各カードの概要
各カードの一覧表
下の表は、3社の発行するカードの概要です。
JR東日本 「ビュー・スイカ」カード |
JR東海 エクスプレスカード |
JR西日本 J-WESTカード | ||
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年会費 | 515円 | 1080円 | 1080円(会費無料の「ベーシック」も有、ただしエクスプレス予約は利用不可) | |
SF機能 | 有(Suica) クレジットカードとSFカードは一体 |
無 | 有(ICOCA) クレジットカードとSFカードは別々 | |
オートチャージ | 可 | ― | 不可 | |
オートチャージの設定 | 「VIEW ALTTE」で行う(東日本エリアの主要駅に設置) | ― | ― | |
手動でのチャージ | 「VIEW ALTTE」で行う(東日本エリアの主要駅に設置) | ― | JR西日本主要駅に設置の券売機・専用端末にて行う | |
ポイント還元 | 有(びゅう商品券、SFへの入金等) | 有(CFカードのポイントと同一) | 有(SFへの入金等) | |
通常の買い物 | 1000円で2P | 1000円で1P | 1000円で5P | |
SFへの入金、乗車券類の購入 | 1000円で6P (えきねっとポイント:普通席指定券購入で20P、グリーン車は40P) |
通常の買い物と同じ | 山陽・北陸新幹線:通常の2〜3.5倍 | |
_ | ポイントの引換商品(例) | 400PでSFチャージ1000円分 | 100Pで楽天ポイント500円分 | 1000PでSFチャージ1000円分 |
いずれも国際ブランド連携
3社の発行するカードはいずれも、VISA、JCBもしくはMasterCardといった国際ブランドと連携しており、 交通系以外の通常の買い物でも利用が可能です。 かつては、一部の会社で国際ブランド連携のないカードも発行されていましたが、今は発行が停止されています。
JR東日本:ビュー・スイカカード(ビューカード)
ビューカードは種類いろいろ
JR東日本の発行する「ビューカード」は、関東では割とポピュラーで、
商業施設との連携カードも多数発行されています。
なお、「ビューカード」というのはJR東日本の発行するカードの総称として使われることが多く、
「ビューカード」という名前そのままのカードは現在では発行されていません。(以前は発行されていました)
ビューカードの種類は数十にも及び、とても把握しきれないほどです。
商業施設との連携カードとしては、JR東日本の駅ビル・ルミネと連携したルミネカード等があり、
ルミネで利用すると割引が得られたりしますが、
系列小売店を利用しない人にはほとんどメリットが無い
(逆に、よく利用する人には非常にメリットがありますが)ため、ここでは詳しい説明を割愛します。
さらに、JALマイレージバンクやビックポイントカードとの連携カードも発行しています。
中でも、ビックカメラSuicaカードは、ノーマルなビュー・スイカカードで必要な年会費が実質無料となる他、
使いようによっては還元率が普通のビューSuicaカードより良かったりします。(後述)
その他、金融機関との連携カード(TypeIIと呼ばれる)もありますが、ここでは説明を割愛します。
基本は「ビュー・スイカカード」
本ページでは、ビューカードの中でも最もベーシックな「ビュー・スイカカード」について説明していきます。 年会費は500円となっています。なお、このカードはSuicaの機能を内部に内蔵していますが、 通常の無記名式Suicaのようなデポジット(500円)は不要となっています。
JR東海:エクスプレスカード
「エクスプレス予約利用にはエクスプレスカードが必須」ではない
JR東海の発行する「エクスプレスカード」は、エクスプレス予約が利用できる唯一のカードとして、 一時期盛んに広告されていました。ただ、今ではビューカードやJ-WESTカードでを持つ人でも、 エクスプレス予約を利用できるようになりました。カードの名前ゆえに、 「エクスプレス予約を利用するためにはエクスプレスカードが必要」と信じ込んでいる人がまだいるかもしれませんが、 そうではないことに注意が必要です。
CFカードがベース
JR東日本・西日本が、自ら(もしくは他社との連携で)クレジットカードを運営しているのに対し、 JR東海はセントラルファイナンスにカードの発行を委託しています。 そのため、ポイント制度はCFカードのものが適用されますし、 鉄道事業との連携も(エクスプレス予約を除き)疎であるという印象を受けます。
JR西日本:J-WESTカード
エクスプレス予約の利用可否でバリエーションあり
JR西日本の発行する「J-WESTカード」は、エクスプレス予約が利用できるかどうかで2種類があります。
利用できる方が「エクスプレス」、できない方が「ベーシック」と呼ばれ、
エクスプレス予約の利用可否以外は差はありません。
年会費は「エクスプレス」が1080円、「ベーシック」は無料(ただし、一年間全く利用がないと1080円)です。
SFカードとの連携
次に、クレジットカードとSF(ストアードフェア)カードとの連携機能について紹介します。
ストアードフェアシステムとは、鉄道等の運賃を事前にカードに蓄えておき、そのカードを改札機に通す(タッチする)
ことで残高が差し引かれるシステムのことです。つまり、SuicaやICOCA、さらにはバスカードやラガールカードも、
広義のSFカードといえます。
以下では、SuicaやICOCA、TOICAといったIC内蔵のカードをSFカードと呼びます。
JR東日本:ビュー・スイカカード
クレジットカード・ICカード一体式
JR東日本の「ビュー・スイカカード」は、クレジットカード・ICカードが一体となっています。
Suicaに代表されるICカードは、改札機と無線でデータをやり取りするためのコイルを内部に張り巡らせる必要があります。
そのため、ビュー・スイカカードには、一般のクレジットカードにある数字部分の凸凹がありません。
海外ではこの凸凹を用いて数字を転写する方式の機械がまだ残っているため、
当初「ビュー・スイカ」は日本国内専用となっていました。だが、今では海外でも使用できるようです。
ビュー・スイカカードは、Suica部分のチャージ残額が減ってくると、
改札通過時にクレジットカードから自動的にチャージを行う機能を持ち、
「オートチャージ」と呼ばれます。
「VIEW ALTTE」やカード発売機で手動チャージ可能
オートチャージの際にチャージされる金額や、残額がいくらを切るとオートチャージが行われるかといった設定は、
「VIEW ALTTE」という機械で行うことができます。
「VIEW ALTTE」は、JR東日本の主要駅に設置されています。
一方、(オートチャージでない)「手動」によるクレジットカードからのチャージを行うこともできます。
これはJR東日本の駅のカード発売機、もしくは「VIEW ALTTE」から行うことができます。
JR東海:エクスプレスカード
JR東海は管内の在来線にTOICAを導入しているものの、エクスプレスカードとの連携は特にないばかりか、 クレジットカードからTOICAへのチャージ自体が(今の所)できません。
JR西日本:J-WESTカード
クレジットカード・ICカード分離式
JR西日本の「J-WESTカード」は、クレジットカード・ICカードが分離しており、
ICカード部分は「Smart ICOCA」と呼ばれます。なお、J-WESTカード申し込み時に指定することにより、
Smart ICOCAを付けないということもできます。
ビュー・スイカのようなオートチャージ機能はありませんが、
JR西日本の駅のチャージ機や券売機・精算機で、J-WESTカードからSmart ICOCAへのチャージが行えます。
ポイント制度の比較
最後に、各社のポイント制度を比較します。なお、クレジットカードのポイントというのは無限にもつわけではなく、
カード利用から何年か経つと消滅するのが普通です。
例えば、2018年度にクレジットカードを利用した際のポイントが2019年度末に消滅する場合、
ポイントの使用期限は「最長2年」と表記されます。
この表記を使うと、ビュー・スイカカードとJ-WESTカードが「最長2年」、
エクスプレスカードが「最長3年」となります。
JR東日本:ビュー・スイカカード(ビューカード)
鉄道関係の利用は高ポイント
ビュー・スイカカードは、通常の買い物で1000円利用するごとに、
JREポイントと呼ばれるポイント(以下、単にポイントと表記)が2ポイントが溜まります。
400ポイントでSFカードへのチャージ1000円分が得られることを考えると、ポイントの還元率は0.5%となります。
一方、Suicaへのチャージ(オートチャージ含む)や定期券の購入、
えきねっとやみどりの窓口での乗車券類の購入については、ポイントの還元率が1.5%に増えます。
還元率1.5%というのはクレジットカードの還元率としてはなかなかいい方だといえるでしょう。
Suicaにチャージしてしまえば、それを電車で使おうがショッピングで使おうが還元率は同じです。
なお、還元率が1.5%になるのは「JR東日本管内の」みどりの窓口での乗車券類購入についてのみです。
JR他社のみどりの窓口を利用しても(たとえ東日本管内の路線の乗車券を買ったとしても)
還元率は0.5%のままですので注意が必要です。
領収書発行停止でポイント稼ぎ
カード会員には通常、カード利用明細が毎月(全く利用のない月を除く)送られてくるのですが、
これを停止することで月20ポイント、年間で240ポイントを貯めることができます。
ただし、月間の利用が全くないと(そもそも領収書が発行されないので)ポイントは溜まりません。
月に500円でもいいのでクレジットカードを利用するようにしましょう。
なお、毎月の利用明細については、Web上で紙の明細とほぼ同じ内容を参照することができます。
ポイント引き換えには最低6万6千円強の利用が必要
ポイント引き換え換の最低単位である400ポイントを集めるには、 通常の買い物で20万円、鉄道関係の買い物だと6万6千円強利用することが必要です。 なお、上記の領収書停止を行えば、ポイント変換の障壁はもっと下がることになります。
さらに得かもしれないビックカメラSuicaカード
なお、先述したビックカメラSuicaカードですが、乗車券類以外の購入時にはビックカメラのポイント制度が適用されるようで、 実質1.0%の還元率が得られます。ただし、このポイントはビックポイントとして付与され、 ビューカードのポイント制度への流用はできません(Suicaへのチャージは可能)。
JR東海:エクスプレスカード
豊富なポイント変換に要注目
JR東海のエクスプレスカードは、一般のCFカードのポイント制度が適用されます。 CFカードのポイントは時計や食器といった商品に変えるか、楽天ポイントやJALのマイルに変換できます。 皿やら時計には(失礼ながら)個人的にあまり魅力を感じませんが、他のポイント制度への変換は現金性が高く、 要注目でしょう。
ポイント変換への障壁低く、しかもポイント最長3年
たとえば楽天ポイントに変換する場合、CFポイント100ポイント=500楽天ポイント(=500円分)の割合で変換できます。
ちなみに、1000円利用につきCFポイントは1ポイントつくため、数字上は0.5%の還元率が得られることになります。
ポイント変換に必要な100ポイントを集めるには、カードを10万円分利用することが必要です。
また、ポイントの有効期間が3年と、
他カードに比べて1年長い点も(ライトユーザーには)メリットといえるでしょう。
JR西日本:J-WESTカード
西日本管内路線利用でポイント2倍
J-WESTカードは、クレジットカードを1000円分利用するごとに、
J-WESTポイントと呼ばれるポイント(以下、単にポイントと表記)が5ポイントが溜まります。
ビューカードと同様に、鉄道関係の買い物(エクスプレス予約やe5489サービスでの利用)でポイントがアップするほか、
Smart ICOCAでJR西日本の路線を利用するとポイントが付与されます。
また、大丸やJR西日本系列のホテルなどでの利用でもポイントが増えます。
ポイント引き換えへの障壁はやや高い
J-WESTポイントは、1000ポイントでSmart ICOCAチャージ1000円分が得られます。
従って、ポイントの還元率は他と同じく0.5%となります。
SFチャージ1000円分を得るのに必要な1000ポイントを集めるには、
通常の買い物だと20万円のカード利用が必要です。
J-WESTカードを交通系以外の支払いのみに利用し、かつ利用頻度の低い人にとってはそこそこ障壁が高いですね。