東北の大河を巡る

 10月29日、この日は東武で日光に行き、そこからバスで足尾に抜けてわたらせ渓谷鉄道に乗るつもりだった。 が、この日は日光の紅葉でいろは坂周辺の道路が激しく混雑するという。 乗るつもりのバスもかなり影響を受けることは間違いない。しかも、関東は雨模様の天気だという。
 一方、天気予報によると東北地方は一日晴れだという。 そうならば、ということで思い切って山形まで行き、未乗の山形鉄道と阿武隈急行に乗車することにした。 山形鉄道は最上川に、阿武隈急行はその名の通り阿武隈川に沿う線である。乗りつぶしの都合だけで旅程を決めたのだが、 偶然にも南東北を代表する2つの大河を旅することになった。

目次

2006/10/29

■ 東京6:28発〜赤湯8:51着 つばさ101号

 東京始発では一番列車となる「つばさ101号」で赤湯を目指す。 この列車は東京発の時点で「つばさ」単独編成という珍しい列車だ。 春に北海道旅行をしたときもこの列車に乗ったのだが、 編成が短いにもかかわらず東京駅を出る時点ではそれ程混んでいなかった。やはり朝早すぎるからだろうか。 そんな訳で、この日も指定券は準備せずに乗車したが、自由席には十分に空席があった。
 定刻どおり東京を発車。中央線の青梅特快と同時発車である。 秋葉原のヨドバシカメラを右に見るあたりで地下にもぐり、上野。ここで乗ってくる客はそれ程多くない。 再び地上に出ると、左手に山の手台地、右手に下町が見えるようになる。 そのため、右を見ると高架を走っていることが分かるが、 左を見ると地平を走っている感じがする。赤羽台トンネルを抜け、埼京線と併走しながら荒川を渡る。 このあたりは徐行運転を強いられているので速度は大して速くないが、全力疾走する埼京線の快速を悠々と追い抜く。 やはりそこらの通勤列車よりは速いようだ。
 大宮で一気に乗ってきたが、自由席に立ち客が出ることはなかった。 大宮からは一気に速度が上がる。ニューシャトル、久喜の駅構内、東武の南栗橋検車区、利根川と慌しく景色が過ぎ去っていく。 利根川を渡ると車窓は一面の田園風景となった。ただ、予報どおり天気は良くない。 普段なら宇都宮のあたりで見える男体山も霧で見えなかった。 宇都宮を過ぎ、鬼怒川を渡ったあたりでようやく天気が良くなってきて、那須岳はよく見えた。
 この列車は大宮から福島までノンストップなので、那須塩原、新白河、郡山と快調に通過していく。 郡山駅構内には常磐線のE501系が停まっていた。水戸線に転用するため、トイレの取り付けや短編成化改造をするそうだから、 そのために郡山工場に入場しているのだろうか。
 福島に着き、乗客は更に増えた。が、相変わらず立ち客はいない。 福島を出ると、カーブを描き地平に降りる。途中の庭坂までは街中を走るが、庭坂からは日本有数の険しい峠越えとなる。 右へカーブを描くと山肌を駆け上がり、松川の険しい流れに沿って走る。 まだ10月末だが、山深いこのあたりはもう紅葉が始まっている。トンネルを抜け、橋梁で松川を渡ると赤岩に到着。 ここは秘境の駅として知られ、周りに何も無い。 通過する際、かつてスイッチバック駅だった頃の名残である引込み線が見えた。
 さらに松川に沿って走ると、集落が見えてきた。この集落を少し過ぎたあたりに、ログハウス風の駅舎を持つ板谷駅がある。 駅は大きなスノーシェードに覆われ、薄暗い。この駅にも、引込み線の後が見える。ただ、線路を引く土地がなかったのか、 途中からトンネルになっている。板谷駅は既に山形県だが、板谷駅を過ぎたあたりで板谷峠を越えるトンネルに入る。 トンネルを抜けたところが峠駅。スイッチバック時代の旧駅のあった辺りではなにやら工事中だった。 峠駅を過ぎるとようやく狭い平地が見えるようになった。次の大沢も元スイッチバック駅で、 スイッチバック時代の旧駅のほうに向かって延々と通路が延びている。配線が変わっても駅舎は変わっていないのだろう。 次の関根までは複線なのだが、関根からはなぜか単線となる。線路の引きにくい峠越え区間が複線で、 線路が引きやすい平地が単線というのも変だ。鉄道防風林の間を抜け、米沢着。
 この米沢駅での停車時間はわずかだが、ここから先 弁当の買える駅は無いため、何か買っておきたい。が、無情にも列車は駅本屋と離れた2番線に停車した。 がっかりしていると、「対向列車が4分ほど遅れているため、この列車も発車が遅れる」との放送が入った。 幸運に感謝し、駅弁を買いに走る。購入したのは「牛串弁当」。牛肉の角煮が8個も乗った、どちらかというと若者向けの弁当だ。 朝から食べるにはヘビー過ぎるかなと思ったが、牛肉は冷めても脂っぽくないよう上手く調理されており、 思いの他あっさりと腹に入ってしまった。肉を思いっきり食べたい人には間違いなくオススメだ。
 米沢を出ると、急に霧が広がり出した。赤湯に着く頃には晴れたが、この先山形鉄道でも 霧に遭遇した。このあたりは霧が多いのだろうか。


車内で食べた米沢駅「牛串弁当」。

■ 赤湯9:01発〜荒砥9:56着 山形鉄道

 赤湯には結局4分遅れで到着。陸橋を渡って山形鉄道のホームへ向かう。 山形鉄道との乗換え口には中間改札も何も無い。ホームには既に、派手なカラーリングの単行の気動車が停まっていた。 が、時間が時間だけに空いていると予想していたのだが、車内は結構混んでいる。どうやら小学生の団体が乗っているらしい。 車両中ほどのボックスシートに辛うじて席を確保する。
 赤湯を出発した列車は、少し走っただけで南陽市役所に到着。 簡素なホームだけの駅だ。列車は果樹園の間を進み、宮内着。ここでいきなり列車交換がある。ここは国鉄時代から存在する駅らしく、 駅舎も古い。
 次のおりはたは駅前が果樹園になっている。次の梨郷は「りんごう」と読む難読駅。 果樹園の広がる沿線に似つかわしい名前だ。その次の西大塚は白壁のボロい駅舎がやや不気味だった。 更に走ると左から米坂線が合流して、今泉に到着。ここで小学生の団体が一気に下車した。時刻表を見ると、 ここ今泉での山形鉄道と米坂線の接続はあまり良くないことが多いのだが、この時間は米坂線の上り・下り両方と接続するようだ。 今泉からしばらくの区間は両者が線路を共有しているので、ダイヤ作成はやや大変そうだ。
 車内の乗客は十人余りとすっかり減ったが、今泉を発車する。しばらく米坂線の線路を走った後、 小さな川を渡ったところで米坂線と分岐し、右へカーブする。 ここで、また霧が出てきた。南長井駅は3セク線の新駅にありがちないわゆる「裏庭駅」。 だが高校生数人が降りた。南長井から長井まではすぐであった。
 長井は、線名にも採用されている通り山形鉄道沿線の中心駅で、 数人が下車した。ここ長井の駅舎はパステルカラーに塗られたとても清楚な作りで、 小海線の野辺山辺りが似合うのではないかと思ってしまった。
 2002年開業の新駅、あやめ公演の次は羽前成田。 ここの駅舎は先ほどの西大塚に並ぶボロさだった。 羽前成田を過ぎると広大な田んぼの中を進むようになる。自然が豊富なところのようで、 道路標識の上に大きな鳶が止まっていたりする。 白兎駅は田んぼの真ん中にある駅で、駅舎にはウサギの耳が描かれている。次の蚕桑は駅舎は新しいものの人気は無い。 その次の鮎貝も公民館と併設された新しい駅舎だった。
 いよいよ列車は終点の荒砥へ向けてラストスパートに入る。 途中で、広大な最上川を長い鉄橋で渡る。後で荒砥駅の資料館で見たのだが、この鉄橋は東海道線の橋梁を流用したそうだ。 終点の荒砥は車両基地もあり、駅舎も資料館が併設された新しいものだった。


華やかな塗装の車両で乗りつぶしを開始。


パステルカラーが目立つ長井駅舎。

■ 荒砥車庫前10:52発〜山形駅前11:33着 山交バス

 荒砥からは、バスで山形に向かい、さらに高速バスを乗り継いで仙台まで行く予定にしている。 荒砥から山形までのバスは、駅前からは出ておらずバスの車庫まで行かねばならないが、 歩いてもせいぜい15分もかからないだろう。 バスの時間まで1時間ほどあるので、一通り写真を撮った後、駅舎を中の資料館を見てみる。 が、鉄道の展示が僅かにあるのと、 あとは古民具などを並べているだけで、その手のものに興味が無い私は5分で見終えてしまった。
 仕方ないので、駅にあった地図を参考にとぼとぼとバス停への道を歩く。 参考までに、駅からバス停までの地図を載せておく。 駅の近くの乗り場は2つあり(赤い四角で囲った場所)、 写真下の方の「山形交通車庫前」か、写真右側の「BK」と書いてある所である。今回は山形交通車庫前まで歩いた。 途中、やや遠回りしてしまったので時間はかかったが、 15分もあれば余裕で歩ける距離だ。
 バス停の近くの広場で、何かやっている。どうやら農業祭というイベントのようで、 餅などが振舞われていた。さすがに地元の人間ではないので餅は遠慮したが、他にも芋煮なども振舞われていたようだ。 テントでは野菜なども売られていて、大きな白菜が一玉で200円など、都会の人間から見ると随分と安く売られていた。
 そんな事をしながら時間を潰し、バスに乗り込む。バスは長距離のバスに使われるような観光タイプで、やや意外。 だが実際に乗ってみると、このバスは路線バスというよりは山形と荒砥・長井を結ぶ都市間バスのような性格のバスだという事が分かった。 というのも、バスが通る国道348号線は、2つの峠を長大トンネルで抜ける高規格の道で、 途中の停留所での乗り降りを余り想定していない運行形態だからだ。 実際、山形の街内を除いて途中から乗ってくる客はほとんどいなかった。ちなみに、 バスの字幕にも「348バス」という表記がある。(最初は系統番号かと思ったが)
 そんな高規格な道を快走し、バスはほぼ定時に山形駅前に到着。


新しい駅舎には郷土資料館も併設されている。

■ センタービル前11:43発〜仙台駅前12:45着 山交バス

 山形駅前で次の仙台駅のバスを探すが、 仙台行きのバスは駅から少し離れた「センタービル前」という所から出るとのこと。何とややこしい・・・。 さっきのバスはセンタービル前を通るので、早く降りすぎてしまったようだ。 大慌てで移動する。
 山形から仙台へは、仙山線の快速が1時間に1本あるが、乗り継ぎが合わなかったため 今回は高速バスを利用することにした。が、この高速バスは800円と安く、運転間隔も10〜15分と短いため、 地元の人は仙山線よりもこのバスを利用するのだろう。実際、車内には仙台に買い物に行くと思われる人が多数乗っていた。
 山交バスの(おそらく)最重要幹線だけあって、やってきたバスは新しかった。バスは東へと向かい、山形道の入口へ向かう。 途中、山形駅から10分ほど走り、随分坂を上がった所で「次は 山形県庁前」という表示が出た。こんな山の中に県庁があるのか、 表示ミスじゃないのかと思ったら、忽然と立派な県庁の建物が現れた。これでは県庁に勤める人は大変だろうなと思った。 (クルマ社会なのであまり関係ないのかもしれないが・・・)
 バスは山形道に入り、山形県と宮城県の間の山を長いトンネルで抜ける。山形道、東北道と順調に走り、 仙台青葉ICを出ると長いトンネルに入る。一体どこに連れて行かれるのだろうと思ったら、一瞬広瀬川の河原が見え、 まもなく地上へ出た。地上へ出るともうそこは国分町の繁華街だった。こういういきなり山の中から繁華街に出る道は、 三宮の新神戸トンネルや長崎の出島道路などがあるが、結構好きだ。
 その後は仙台の街を抜けて駅前へ。あの長閑な荒砥の街から2時間弱でこんな都会に来られるのが不思議な感じがした。


途中には写真のような渓谷も見え、仙山線並みに車窓は良い。

■ あおば通13:20発〜仙台13:21着

■ 仙台13:30発〜槻木13:54着

 仙台では時間が余ったので、一旦駅を出て仙石線のあおば通駅に行き、そこから仙台駅までの一駅だけ乗車してみた。 205系が走り、NewDaysの売店があり、Suicaの広告が駅に溢れているのを見ると、首都圏に舞い戻ってきた気分になる。
 東北本線ホームへ降り、福島行き普通列車に乗る。701系の6連と、この区間としては標準的な編成だった。 ただし、後ろ2両は白石止まりらしい。その白石止まりの編成に乗り込む。車内は昼時らしく、 子供にパンなどを与えている人が多かった。
 自分も対抗して買ってきた駅弁を開ける。買ったのは「独眼竜正宗弁当」。 この弁当は前にも買ったことがあるが、その時は2段重ねの豪華な弁当だった。最近リニューアルされ、 値段が下がった分1段になり量も減っていた。以前のデラックスさがなくなりやや残念。
 仙台を出ると、しばらく東北新幹線に沿って走る。仙台駅をスルーする貨物線と合流すると長町に着く。 長町はつい最近高架化され、駅前には広大なヤードの跡地が広がっている。駅前にはマンションが広がっており、 この空き地もまもなく開発されるだろう。その後しばらく高架を進むが、途中に建設中の新駅があった。来春開業予定だそうだ。
 名取駅を出ると、単線の線路が東北本線から分岐して行った。一瞬何かと思ったが、仙台空港アクセス鉄道だった。 そのとき、この鉄道が関西空港線の如くJR線に組み込まれたらどうしよう、また乗りなおしになるな、と思った。 が、あとでと調べるとこの路線は仙台空港鉄道という第三セクターの鉄道となるらしく、JR線とはならないようだ。
 岩沼を出ると常磐線がしばらく併走した後、分岐していく。この辺りからようやく住宅街が途切れ、田園地帯となった。 仙台の都市圏は予想以上に広い。が、まもなく槻木に到着。結構な数の人が阿武隈急行線に乗り換えた。


リニューアルでややパワーダウンした「独眼竜正宗弁当」。

■ 槻木13:58発〜福島15:11着 阿武隈急行

 槻木からは阿武隈急行車両の2両編成の列車に乗る。中はボックスシートで、 下回りは確か717系をベースにしたんだったか。 福島開業時の車両なのでそれ程新しくないが、車内には液晶の運賃表示機が取り付けられ、そこだけ新しい。
 この阿武隈急行は、その名の通り槻木から福島まで阿武隈川沿いに走る。元々は勾配の急な東北本線のバイパスとして計画された。 ちなみに所要時間は東北本線のほうが短く、先ほどまで乗っていたJRの福島行きは、 これから乗る阿武隈急行経由より15分早く福島に着く。
 しばらく田畑の間を進んだ後、東船岡からは周りが山深くなる。 この線は開業が比較的新しいため線路が直線的だ。岡からは再び平地になって、角田に着いた。10人ぐらい下車。
 列車交換の後発車し、しばらく走ると丸森に着く。梁川〜丸森間はかつて丸森線と呼ばれ、ここ丸森が終点だった。 その頃は全国屈指の大赤字線だったというが、丸森での下車客は多く、とても赤字線という印象は受けない。 増発や電化による輸送改善のお陰で客が増えたのだろう。
 丸森からは比較的新しい開業区間に入る。 トンネルを抜けると阿武隈川沿いの狭い所を走り始めた。水の流れはゆるく、濁っている。 あぶくま駅は駅前に船下りの乗船所があり、営業しているようだったが、下車する人はいなかった。 みんなクルマで訪れるのだろうか。 ちなみに、船着場以外には何もなく、ここが営業してないと完全無人状態だろう。
 次の兜も駅前の人工物はビニールハウス1つしかない。 乗っていて気付いたが、丸森から先の区間の駅の有効長はかなり長く作られている。10両分はあるだろうか。 ただし、線路は必要最低限の分しか引かれていない。元は貨物列車も通す計画だったのだろうか。
 次の富野でようやく渓谷を抜け、平地に戻った。その次のやながわ希望の森公園前は、長い駅名として一時は知られていた。 阿武隈急行の各駅の駅名標には駅ごとに一言アピールが添えられており、この駅は「伊達氏発祥の地」だそうだ。
 次の梁川は阿武隈急行の本社や車両基地がある拠点駅で、ここから車掌が乗務してきてワンマン運転ではなくなった。 ここからは田園と住宅が入り混じる所を走る。線路が通る場所は、高架と地上が入り混じっている。 二井田駅の駅前は新しい公園と住宅が広がり、駅前だけ見ると関東の私鉄駅のようだ。 保原駅は旧保原町の中心で、高架の駅からは街が広がっているのが見える。もはや地方の3セク線の景色ではない。そういえば、 この駅の駅名標にも「伊達氏発祥の地」と書いてあった。さっきも同じ表示を見た気がするのだが・・・
 高子では、JRの701系の回送車とすれ違った。JR車両の阿武隈急行乗り入れはもう行われていないはずだが、 何があったのだろうか? 向瀬上駅の駅名標には「ももの里」とあるが、駅前にあるのはりんごの木ばかり。そのくせ、 阿武隈川を渡った先の瀬上駅は「りんごの里」とあった。この一言アピール、何だか適当だ。
 福島学院前、卸町と停まると福島はもうすぐだ。東北新幹線をくぐり、東北本線と合流してしばらく走り、 福島交通のホームの横に停車する。改札は福島交通と共有していた。
 この鉄道に乗った感想だが、3セク線にありがちなうらぶれた寂しさというか、悲壮感のようなものがなかった。 やはり乗客がそこそこあり、電化もされているからだろう。沿線人口もあぶくま駅の辺り以外は多かった。 まあ、鉄道会社としては良い傾向ではあるが。


阿武隈急行で使われる車両。


あぶくま駅付近では、写真のような渓流沿いをしばらく走る。

■ 福島15:30発〜飯坂温泉15:53着 福島交通

 福島からはまっすぐ新幹線で帰っても良かったのだが、せっかくなのでもう一本ローカル私鉄に乗っていくことにした。 福島駅から福島の奥座敷として知られる飯坂温泉を結ぶ福島交通である。先ほど乗った阿武隈急行のすぐ横が乗り場である。 一日乗車券を買い入場すると、まもなく電車が入線して来た。
 やってきたのは元東急の7000系で、中間車を先頭車化しているため独特な平べったい形状の前面となっている。 この車両は18m級で地方私鉄でも扱い易いという理由から、 多くの地方私鉄に譲渡された形式である。ステンレス車ということで外見は新しく見えるが、 中に入ると化粧板などは古めかしく、譲渡車であることを感じさせる。
 休日の夕方ということで乗客も多く、福島を発車。地方私鉄らしく、少し走るともう次の駅に着いてしまった。 曽根田という駅だが、まるで福島駅の構内のような位置だ。 次の美術館図書館前という単刀直入な名前の駅でJRの線路と一旦別れ、新幹線に乗るとよく見える信田山の山裾を走る。 そこで左に大きくカーブしたかと思うと、 JRの線路を一気に乗り越した。次の岩代清水を出ると、その次の泉までは30秒位で着いてしまう。 地図で見ても駅の間隔は500mもなく、全国でも最短に近いと思う。
 松川を渡ると上松川・笹谷と続く。笹谷では列車交換があったのだが、 列車が発車する30秒前ぐらいに運転士はドアを閉めてしまい、発車の際も再度ドアを開くことなく発車してしまった。 地方私鉄らしくこの辺は柔軟にやっているということか。 その次の桜水には車庫があるが、停まっているのは同じ7000系ばかりのようだった。駅舎も無くホームだけの平野、 医王寺前と停まる。このあたりは飯坂温泉へ向かう県道沿いにずっと走る。地形は平坦だが、 途中5mぐらいの崖沿いに走る区間があったり、橋を低速でそろそろと渡る区間があったりと、変化には富んでいる。 花水坂という風流な名前の駅を過ぎると、終点の飯坂温泉に到着。
 飯坂温泉ではわずか2分で折り返す予定にしていたため、折り返し列車に乗り遅れまいと気を揉んでいたが、心配は不要だった。 というのも、飯坂温泉駅はホームが1線しかなく、この列車がわずか2分で折り返すのだった。 しかし、2分折り返しというのも随分余裕の無いダイヤな気がする。


かつては地下鉄を走っていた、元東急7000系で温泉街へ向かう。

■ 飯坂温泉15:55発〜福島16:18着 福島交通

 温泉街を見る余裕もなく、乗ってきた電車で福島に戻る。福島からは、 何故か「はやて・こまち」編成でやってきたやまびこ号で東京に帰った。

私鉄乗りつぶし状況

新規乗車キロ数

会社名路線名乗車区間キロ数
山形鉄道フラワー長井線赤湯〜荒砥30.5
阿武隈急行阿武隈急行線福島〜槻木54.9
福島交通飯坂線福島〜飯坂温泉9.2
合計94.6