小ネタ集(2013・2014年)

 これまでの鉄道乗車記録のうち、旅行記にならなっかった小規模のものをまとめる。 このページでは2013・2014年分を紹介。

目次

2013/9/21

 名古屋鉄道では「まる乗り1DAYフリーきっぷ」というフリーパスを発売している。 これは長大な名鉄全線が乗り放題となるばかりでなく、昼間帯(10時から16時)の特急の特別車にも乗車できる。 ただし座席指定はされないので、空いている席を見つけて座る必要がある。
 名鉄は過去に全線を乗りつぶしたのでそれなりに乗車しているはずだが、特別車にはあまり乗ったことがなかった。 そこで、今回は特急の走る幹線を中心に乗車するプランを立て、特別車に乗りまくることにした。

■ 名鉄名古屋10:08発〜名鉄岐阜10:37着 特急

 9時半過ぎに、名鉄名古屋駅のホームにやってきた。 特別車には10時を過ぎないと乗れないので、それまでホームで列車を観察する。 長編成から短編成、特急から各駅停車まで雑多な列車が行き交う様は見ているだけで面白い。その他、 これまで気付かなかったがホームの端の方には新聞を積み下ろしするコンベアのようなものがあった。今も使われているのだろうか。
 10時を過ぎ、最初にやってきた岐阜行き特急に乗車する。新型の特急車両である2200系が来た。 車内に入ると、他の客はほとんどいなかった。名古屋〜岐阜間はJRとほぼ並走しており、線形の悪い名鉄は劣勢に立たされている。 それを象徴するかのような閑散ぶりだった。
 慌ただしく名古屋駅を発車すると、デッキにつながる自動ドアがさっと閉まり、網棚の下に仕込まれたLEDライトが一斉に白く光った。 この演出には感心してしまった。名古屋を発車すると程なく地上に出て、しばらくJRと並走した後、 右へ左へと慌ただしくカーブしながら進む。津島線と分岐する須ヶ口あたりからようやくスピードが出るようになり、 程なく国府宮に到着。結構下車する人は多かった。一宮からは再びJRと並走した後、新木曽川、笠松と停車。 やがて岐阜市内に入り、最後はゆっくりとした速度で岐阜駅に進入する。 2200系は一般席も転換クロスシートだが、これとは別に後部にロングシートの2両編成も連結しており、 岐阜駅ではこの増結編成を切り離す作業が行われていた。


終点の名鉄岐阜では増結編成の切り離しが行われていた。

■ 名鉄岐阜10:58発〜新鵜沼11:29着

■ 新鵜沼11:32発〜犬山11:36着

 岐阜から新鵜沼までは日中特別車の運行はなく、今回唯一となる一般型車両での移動となる。 田舎とも都会ともつかないところを各駅停車でゆっくりと進まざるを得ず、気だるい時間が続いた。
 新鵜沼では少し待って中部国際空港に行くミュースカイに乗るつもりだったが、いざ駅に到着すると、 1000系パノラマSuperが停車しており、しかも先頭部分はがら空きであった。せっかくなので、 次の犬山まで先頭の席に乗車してみることにした。 短い時間ではあったが、木曽川に架かる元道路併用橋をばっちり見ることができた。


名鉄を代表する車両の一つである「パノラマSuper」。

■ 犬山11:50発〜中部国際空港12:48着

 犬山からは2000系「ミュースカイ」に乗る。この列車は現在名鉄で唯一の全車指定席編成である。 内装は最初に乗った2200系とほぼ共通している。名古屋まではそれほど混まないのかと思っていたが、 途中駅からの乗車が想像以上に多く、何度も席の移動を強いられた。犬山線内から名古屋への需要が多いようだ。
 名古屋で乗客が大幅に入れ替わり、大きな荷物を抱えた空港利用客ばかりとなった。 神宮前からはノンストップとなり、最高速度120km/hで疾走する。新舞子あたりからは海も時折見えるようになってきた。 常滑あたりから高架を進み、やがて空港連絡橋を最高速度で駆け抜ける。 空港到着のアナウンスが入ると、同時に網棚下のLEDが青色に点灯する演出があり驚かされた。 やがて、終点の中部国際空港に到着。やってくるのは2度目だが、売店などを眺めてしばし時間をつぶす。


初の乗車となった看板特急「ミュースカイ」。


空港到着前にはこのように青色のLEDが点灯。

■ 中部国際空港13:17発〜太田川13:36着

■ 太田川13:58発〜富貴14:19着

 再び2200系の特急に乗り、常滑線と河和線の分岐駅である太田川まで戻る。 この駅は京急蒲田のような2層の高架駅となっており、上層のホームはかなり高い位置にある。 少し時間が余ったので駅前に出てみたが、比較的静かな駅で、店舗はスーパーマーケットぐらいしかなかった。
 太田川から、今度は河和線の特急に乗る。新鵜沼から少し乗ったパノラマSuperが来た。 しかし車内は結構混んでいて、パノラマシートは半分ほどの席が埋まっていた。そこで、パノラマでない席に座る。 2000系などに比べると椅子は古めかしく、詰め物もややへたっている。 列車は知多半島の丘陵部を横切り、知多武豊などの途中駅で少しずつ客を降ろしていく。 やがて、知多新線との分岐駅である富貴に到着。これ以上深入りすると戻るのに時間が掛かるので、ここで折り返すことにする。 富貴は古めかしい駅舎が残り、駅前には数軒の店があるばかりの静かな駅だった。


中部国際空港で発車を待つ2200系。

■ 富貴14:34発〜金山15:08着

■ 金山15:21発〜豊橋16:07着

 富貴から金山まで折り返し、いよいよ最終ランナーとなる豊橋行き特急に乗る。 今度の列車は、今まで乗車できていなかった1700系が来た。1700系は元々3連の全車指定席編成を組んでいたが、 今は2200系のように一般車を組み込んで運用されている。2200系ほどではないがまだ新しく、グレーをベースにしたシックな内装が印象的である。 ただ、車内はこれまでで一番混んでおり、通路側に席を確保するのが精いっぱいであった。
 その混雑も東岡崎ぐらいまで来ると落ち着き、あとは旧東海道に沿って田舎びた所を進んでいく。 豊橋が近づくと飯田線と合流し、あとは東海道線に沿ってのんびり走って、終点の豊橋に到着。 6時間に渡る名鉄特別車の旅を締めくくった。 それにしても、飯田線や東海道線を走るJR車両が幅を利かせる駅構内に、名鉄特急がちょこんと停車する様は何度見ても妙だ。
 豊橋からは「ひかり」で東京に戻った。


最後の最後で数少ない1700系に乗車できた。

2014/1/6

 2014年の正月休み明けのこの日、日帰りで飯田線に乗りに出かけた。 飯田線は過去に何度も乗車しているが、南部を走る特急「伊那路」には乗ったことがなかった。 そこで豊橋から飯田までは「伊那路」に乗ってみることにした。 普通列車に比べれば多少は早いが、それでも豊橋から岡谷まで6時間ほどを要した。

■ 豊橋10:08発〜飯田12:40着 ワイドビュー伊那路1号

 珍しい豊橋停車の「ひかり」に乗り、1時間ほどで豊橋にやってきた。 「ワイドビュー伊那路」の自由席に乗り込むと、これが想像以上に空いていた。乗客は10人弱といったところか。 豊橋を出ると、列車はしばらく東海道線に沿って走る。このあたりの区間は名古屋鉄道と線路を共有している。 JRと私鉄が線路を共有する区間というのは全国的にも珍しく、他に思いつくのは関西空港〜りんくうタウン間(南海電鉄と共有)ぐらいだろうか。 これには飯田線がかつて私鉄だったという経緯が絡んでいるのかもしれない。
 しばらくすると名鉄と線路が分かれ、程なく豊川に着く。数日前までは豊川稲荷の初詣客でにぎわっていたのだろうが、 今は閑散としている。豊川を出ると、列車は山間部へ向けてのんびりと走る。この列車は特急といいながらスピードは遅く、 飯田までの130kmを2時間半もかけて走る。これは幹線の普通列車より遅い。
 途中、新東名の工事現場の脇を抜け、薄暗い峠で愛知県から静岡県に入ると、やがて中部天竜に着く。 佐久間ダムの横を通り抜け、長いトンネルを抜けて、有名な「渡らずの鉄橋」を過ぎると、水窪に着く。 このあたりは2008年に西鹿島行きのバスに乗り継ごうとうろうろしたので、よく覚えている。 水窪を出ると再びトンネルで天竜川沿いに戻り、いよいよ秘境エリアを進む。 このあたりの車窓については過去の記事に散々書いたので割愛するが、おおよそ特急が走るような場所とは思えなかった。 平岡という小集落が形成されている駅に着くと、何だかほっとした気分になるのも以前と同じだ。ただ、 以前普通列車で通過したときは、周りが団体客や鉄道マニアだらけだったので皆車窓を食い入るように眺めていたものだが、 今日は地元の人しかおらず、車窓には興味なさげだ。
 天竜峡に着くとようやくあたりが平地になる。あとは市街地を進み、飯田に到着。 飯田駅はいうまでもなくこのあたりの拠点駅だが、駅には小さな売店しかなく、やむを得ず駅前のスーパーで昼食を購入した。


「ムーンライトながら」や普通列車でお世話になった373系に久々に乗車。特急として乗るのは初めて。

■ 飯田13:06発〜下諏訪16:18着

■ 下諏訪17:13発〜上諏訪17:18着

■ 上諏訪17:22発〜八王子19:02着 スーパーあずさ28号

 飯田からは先は特急列車はないので、普通列車に乗る。やってきたのは関西線からコンバートされてきた213系だった。 転換クロスシートなので快適な車両だが、あえて運転台後部のロングシートに座った。 飯田線の北部も「Ωカーブ」などユニークな車窓がいくつもあるが、一番印象的なのは駅の多さだ。 車掌さんは駅に着くたびにホームを走り回って乗車券を回収せねばならず、大変そうだった。
 途中の駒ヶ根では16分も停車するので、休憩がてら駅前を歩いてみた。しかし駅前の商店街は閑散としており、あまり人の気配はなかった。 駒ケ根からさらに1時間以上かかって、ようやく岡谷に到着。しかし、このまま帰ると時間が余るので、初詣ということで諏訪大社に行ってみることにした。 諏訪大社は上社・下社があり、さらにそれぞれ本宮と別宮があるので、合計4カ所に分かれている。 そのうち駅から一番近いのが下社の秋宮で、下諏訪駅から歩いて行ける。これに行ってみるべく、下諏訪へ向かった。
 下諏訪駅から寒い道を歩き、神社に着くともう日が暮れかかっていた。正月をだいぶ過ぎ初詣客はまばらだったが、いないわけではなかった。 途中道に迷いそうになりながら下諏訪駅に戻り、上諏訪から「スーパーあずさ」に乗って帰宅した。


関西線からやってきた213系が飯田線の新たな主となっている。

2014/9/20

 9月のある日、JR東日本の「週末パス」を利用して磐越西線の「SLばんえつ物語」に乗りに出かけた。 ばんえつ物語は運行開始から15年を迎え、JRの観光列車でも老舗ともいえる存在だが、これまで乗ったことがなかった。 また、磐越西線もここ10年ほど御無沙汰している。 5月に九州で「SL人吉」に乗ったが、それと比較してみる意図も含め乗りに出かけた。

■ 東京7:00発〜新潟8:58着 Maxとき303号

 まずは東京駅から、Maxときの自由席に乗り込む。料金節約のため自由席にしたのだが、 これが予想外に混んでおり、平屋部分の通路側の席を確保するのがやっとだった。 上野駅、大宮駅でさらに客が乗り込み、デッキにぎっしり立ち客が出るほどの混雑となる。
 越後湯沢で「はくたか」に乗り継ぐ客が降りると、ようやく混雑が落ち着いた。 越後湯沢から先は魚沼の米どころを進む。稲は黄金色に色づき、収穫間近のようだ。 長岡、燕三条と停車して、終点の新潟に到着。こうやって新幹線で新潟へ来るのは10数年ぶりだ。


E4系Maxは帯色の塗り替えが進行中。

■ 新潟9:43発〜会津若松13:31着 SLばんえつ物語

 新潟駅に到着すると、既にSLが入線していた。発車まではしばらく時間があるので、駅弁を購入したり、 土産物を物色したりして時間をつぶす。しばらくしてホームに向かうと、SLの前にはかなりの人だかりができていた。 SLをひとしきり眺めた後、客車の方を見てみる。先頭車は子供向けの遊戯スペースと展望車となっている。 ただし、会津若松行の場合は機関車の背中しか見えない。
 その次の2、3号車は客車で、改装はされているものの急行型として造られた12系の原型の姿をよくとどめており、 車内には昔ながらのボックスシートが並んでいる。 次の4号車はこれまたフリースペースで、車内の大型モニタに観光情報などが映し出されている。 売店のある5号車を過ぎ、一番後ろの7号車まで行くとグリーン車がある。このグリーン車は大ぶりな椅子が3列に配置され、 専用の展望室もある。この車両の人気は高く、なかなか予約が取れないという。この日も満席で、私も予約がとれなかった。
 ボックス席が一通り埋まる程度の状態で新潟を発車。ごちゃごちゃした駅構内を抜け、新潟車両センターの脇を通り過ぎると周囲は住宅街となる。 SLの注目度は高く、沿線の子供が列車に手を振る姿も見られた。SLにはやや場違いな電化複線の信越本線をゆっくり走り、 新津に着く。そういえば、新津に着くまでの間に若い男性の案内係がやってきて、検札をしていった。 九州ならすかさず女性の客室乗務員が来るところだが、「きらきらうえつ」の時も男性の乗務員だったし、 JR東日本新潟支社はイケメン押しなのだろうか。
 新津駅ではしばらく停車する。駅のホームには弁当の立ち売りが出ていた。 弁当はすでに新潟駅で買ったので、「三色団子」というのを買う。北海道の「大沼だんご」に似た団子だった。 新津を出てしばらくすると、いよいよ阿賀野川の川沿いを走る。とはいっても、肥薩線のように川っ淵を進む機会は少ない。 また、川を頻繁に渡るため、どちら側の席に座っても川をずっと眺めるというのは難しい。
 新津を出てすぐに、沿線の五泉町の人が乗ってきて抽選会をやるというイベントがあった。 逆に言えば、イベントらしいイベントはそれくらいしかなく、あとは随時観光案内の放送があるぐらいだった。 また、車内には10人以上の大口のグループ客が多かった。JR九州の観光列車のように個人客を想定しているのではなく、 団体でわいわい騒ぎながら乗ることを想定しているのかもしれない。この列車はほぼ4両分のボックス席がありキャパが大きいので、 大口の予約にも対応しやすそうだ。
 そんな訳で、適当に車内をうろつきつつ、フリースペースから阿賀野川の流れを眺めた。 SLというのは外から見ると物珍しいが、乗っている分にはそれを実感する機会は少ない。 だが、しばらく席を外した後に戻ってみると、机の上に石炭カスがいっぱい降り積もっており、SLに乗っていることを実感させられた。
 途中、津川では給水のためしばらく停車した。また、山都でもしばらく停車したので、外からSLを眺めた。 やがて福島県に入り、喜多方に到着。観光地であるが下車する人は少ない。ほとんどの客は会津若松まで行くようだ。 そういえば途中の沿線ではSLを撮影する鉄道ファンをかなり見かけた。彼らの間ではこの列車は「ばんもの」と呼ばれ、格好の撮影対象となっているようだ。 喜多方からは最後の力走を見せ、終点の会津若松に到着。乗車時間は4時間近くにもなり、たっぷり乗ったという気がする。


新潟駅のホームで発車を待つSL。


1号車の車内は、展望席と子供向けのフリースペースとなっている。


4号車はフリースペース。売店で買った酒類を持ち込む客も多い。


長時間停車の度に乗務員が足回りを丹念にチェックする。

■ 会津若松14:08発〜郡山15:13着 あいづライナー

■ 郡山15:30発〜大宮16:22着 やまびこ144号

 会津若松からは快速「あいづライナー」に乗る。この列車はかつては「ビバあいづ」という特急列車だったが、幾度かの変遷の後、 今は快速列車となっている。使われているのは意外にもかつて東武線直通特急に用いられていた車両で、 車内はきれいにリニューアルされていた。快適なシートでくつろぐこと1時間あまりで、終点の郡山に到着した。 郡山からはE2系「やまびこ」で東京に戻った。


東武直通列車からコンバートされ会津で余生を送る485系。