2003/3/2
室蘭6:51発〜苫小牧7:43着 1431M〜1031M すずらん1号 781(4)
この日宿泊したホテルは、室蘭の駅から徒歩5分ほどの場所にあるのだが、
ホテルへの往復のどちらも途中通行人にほとんど会うことがなかった。
そういえば、ホテルでも他の宿泊客を全く見かけなかった。何だかとても寂しい印象のする、そんな室蘭の町だった。
室蘭からは、再び特急すずらんに乗車する。昨日同様、東室蘭までは普通列車である。
北海道の海岸は概して自然が残っているのだが、
室蘭から苫小牧にかけての海岸は開発が進んでしまっているせいか非常に荒涼とした印象を受ける。
大都市札幌に向かう列車だけあって、駅に停車するたびに乗客が乗り込んでくる。
苫小牧で下車したが、駅のホームにはずらりと乗客が並んでいた。
苫小牧8:01発〜様似11:25着 2225D キハ40(1)
苫小牧駅で駅弁「サーモン寿司」を買い、日高本線の気動車に乗り込む。日高本線の車両は専用の塗色になっていた。
この路線には以前キハ130という軽快気動車が投入されたが、10年程で廃車となってしまい、
今は先輩格のキハ40シリーズの車両で運転されている。
列車は1ボックスを1人で占められる程度の乗り具合で発車。苫小牧からは延々と室蘭本線に併走する。
いつ離れるのか思い始めた頃にようやく室蘭本線から離れ、勇払着。ここから鵡川までは駅間も長く、寂しい所を通る。
鵡川を過ぎると、太平洋が見え始める。太平洋とはいっても東京あたりとは違い暗く冷たい色である。
また、陸側には牧場が見え始め、所々に馬も見える。馬は外にずっといて寒くないのだろうか??
鵡川から1時間で日高本線の拠点駅である静内に到着。
時間があるので駅舎に行ってみる。列車の本数は少ないものの駅そばなどもある立派な駅舎だ。
列車に戻ると、反対側のホームにキハ160が入線してきた。
事故廃車になったキハ130の代替として導入された、1両1形式の珍車である。
静内からは、海を外れ丘陵の中を走り始める。海沿いは地形が険しすぎて線路が引けないのだろう。
日高支庁のある浦河を過ぎ、3時間以上かけてようやく様似着。
様似からは、襟裳岬を超え道東の広尾までのバスが出ている。広尾で乗り継いで帯広に出るプランも考えたが、
冬場は強風で襟裳岬の道路が通行止めになることがあるそうなので、おとなしく引き返すことにした。
様似12:08発〜苫小牧15:21着 2232D キハ40(1)
ということで、今乗ってきた車両に再び乗る。昼間ではあるが小雪が降っており、空は暗い。どこの駅か忘れたが、
駅前に結構立派なリゾートホテルが建っており、客と思われる若い女性2人が列車に乗ってきた。
この列車を観光で利用しているのはこの人たちだけのようだった。
15時21分、苫小牧着。7時間も乗りっぱなしだったが、ほとんど退屈はしなかった。冬なので太平洋の色は暗かったが、
夏場に乗れば明るい太平洋が見られ印象が変わるかもしれない。
全然食事をしていなかったので、苫小牧の駅前のダイエーに入っているラーメン屋で味噌ラーメンを食べる。
濃厚で結構美味しかった。
苫小牧17:11発〜追分17:48着 1473D キハ40(2)
苫小牧からは室蘭本線で追分に行く。本線を名乗っているが、石炭輸送という使命を失いローカル線に転落している。
この線区は最後までSLが走っていたことで知られているが、逆に言えばそれだけ近代化が遅れていたということだろう。
そのような事情から、ローカル線ではあるが複線となっていて、
普通のローカル線のように交換駅手前で減速したりすることはない。
追分駅は、運転の拠点で結構立派な駅舎ではあるが駅員はいなかった。
周りに人家は少なく、駅舎で1人きりで次の列車を待った。
追分18:14発〜夕張19:17着 2641D キハ40(1)
次の列車は千歳始発の夕張行き。
この線も昔は石炭輸送で賑わったというが、新夕張より先は一日9本しか走らないローカル線だ。
途中駅ではほとんど乗り降りがないまま、新夕張着。
新夕張からはますます山深くなっているようだが、夕闇で回りは何も見えない。
19時17分、夕張着。夕張駅はローカル線の終着にしては立派で、
スキー客用のホテルの横に併設されていた。しかし、この列車でスキー場に行く人はいないようだった。
夕張19:25発〜追分20:20着 2642D キハ40(1)
夕張からの折り返し列車に乗ったのは、自分と同じく乗りつぶしが目当てと思われる鉄道ファンらしき若者と、
あとは数えるほどしかおらず寂しい。ちなみに、この鉄道ファンにはこの後何度も会うことになる。
その鉄道ファンは、帯広方面に向かうためか新夕張で降りていった。
追分20:26発〜岩見沢21:11着 1475D キハ40(2)
追分からは、室蘭本線の残りの部分に乗る。先程乗った区間に比べ若干山っぽくなってくるが、 取り立てて面白い所を通るわけでもないし、 そもそも外が見えない。追分からしばらくは複線だったが、いつの間にか単線になったようだというぐらいしか分からなかった。 そうこうしている間に岩見沢着。
岩見沢21:25発〜札幌21:50着 3034D スーパー宗谷4号 キハ261(4)
岩見沢は札幌の都市圏内なので、人も多くにぎやかだ。
苫小牧以来人の少ない寂しい列車に乗り続けてきたので何だかほっとする。
岩見沢からは「スーパー宗谷」用の新型気動車に乗り札幌へ向かう。車内はそれほど混んでいなかった。
新車の乗り心地を味わう間もなく25分で札幌に到着する。
ちなみにこの列車、旭川〜札幌間を電車特急の「スーパーホワイトアロー」と同じ1時間20分で走破する。
(ただし、スーパー宗谷の方が停車駅は2つ少ない)一方、国鉄型の781系「ライラック」は1時間30分、
キハ183の特急「オホーツク」だと1時間31分も掛かる。JR北海道のスピードにかける意気込みはなかなかのものだ。
札幌22:13発〜稚内6:00着 3043D 利尻 キハ183(?)
夜の10時近いとはいえ、札幌駅は賑やかだ。夕食をどうしようかと思っていたが、
こんな時間にもかかわらず駅弁屋が営業していて、しかもほぼ全種類の駅弁を売っていた。
夜行列車の客を中心にそれだけ需要があるのだろう。早速鮭めしを購入。
「ぐるり北海道」では特急自由席しか乗り放題でないのだが、「利尻」の指定席は所定2両で、混んでいないか不安だった。
しかしこの日は結構増結されていたようで、札幌からの帰宅客を降ろすとかなり空いてきた。
そこで、前の席を転換して足を伸ばすことができた。
途中からしっかり滅灯されたこともあり、ぐっすり寝てしまい起きたらもう稚内だった。