JR系クレジットカード考

 一昔前まで、乗車券や特急券は駅の窓口(100km以内の乗車券のみの場合は自動券売機) で乗車前に購入するというのが常識でした。そして、みどりの窓口での支払いはもっぱら現金と相場が決まっていました。 みどりの窓口で、JR系の会社が発行するクレジットカード以外の一般カードが利用できるようになったのは、 ここ10年ほどの話です。
 しかし、インターネット、スマートフォンに代表されるIT技術の急激な発達、 IC乗車券の登場によってこれらの常識は崩れつつあります。 今や、乗車券はICカードにクレジットカードからチャージを行うことで、 特急券はインターネットで予約してクレジットカードで決済を行うことで、 それぞれ現金を介することなく、そして駅の窓口を利用することなく購入が可能となりました。
 ICカードで改札を通れたり、駅の窓口で切符を買わなくて済むようになることは、乗客にとってもメリットが大きいのですが、 鉄道会社にとっても窓口の係員や、券売機・改札機といったハードウェアに掛かるコストを削減でき、 実はメリットが大きいのです。鉄道会社も、削減できた経費をわずかながらでも乗客に還元しようと考えており、 乗客側としてもそれをうまく享受できればお得です。
 鉄道に限らずネットショッピングなどでもそうですが、現金を介さない決済を行うには、 利用者側がクレジットカードを持つことが不可欠です。そこで、JR・私鉄各社は増収を兼ねて、 自らクレジットカードの発行に乗り出しています。現在各社が提供する乗車券購入サービス、 およびクレジットカードはよく言えば百花繚乱、悪く言えば複雑怪奇で、 どのサービスを利用すれば自分にとって有利か、分かりにくい状況になっていると個人的に感じています。

 個人的な話ですが、私は関東地方に住み、出張などで日常的に関東のJR、私鉄各線を利用しており、 また、趣味が趣味だけに長距離の乗車券を買う機会も普通の人よりは多いです。 特に関西には帰省などで行く機会が多く、必然的に東海道新幹線の利用回数も増えます。 帰省の際には、趣味・実用両面で関西の私鉄もよく利用します。
 ですが、今までのようにただ漫然と現金で乗車券や特急券を買っていると損をします。 そこで、JR系の各社が発行するクレジットカードを一度総合的に比較してみようと思い、 その成果をここに記すことにしました。

目次

1 JR各社のクレジットカード比較 (2019/1/2)

2 JR各社の乗車サービス

2−1 エクスプレス予約 (2021/1/1)

2−2 【廃止】モバイルSuica特急券 (2019/1/2)

2−3 えきねっと (2021/1/1)

2−4 e5489サービス

3 IC乗車券とクレジットカード (2021/1/1)

おことわり

JR系以外のカードは比較の対象外です

 本ページでは主にJR系のクレジットカードを取り上げていますが、 いずれもポイント還元率は0.5%です(使いようによってはもっと還元率を上げることができる場合もあります)。 これは、クレジットカードの還元率としては「並」で、もっと還元率の良いカードはたくさんあります。 また、複数のポイント制度相互間でポイントを交換することで、 より効率よくポイントを集めるテクニックもあります。
 しかし本ページの趣旨は、JR系カードを乗車券・特急券購入の場面でいかに利用するかを考えることであるため、 JR系以外のクレジットカードは考慮しません。

私鉄系のカードもありますが…

 一方、JR以外の鉄道会社に目を転じると、 PiTaPa導入済の関西大手私鉄、PASMO導入済の関東大手私鉄も自らクレジットカードを発行しています。 これらのカードは、鉄道会社系列の小売店で利用すれば割引またはポイント還元率の上昇が得られたり、 その私鉄を何度か利用すれば運賃が割引になるなどのメリットがあります。しかし、 各私鉄沿線住民以外だとメリットを享受しにくい傾向があるため、ここでは省略します。
 逆に言えば、私鉄沿線に住んでいて、かつその私鉄系列の商業施設をよく利用する人は、 ぜひ検討してみるといいかと思います。

最後は自己責任で

 本ページの記載内容は、鉄道会社とは縁もゆかりもない個人が各社のWebページを読み漁って、 もしくは自分でサービスを利用して記載したものであり、 その正確性は保証の限りではありません。無論、可能な限り正確を期すようにしておりますが、 もし誤りがありましたら こちらにてご指摘いただけると幸いです。
 また、記載の内容は必ずしも最新の内容とは限らず、制度の変化に追随できていない可能性が大いにあります。 目次に更新日を記載してありますので、目安にしてください。 いざサービスを申し込まれる前に、必ずWeb等でよくご確認いただければと思います。