2012/8/12
すすきの22:25発〜西4丁目23:04着 札幌市交通局
日曜の夜、札幌駅近くのホテルを出て、酔客が目立つススキノにやってきた。
ここから、札幌に唯一残った市電が出ている。この路線は市内の南東部をぐるっと回って、
ススキノから程近い西4丁目電停に戻ってくるという経路を取る。
これから乗車するのは西4丁目行きの最終電車である。
10数名の客を乗せて、発車。しばらくはススキノの繁華街が続くが、程なく静かな住宅街へと入った。
本州の住宅街と違って建物同士の間にスペースがあり、余裕のある土地の使い方だな、
という点以外は特に見るべきものはない。
札幌は道路がきれいな碁盤上になっており、その上を走る路面電車も非常に線形がよく、
なかなかのスピードで走る。ただ、終電ながら乗客の入れ替わりはかなり頻繁にあり、
ほぼ全ての駅で乗降があった。定刻を3分ほど過ぎた23時7分頃、終点の西4丁目に到着。
大通23:08発〜麻生23:19着 札幌市交通局
西4丁目電停は地下鉄の大通駅と程近いが、市電の遅れのせいで乗り換え時間はわずか1分しかなくなった。
そもそも、路面電車には数分程度の遅れは付き物なので、こんなタイトな乗り継ぎを組むこと自体無謀なのだが。
とにかく、地下鉄への乗り場をひたすら走り何とか間に合わせた。
さて、これから札幌の地下鉄の乗りつぶしをやろうと思う。札幌の地下鉄は3路線からなり、
今日は南北線を乗りつぶそうと思う。南北線は札幌駅、大通、ススキノといった中心街を縦貫する、
大阪でいえば御堂筋線のような重要路線である。しかし日曜の夜、しかもお盆の真っ只中だからか乗客は少なく、
大通であっさりと座れた。
まずは北行の電車に乗り、麻生を目指す。札幌の地下鉄は車輪にタイヤを使用しており、
鉄輪式とは異なる独自の乗り心地が特徴だ。鉄輪式でみられるポイントや線路の継ぎ目での振動がないものの、
通常走行時の振動や騒音はタイヤ式のほうが大きいと思われる。
冷房がなく、窓を開け放って走っているので余計にそう感じるのかもしれない。
大通を出て数駅ほど走ると、ホームドアが設置されている駅に出くわした。
どうやら順次全駅にホームドアを整備しているらしい。南北線にはついこの間まで、
ドア配置が異なる旧型車両が残っていてホームドア設置が不可能だったが、
これが淘汰されたのを機にホームドアの設置が開始されたようだ。
一部の駅には青色と緑色の2種類の乗車目標が残っていたが、これは車種の違いを表していたようだ。
やがて、終点の麻生に到着。時間があるので外に出てみるが、
周囲はただの住宅街であった。
麻生23:26発〜真駒内23:54着 札幌市交通局
真駒内0:00発〜さっぽろ0:18着 札幌市交通局
麻生から今度は南下し、南の終点の真駒内へと向かう。
今度の電車もやはり空いていて、席がすべて埋まることはなかった。
途中の平岸を過ぎると地下から外に出て、雪よけのシェルターに囲われた高架線を走る。
こちらも周囲は住宅街だが、沿線には高層マンションが目立つ。
総じて土地に余裕のある北海道だが、札幌だけは例外のようだ。
途中の駅で少しずつ客を吐き出しつつ、終点の真駒内に到着。
駅を出ると、外には大量の客待ちのタクシーが待っていた。
深夜の終着駅では全国どこでも見られる光景である。
6分の滞留後、0時ちょうどの最終電車で戻る。
札幌の地下鉄は、各末端駅からの終電の時刻が0時、始発の時刻が6時に統一されているのが特徴だ。
がらがらの電車に乗ること18分で、さっぽろに到着。駅周辺に張り巡らされている地下道はほとんど閉鎖されていて、
地上をとぼとぼ歩いてホテルに戻った。
2012/8/13
さっぽろ6:21発〜福住6:34着 札幌市交通局
福住6:39発〜さっぽろ6:52着 札幌市交通局
翌朝、今度は東豊線の南部区間を乗りつぶす。
東豊線のさっぽろ駅は南北線やJRの駅から離れていて、複雑な地下道を延々と歩かされた。
東豊線は一番後発の路線で、編成も4連と短い。しかしホームはかなり長めに確保されていて、
端のほうは柵で囲われている。まるで大阪の千日前線のようである。
なお、東豊線は固有の車庫がなく、東西線内の車庫を利用しているらしい。
また、東豊線と東西線は両方ともパンタグラフで集電しているが、
南北線は第三軌条から集電しているという違いがあるらしい。
始発から2本目の電車に乗る。早朝とあってまだ乗客は少ない。大通、豊水すすきの以外は目立った乗車もなく、
終点の福住に到着。福住は札幌ドームの最寄り駅だからか、長い地下通路を持つ余裕を持った造りになっていた。
すぐに折り返し、さっぽろに戻る。
小樽市総合博物館
その後家族と合流し、レンタカーで道央を観光した。
その途中、小樽市の郊外にある小樽市総合博物館に立ち寄った。
ここはかつて小樽交通記念館と呼ばれていて、長らく交通系の博物館として運営されているが、
しばらく休館している期間もあったりして、なかなかタイミングが合わず来られていなかった。
館内に入ると、北海道初の鉄道である「幌内鉄道」で活躍したSL「しづか号」が展示されている。
ちなみに幌内鉄道の終点はこの博物館のある手宮で、当時は内陸部で採集した石炭の積出港として賑わったそうだ。
また、屋外にも様々な車両が展示されている。北海道は国鉄時代であっても内地とは別仕様の車両がほとんどで、
ここにしかない貴重な車両がそろっている。キハ20系やキハ58系の北海道仕様版はもちろん、
郵便車と荷物車、座席車が一両に詰め込まれたキハユニ25という珍車両もある。
雪や氷でスリップするのを防ぐためか、比較的後年の車両でも床が板張りになっているのも目を引いた。
車両を眺めているうち、一日に数回ある転車台の実演が行われるとのことで、行ってみる。
これは大宮の鉄道博物館で行われているのと似たイベントで、古いSLを転車台の上まで走らせた後、
車両ごとくるくる回転させるというものだった。
2012/8/14
札幌22:28発〜新札幌22:40着
翌日、今度は東西線の末端である新札幌に向かう。札幌駅から新札幌へはJRの方が早く行けるので、 まずは千歳線の普通列車に乗る。この普通列車は快速「エアポート」に使われる編成の間合い運用で、 普段は指定席の「uシート」が無料開放されていた。座席が軽く埋まる程度の混雑で札幌を出発し、 程なく新札幌に到着した。
新さっぽろ22:43発〜宮の沢23:18着 札幌市交通局
宮の沢23:24発〜大通23:39着 札幌市交通局
新札幌は函館や新千歳から札幌に向かう際に何度も通過しており、
その度に駅前の高層ビル群に目を見張っていたのだが、実際に降りるのは初めてだ。
だが、地下鉄との乗り継ぎ時間は3分しかなく、
連絡通路を大急ぎで走って地上2階のJR駅から地下3階の地下鉄駅に向かった。
乗り継ぎは無事成功し、東西線の乗りつぶしを開始する。東西線は3路線のうちもっとも長い路線で、
端から端まで乗ると35分も掛かる。ずっと地下なのでさすがに退屈だ。
しかし、この東西線は地下でも携帯電話の電波が通るので、暇をつぶすことができた。
また、東西線は南北線に先んじて全駅にホームドアが設置されている。
札幌の地下鉄は車両も総じて新しく綺麗であり、設備はなかなか先進的であるように感じた。
大通で多くの客を乗せ、立つ客も出た。
ここまで乗車してきた中でも一番の混雑かもしれない。
途中の琴似から先の区間は、東西線でも最後にできた区間で、発寒南と宮の沢の各駅は他の駅に比べて新しかった。
終点の宮の沢で折り返し、大通へ戻る。
大通23:41発〜栄町23:54着 札幌市交通局
栄町0:00発〜さっぽろ0:11着 札幌市交通局
大通ではわずか2分で東豊線へと乗り継ぐ。さっぽろ駅の東豊線はとんでもない場所にあったので、
また通路を延々と走らされるかと思ったが、今度はそんなに遠くなかった。
いよいよ、乗り残した最後の区間である東豊線の北部を乗りつぶす。
さっぽろで帰宅客を乗せ、23時54分に終点の栄町に到着。
これで札幌市交通局の全路線を乗りつぶした。
終電でさっぽろに戻ると、今度も地下道は全て閉まっていて外に出されてしまった。
人通りのない暗い道をとぼとぼと歩き、ホテルへと戻った。