2008/1/4
正月休みの帰省の際、阪神・京阪の未乗線区を乗りつぶしに出かけた。
古くから関西に住んでいた関係で、両私鉄には何度となく乗っており、
未乗の線区も少ないので、一日で乗りつぶしてしまうことにする。
使用した切符は、例によって「スルッとKANSAI 2DAYパス」である。
武庫川〜武庫川団地前
阪神武庫川駅は、川の真上にホームがあり、川の両岸に改札口があるという変わったつくりの駅だ。
その西側の袂に、阪神武庫川線のホームがある。
本線の線路を通過する際、川の土手下にひっそりと停車する武庫川線の電車を何度となく眺めてきたが、
実際に乗車するのはこれが初めてである。
梅田から急行に乗り、武庫川駅にやってきた。武庫川線は本数が少なく、
昼間は20分に一本しか電車がない。10分ほど待って、ようやく2両編成の電車がやってきた。
いかにも昔の阪神電車、といった風情の電車の先頭に座り、発車。
電車は、武庫川の川原べりを進む。川の土手には松林が広がる。
そんな所をしばらく進むと、東鳴尾に到着。武庫川線は単線なので、行き違い施設がある。
ホームも短く、まるでローカル線のようだ。阪神電鉄というと阪神間の都市部を走る印象しかないが、
そのイメージとはかけ離れている。
次の停車駅は洲先。駅舎もなく、PiTaPa用の機器があるだけで、駅舎も何もない駅だった。
さらに南下し、終点の武庫川団地前に到着。名前が名前だけに、高層団地が立ち並ぶ駅前風景を予想していたが、
ごく普通の街並みが広がっていた。
武庫川団地前〜武庫川〜野田〜海老江〜河内磐船
武庫川団地から武庫川を経て野田まで引き返す。
野田駅で下車すると、駅前すぐの所にJR東西線の乗り場がある。
地下道を少し歩くと、海老江駅の改札に到着。阪神野田駅と海老江駅がこんなに近いとは思わなかった。
東西線に乗車するのも随分久しぶりだ。電車に乗り込んで地下線をしばらく進み、京橋に着く。
京橋からは学研都市線に入り、快速運転をする。あっという間に河内磐船駅に到着。
河内森〜私市〜枚方市
河内磐船駅は、京阪交野線の河内森駅との乗換駅である。
てっきりすぐ乗り換えられるのかと思いきや、交野線の線路はあるものの駅は見当たらない。
地図を見ると、かなり歩かなければならないようだ。住宅街を5分少々歩き、河内森に到着。
やってきた電車に乗って、終点の私市に向かう。私市で下車した人は少なかった。
私市は、目の前に山が迫る静かな駅だ。もともと、京阪交野線は枚方から生駒を経て信貴山下に向かう路線として計画された。
計画通り路線が作られたなら、私市から生駒まで線路が延び、今の近鉄生駒線とつながっているはずだった。
そんな路線ができていたら、大阪北部と生駒を結ぶ路線としてそれなりに需要があったかもしれない。
私市から再び列車に乗り、すっかり日が暮れた住宅街を進む。15分ほどで、終点の枚方市に到着。
これで、阪神線は全線完乗、京阪線は男山ケーブル線が残るのみとなった。
もっとも、阪神も京阪もまもなく新線が開業するのでまた乗りに行かねばならない。
2008/4
2008年春、首都圏では新線開業が相次いだ。 東京都交通局日暮里・舎人ライナーと横浜市営地下鉄グリーンラインである。 どちらも開業直後の4月のうちに乗りつぶした。
2008/4/29
この日は、1月に使用した「スルッとKANSAI 2DAYパス」の余りを利用して、 大阪市営地下鉄の乗りつぶしに出かけた。
蛍池〜大日〜太子橋今市
まずは蛍池から、大阪モノレールに乗る。千里中央、山田、南茨木で北急や阪急の路線と接続し、
その度に乗客を乗り降りさせながら進む。
摂津駅を出ると新幹線の車両基地の脇を抜け、淀川を長い橋梁で渡って大日に着く。
駅前にはショッピングモールもあり、案外賑やかな所だ。
大日から谷町線に乗る。谷町線には大日の次の守口までは乗車したことはあったが、
大日から乗るのは初めてである。守口の次の太子橋今市で降りる。
太子橋今市〜井高野〜今里〜南巽〜野田阪神
太子橋今市では、2006年末に開業した今里筋線と接続している。
大阪の都心を通っていないため、営業成績が非常に悪いという今里筋線だが、
その実態はいかがなものなのだろうか。
まずは、北の終点である井高野へ向かう列車に乗る。
列車は案の定空いていて、長堀鶴見緑地線や大江戸線同様の小ぶりな車体の4連ながら、
輸送力を持て余している感がある。終点の井高野は、他線との接続もない行き止まりの駅である。
せめて阪急の上新庄あたりまで伸ばせばまだ需要がありそうなものだが。
折り返して、今度は南の終点の今里に向かう。今度も乗客は多くなかった。
今里では千日前線と接続している。
千日前線はこれまでほとんど乗ったことがない(乗った記憶すらない)ので、
この機会に乗りつぶすことにする。千日前線も利用客は余り多くなく、
わずか4連での運転である。しかしホームは8連分が確保されており、
余ったホームはむなしく放置されている。
南巽駅の列車に乗り、10分弱で終点の南巽に着く。
折り返し、野田阪神行きに乗る。千日前線は一応大阪の中心部を通るので、今里筋線よりは乗客が多く、
なんば付近では立ち客もみられた。そのまま野田阪神まで乗車し、千日前線を乗りつぶした。
トンネルへと吸い込まれる今里筋線の車両。
2008/6/15
この日は、開業直後の東京メトロ副都心線を乗りつぶした。 開業してしばらくはダイヤの乱れなど不手際が指摘されていた副都心線だが、 この日もかなりダイヤは乱れていた。
2008/7
7月の某日、この日は平日ながら仕事が休みであった。
18きっぷの通用期間であれば18きっぷ片手にどこかに出かける手もあったが、
残念ながらこの日は通用期間外だった。そこで、平日しかできないことは何だろうと考えると、
鉄道博物館訪問が真っ先に浮かんだ。
2007年に開館した鉄道博物館はえらく人気があるらしく、休日などは連日大混雑だと聞いていた。
そのせいで二の足を踏んでいたが、平日ならば大丈夫ではないか、と思い出かけることにした。
鉄道博物館
大宮からニューシャトルに1駅乗車し、鉄道博物館駅に着いたのは昼下がりであった。
真新しい駅を出ると、早くも周囲は鉄道一色である。
通路に古い台車が置いてあったり、天井にはダイヤグラムを模した装飾がなされている。
エントランスに行き、早速入場する。入場時は普通の鉄道駅と同じくSuicaを改札機にかざすだけでよい。
ただ、これだと入館した記録が何も残らないないなというのが気になった。
さすがにその点は博物館側も認識しているようで、退館時に定期券サイズの記念証をくれた。
入場すると、博物館の目玉である、大きな体育館のようなところに展示された保存車両が目立つ。 早速見てみることにする。最初に、 明治・大正の車両や皇室専用客車などを見る。が、あまりに古すぎるせいかピンとこなかった。 それよりは、20系ブルートレインや、「とき」で使われた181系、急行型電車の451系、 通勤型の101系などの国鉄型の方が見ごたえがあった。
国鉄特急型電車の元祖、181系。
さらに見ていくと、旧型国電が展示されていた。展示車両は外から見るだけでなく、
一部は中に入って見ることができる。以前は車内に入り放題だったようだが、残念ながら子供の悪戯などの問題から、
入れる箇所は随分制限されてしまったらしい。
旧型国電の車内に入ると、内装は見事に木張りだった。
旧型国電はほとんど乗ったことがない(強いて言えば小野田線でクモハ42に乗ったぐらい)のだが、
何だか懐かしく感じた。
旧型国電は一部の床がくり抜かれ、床下機器を見られるようになっている。
一通り見終えて、次は2階に行く。2階では鉄道の歴史が紹介されていて、
30mぐらいの長さの年表に明治から平成までの出来事がずらりと書かれていた。
福知山線脱線事故のような、「負」の歴史も年表に記載されていたのが印象的だった。
その隣には、巨大な鉄道模型ジオラマがある。普段は列車がぐるぐる走っているだけだが、
定期的にショータイムがあり、車両をライトアップしつつ紹介していた。
ここはお子様に人気があるようで、座席もあり休憩にもぴったり(?)。
さらに奥には、「コレクションギャラリー」という展示スペースがある。
ここは旧交通博物館の展示物をとりあえず並べましたというスペースで、
列車のヘッドマークからタブレット取り出し機、古い硬券、
横軽のジオラマまでが雑多に並べられている。実は個人的にここの展示物はかなり興味深く、
結構長く滞在していた。
それにしても、2階にはとんでもなく長い行列ができている。一体何なのか謎だったのだが、
よく見ると鉄道博物館限定のSuicaが販売されているようだ。個人的にはそこまで並んでまで買う気はしないが。
さらに奥の、鉄道技術を紹介するラーニングスペース、食堂車のメニューを再現したというレストランなどを見ていると、
4時近くになった。この頃になるとさすがに館内は大分空いてきた。
そこで、1階の奥のほうにある、101系実機のマスコンとブレーキを操作できるコーナーに行き、何度か動かしてみた。
これは単なるシミュレータではなく、実際に車輪が回るのが面白い。
速度が上がるごとにいわゆる「進段」が生じ、車輪の横の制御機がカタカタいうのが面白かった。
なお、目玉であるトレインシミュレータは混んでいて利用できなかった。
そんなこんなで、じっくり3時間以上を費やして博物館の隅から隅までを眺めた。
ちなみに、年会費3000円を払うと1年間入場し放題という会員制度があるそうだが、
正直言ってそこまで何度も何度も来るほどのものかなという気はした。
一度来る分には十分楽しめたけれど。
2008/11/8
11月のとある休日、所用により関西に出向くことになった。 用事は夕方からなのでいくらか時間はある。そこで、 関西大手私鉄で唯一乗りつぶしていない京阪の未乗線区に乗ることにした。 京阪といえば、ついこの間中之島線が開通したばかりで、それに伴いダイヤも随分変わったと聞く。 それを観察するのも楽しみである。
藤森〜八幡市〜男山山上
この日は小田原から「ひかり」に乗って名古屋へ行き、名古屋からは名神高速バスに乗った。 こんな妙な経路をとったのは、ただ新幹線に乗るだけではつまらない、という妙なこだわりによる。 名古屋から乗ったバスはノンストップ便だったので、名神高速ではなく東名阪・新名神を経由した。 新名神は最近できたばかりの道路で、通過するのは初めてだったが、亀山から草津まであっという間に着いてしまい、 名阪間が随分短縮された印象を受けた。
前置きが長くなったが、高速バスを京都深草バス停で下車した。このバス停は京阪藤森駅に近いので、
徒歩で移動する。藤森から普通列車で八幡市へ。
八幡市からは、京阪直営のケーブルカーが出ている。
大手私鉄でケーブルカーを直接運営しているのは近鉄と京阪のみだ。
電車のホームからケーブルカー乗り場を見ると、人もおらず閑散としている。
本当に営業しているのかと思うほどだ。
とりあえず乗り場に行くと、晴れ着を着た家族連れが何組か降りてきた。時期的に七五三行ってきた家族のようだ。
それ以外に客はいなかったので、七五三シーズンが終わると客はゼロということだろうか、と思う。
切符を買って、がらがらの車内に座る。先客は老夫婦1組のみだった。その後も客は増えることなく発車時間となった。
駅を発車すると、森の中をぐいぐい登っていく。しばらく登ると、先程走ってきた京阪本線の淀川橋梁が見えた。
その向こうには淀川の対岸の天王山も見える。かなりの高さがある鉄橋を渡り、
トンネルをくぐるともう男山山上に到着である。以前乗った近鉄のケーブルはかなりの路線長があり、
帰りは歩いて、という気には到底ならなかったが、今回のは距離も短いので歩いても平気そうだ。
京阪特急と同じ塗り分けのケーブルカー。
八幡市〜中之島
山上にある岩清水八幡宮は、七五三に行く人で賑わっていた。
そんな境内を抜けると、本来の参道である石段が現れた。これを下ると八幡市駅に戻ることができる。
石段は結構急で、段数も多かったが、小走りで進むと10分ほどで降りきることができた。
あとは少し歩いて、駅に戻る。
八幡市から普通で樟葉に行き、さらに特急に乗り換える。特急には専用車両である8000系が使われている。
テレビカーやダブルデッカーが売りの8000系だが、今回は先頭車に乗ってみた。
すると、運良く先頭の「かぶりつき席」に座ることができた。
ここに乗るとやはり運転の様子を見ずにはいられない。寝屋川市まではカーブが多くスピードはあまり出ないが、
萱島からの複々線区間に入ると一気にスピードが上がり、途中駅を次々と通過していく。
あっという間に京橋に着いてしまった。
極上の席に座れた上運転もよく、久々に運転を「満喫」した。
樟葉から京橋までは結構時間がかかるのだが、乗っていて時間を感じなかったほどだ。
展望席、ダブルデッカーなど魅力たっぷりの京阪特急8000系。
京橋からは、いよいよ今日の「本題」である中之島線に乗る。
中之島線には本線の快速急行と区間急行が乗り入れるが(データイムの場合)、
折角なので新型の3000系が使われる快速急行に乗ることにした。
しばらく待って、やってきた快速急行に乗る。3000系の車内は、2+1の転換クロスシートになっている。
列車は空いていたので、一人掛けのクロスシートに座る。
列車は京橋、天満橋と進んでいよいよ新線区間に入る。
新線区間に入ると、列車はなにわ橋、大江橋、渡辺橋と各駅に停まる。
駅はどれも真新しいが、地下線だけに車窓は見えない。そこで車内を見回してみる。
中之島線開業に合わせて投入された新鋭の3000系だが、まずは椅子の背もたれの高さが目についた。
一般的な転換クロスシートに比べてかなり高く、特急車並みではないかと思うほどだ。
モケットも上質で、座りごこちもよい。椅子の側面には"Keihan Railway 3000 Series"
というロゴま入っているこだわりようだ。
そんなことを観察していると、終点の中之島に到着。駅を降りるとまだ周囲には更地が多く、
再開発中といった様子であったが、川べりの歩道は綺麗に整備されていた。
川べりを散歩しつつ、大阪駅へと戻った。
中之島線開業に合わせて登場した3000系。