2009/1/3
1月、お正月の帰省のついでに家族と京都観光に出かけた。 行き先は市中ではなく、あえて北山の奥にある鞍馬寺を選んだ。なぜそうしたのか今となっては記憶は定かでないが・・・
淀屋橋〜出町柳〜鞍馬
山門〜多宝塔 鞍馬山鋼索鉄道
まずは淀屋橋から特急で出町柳に向かう。だが、すぐにやってきたのはロングシートの一般車。
当時はまだ3000系が投入されておらず、3本に1本ぐらいは一般車特急が来たのだが、見事にはまってしまった。
これに1時間近くも揺られる気はしないので、次の8000系特急車を待って乗車した。
出町柳で叡山電鉄に乗り換え、鞍馬へ向かう。もう3日目だからか、それほど初詣客は多くなかった。
初めは市街地を軽快に、後半は山深い地形をカーブを繰り返して慎重に進み、鞍馬着。
周囲はすっかり山深く、早くも下界から山上に上がってきたという気になる。
大きな天狗像のある駅前広場を抜け、しばらく歩くと鞍馬山の境内に入る。
境内を入ってすぐのところに、ケーブルカーの乗り場がある。これは鞍馬山の本殿などがある山上へ楽に迎えるよう、
お年寄りなどの便宜を図ったものである。運賃は無料だが、寄付金200円を払えば乗車できるというシステムになっている。
とはいえ、これも鉄道要覧に掲載された立派な鉄道度線である。
車内に乗り込むと、幅は一般のロープウェイより狭く、長さも短く、座席定員は10名あまりしかない。
これまで色々乗ったロープウェイの中でも最も小型であろう。それでも、乗客はさほど多くなかった。
このケーブルカーより、参道を歩く方が本来メジャー(途中、いくつか見どころがあるため)のようだ。
雪の積もる山上から京都市内の方を眺め、本殿にお参りした後帰宅した。
京阪特急が10分おきに増便された後、3000系が投入されるまでは一般車の特急が頻繁に見られた。
前面に草が描かれた不思議な塗装の叡山電車。
ケーブルカーの車体は大人二人分ぐらいの幅しかない小さなもの。
2009/4/3
4月のある日、天気も良いので江ノ島方面へと出かけた。 とはいっても観光目当てではなく、列車に乗るのが目的である。 この日は平日だったのだが、おりしも花見日和とあって列車は混んでいた。
藤沢〜鎌倉〜逗子
藤沢駅の江ノ電乗り場は、JRや小田急の乗り場とはやや離れた場所にある。
ちょうど電車が出たばかりでホームにはほとんど人がいなかったが、
乗車口で列車を待っているとあっという間に後ろに長い列ができた。
しばらく待って、ようやく2両編成の列車がやってきた。比較的新しい車両のようだ。
列車に乗り込むと、車内は立ち客も出るほどの混雑となった。思った以上に観光客が多いらしい。
藤沢を出た列車は、急なカーブを曲がりつつ江ノ島を目指す。
江ノ島で観光客が降りるのかと思いきや、むしろ乗ってくる人のほうが多く車内の混雑はより増した。
これでは車窓を眺めるのも一苦労である。
それでもがんばって車窓を眺める。江ノ島を出ると、江ノ電でも唯一の併用軌道を進む。
商店の軒をぎりぎりにかすめるように進み、なかなか圧巻である。
次の腰越から鎌倉高校前、七里ガ浜にかけては海沿いを走る。目の前には一面に太平洋が広がり、
東京から程近くとは思えないような車窓だ。
結局混雑は収まらないまま、鎌倉に到着した。
鎌倉からは横須賀線に一駅だけ乗って逗子へと向かう。
字幕には桜のイラストが入る。このイラストは季節によって変化するらしい。
新逗子〜金沢文庫
JRの逗子駅から少し歩いたところに、京急の新逗子駅がある。
これから、未乗になっている京急の2支線を乗りつぶそうと思う。
まずは新逗子から三浦半島を横断して金沢八景に至る逗子線に乗る。
一見すると、どうという特徴もない逗子線であるが、ここには全国的にも珍しい3線軌条がある。
3線軌条とは、標準軌の京急車両と、JR車両のような狭軌用車両の両方が走れるよう、
3本の線路を引いたものである。ただし狭軌の車両が営業列車として走ることはなく、
金沢八景にある東急車輛で製造した車両を、JRの逗子駅へと運ぶために用いられている。
新逗子を出た列車は、JR横須賀線をまたぐ。すると、脇には単線の線路が寄り添ってくる。
逗子駅への引込み線である。神武寺を出るといよいよ引込み線が本線に合流し、3線軌条となる。
ただし、列車はちょうど3線軌条の上を走っているため、車窓からそれとは分からない。
トンネルで半島を横切り、金沢八景に着く。ここで快特を待避した後、一駅走って金沢文庫に到着。
新逗子からは元クロスシートの600系に乗車する。
金沢文庫〜堀ノ内〜浦賀
金沢文庫から、三崎口行きの快特に乗る。
金沢八景から素直に下り列車に乗る方が距離は短いが、
金沢八景には快特は止まらないのでこうやって乗る方が早く浦賀に到着する。
ただし、そのままだと金沢八景〜金沢文庫間が折り返し乗車となってしまうので、
金沢文庫でいったん改札を出なければならない。
快特は制限速度ぎりぎりでカーブを通過しつつ疾走し、あっという間に堀ノ内に到着する。
堀ノ内は浦賀に向かう本線と、三崎口に向かう久里浜線が分岐する駅であるが、
三崎口方面が実質的に本線格であり、浦賀方面は普通列車が行き交うだけの支線と化している。
堀ノ内では、浦賀行きの普通列車が快特を待っていた。
乗り換えるとすぐに発車する。列車は海沿いの台地を進み、
住宅街の向こうには海岸線を見ることができる。ここら辺までくると東京からの距離もかなりのものだからか、
風景もやや風情が出てきた。
堀ノ内から三駅で、終点の浦賀に到着した。
泉岳寺から三崎口までと、空港線・大師線は既に乗車済みなので、
これで京急の全線を乗りつぶしたことになる。
京急本線の終着・浦賀駅。
2009/4/9
4月の某日、急に関西に行く機会があった。 関西の鉄道界といえば当時、3月に開通したばかりの阪神なんば線の話題で持ちきりであり、 暇を縫って早速乗りに行くことにした。
阪神梅田〜甲子園
阪急嵐山線で6300系リニューアル車の試乗をやった後、「阪急阪神1Dayパス」を購入し梅田に向かった。
梅田から特急に乗り甲子園へ。以前は平日昼間の特急は甲子園を通過していたのだが、
なんば線開通と同時に停車するようになった。久々に阪神電車の車窓を見つめつつ、甲子園で下車。
いきなり本題のなんば線に入る前に甲子園で下車したのは、
リニューアルされた甲子園球場を観察するためだ。まだ開場時間前だったので中の様子は分からなかったが、
真新しいグッズショップが外周に立ち並び、以前とはがらりと様子が変わった。
一通り外周を眺めた後、以前と変わらない甲子園駅に戻る。
いよいよ、なんば線に乗車するときがやってきた。
甲子園駅の表示にも「奈良」の文字が。
甲子園〜大阪難波
しばらく待っていると、古びた甲子園駅のホームに、マルーンカラーの近鉄電車が入線してきた。
さすがに分かっていても違和感がある。車内は空いており、ロングシートに腰を下ろす。
既に開業から1ヶ月近くが経過しており、当初の開業フィーバーもすっかり落ち着いているようだ。
武庫川、尼崎に停車し、旧西大阪線区間に入る。
昼間の快速急行は尼崎から西九条まで各駅に停車するため、やたらと時間がかかる。
この区間にはもう10年以上乗っていなかったが、真新しい高架駅に変じている駅、
昔ながらの風情が残る駅など、様々だ。
淀川を越え、すっかり改装された西九条に着く。ここからいよいよ新線に入る。
西九条を発車すると、列車は両側を高い壁に覆われた高架橋を進む。
勾配を下り、トンネルに突入するとあっという間に九条に着く。
いかにも新線、という真新しい地下駅である。
九条の次はドーム前。この間の駅間は非常に短かった。さらに進むと近鉄車用の留置線と合流し、桜川へ。
ここでしばらく停車し、乗務員交代が行われたようだ。
どうやら折り返しのため近鉄車両が桜川まで頻繁に乗り入れている関係で、乗務員交代も桜川で実施するようだ。
桜川を出ると、何度か見たことのある近鉄難波の地下ホームに列車は入線した。
何だか場違いなところに来たような、妙な気分になった。
はるか昔、それこそ自分が子供の頃から構想されていたなんば線、 それに実際に乗ってみた感想は何ともあっけなく、「ついに完成したか。自分も歳を取ったな。」ぐらいのものだった。 ちなみに、1990年代のとある本には「西大阪線延伸と阪神の優勝、どちらが先か」と書かれていた。 阪神の優勝の方が6年早かったが、めでたくこうして両方とも実現したわけである。
阪神線内で見る近鉄車両。やっぱりまだ違和感が。
大阪難波〜ドーム前〜阪神尼崎
大阪難波駅で一旦下車し、折り返し尼崎方面行きの列車に乗る。
今度の車両は阪神の新型1000系だった。2駅乗車し、ドーム前で下車する。
ドーム前は、その名の通り大阪ドームの最寄り駅だ。
ドームでの大規模イベントに備えて構内は非常に余裕を持ったつくりだが、
今日はイベントもなく閑散としている。
久しぶりにドームの周辺を歩いてみたが、周囲にあった商業施設もなくなっており、
非常に寂れた印象を受ける。
続いてやってきた列車で尼崎へ戻る。車内は、甲子園球場に向かうと思われる阪神ファンで混雑している。
先程は閑散としていた甲子園だが、これからの時間は賑わうのだろう。
真新しい駅を発車する新鋭1000系。阪神電車の新時代を思わせる。