いていて、混んでいるであろう「のぞみ」の普通席と比べると圧倒的にのんびりした時間を過ごせた。
名古屋からは時間の関係で「のぞみ」に乗り換え、新大阪へ。
新大阪〜大阪〜梅田〜なんば
およそ2年ぶりに新大阪へやってきた。
JR京都線の各駅停車で大阪駅へ向かう。日中の各駅停車は新三田行きが定番だったが、
これが宝塚行きに変わっていた。
JR宝塚線は最近のダイヤ改正で日中減便され、各駅停車が宝塚どまりに短縮となり、
新三田方面に向かう快速が宝塚から各駅に停車する「区間快速」に変更された。
梅田では少し時間があるので、前回来た時はまだ未完成だった阪神百貨店の中を少しだけ見てみる。
地下2階の、阪神電車とプラットホームと同じフロアにあるレストラン街が復活していた。
以前は電車を眺めながら食事をすることも可能だったが、フロア構成が少し変わった影響でそれはできなくなっていた。
やや時間が余ったので、すっかりクリスマスモードに飾り付けられた阪急百貨店1階のコンコースを見て歩き、
阪急三番街の地下から御堂筋線の乗り場に抜ける。
梅田の地下街は極めて広い上に複雑な作りで、土地勘のない人からは「ダンジョン」と恐れられるほどだが、
私は高校時代に散々歩き回ったので問題なく歩ける。
御堂筋線でなんばへ向かう。いつも混んでいるイメージのある御堂筋線だが、新大阪始発の便だからかかなり空いていた。
難波12:50発〜泉佐野13:18着 特急サザン23号
なんば駅の一番南の出口から下車してまっすぐ進むと、5フロア分ほどの高さのある吹き抜け空間に出た。
ここにはかつて、何故かロケットのレプリカが置かれていて「ロケット広場」と呼ばれており、
待ち合わせ場所の定番だったが、しばらく前にロケットが撤去されてしまった。
吹き抜け空間にある長いエスカレーターを登ると、南海難波駅の乗り場に出る。
南海難波駅は、かつての東横線渋谷駅に似た頭端式のターミナル駅で、停車している列車をずらっと見渡せる。
その片隅に、「すみっコぐらし」のペイントを施された「ラピート」の車両が、
車内の電気か消えた状態で留置されている。「ラピート」には関空開業直後に一度乗って以来長らく乗車できておらず、
今回是非乗ってみたかったのだが、コロナ禍による関空発航空便の大幅減便の影響で日中は全便運休しており、
残念ながら乗れず。
仕方なく、一般車で運転される空港急行で行こうと思っていたが、
ふと横の乗り場を見ると和歌山行き特急「サザン」が発車しようとしている。
そこで、急遽こちらに乗ってみることにした。サザンは前4両が特急型の有料指定席、後4両が料金不要のロングシート車で、
特急券を用意していなかったのでロングシート車に乗る。もうちょっと下調べして、特急券を買っておけばよかったのだが後の祭りである。
南海本線の車両は、昭和40年代製造の7000系列など全体的に古いものが多く、
特にサザンのロングシート車は毎回古い車両というイメージがあったのだが、今回乗ったのは最新の8300系であった。
指定席車両が新しい12000系の場合、ロングシート車も新しい車両を連結するようだ。
新今宮や天下茶屋で座席が一通り埋まり、堺までノンストップで走る。
関西私鉄は関東と比べて優等列車のスピードが速く、車両性能の上限ぎりぎりの速度を出すことが多いのだが、
この特急は停車駅こそ少ないもののそこまで速度は出さず、やや流したような走りである。
何となく、小田急の快速急行に似ている気がした。小田急と違って先行の各駅停車が支障して徐行するようなことはなかったが。
都心から遠く離れた所まで高架化が進んでいて(浜寺公園のあたりなど工事中の区間もあったが)、
複々線区間がある(南海の複々線区間は住ノ江駅までなので短いが)点も似ている。
8300系車両の内装も、どことなく小田急5000形と似ている気がする。
大阪市内から堺市内にかけて、すぐ横を阪神高速が並走する。
かつては阪神高速のあるところが海岸線で、浜寺公園駅のあたりは白砂青松の観光地として知られていたという。
今では海は埋め立てられて、工場が林立している。
高石を過ぎると地上に降りるが、周囲は住宅が林立していて主要道との踏切も多い。
そこで、泉大津や岸和田といった主要駅は高架化がなされていた。
難波から30分近くかけて、ようやく泉佐野に到着。泉佐野は大阪府内であるが結構遠く、乗りごたえがあった。
泉佐野13:29発〜関西空港13:38着 空港急行
泉佐野駅では空港方面への接続列車はなく、当初乗る予定だった空港急行が来るまで10分ほど待たねばならない。
空港開業直後は、泉佐野駅はまだ地上駅だったと記憶しているが、真新しい高架駅に生まれ変わっていた。
この駅は上下線に待避線を備えるごく普通の配線の駅なのだが、上下の本線の間にもう1本ホームがあるという特徴がある。
このホームはどう活用されているのだろうか?
ホームでひたすら待ち、ようやく空港急行を迎える。偶然にも新型8300系が再び来た。
すると、向かいの線路に和歌山市からの特急「サザン」が入線してきた。
両列車は例のホームを挟んで向かい合い、サザンからの乗客が空港急行に楽に乗り換えられるようになっていた。
あのホームは和歌山方面から空港への乗り継ぎの便を図るためのものだったのだ。
泉佐野を出た列車は、本線と分岐して空港連絡道・JRの関西空港線と合流する。
しばらく走ったところでりんくうタウン駅に着く。この駅は南海とJRがホームを共有し、間に柵などもない。
駅前には巨大なりんくうゲートタワービルがそびえ立っている。
空港の近くという立地とはいえ大阪市内からは程遠く、正直このような巨大ビルを建てても需要があるとは思えない。
当初計画ではもう1棟同じビルを建ててツインタワーとする構想だったというが、実現することなく今に至っている。
りんくうタウンから少し走り、空港連絡橋に差し掛かる。
羽田や中部・神戸空港など、海を埋め立てて作った空港は数多いが、関西空港は海岸線から実に5kmも沖合いに作られた。
当時伊丹空港の騒音問題が大きく取り上げられ、成田闘争も泥沼化していた影響だと思われるが、
その分建築費も莫大なものだったという。そのおかげで連絡橋は非常に長く、車窓はまるで瀬戸大橋のようだった。
長い橋を渡り終えると、ターミナルビルの下にある関西空港駅に到着。この駅はりんくうタウンと異なり、JRと南海で改札が分離している。
関西空港14:30発〜成田空港16:00着 ジェットスター204便
関西空港は本来、伊丹空港の代替として作られ、関空完成の暁には伊丹は廃港とすることが計画されていたという。
しかし、結局伊丹は廃港とならず、伊丹・関空・神戸の3空港が関西に並立することとなった。
そうなると都心からの距離が最も遠い関空はもっとも不利で、JALやANAの国内線の発着本数は伊丹に比べてかなり少なく、
騒音問題のため夜間に発着の行えない伊丹の補完という意味合いが強くなっている。
そのような背景もあり、関空は成田空港と並んで(成田は国際線の方がメインだが)LCCの拠点となっている。
ANA系のPeach Aviationの本拠地となっているほか、JAL系のジェットスター・ジャパンの大阪便も乗り入れている。
今回は、ジェットスターの関空−成田便という、完全な「裏街道」で東京へ戻ってみることにした。
本格的なLCC路線に乗るのは実は初めてで(AIRDOやスターフライヤーは乗ったことがあるが、これらは通常LCC扱いされない)、
ANAやJALとどう違うか身をもって体験してみようと思う。
その前に、久々にやってきた関空のターミナルビルを眺める。
関空は2階が国内線、1階が国際線到着、4階が国際線出発ロビーという、国内外の他空港ではあまり見たことのない構造になっている。
2階の国内線ロビーはそこそこ人がいたが、4階に上がるとまるで廃墟かと思うほどに人がおらず、
怖さを感じるほどだった。開業時に話題となった、凝った造りの大屋根も空しく放置されていた。
ターミナルビルの観察もそこそこに、保安検査場へ向かう。LCCは搭乗締め切りのルールが厳しく、
決められた時刻までに搭乗口に現れない乗客は容赦なく置いていかれる。
これは別に嫌がらせではなく、極力定刻運行を行うことで到着地での折り返し時刻を短縮し、航空機の運航効率を上げるためである。
しかも、チェックインカウンターは他の航空会社に比べて狭く、10人ほどが列をなして待っていた。
これもコスト低減のためで、できればWebチェックインを利用するのが望ましいだろう。
手荷物を預けるためにカウンターを利用したい場合は、早めに空港に着いておいた方が良いだろう。
この他、LCC独自のルールとして、受託手荷物や機内持ち込み手荷物に厳しい制約が課される点が挙げられる。
規定を超える手荷物を持ち込もうとする場合、別途料金が必要となる。
その他、支払手数料や空港使用料が掛かる上、座席を指定しようとすると別途料金が掛かる。
今回私は「エクストラ・レッグルームシート」という、通常の座席より少しだけシートピッチの広い座席を選んだのだが、
これは1000円程度の追加料金が必要だった。
結局、予約サイトでは片道運賃が「5800円程度(税抜)」と表示されていたところ、
諸々の料金や消費税を足し合わせると結局9000円近くかかった。
それでも、行きの「こだま」よりも安かったのだが、
予約サイトに提示されている運賃にはまず収まらないことは覚えておいた方がよさそうだ。
この日の保安検査場はがらがらで、スマホ上にダウンロードした航空券を提示するとすんなりと通過できた。
関空から飛行機に乗るのはおよそ25年ぶりなのだが、あいにく検査エリア内は工事中で、
仮設のパネルが張り巡らされた何とも殺風景な光景が続いていた。
しかも、国際線がほとんど停止していることから多くのゲートが事実上閉鎖されていて、
事実上稼働しているゲートは10個にも満たなかった。天下の関空とは思えない寂しい光景である。
ロビーでしばらく待つと、14時過ぎに搭乗開始となった。
「エクストラ・レッグルームシート」は優先搭乗の対象らしく、真っ先に乗り込むことができた。
機材はLCCではありがちな3列×2の単通路機のエアバスA320で、指定された席は機体の真ん中あたり、翼の少し前にあった。
この席はいわゆる非常口席で、予約サイトでも緊急脱出時の支援を行える人でないと予約できない旨記載があった。
実際に座ってみると、確かに足元には若干余裕がある。一般席とのシートピッチの差は20cm弱はあるだろうか。
沖縄や海外など、ある程度長距離のフライトならこの差は非常に大きいが、東京までの2時間に満たないフライトならば一般席でもまあ我慢できるかなという気がした。
機内誌はもちろんなく、機内で販売するドリンクやお菓子のメニューが置かれている。
ひとまず荷物を降ろし前席の下のスペースに置くと、CAの男性が来て、非常口席なので足元には荷物を置けないことを告げられた。
そして、荷物を渡すと座席上の棚に格納してくれた。
海外のLCCなどはCAの対応が非常におざなりだと言われるが(まあ、海外は普通の航空会社でもそんなに対応はよくないが)、
ジェット―スターのCAさんの対応はきびきびとしており、人数も十分な感じでANAやJALにも見劣りしないと感じた。
そうこうしている間に、機内には続々と人が入ってきて、ほぼ満席になった。私の横の2席も埋まった。
先程裏街道と称した関空−成田便だが、安値につられてなのか、あるいは成田周辺に用がある人のニーズを拾ってなのかはわからないが、
案外人気がある。がらがらの機内を想像していたので、これは予想外だった。
満席になるほど乗客が多いにも関わらず、14時20分頃には全ての客が乗り終え、25分過ぎにはタラップが外れた。
さすがはLCC、見事な定時運行である。機体は空港ビルを離れ、2期工事を終えて広くなった関空の構内を10分ほど掛けて移動する。
構内にはエバー航空やキャセイパシフィックといった海外キャリアの機材も目立つ。貨物専用として飛んできているのだろうか。
Fedexの巨大な倉庫などを見ながら滑走路へ向かうが、その途中で飛行機は停止してしまった。
どうも滑走路が混んでいるらしい。その後も少し進んでは停止を繰り返し、滑走路から飛び立ったのは何と15時ちょっと前。
機内放送によると「成田到着は16時10分」とのこと。できれば16時22分のスカイライナーに乗りたいのだが、かなり厳しくなってきた。
詳しくはFrightAwareから拝借してきた航路図を見て頂きたいのだが、関空を飛び立った飛行機は大阪湾をぐるっと270度旋回し、東へと向かう。
奈良上空から志摩半島、渥美半島沖、静岡県沖とあっという間に進み、14時20分頃には伊豆半島沖にたどり着いた。
この調子ならもっと早くつけるのでは、と思っていたが、ここから下降を始めたため速度も落ちた。
西の方から成田に降りる便にこれまで乗ったことがなく、どんな経路を取るのかが分からなかったが、
今回は房総半島の沖合いをぐるっと回り、九十九里のあたりから陸上に上がった。
飛行機は一旦空港を横目に見ながら内陸へ進んだ後、180度旋回して滑走路へ向かう。その途中、夕日が利根川に反射する美しい光景も見られた。
やがて、15時50分に第二滑走路に着陸。当初言われていた予定時間よりずいぶん早かった。
着陸した先は第3ターミナルに近く、16時過ぎには前方のドアから外に出られた。
成田空港の第3ターミナルはLCC専用のターミナルである。LCCへの賃借料を安く抑えるべく建築費用を抑えており、
空港駅と直結していない他、建物の内装が簡素であったり、ボーディングブリッジの数も少なかったりする。
私の乗っている機材もタラップ(階段)を繋いでいるようで、まさかのバス移動なのかと思ってたのだが、
タラップを降りた所には巨大なアコーディオンのような布でできた筒状の通路のようなものが設置されていて、これを使うことでターミナルビルに入れた。
しかし、このビルはサテライトのようなものらしく、本館へ行くには、5階ぐらいの高さに張り巡らされた連絡通路を通らねばならない。
ヒースローでもこんな通路があったなと思い出しつつエスカレータでえっちらおっちら上がり、ようやく本館へ。
だが、ここからが本番だ。第3ターミナルから第2ターミナルにある空港第2ビル駅まで、500mほど歩かなければならない。
通路は工事現場の仮設通路のような吹きさらしの粗末なもので、床には陸上のトラックのような独特の色が塗られている。
ここを延々と小走りで進み、第2ターミナルの駐車場の裏のようなところを抜け、ようやくターミナルビルに着く。
オミクロン株がどうこうという騒動のせいで国外との往来は厳しく規制されているはずだが、
到着ロビーには意外に多くの外国人の姿がある。ちょうど入国者の検疫でオミクロン株が相次いで見つかった、
とのニュースも報道されていた時期であり、そそくさと後にする。
結局、駅の改札に着いたのは16時15分。飛行機を降りてから15分ほどで着いたわけだが、これは相当急いだ結果であり、
実際は30分程度の移動時間を見ておく方がいいだろう。また、荷物の多い人は連絡バスを使う方が良い。
関空の国際線ロビーは人が全くおらず、まるでゴーストタウンのよう。
機内の様子はJAL, ANAと大きく変わらないが、小型の単通路機なのでやや狭苦しい。
成田空港に近づくと日が暮れてきた。夕日で利根川の川面が輝く。
空港第2ビル16:22発〜日暮里17:00着 特急スカイライナー48号
今日最後のランナーは、成田空港駅からやってきた「スカイライナー」である。
車内はやはりかなり空いており、同じ車両の客は5人ほど。
オフィスの椅子っぽい固めのシートに座る。
空港を出ると、しばらくJRと1本ずつ線路を分け合いながら並走する単線区間が続くが、ここで早くも130km/hを出す。
JRと分かれ、成田湯川を過ぎると160km/hに速度が向上。まるで新幹線のようなスピード感である。
とはいえ、そんな区間は案外短く、北総線と共用する印旛日本医大からは130km/hに戻る。
沿線には土地計画の変更のためか、複線が引けそうな土地が丸々残っており、使う当てもないことからメガソーラーとなっている。
この土地を使って新鎌ヶ谷あたりまで複々線化し、スカイライナーを160km/hで走らせてくれないものだろうか?
あとは北総線内を進み、江戸川を渡る。この辺りで所要わずか20分あまり、
東京の一番端とはいえ、この時間で東京都内まで戻ってこられるのだから大した速さである。
列車は京成高砂〜青砥にかけてのごちゃごちゃした線路を駆け抜け、青砥駅に停車する。
これはコロナ禍以降に一部列車で行われている臨時停車で、車両一番後方のドアのみが開く。
基本的に、青砥で降りる客には最後尾車両の指定席券を割り振っているはずだが、前方から後ろへ駆け寄ってくる外国人もいた。
(結局、この人は青砥では下車しなかったらしい)できれば英語での詳細な案内も欲しいところだ。
あとはすっかり暗くなった下町を進み、日暮里へ。