最終更新日:2020/11/3

特急「伊那路」で飯田線縦走―特急型373系&転クロ213系で快適旅行

 2014年の正月休み明けのこの日、日帰りで飯田線に乗りに出かけた。 飯田線は過去に何度も乗車しているが、南部を走る特急「伊那路」には乗ったことがなかった。 そこで豊橋から飯田までは「伊那路」に乗ってみることにした。 普通列車に比べれば多少は早いが、それでも豊橋から岡谷まで6時間ほどを要した。

目次

2014/1/6

新横浜〜豊橋

豊橋10:08発〜飯田12:40着 ワイドビュー伊那路1号

 

 珍しい豊橋停車の「ひかり」に乗り、1時間ほどで豊橋にやってきた。 「ワイドビュー伊那路」の自由席に乗り込むと、これが想像以上に空いていた。乗客は10人弱といったところか。 豊橋を出ると、列車はしばらく東海道線に沿って走る。このあたりの区間は名古屋鉄道と線路を共有している。 JRと私鉄が線路を共有する区間というのは全国的にも珍しく、他に思いつくのは関西空港〜りんくうタウン間(南海電鉄と共有)ぐらいだろうか。 これには飯田線がかつて私鉄だったという経緯が絡んでいるのかもしれない。
 しばらくすると名鉄と線路が分かれ、程なく豊川に着く。数日前までは豊川稲荷の初詣客でにぎわっていたのだろうが、 今は閑散としている。豊川を出ると、列車は山間部へ向けてのんびりと走る。この列車は特急といいながらスピードは遅く、 飯田までの130kmを2時間半もかけて走る。これは幹線の普通列車より遅い。
 途中、新東名の工事現場の脇を抜け、薄暗い峠で愛知県から静岡県に入ると、やがて中部天竜に着く。 佐久間ダムの横を通り抜け、長いトンネルを抜けて、有名な「渡らずの鉄橋」を過ぎると、水窪に着く。 このあたりは2008年に西鹿島行きのバスに乗り継ごうとうろうろしたので、よく覚えている。 水窪を出ると再びトンネルで天竜川沿いに戻り、いよいよ秘境エリアを進む。 このあたりの車窓については過去の記事に散々書いたので割愛するが、おおよそ特急が走るような場所とは思えなかった。 平岡という小集落が形成されている駅に着くと、何だかほっとした気分になるのも以前と同じだ。ただ、 以前普通列車で通過したときは、周りが団体客や鉄道マニアだらけだったので皆車窓を食い入るように眺めていたものだが、 今日は地元の人しかおらず、車窓には興味なさげだ。
 天竜峡に着くとようやくあたりが平地になる。あとは市街地を進み、飯田に到着。 飯田駅はいうまでもなくこのあたりの拠点駅だが、駅には小さな売店しかなく、やむを得ず駅前のスーパーで昼食を購入した。


「ムーンライトながら」や普通列車でお世話になった373系に久々に乗車。特急として乗るのは初めて。


りんごをモチーフにしたという飯田駅。赤い屋根が印象深い。


飯田駅ではJR東日本からはるばる乗り入れてきた115系に出くわしてびっくり。

飯田13:06発〜下諏訪16:18着

下諏訪17:13発〜上諏訪17:18着

上諏訪17:22発〜八王子19:02着 スーパーあずさ28号

 飯田からは先は特急列車はないので、普通列車に乗る。やってきたのは関西線からコンバートされてきた213系だった。 転換クロスシートなので快適な車両だが、あえて運転台後部のロングシートに座った。 飯田線の北部も「Ωカーブ」などユニークな車窓がいくつもあるが、一番印象的なのは駅の多さだ。 車掌さんは駅に着くたびにホームを走り回って乗車券を回収せねばならず、大変そうだった。
 途中の駒ヶ根では16分も停車するので、休憩がてら駅前を歩いてみた。しかし駅前の商店街は閑散としており、あまり人の気配はなかった。 駒ケ根からさらに1時間以上かかって、ようやく岡谷に到着。しかし、このまま帰ると時間が余るので、初詣ということで諏訪大社に行ってみることにした。 諏訪大社は上社・下社があり、さらにそれぞれ本宮と別宮があるので、合計4カ所に分かれている。 そのうち駅から一番近いのが下社の秋宮で、下諏訪駅から歩いて行ける。これに行ってみるべく、下諏訪へ向かった。
 下諏訪駅から寒い道を歩き、神社に着くともう日が暮れかかっていた。正月をだいぶ過ぎ初詣客はまばらだったが、いないわけではなかった。 途中道に迷いそうになりながら下諏訪駅に戻り、上諏訪から「スーパーあずさ」に乗って帰宅した。


関西線からやってきた213系が飯田線の新たな主となっている。


新装されて小ぎれいな駅舎となった下諏訪駅。