群馬・千葉一日旅―吾妻線と横川鉄道文化むら、京葉線の珍車と東京湾フェリー

 2007年分の鉄道乗車記録のうち、単独の旅行記にならなかった小規模のものをまとめる。 久々に吾妻線に乗り、帰りに横川鉄道文化むらに立ち寄った際の記録と、 内房線と東京湾フェリーで東京湾を一周した際の記録を紹介する。

目次

2007/3/10

 この時は、18きっぷを利用して長らく乗車していなかった吾妻線に乗り、 軽井沢を経由しつつバスで横川の鉄道文化むらを訪問した。

新宿〜高崎〜万座・鹿沢口

 新宿から、湘南新宿ラインで高崎に向かう。 最近、青春18きっぷでも普通車の自由席を利用できるようになったので (当然、グリーン料金は必要だが)グリーン車に乗る。高崎まで乗っても休日なら750円なので安い。
 高崎からは115系の普通列車で吾妻線を目指す。明るい時間に乗るのは実は初めてだ。 山深い路線だが、険しい断崖絶壁のようなところは案外少ない。 途中、川原湯温泉付近は将来ダム建設で水没することになっているが、まだそれらしい工事が行われている様子はなかった。


高崎以北の路線で活躍する115系。

万座・鹿沢口〜軽井〜横川

 万座・鹿沢口で吾妻線を下車し、バスで軽井沢に向かう。途中には西武グループの経営する鬼押し出しという景勝地があり、 バスも途中で休憩のためしばらく停車する。せっかくなので奇岩を写真に収めてみる。 車内からは雄大な浅間山が間近に見えた。
 軽井沢に到着し、今度は信越本線の「横軽」区間の代替バスに乗車する。 バスを待つ間、駅の構内を見ると横川方面への線路や架線柱がまだ残っていた。
 空いていた先ほどのバスとは違い、席が全て埋まるほどの盛況だった。バスは軽井沢の町を抜けると、しばらく上り坂を登る。 坂を上りきると碓氷峠で、ここからは急坂を転がるように下っていく。 横軽区間がいかに地形的に険しいかが良く分かった。


奇岩の並ぶ鬼押し出しの風景。

横川鉄道文化むら

 旅の締めくくりとして、横川鉄道文化むらを見学した。訪問するのは初めてだ。 予備知識としては、EF63の体験運転ができたり、廃線跡を活用したトロッコなどがあるのは知っていたが、 それ以外はたいした展示物などないだろうと思っていたので、小一時間見学して帰るつもりだった。
 が、実際見てみると見るべき物の多さに圧倒された。入り口付近に子供用の遊具があるのはご愛嬌として、 元の横川機関区の建物には昔の時刻表や記念切符、資料などが多数あり、見ごたえがあった。 そして、さらに奥に進むと保存車両が多数置かれていた。これらの車両は実際に立ち入って中を観察することができ、 往年の車両で旅をしたような気分を味わえた。

 こちらは初の軽量車体である10系客車の車内だ。後の急行型車両と似た造りとなっている。 車内には現役当時のポスターも残り、「国鉄」の文字も見られた。 他にも10系寝台車もあった。こちらは最近なかなかお目にかからない3段寝台で、何とも狭苦しそうだった。


新型客車の先駆けともいえる存在の10系。

 こちらは終戦直後に木造客車を改造した60系客車だ。座席は背もたれが板張りで、時代を感じさせる。 床も板張りとなっている。


上記の10系に比べて木造の内装が目立つ60系。

 こちらは通勤型気動車であるキハ30だが、非常に珍しいステンレス車体試作車となっている。 この他にも、貴重な車両を多数見て歩いたが、紹介しているときりがないので省略する。
 結局、予想以上に長い時間園内を見て回っていたため、帰りの列車を当初の予定より一本遅らせて帰路についたのだった。


国鉄ではほとんど例のないステンレス車体のキハ30。

2007/3/21

この日は、京葉線、内房線を経由して房総半島南部の浜金谷へ行き、東京湾フェリーで久里浜まで行ってみた。

東京〜蘇我〜千葉

 まず、東京駅から京葉線に乗る。やってきたのは京葉線では見慣れない、E231系のような新型車両だ。 この車両はE331系といい、通勤車両としては珍しい連接構造となっているなど、試作的要素の強い車両で、 この月から走り始めたばかりの車両だ。そんな珍しい車両に新浦安まで乗車した。 ちなみにこの車両、この数日後に車両の不具合が見つかったそうで運転休止となり、2008年3月時点でもまだ復帰していない。 そんな訳で、期せずして貴重な乗車体験となった。


なかなかその姿を目にする機会のないE331系。

千葉〜浜金谷

 蘇我駅に到着後、一旦千葉駅に行き昼食を購入する。購入したのは「魚いちば」という期間限定の駅弁だ。 駅弁としては珍しく生魚がふんだんに使われている。桜の葉に包まっているのは桜餅ではなく、これもお寿司だった。


千葉駅の限定駅弁「魚いちば」。

 千葉から内房線の列車に乗る。木更津までは住宅や工場が続くが、単線区間となる君津より先は急速に鄙びてきた。 途中駅はどれも昔ながらの木造駅舎で、自動改札ではなく駅員が手で改札をしている。 やがて、車窓には海も見えてきた。東京からさほど離れていないが、一気に旅気分が出てくる。


車窓から見える東京湾。

浜金谷〜久里浜

 浜金谷駅からしばらく歩くと、東京湾フェリーの乗り場が見えてきた。ちなみに、浜金谷の町は古い家並みが良く残っており、 フェリーの乗り継ぎ時間に余裕があればゆっくり散策してみたいと思った。
 フェリーの切符を買い乗船すると、程なく出航した。この日は天気も良く、船内は観光客で賑わっていた。 デッキに出てみると、独特な形をしている鋸山がよく見えた。
 一時間ほどの航海で久里浜港に着き、バスと横須賀線を乗り継いで帰宅した。


フェリーのデッキからは鋸山がよく見える。