最終更新日:2021/3/8

比叡山縦走紀行―三本のケーブル・ロープウェイで世界遺産の山を越える

 7月のある日、台風が接近する中京都へと出かけた。 京都の鉄道はいずれも乗車してしまっているが、比叡山に向かうケーブルカーはまだ乗車したことがなかった。 比叡山へは京都、滋賀の両方からケーブルカーで登ることができ、途中バスを挟めば縦走することも可能だ。 台風接近の影響で天気は今一つだったが、乗りに出かけた。

目次

2015/7/16

新横浜〜京都

京都10:41発〜大津京〜比叡山坂本10:59着

比叡山坂本駅11:08発〜ケーブル坂本駅11:14着 江若交通

ケーブル坂本11:30発〜ケーブル延暦寺11:41着 坂本ケーブル

 朝の新幹線で京都へとやってきた。 まずは京都から湖西線の普通列車に乗り、大津京で新快速に乗り継いで比叡山坂本へ。ここでバスに乗り換える。 バスは京阪石山坂本線の坂本駅前を通り、程なくケーブルカー乗り場へ。 年季の入ったケーブルカー乗り場から、割と新しい車両に乗り込む。観光客が10人余り乗り込んだところで、発車。
 このケーブルカーは途中駅が2つあることが特徴の一つだが、係員に断わっておかないと通過してしまう。 この日もあっさり通過した。高度を上げるにつれ、眼下には琵琶湖なども見えるようになった。 この他、沿線には織田信長の比叡山焼き討ちの犠牲者供養のための石仏などもあり、歴史を感じさせる。
 終点のケーブル延暦寺は雲に包まれており、霧雨が降っていた。 山道を少し進むと、延暦寺に到着する。折角なので、寺の中を少し見学する。 延暦寺でいちばん有名なのは、やはり国宝の根本中堂だろう。あいにく工事中で鉄の足場が何本も立っていたが、 荘厳な雰囲気に包まれていた。


乗車した湖西線の普通列車は先頭車がリニューアル色、中間車は湘南色の変則編成だった。


坂本ケーブル駅は歴史を感じさせる建物ながらもよく整備されている。


坂本ケーブルは赤を基調とした洒落た車体。


雨に煙る比叡山の根本中堂。山の上にあるとは思えない壮大な建物だ。

延暦寺バスセンター12:13発〜比叡山頂12:20着 京都バス

比叡山頂12:22発〜ロープ比叡12:25着 叡山ロープウェイ

ケーブル比叡12:30発〜ケーブル八瀬12:39着 京福電気鉄道(叡山ケーブル)

八瀬比叡山口12:50発〜出町柳13:03着 叡山鉄道

 急ぎ足で境内を眺め、バスターミナルに向かうと程なくバスがやってきた。 比叡山のもっと奥深くからやってきたこのバスで、今度は京都側に向かうロープウェイの乗り場へと向かう。 時間が中途半端なせいか、車内には他に客はいない。霧に包まれ視界の悪い中、山の中のドライブウェイをしばらく進むと、 ロープウェイ乗り場の最寄りという比叡山頂に着く。だが、目の前にはガーデンミュージアム比叡という観光施設があるだけで、 乗り場らしきものはない。周りを見回すと、案内の看板があったのでそれを見て乗り場へと急ぐ。乗継時間はほとんどない。
 何もない山道を歩き、不安になってきたところでようやく乗り場に着く。先程のミュージアムの裏手が乗り場になっているようだ。 乗り込んだロープウェイの搬器は小さく、先客は中年のカップル1組だけだった。 相変わらず霧で何も見えない中を下り、今度は古めかしいケーブルカーに乗り換える。 ケーブルカーで少し降りると、ようやく京都市街が見えてきた。国際会館のある宝ヶ池あたりも見える。 案内放送によると、このケーブルカーの高低差は561mにもなり日本最大なのだそうだ。 そういえば、先程乗った坂本ケーブルに比べて車内の勾配も急な気がする。
 無事に山を降り切り、今度は叡山電鉄に乗り換える。ここからは乗り継ぎを重ねて京都市街に出た。 折しも祇園祭の宵山であり、四条通には立派な鉾が何台建てられていた。


まずは古めかしい叡山ロープウェイに乗り、途中で比叡ケーブルに乗り換える。


こちらは叡山ケーブル。車体屋根部分の尖り方がかなり急だ。


急な階段状の車内。高低差はなかなかのもの。


叡山電鉄の車両は一般の私鉄に比べやや幅が狭く、面長なのが特徴。