関西近郊JR乗りつぶし(その3)―北近畿に残る播但線・福知山線へ

 年末の中国地方遠征のおかげで、西日本に大量に残っていた未乗線区もようやく減ってきた。 そんな中、近畿地方にはまだまだ乗っていない路線が目立つ。 大阪近郊や南部の方はあらかた乗ったが、北近畿はまだほとんど手付かずで、空白地帯といってよい。
 幸い北近畿は実家から近いので、泊りがけの旅行をせずとも帰省の合間にふらっと乗りに行くことが可能だ。 そこで2004年の正月休み、18きっぷを使って小旅行をすることにした。目的地は播但線・福知山線である。

目次

2004/1/3

姫路15:16発〜寺前16:03着 5639M 103(2)

 大阪から新快速で姫路へやってきた。播但線は姫路駅の駅本屋に近い行き止まりホームから発車する。 播但線は近年電化され、103系を2連で走れるよう改造した電車が使用されている。 車内はあらかたロングシートが埋まった状態で、姫路駅を発車した。
 姫路を出ると、高架線の上を列車は走る。姫路の街がよく見渡せ、姫路城の林も見える。 野里を過ぎると線路は地平に降りる。車窓には山が見えてきた。耕地が広がる川沿いの平野を列車は淡々と進んでいく。 車窓には家並みが絶えることはなく、2両とはいえ乗客はそこそこ多かった。 朝などは本線の車両が応援に入るほど混雑するというし、電化されたのも頷ける。 見ていると、駅のホームなどはどこも真新しい。 電化工事の際は単に架線を張るだけでなく、ホームのかさ上げや跨線橋の架け替え、 トンネルがある場合はその改造も必要となる。そういった付帯工事が結構費用が掛かるらしい。
 小一時間ほど乗車し、終点の寺前に到着。山あいの静かな町で、日も傾いてきて薄暗い。


播但線の103系は真っ赤な塗装が特徴。車内はN40改造実施済みで、新車並みの見た目を誇る。 写真は2005年に撮影したもの。

寺前16:07発〜和田山16:52着 1239D キハ40(1)

 播但線の電化区間は寺前で終わり、ここから先は非電化区間となる。待っていたのは1両の気動車だった。 片方の運転台は後付されたものらしく、本来のキハ40の運転台と違ってのっぺりとしている。 カラーリングは電化区間に合わせて鮮やかな赤色になっている。
 電化区間が終わっただけあって、寺前を過ぎると車窓は急速にひなびてくる。 列車は濃密な山の中をうねうねと曲がりながら進む。上り勾配のため、キハ40の走りはやや重苦しい。 生野を過ぎると列車はトンネルに入る。ここで分水嶺を越え、太平洋側から日本海側の水系へと移る。 あとは円山川に沿ってぐんぐんと下っていき、終点の和田山に到着。だいぶ日が暮れてきた。

和田山16:54発〜福知山17:31着 442M 113(2)

 和田山からは山陰本線で福知山に向かう。山陰本線のこの区間にはついこの間乗車したのだが、 前回は寝台特急「出雲」で寝ながらこのあたりを通過したので、車窓は見ていない。 今回もほとんど日が暮れかかっており、車窓は見えなかった。
 和田山から福知山まではわずか5駅であるが、途中で山越えがあるせいかやたらと駅間が長く、 福知山まで30分以上掛かった。ようやく福知山に着くと、日はすっかり暮れてしまった。

福知山17:54発〜篠山口18:46着 2540M 113(2)

 福知山から、今日2つ目の未乗線区である福知山線に乗車する。車両は先頭車が簡易改造の113系3800番台だ。 昔ながらのシートピッチの狭いクロスシートに座り、福知山を後にする。
 すっかり日の暮れた中、列車は一つ一つの駅に停車しながら進む。途中の駅からは、 大きな紙袋を抱え、家族に見送られながら乗車してくる人の姿が目立つ。もう正月のUターンラッシュが始まっているようだ。 みな帰省先から大阪なり東京なりに戻るのだろう。そういう私も、今夜の夜行急行「銀河」で東京に戻る予定にしている。 迫ってきた帰京の足音を思い出しつつ、真っ暗な車窓を見つめた。
 福知山から1時間近く掛け、篠山口に到着。

篠山口18:50発〜宝塚19:21着 3028M 北近畿18号 183(4)

 篠山口で乗り換えようとすると、ホームには何と207系の姿があった。ラッシュ時はここまで乗り入れてくるらしい。 こんな山間の駅で通勤型電車を見るとさすがに違和感がある。
 今日は青春18きっぷで乗車しているので本来特急は使えないが、日も暮れてしまったし、早く実家に戻って 帰京の準備をしたいので宝塚まで特急を利用することにする。すぐにやってきた特急「北近畿」に乗車した。
 特急は4連と編成が短く、自由席は席が埋まっていた。仕方がないのでデッキのステップに腰掛ける。 この時に体が冷えたせいか、この日の晩に急行銀河に乗っている最中、風邪を引いてしまった。 狭いB寝台の中で寒気に苦しむ結果となり、散々な思いをしたのだった。


福知山線・山陰本線の特急に貼られたステッカー。大阪・京都・城崎・天橋立を結ぶ線を 「ビッグXネットワーク」と呼んでいる。

JR線乗りつぶし状況

新規乗車キロ数

路線名乗車区間キロ数
播但線姫路〜和田山65.7
福知山線谷川〜福知山33.5
合計99.2

累積乗車キロ数

 総キロ数走破キロ数走破率総路線数走破路線数路線走破率
旅行前19860.919014.295.74%17116093.57%
旅行後19860.919113.496.24%17116294.74%