小ネタ集(2012年)

 日々の鉄道乗車記録のうち、旅行記にならなっかった小規模のものをまとめる。 本ページでは2012年分を。

目次

2012/3/26

 この日は所用で東海地方に出かけた。 そのついでに、東海地方唯一の未乗区間である地下鉄桜通線野並〜徳重間に乗ることにした。 名古屋の地下鉄は一度全路線を完乗したのだが、この区間はその後に開業したものである。

■ 名古屋7:37発〜徳重8:13着 名古屋市交通局

 朝一番の「のぞみ」で名古屋に到着後、早速桜通線の乗り場に向かう。 以前来たときとは違い、ホーム柵が付いている。徳重延伸と同時に整備されたらしい。 程なくやってきた徳重行きの電車に乗る。 朝ラッシュのさなかではあるが、名古屋の地下鉄でもっとも寂れている(ように見える)桜通線だけあって、 立ち客がぱらぱらといる程度の混雑だった。 東山線あたりはきっとより激しく混雑しているのだろう。
 そんな状態でしばらく進むが、東山線と接続する今池でいきなり多くの客が乗ってきた。 やや意外に思っていると、鶴舞線と接続する御器所で多くの客が降りた。 東山線から鶴舞線に乗り継ぐ客が多いのだろうか。このあたり、よそ者には分からない流動がありそうだ。
 名城線と接続する新瑞橋を過ぎると、車内は閑散としてきた。 野並を過ぎると、いよいよ新線区間に入る。まだ新しい各駅の構内を眺めるうち、終点の徳重に到着した。


朝のラッシュを迎えた徳重に到着。

■ 徳重8:19発〜名古屋8:55着 名古屋市交通局

 徳重では折り返しのわずかな時間を生かし、少しだけ外に出てみる。 駅の目の前には幹線道路が走っており、何となく福岡の七隈線の終点・橋本駅と似たロケーションだなと思った。 駅舎はバスターミナルとショッピングモールが複合した立派なものである。
 目的を達し、名古屋に戻る。その後の行程は割愛するが、近鉄伊勢志摩ライナーのデラックスシートに乗り、 全面展望を楽しんだりした。


伊勢志摩ライナーのデラックスシートの乗客のみが立ち入り可能な、 運転台後方の展望デッキ。

2012/8/12

 2012年の夏休みは、3年ぶりに札幌に出かけた。 札幌というと地下鉄や路面電車がほぼ手付かずなのだが、 今回は家族旅行なので、昼間に鉄道に乗りに出かける時間は取れない。 そこで、家族が寝静まった深夜や早朝のわずかな時間を使って、乗りつぶしに出かけることにした。

■ すすきの22:25発〜西4丁目23:04着 札幌市交通局

 日曜の夜、札幌駅近くのホテルを出て、酔客が目立つススキノにやってきた。 ここから、札幌に唯一残った市電が出ている。この路線は市内の南東部をぐるっと回って、 ススキノから程近い西4丁目電停に戻ってくるという経路を取る。 これから乗車するのは西4丁目行きの最終電車である。
 10数名の客を乗せて、発車。しばらくはススキノの繁華街が続くが、程なく静かな住宅街へと入った。 本州の住宅街と違って建物同士の間にスペースがあり、余裕のある土地の使い方だな、 という点以外は特に見るべきものはない。
 札幌は道路がきれいな碁盤上になっており、その上を走る路面電車も非常に線形がよく、 なかなかのスピードで走る。ただ、終電ながら乗客の入れ替わりはかなり頻繁にあり、 ほぼ全ての駅で乗降があった。定刻を3分ほど過ぎた23時7分頃、終点の西4丁目に到着。


ド派手な広告を施された車両が、すすきの電停で発車を待つ。

■ 大通23:08発〜麻生23:19着 札幌市交通局

 西4丁目電停は地下鉄の大通駅と程近いが、市電の遅れのせいで乗り換え時間はわずか1分しかなくなった。 そもそも、路面電車には数分程度の遅れは付き物なので、こんなタイトな乗り継ぎを組むこと自体無謀なのだが。 とにかく、地下鉄への乗り場をひたすら走り何とか間に合わせた。
 さて、これから札幌の地下鉄の乗りつぶしをやろうと思う。札幌の地下鉄は3路線からなり、 今日は南北線を乗りつぶそうと思う。南北線は札幌駅、大通、ススキノといった中心街を縦貫する、 大阪でいえば御堂筋線のような重要路線である。しかし日曜の夜、しかもお盆の真っ只中だからか乗客は少なく、 大通であっさりと座れた。
 まずは北行の電車に乗り、麻生を目指す。札幌の地下鉄は車輪にタイヤを使用しており、 鉄輪式とは異なる独自の乗り心地が特徴だ。鉄輪式でみられるポイントや線路の継ぎ目での振動がないものの、 通常走行時の振動や騒音はタイヤ式のほうが大きいと思われる。 冷房がなく、窓を開け放って走っているので余計にそう感じるのかもしれない。
 大通を出て数駅ほど走ると、ホームドアが設置されている駅に出くわした。 どうやら順次全駅にホームドアを整備しているらしい。南北線にはついこの間まで、 ドア配置が異なる旧型車両が残っていてホームドア設置が不可能だったが、 これが淘汰されたのを機にホームドアの設置が開始されたようだ。 一部の駅には青色と緑色の2種類の乗車目標が残っていたが、これは車種の違いを表していたようだ。
 やがて、終点の麻生に到着。時間があるので外に出てみるが、 周囲はただの住宅街であった。


南北線のラインカラーは緑。車体にも緑色があしらわれている。

■ 麻生23:26発〜真駒内23:54着 札幌市交通局

■ 真駒内0:00発〜さっぽろ0:18着 札幌市交通局

 麻生から今度は南下し、南の終点の真駒内へと向かう。 今度の電車もやはり空いていて、席がすべて埋まることはなかった。 途中の平岸を過ぎると地下から外に出て、雪よけのシェルターに囲われた高架線を走る。 こちらも周囲は住宅街だが、沿線には高層マンションが目立つ。 総じて土地に余裕のある北海道だが、札幌だけは例外のようだ。
 途中の駅で少しずつ客を吐き出しつつ、終点の真駒内に到着。 駅を出ると、外には大量の客待ちのタクシーが待っていた。 深夜の終着駅では全国どこでも見られる光景である。
 6分の滞留後、0時ちょうどの最終電車で戻る。 札幌の地下鉄は、各末端駅からの終電の時刻が0時、始発の時刻が6時に統一されているのが特徴だ。 がらがらの電車に乗ること18分で、さっぽろに到着。駅周辺に張り巡らされている地下道はほとんど閉鎖されていて、 地上をとぼとぼと歩いてホテルに戻った。


オリンピックの会場にもなった真駒内。今はベッドタウンとなっている。

2012/8/13

■ さっぽろ6:21発〜福住6:34着 札幌市交通局

■ 福住6:39発〜さっぽろ6:52着 札幌市交通局

 翌朝、今度は東豊線の南部区間を乗りつぶす。 東豊線のさっぽろ駅は南北線やJRの駅から離れていて、複雑な地下道を延々と歩かされた。
 東豊線は一番後発の路線で、編成も4連と短い。しかしホームはかなり長めに確保されていて、 端のほうは柵で囲われている。まるで大阪の千日前線のようである。 なお、東豊線は固有の車庫がなく、東西線内の車庫を利用しているらしい。 また、東豊線と東西線は両方ともパンタグラフで集電しているが、 南北線は第三軌条から集電しているという違いがあるらしい。
 始発から2本目の電車に乗る。早朝とあってまだ乗客は少ない。大通、豊水すすきの以外は目立った乗車もなく、 終点の福住に到着。福住は札幌ドームの最寄り駅だからか、長い地下通路を持つ余裕を持った造りになっていた。 すぐに折り返し、さっぽろに戻る。


水色の帯を巻いた東豊線の車両。 幅広で背が低く、どことなく日本離れした車体だ。

2012/8/14

■ 札幌22:28発〜新札幌22:40着

 翌日、今度は東西線の末端である新札幌に向かう。札幌駅から新札幌へはJRの方が早く行けるので、 まずは千歳線の普通列車に乗る。この普通列車は快速「エアポート」に使われる編成の間合い運用で、 普段は指定席の「uシート」が無料開放されていた。座席が軽く埋まる程度の混雑で札幌を出発し、 程なく新札幌に到着した。

■ 新さっぽろ22:43発〜宮の沢23:18着 札幌市交通局

■ 宮の沢23:24発〜大通23:39着 札幌市交通局

 新札幌は函館や新千歳から札幌に向かう際に何度も通過しており、 その度に駅前の高層ビル群に目を見張っていたのだが、実際に降りるのは初めてだ。 だが、地下鉄との乗り継ぎ時間は3分しかなく、 連絡通路を大急ぎで走って地上2階のJR駅から地下3階の地下鉄駅に向かった。
 乗り継ぎは無事成功し、東西線の乗りつぶしを開始する。東西線は3路線のうちもっとも長い路線で、 端から端まで乗ると35分も掛かる。ずっと地下なのでさすがに退屈だ。 しかし、この東西線は地下でも携帯電話の電波が通るので、暇をつぶすことができた。 また、東西線は南北線に先んじて全駅にホームドアが設置されている。 札幌の地下鉄は車両も総じて新しく綺麗であり、設備はなかなか先進的であるように感じた。
 大通で多くの客を乗せ、立つ客も出た。 ここまで乗車してきた中でも一番の混雑かもしれない。 途中の琴似から先の区間は、東西線でも最後にできた区間で、発寒南と宮の沢の各駅は他の駅に比べて新しかった。 終点の宮の沢で折り返し、大通へ戻る。


東西線はホームドアの整備が完了していて、車体の写真は撮りにくい。

■ 大通23:41発〜栄町23:54着 札幌市交通局

■ 栄町0:00発〜さっぽろ0:11着 札幌市交通局

 大通ではわずか2分で東豊線へと乗り継ぐ。さっぽろ駅の東豊線はとんでもない場所にあったので、 また通路を延々と走らされるかと思ったが、今度はそんなに遠くなかった。
 いよいよ、乗り残した最後の区間である東豊線の北部を乗りつぶす。 さっぽろで帰宅客を乗せ、23時54分に終点の栄町に到着。 これで札幌市交通局の全路線を乗りつぶした。
 終電でさっぽろに戻ると、今度も地下道は全て閉まっていて外に出されてしまった。 人通りのない暗い道をとぼとぼと歩き、ホテルへと戻った。


札幌の地下鉄車両は、いずれも車端の通路部分が六角形となっている。

2012/11/2

 この日は珍しく平日休みが取れ、6年ぶりに大井川鉄道に出かけた。 以前乗ったときは大井川鉄道名物のSL列車に乗らなかったし、何より前回車窓から見た吊り橋を歩いてみたかった。 前回は紅葉シーズンで猛烈に列車が混んでいたが、今回はどうだろうか。

■ 新金谷12:23発〜塩郷12:55着 大井川鉄道

 新幹線と東海道線を乗り継いで、金谷駅へとやってきた。大井川鉄道との乗り継ぎには余裕があるので、 金谷駅裏にある東海道旧街道の石畳を歩いてみる。道はかなり急な上に、石畳の道は歩きにくく、 昔の旅人はさぞ大変だったのだろうなと思う。それでもまだ時間があるので、隣の駅である新金谷まで歩いてみることにした。 金谷を出てしばらくの道は、東海道の旧街道の道筋を継承している。そのせいか、道すがらには老舗が多いように感じる。
 しばらく歩いて、新金谷駅に到着。この駅に来るのは初めてなのだが、駅周辺には観光バスや乗用車の駐車場が多数設けられている。 駅近くの建物には広い待合室や大きなSL指定券の販売窓口があり、 売店には土産物が山積みされている。ちっぽけな金谷駅とは大違いである。
 そんな様に驚きつつ、駅の窓口で硬券の乗車券を買い、列車に乗り込む。やってきたのは南大阪線を走っていた元近鉄特急である。 座席はボックスシートに固定されているが、座り心地は特急で働いていた頃と変わらず、快適である。幸い車内も空いていた。
 新金谷を出た列車は、しばらく走ると金谷の市街地を抜け、雄大な大井川に沿って走る。 はるばる静岡までやってきて良かった、と思う瞬間だ。そういえば、こうやってローカル線に乗るのは久しぶりである。 去年青森に出かけたとき以来ではなかろうか。
 そうやってしばし車窓を眺めていると、目的地である塩郷に着く。小さな待合室がちょこんと建つだけの無人駅だ。


元近鉄特急で大井川鉄道の旅をスタート。

■ 塩郷14:13発〜川根温泉笹間渡14:22着 大井川鉄道

 なぜそんな小駅でわざわざ下車したかというと、この駅の近くにある吊り橋が以前から気になっていて、一度渡ってみたいと思っていたからだ。 この吊り橋は「塩郷の吊り橋」と通称されているのだが、かなり幅の広い大井川と、大井川鉄道の線路や道路をひとまたぎする規模の大きいもので、 長さは220m、高さは最大11mもあるらしい。
 早速吊り橋に向かい、渡ってみる。すると、その恐怖感は想像以上だった。まず、下が丸見えであるので、否応なく高さを実感してしまう。 元々高いところは得意でないので結構恐怖を感じる。そして、揺れも想像以上に感じる。歩くとどうしても橋が上下に振動するし、 強い風が吹くと横揺れも起きる。最初のうちは、わざわざここまで来たことを後悔したほどだ。
 それでも、慣れてくるとあまり高さの恐怖を感じなくなってきた。揺れの方も、変に揺れを抑えようと立ち止まるのではなく、 開き直って橋を揺らしながら早足で歩くほうが怖くないことがわかってきた。最後の方は途中で立ち止まる余裕も出てきて、 あっさり渡り終えることができた。
 次の列車までかなり時間があるので、橋の向こうの集落を散策してみる。とはいっても、 茶畑と製茶工場、やっているのか分らないような理髪店しかなく、あまり時間つぶしにはならなかった。 再び吊り橋を渡って、駅へと戻る。なお、吊り橋のすぐ上流にはダムがあり、そこには普通の橋もあるので、 帰りにまた吊り橋を渡るのが嫌な方はそちらを通ることもできる。
 待合室でしばらく待ち、やってきた列車で川根温泉笹間渡へ向かう。今度の列車も元近鉄の車両だった。


吊り橋の入り口から撮った図。足下には民家の屋根や鉄道の線路も見え、スリル満点。

■ 川根温泉笹間渡14:40発〜新金谷15:27着 大井川鉄道

 川根温泉笹間渡は、古びた駅舎が建つ無人駅だった。周囲に人の気配はあまりないが、 少し離れたところに温泉施設があり、その客を当てこんでかSL急行が停車する。そこで、帰りはこの駅からSLに乗ることにした。
 ホームで待っていると、お年寄り2人とその娘さんが車でやってきた。聞くと、お年寄り2人を駅まで送ってきたらしい。 そして、お年寄りはこの列車に乗るのが初めてなので、乗り方を教えてやってほしいといわれた。 今度の列車は車掌も乗務しているので大丈夫ですよと伝えたが、地元の人もSL急行に乗るとは意外だった。
 やがて、煙をもくもくと上げながらやってきたSLに乗り込む。客車は古色蒼然とした旧型客車で、 もちろんドアは手動である。私はこれまで数多の列車に乗ってきたが、SLに乗るのは実はこれが初めてである。 旧型客車の方も、津軽鉄道で乗って以来2度目だ。
 SLは電気機関車などと比べて牽引力が弱いため、おっかなびっくりといった感じでゆっくりと発車する。 発車してしまうと車内に煙が入ってくることもなく、SLが牽引しているんだと意識することはあまりない。 そこで、客車のほうをじっくり観察する。車両はどれも同じオハ35という形式なのだが、内装が合成樹脂の板などを用いて近代化されている車両と、 原型の木製のままのものとがあった。また、大井川鉄道のSLといえば、 ハーモニカを吹くなど独特のサービスを行う車内販売員が乗務していることで知られるが、後方の車両の団体客のほうに行ってしまったのか、 私の席には回ってこなかった。
 やがて、列車は家山に到着する。ここで10分停車するというので、機関車を見に行ってみる。 この列車はSLに客車6両、そして最後尾に補助の電気機関車という大井川鉄道にしては長大な編成で、 先頭部のSLがホームからはみ出してしまっている。これは新金谷など、他の駅でも見られた。 折角のSLなので、停車中にSLをバックに記念撮影をしたいというお客さんも多いと思う。頭端式の千頭駅では撮れるはずだが、 他の駅でもホームを延長するなど、写真が撮りやすいように何とか対策できないものだろうか。
 家山を出ると、あとは先ほど見た大井川の流れを再びのんびりと眺め、新金谷に到着。


SL急行の車内。SLも貴重だが、こんな旧型客車に乗れる鉄道は日本でも数少ない。

■ 新金谷15:30発〜金谷15:33着 大井川鉄道

 新金谷では、次の金谷行きまで20分ほど待たねばならないことになっている。 ところが、実際に新金谷で降りてみると、3分待ちで金谷行きの列車があるという。 放送では臨時電車だと言っていたが、車内の一角に新聞が大量に積まれていたので、新聞輸送関連の臨時列車なのかもしれない。 なお、この列車に乗ったのは私一人で、他の客はみな新金谷で降りてしまったようだ。この利用実態を見ると、近年、SL列車が新金谷で打ち切りになり、 金谷まで行かなくなってしまったのも頷ける。
 金谷へ戻り、あとは行きと同じく東海道線と新幹線を乗り継いで帰った。

私鉄乗りつぶし状況

新規乗車キロ数

会社名路線名乗車区間キロ数
名古屋市交通局桜通線野並〜徳重4.2
札幌市交通局南北線麻生〜さっぽろ、中島公園〜真駒内12.4
東西線宮の沢〜新さっぽろ20.1
東豊線栄町〜福住13.6
1条・山鼻・山鼻西線西4丁目〜すすきの8.5
合計58.8