2010/11/14
上野8:00発〜仙台12:23着 スーパーひたち7号
上野駅の地上ホームにたどり着くと、既に「スーパーひたち」が発車を待っていた。
これから乗る7号は、上野から仙台までを走破する数少ない列車である。
かつては常磐線にも長距離列車が数多く走っていて、
上野から青森まで行く昼行特急「みちのく」というのもあった。
今回は仙台までではあるが、かつての「みちのく」に思いを馳せながら仙台まで向かおうと思う。
窓側の席がそこそこ埋まった状態で上野を発車。松戸までは先を行く普通列車に遮られて冴えない運転が続くが、
松戸で普通列車を追い抜くと本領を発揮し、130km/hを伺う走りが続く。
藤代の手前のデッドセクションを越え、土浦、水戸と停車。
水戸で降りる客が多いのかと思いきやそうでもなく、むしろ土浦など途中駅からの乗客が結構多かった。
常陸多賀を過ぎると、車窓に日立製作所の大工場が広がる。海を右手にちらりと眺めながら進み、
日立に到着。いうまでもなく日立製作所の企業城下町だが、この日は休日とあってか乗降客はあまり多くない。
磯原を過ぎると、再び右手に海が見える。福島県に入り、
泉、湯本と停車して、いわきに到着する。
いわきでは後ろ寄り7両を切り離し、ここから先はグリーン車なしの4連となる。
ただ、自由席の乗車率は相変わらず良く、窓側の席は全て埋まっている。
いわきを発車し、2つ目の四ツ倉を過ぎるとついに線路が単線となった。
列車のスピードもすっかり落ち、茨城県内を走っていた頃の勢いはどこへやら、といった感じとなる。
一応太平洋岸沿いを進んでいるはずなのだが、海はほとんど見えない。
時折、丘陵を短いトンネルでくぐる以外は変化のない車窓が続く。
単線の線路をのんびり進んでいると、右手に時折廃トンネルが並行しているのが見える。
どうやら電化の際、口径の狭い古いトンネルを放棄して新しいトンネルを掘ったらしい。
やがて列車は原ノ町に到着。常磐線北部の中心駅で、ここで降りる客はかなり多かった。
発車する際には、ホームで駅弁の立ち売りをやっている姿がちらりと見えた。
今時こんなローカル駅で駅弁を売っているとは予想外だった。
原ノ町を出ると、車内販売のカートが回ってくる。上野を出て以来もう通算5度目ぐらいだろうか。
車内販売のお姉さんは上野を出て以来、休むことなく車内をカートで巡回している。
ただ座っているだけでも既に尻が痛くなり始めているというのに、ご苦労様だと思う。
最後の停車駅である相馬を出て、阿武隈川を渡るとまもなく岩沼に到着する。
広い構内で複雑に東北本線と合流し、再び速度を上げて仙台へと急ぐ。
12時23分、仙台に到着。久々に長いこと電車に乗ったなという感じがした。
上野駅で発車を待つ「スーパーひたち」。
この車両に4時間あまり揺られた。
仙台12:29発〜泉中央12:45着 仙台市交通局
人手の多い仙台駅のコンコースを通り過ぎ、地下鉄の乗り場へと急ぐ。
が、地下に降りてもなかなか乗り場にはたどり着かない。
うんざりするほど長い乗り換え通路を歩いて、ようやく乗り場にたどり着く。
窓口で休日限定の一日乗車券を購入して、改札を通る。
長い階段でホームに降りると、ホームドアが目に入る。
東京や大阪でもまだ普及の途上にあるホームドアを完備しているらしい。なかなか先進的だ。
しばらく待つと、泉中央行きの電車がやってきたので乗り込む。
それほど新しい車両ではなさそうだが、乗降ドア窓が楕円形であることと、
貫通路のドア窓がとても大きいことが特徴的だ。これまで国内のあらゆる鉄道に乗ってきたが、
ドア自体がガラス製の東京メトロ10000系などを除くと、ここまで貫通路の窓の大きい車両は初めてかも。
座席が軽く埋まるほどの状態で仙台を発車。
繁華街の一番町に近い広瀬通や勾当台公園で数人を乗り降りさせつつ進む。
だが、その先の駅ではあまり人の動きはなかった。仙山線と接続する北仙台でもほとんど乗り降りはない。
旭ヶ丘駅の手前では、トンネルの合間から外が見えるが、これが雑木林ばかりでびっくりしてしまった。
だが、後で調べるとこれは駅付近に広がる森林公園らしい。
その次の黒松で地上に出る。
ここから先は高架線を走るが、周囲はマンションや住宅が林立しており、
まるで港北ニュータウンあたりを走っているかのようだ。
その次の早乙女ではかなりの下車がある。
早乙女を出ると、かなり広い公園を横切る。
公園の中には、ベガルタ仙台の本拠地である大きなサッカースタジアムがある。
この日は試合があるようで、係の人が何やら準備をしていた。
スタジアムを過ぎると、やがて終点の泉中央に着く。
仙台市地下鉄は、運転台が右についているのが特徴。
泉中央12:57発〜富沢13:24着 仙台市交通局
富沢13:27発〜長町13:31着 仙台市交通局
「いずみちゅうおう」という発音の駅名を思い浮かべると、大阪の泉北高速線にある和泉中央駅、
あるいは相鉄のいずみ中央駅が出てくるが、
ここ泉中央もそれらの駅と同じく、典型的なニュータウン駅である。
改札前には大きなバスロータリーがあり、交通結節点として機能しているようだ。
折り返し、富沢行きの電車に乗る。発車する時点で座席はかなり埋まっており、
泉中央からの乗客が非常に多いことが分かる。
仙台でかなりの客を入れ替え、引き続き富沢方面へと南下する。
終点の一つ前の長町南でかなりの客を降ろした後、
地上へと出ると程なく終点の富沢に到着する。駅周辺はまだまだ開発途上といった感じで、
駅前の空き地では建設工事が始まろうとしていた。
仙台のベッドタウンとして発展を遂げた泉中央駅。
長町13:40発〜仙台空港14:03着 仙台空港アクセス鉄道
仙台空港14:22発〜仙台14:39着 仙台空港アクセス鉄道
仙台15:26発〜大宮16:42着 はやて18号
富沢から長町に折り返し、JR線に乗り換える。
JRの長町駅は近年高架化されたばかりで、首都圏のニュータウン路線を思わせるような真新しい駅だった。
ただ、時折貨物列車が通り過ぎるのに違和感を覚える。
しばらく待つと、2両編成の仙台空港行きがやってきた。
東北本線を名取まで走った後、2007年に開業した仙台空港アクセス鉄道に乗り入れる。
やってきたのは仙台空港アクセス線の車両で、JRのE721系とほぼ同型の車両である。
ワンマン運転を行っており、運転席にはドア監視用のモニタがついている。
各駅に停車しつつ、名取に到着。名取を出ると空港に向かう客しか残らないのかと思いきや、
そうでもなさそうな軽装の客が目立つ。何故なのだろうかと思う。
名取を出た列車は真新しい高架線を急勾配で登り、左にカーブする。
次の停車駅である杜せきのしたの駅前には、巨大なショッピングセンターが建っている。
ここに向かう客は多いらしく、かなりの客が降りていった。
次の美田園では行き違いのためにしばらく停車するが、乗り降りする客はほとんどなかった。
美田園を出ると、まっ平らな田んぼの中を高架線でひた走る。
しばらく走ると、飛行機の航路を避けるため一旦トンネルに入る。
トンネルを出るとそこは空港のスポットの脇で、飛行機が駐機している。
台湾のエバー航空の機体もあった。
やがて、真新しい仙台空港駅に到着。小ぶりな空港ビルをしばし見物した後、
折り返し仙台に向かう快速列車に乗る。快速は途中名取にしか停車しないが、
一日4往復しかない貴重な存在である。仙台空港からわずか17分で仙台に到着した。
人の多い仙台駅で遅い昼食をとり、「はやて」に乗る。
北東北を観光してきたと思われる団体客が多く、満席であるばかりか網棚まで全て埋まっていた。
「スーパーひたち」だと4時間あまりかかったところを、
「はやて」だと仙台からわずか1時間ちょっとで大宮に戻ってしまった。
仙台アクセス鉄道の車両は、JRのE721系と同型。
まだ真新しい仙台アクセス鉄道仙台空港駅。