最終更新日:2021/5/4

世界鉄道案内(ラスベガス後編:カジノホテル、観光地紹介)

目次

ラスベガスのカジノホテル

 既に述べた通り、ラスベガスの観光はストリップ通り沿いのカジノホテル巡りが中心となる。 そのため、日本からの観光客もいずれかのカジノホテルに泊まる人がほとんどだろう。 どのホテルに泊まるか、というのは初めて渡航する人にとっては悩ましいだろうが、 できればストリップ通り沿いの人通りの多いエリア、具体的には南のMandalay Bayから北のWYNNの間がいいだろう。 このエリアから外れると日中でもあまり人が歩いておらず、特に夜間などは徒歩での移動は不安を覚える。 安いツアーだと、エリア外のホテルに泊まることになる可能性もあるだろうが、 その場合観光に出かける度に毎回タクシーやUberを使うことになりストレスがたまるため、あまりお勧めはできない。
 では、ストリップ通り沿いのホテルだとどれがいいかというと、これは予算次第となる。 著名な観光スポットを多く抱えるBellagioやParis、巨大なショッピング施設を併設するCaesars PalaceやVenetianあたりが人気がありそうだが、 その分予算も張ることだろう。個人的には、ラスベガスではカジノやナイトショー、観光地巡りで外出していることが多く、 ホテルではシャワーを浴びて寝るだけ、という生活パターンになりがちなので、 ビーチリゾートなどに出かける場合と異なり、客室は質素でもいいかなという気がする。 日本と違い、アメリカは安宿でも客室の広さはそこそこある場合が多いので、その点も安心だ。
 以下余談だが、ラスベガスのホテルには客室に備え付けの酒類がないばかりか、冷蔵庫すらない場合が多い。 では酒を飲みたい場合はどうすればいいかというと、カジノに行って、巡回しているカクテルガールに声をかけると無料でドリンクを持ってきてくれる。 カジノに人を集めるための戦略だが、近年は経費削減のためか、 掛け金の安いスロットマシンやビデオポーカーのエリアにはなかなかカクテルガールが回ってこないことが多い。 ディーラーとチップをやり取りをするテーブルゲーム(ポーカーやルーレットなど)には比較的来てくれるようだが、これは掛け金が高く、 よほど予算がないと長時間続けるのは難しい。 一部のホテルには、ビデオポーカーに機械を机に埋め込んだバーカウンターがあり、ここは目に前にスタッフがいるので確実にドリンクをもらうことが可能だ。 (ただし、マナーとして毎回1〜2ドル程度のチップを渡す必要がある。) もちろん賭けを続けていないとドリンクはもらえないが、ビデオポーカーならば10ドルもあれば15〜20分ぐらいは粘れるだろう。 私の知る限りだとMandalay Bayにこのカウンターがあったので、見つけたらぜひ利用していただきたい。
 ちなみにカジノではタバコを吸うことが可能であり、上記の通り酒も飲み放題なので、 ただでさえ陽気で声の大きいアメリカ人が夜遅くまで大騒ぎしているのが常である。 これに加え大量のスロットマシンが常に音を発しているし、生バンドが夜中まで大音量で演奏しているしで、非常に騒々しい。 ギャンブルはほとんどやらない私だが、カジノの騒がしい雰囲気は個人的には結構好きである。 ただし苦手な人は苦手なので、そういう人はそもそもラスベガスに行くべきではないのかもしれない。
 以下、過去に撮り貯めた写真を掘り起こし、代表的なカジノホテルの見所を挙げてみようと思う。 ただし、泊まったことのあるホテルはそれほど多くないので、客室の奇麗さなどの情報は他サイトを見て頂きたい。 基本的にストリップ通りの南から順に紹介するが、話の流れ上一部順番が入れ替わっている場合もある。

Mandalay Bay, Four Seasons, Dalano

 ストリップ通りの南端に位置しており、ラスベガスらしい金ピカの外観が特徴的なホテル。 空港の滑走路に近く、着陸する機内からもよく目立つ。南端ということで他のホテルへのアクセスがあまりよくないのが難点だが、 先述したモノレールを使えばMGMやNew York New Yorkといった他のホテルのすぐ近くに出られるので、活用したい。 モノレールの乗り場はカジノフロアに直結しており、使いやすい。
 館内は南国のリゾートを意識しており、館内のレストランからは巨大なプールが目に入る。 奥の方にはサメなどを飼っている有料の水族館もある(訪問したことはないため詳細不明)。 レストランフロアも広大であるほか、敷地の奥の方にはラスベガスでも屈指の巨大なコンベンションセンターやアリーナがある。 日本でいえば幕張メッセなどと肩を並べるほどのサイズだが、これでもNo.1ではない (北の方にあるコンベンションセンターの方が広い)というから凄い。
 館内の一部(1階の一部区画と高層階)はFour Seasonsという別ホテルになっている。 ここは日本などのFour Seasonsと同じくラグジュアリーな雰囲気で、カジノの喧騒とは別世界のようで驚いた。 一度ここの上層階にあるステーキハウスに行ったのだが、高級店らしい厳粛な雰囲気だった。 この他、Delanoというホテルも併設されているが、これはフロントデスクのみが分かれているような状態で、 Mandalay Bayの一部のような扱いである。(客室はDelanoの方がちょっと奇麗らしい)
 後述するLuxorとの間はちょっとしたショッピングモールとなっている。 特筆すべきような店はないが、移動の際はここを歩くと便利だろう。


金ピカの建物が印象的なMandalay Bay。建物の前には巨大な星条旗が翻る。(2017年)


Mandalay Bayの中庭にはヤシの木が多く植えられている。その奥には広大なプールが広がっている。(2006年)

Luxor

 ラスベガスのカジノホテルの中でもインパクト抜群なのがこのLuxorである。 巨大な真っ黒いピラミッドの壁面は全て客室となっており、 ピラミッドの内部からは客室への通路がびっしりと張り巡らされている様が見える。 通路の高さは日本のマンションなどと同じく1mほどしかなく、人やモノが落ちてこないか若干心配になる。
 このようにピラミッド内の客室は珍しい構造なのだが、 実は横にある新館(こちらはごく普通のビル構造)の方が新しく、客室も広いようだ。 私はこの新館に一度宿泊したが、確かに室内はそこそこ新しく、シャワールームにはバスタブもついていた。
 ピラミッドの底面は1Fがフロントやカジノ、2Fが劇場やレストラン、地階がバフェとなっている。 そのほか、ファラオの墓を模したオブジェもそこかしこに配されていて、見て歩くだけでも面白い。 そしてモノレールの駅とピラミッドの間には巨大なスフィンクスが置かれていて、 その足元が入り口となっている。オブジェは作り物とはいえ結構凝った造りで感心してしまう。


Luxorホテル正面からの図。夜間になると、ピラミッドの頂上からは光が放たれる。中央のトラスはモノレールを支える桁。(2017年)


入り口のスフィンクスを真下から見上げた図。こうやって見ると結構大きい。(2006年)


ピラミッド内は王墓の中のように薄暗く、古代エジプトの遺跡を再現した巨大なオブジェが並ぶ。(2006年)

Excalibur

 ファンタジーの世界に出てくる中世の城をテーマとしているExcaliburだが、 周辺ホテルに比べ若干年季が入っているためか、内部はやや古ぼけた感が否めない。 それでも2018年に宿泊した際は客室はリノベーションされていて、バスタブはないものの居住性は悪くなかった。 周辺のホテルに比べ宿泊代も安めなので、ホテルではシャワーを浴びて寝るだけと割り切ればコスパは悪くないと思う。
 館内の設備はカジノにファストフード店、大衆レストランといった具合で特筆すべきものはあまりないが、 地下には子供向けのゲームセンターがある。ラスベガスのカジノは子供の立ち入りが禁じられているので、 子連れにはありがたい施設かもしれない。Luxorとは動く歩道を介して繋がっている。


中世の城というよりは、安っぽいラブホテルのような印象も否めないExcaliburだが、後ろの客室棟はかなり巨大だ。(2018年)


リノベーションを終えたばかりの客室に宿泊。比較的安いホテルながら、内装は意外と奇麗。(2018年)


客室からの眺めは、他のホテル棟が見えるだけの殺風景なもの。(2018年)

New York New York

 テーマはその名の通りニューヨークで、マンハッタンにそびえる摩天楼を無理やり繋いだような外見が斬新である。 そして壁面には名物のローラーコースターが走っていて、客の絶叫が常に響き渡っている。 このコースター、けっこう夜遅くまで営業しており、客室への騒音は大丈夫なのだろうかと思う。 そのほか、自由の女神やブルックリン橋といったニューヨークの名所も再現されており、記念撮影する客が絶えない。
 カジノは吹き抜けの大空間になっていて、開放感のある造りになっている。 余談だが、このホテルはExcaliburとMGM Grandに面していて、いずれも歩道橋でつながっているのだが、 歩道橋を利用するためにはカジノフロアのすぐ脇を通らねばならない造りになっている。 単なる移動で通り過ぎるつもりが、カジノに吸い込まれてしまう人も多いだろう。


ニューヨークの高層ビルを無理やりつなぎ合わせたような独特の外観。壁沿いにはローラーコースターが走っており、結構客が乗っている。(2018年)


ニューヨークのシンボル・自由の女神も本物よりやや小ぶりながら鎮座する。後ろの建物はグランド・セントラル駅か?(2017年)

Montecarlo(現・Park MGM)

 モンテカルロは保養地モナコの地名の一つで、ホテルの外観もどことなくヨーロッパ風である。 内装もそれほど特徴のないオーソドックスなものだったが、近年大改装が行われてPark MGMという名前に変わった。 私が最後に訪れた際は工事の真っ只中だったが、今は大きく姿が変わっているのだろう。 ホテルの奥にはBelaggioへ向かう無料のモノレールがあるが、正面入り口から乗り場まではかなり遠いのが難点。 (どうやら改装後も、乗り場の位置は変わっていないようだ)
 このホテルとNew York New Yorkの間はちょっとした公園になっていて、 ここを西に歩くとT-Mobile Arenaというラスベガス屈指の巨大なアリーナがある。 公園は夜になると派手なイルミネーションがなされているほか、写真のような現代的なオブジェもいくつか置かれている。
 一方、北側に少し歩くとCVSというスーパーと薬局の中間のような店があり、日用品を安く調達するのに便利だ。 また、ストリップ通りを挟んだ南東にはM&M'sの専門店がある。カラフルなマーブルチョコを量り売りで買うことができ、 お土産にちょうど良い。


Montecarloの建物は、奇をてらわないオーソドックスなもの。(2006年)


T-Mobileアリーナの手前はちょっとした広場になっていて、このような変わった像が鎮座。(2017年)

MGM Grand

 かつては客室数が世界最大であったという巨大ホテルで、 入口にそびえるシンボルのライオン像と玉虫色のような独特のカラーが特徴である。 かつては本物のライオンも室内で飼っており、ガラス越しに眺めることもできた。(現在はいなくなってしまった)
 ホテルのサイズに比例してカジノも広大で、端から端まで歩くだけでも相当な時間を要する。 しかも、カジノの奥にあるモノレール乗り場のあたりまで店舗が立ち並んでおり、全貌を把握するだけでも一苦労だ。 広大かつ方向感覚を見失いやすいので、目的の店や施設に向かう際は迷子にならないよう気を付ける必要がある。
 ホテルの奥の方には例によって広大なコンベンションセンターやプール、アリーナが並んでいる。 特にアリーナはボクシングの世界戦がたびたび行われ、ラスベガスは知らなくてもMGMの名前は知っているという人も多いだろう。 また、シルクドソレイユの常設ショー"Ka"も有名だ。 ステージそのものが上下左右色んな方向に回転し、その上でアクロバットが繰り広げられるという、 ラスベガスでしか見られない大掛かりかつ工夫を凝らしたショーである。 チケット代は結構高額だが、それに見合った価値があると思う。


MGM Grandの建物は言葉では言い表せない何とも不思議な彩色。中央にはシンボルのライオン像が。(2006年)


建物内にはライオンを飼っているスペースがあり、ガラス越しに眺めることができた。現在は廃止されている。(2006年)

Cosmopolitan, ARIA

 かつて、Montecarloから北のPlanet HollywoodやBellagioあたりまでは間にホテルのない「空白地帯」だったのだが、 2010年頃にその空白を埋めるように出現したのがCosmopolitan, ARIAといったホテル群と、 Crystalsというショッピングモールである。
 従来のようなアイデア勝負のテーマホテルは流石に食傷気味になってきたせいか、 これらの施設には他のような目立った特色はない。白色LEDや大面積のガラス窓など、 近年の建築物にありがちな構造が目立つぐらいである。 写真のCosmopolitanなどはシンプルな真四角の構造で、面白味はない。
 Crystalsは内部構造が結構凝っており、眺めて歩く分には面白かったが、 中のショップは高級ブランド店が多く、庶民が気軽に買い物するようなところではない印象だ。


Cosmopolitanは比較的新しいホテルだが、建物は真四角で、まるでオフィスビルのような素っ気ないもの。(2018年)

Bellagio

 ストリップ通りのほぼ中間に位置し、ラスベガス観光の中心となるホテルである。 名前はイタリアの保養地にちなんでおり、内装はオーソドックスな欧州の高級ホテルに準じている。
 まず、建物正面にある巨大な湖に驚かされる。幅は200m、奥行きは100mほどもある巨大なもので、 ここで定期的に行われる噴水ショーはストリップ周辺では最も目立つアトラクションとなっている。 音楽に合わせて、100基以上の噴水が様々な方向に最大10mほどの水柱を上げる姿は迫力がある。 昼間もいいが、やはりライトアップがなされる夜の方が美しい。
 ストリップ通りから、湖の横の歩道を数分(湖が巨大なので、見た目以上に時間がかかる)歩くと、正面入り口に着く。 入ってすぐのところにあるフロントロビーの天井には、ベネチアングラスを使った花弁が大量に飾られている。 その横にはシーズンごとに作り変えられるフラワーガーデンがある。無料施設の割には本格的なもので、 これも是非見ておきたい。2018年に訪問した際は日本をテーマにした飾り付けがなされていた。 もっとも、日本人からすると「本当に日本なの?」と疑いたくなるようなオブジェも混じっていたが。
 また、ホテル内にはシルクドソレイユのナイトショー"O"もある。 シンクロナイズドスイミングとサーカスを組み合わせたようなショーで、 シーンに合わせて舞台がプールへと変幻自在に変化するのが特徴だ。 これもラスベガスに来たら必見とされている。
 そのほか、ホテル北側のCeasers Palaceに面した入口から、中央部のカジノにかけて、 高級店が立ち並ぶ小規模なショッピングモールがある。なかなか庶民には入りづらいお店が多いが、 ガラス張りの天井から光が差し込む雰囲気はよく、一度は歩いてみるとよいだろう。


Bellagioの建物はヨーロッパのリゾートホテル風。ストリップ通りとの間に大きな湖があるため建物の全体像がよく見える。(2017年)


ラスベガス一の名物となっている湖での噴水ショー。やはり夜のショーがひときわ美しい。(2018年)


ホテルフロント付近には無料の屋内庭園があり、定期的に内容を入れ替えつつ大規模な装飾が行われる。 この時のテーマは日本で、鳥居や桜が目につく。(2018年)


亀やランタンなど、若干中国の要素が混じっているような…(2018年)


巨大な緑色の手の上には大きな卵、左側には謎の生物(?)のような奇抜なオブジェが。(2018年)

Planet Hollywood

 Bellagioとはストリップ通りを挟んで反対側のやや南に位置する。 Planet Hollywoodという名前からすると、ハリウッド映画をテーマにしたホテルかと思わせるが、 客室以外のカジノフロアなどを見る限りあまりハリウッドぽさは感じられない。 夜間はお隣のParisと共に黄色い光で全面が照らされる。
 このホテルの下層階は、Miracle Mile Shopsというショッピングモールとなっている。 後述するVenetianのモールと同じく内部には川が流れており、面積もそこそこ広い。 そして、ラスベガスの中心部にしては庶民的な店が多く、ファストフードや安めの食料品店、洋服店が並んでいる。 入口付近にはハワイでもおなじみのABC Storeがあって、ばら撒き用のお菓子やキーホルダー、Tシャツなどが売られている。 飲み物や軽食も売られていて、滞在中の食糧調達に使えるだろう。


Consmopolitanの前から眺めたPlanet Hollywoodの建物。両者の間は陸橋でつながっており行き来しやすい。(2017年)


Bally'sの客室から見たParisとPlanet Hollywoodの建物。(2007年)


同じアングルの夜景。両ホテルとも夜間は黄色く光っている。後ろにはLuxorのピラミッドが放つ光も見える。(2007年)

Paris

 その名の通りパリをテーマにしたホテルで、外部にはエッフェル塔に凱旋門、オペラ座が並び、 向かいのBellagioに負けないほどのインパクトを放っている。 ただし、いずれも本物に比べるとサイズは小さい。 特にエッフェル塔は足の部分が天井を突き破ってカジノフロアにまで延びており、カジノからその様子がよく分かる。
 美食の都ということで、レストランは結構充実している。 ストリップ通り沿いの半屋外のようなところに設けられたレストランと、 エッフェル塔の上にあるレストランの2軒を訪れたが、いずれもBellagioの噴水を見ながら食事ができた。 とくに後者は、前菜から肉料理までの一品ずつにお勧めのワインが決められていて、ワインと共に味わうというコースだった。 流石にワインは全部は頼まなかったが、十分満足できた。
 客室の角度によっては、Bellagioの噴水が見られる場合もあるかもしれず、 予算的にBellagioが苦しい場合はParisを狙ってみるのもいいかもしれない。
 この他、バフェもシーフードの種類が多く、デザート類もクレープがあったりして充実しており、満足できた。 ところで、ここまでラスベガスのバフェについて紹介していなかったので、紹介しておきたい。 バフェはラスベガスのほとんどのホテルにある食べ放題のレストランである。最初はギャンブラー向けの簡素なものだったらしいのだが、 これもホテル間の競争の結果だんだん贅沢になっていき、ローストビーフやカニ、 更には寿司など世界各国の料理も当たり前のように出てくる。結果、一部の人気店は観光地化しており、1時間待ちもざらであるそうだ。 ラスベガスのバフェで戸惑うのが、1ピースのサイズが大きいこと。 ローストビーフや朝食のオムレツをお店に人に更によそってもらったらずっしりとしたサイズのが出てきたり、 ケーキが日本のバイキングの1.5倍ぐらいのサイズ(しかもベタ甘)だったりと、 サイズの違いにやられてしまいあまり多くの種類が食べられないのが悩ましい。


Planet Hollywood側から見た様子。右下にはパリのオペラ座を模した建物が。(2017年)


上記の写真をやや別アングルから撮ると、看板代わりの気球のようなオブジェも目に入る。(2017年)


敷地のやや奥まったところには凱旋門もある。ただしサイズは本物よりやや小ぶり。(2007年)


Ballagioの玄関前付近からの夜景。エッフェル塔はストリップ通りのちょうど中間にあり、Bellagioの噴水ともどもよく目立つ。(2018年)


Parisのバフェは肉だけでなく海鮮系の料理も多くあり、日本人にも人気だとか。(2007年)

Bally's

 Parisの北に位置する割と古株のホテル。かつてはストリップ通りからホテル入り口までが長い動く歩道になっており、 入口の装飾も相まって未来的な雰囲気だったが、今は取り壊され、小さな飲食店や雑貨店が並ぶ屋台街になっている。 ラスベガスではあまり見かけない純日本風のラーメン屋もあったのを覚えている。
 そんな外観に比べると内部は年季が入っていて、カジノフロアなどは古ぼけた感が否めない。 2007年に宿泊した際も客室はやや古く感じられた。今はどうなっているのだろうか。
 このようにやや冴えないホテルだが、実は先述のParisとは同系列で、 内部は短い連絡通路でつながっておりほぼ一体と化している。 客室の古ささえ覚悟すれば、Parisよりはおそらく安く泊まれるはずなのでコスパは良いのかもしれない。 あと、モノレールの駅があるので南北への移動が便利な点もよい。


Bally'sのエントランスには動く歩道が配され、未来的なものだったが、現在は取り壊され屋台街に変わっている。(2006年)


Bellagioの噴水の向こうに見えるBally'sとFlamingoの建物。(2007年)

Flamingo

 その名の通りピンク色の外観が特徴的なホテル。 カジノフロアやレストラン街はごく普通だが、中庭がなかなか凝っている。 大掛かりな人工の滝があるほか、錦鯉や亀、複数種類の鳥類も飼われており、 いずれも無料で観察することができる。ホテル名に冠されたフラミンゴに関しては、 本格的な動物園並みの頭数を飼っていて、ちょっとした名物となっている。 フラミンゴは館内のレストランから眺めることも可能だ。


Flamingoの中庭には結構な数のフラミンゴがいて、館内のカフェから眺めることもできる。(2007年)


建物に囲まれた中庭ながら、滝もあったりして結構大がかりなもの。(2007年)


中央の池には大きな錦鯉が飼われているほか、鳥もけっこういる。(2007年)

Ceasers Palace, Forum Shops

 その名の通り古代ローマがテーマで、入口にはシーザー(カエサル)の像があるほか、 コロシアムを模した建物(内部は劇場になっているらしい)が目立っている。 ホテル本体の屋根も、ローマのパンテオン神殿を意識しているのか三角屋根となっているほか、 館内には古代ローマ風の真っ白な彫刻が至る所に配されている。
 内部に関しては、ホテル自体の設備も割と高級感があるほか、 併設されたForum Shopsというショッピングモールがなかなか面白い。 内装はお台場の「ヴィーナスフォート」に類似しており(というかラスベガスがオリジナルなのだろうが)、 ヨーロッパの街のような雰囲気だ。天井は青空のような彩色がなされ、定期的に夕暮れのような色に変化したりもする。 面積もお台場のものに比べてかなり広く、高級店がそろっているほかレストランもある。
 入口付近は巨大な吹き抜け空間になっていて、珍しい半円形のエスカレータが配置されている。 館内にはトロイの木馬など大きなオブジェがいくつか並んでおり、 中でも最深部の彫像と噴水は大規模である。実はこの彫像は只者ではなく、 一定時刻になると動き出し、セリフや音楽、噴水、火を交えた結構本格的なショーが行われる。 Bellagioの噴水ほどダイナミックなものではないが、是非見ておこう。


入口にはシーザーの像、そして後ろには円形コロシアムのような建物がある。(2007年)


Ceasers Palaceの建物はどれも三角屋根で、どことなく古代ローマ風。(2007年)


隣接するForum Shopsの中には、珍しい円形のエスカレータがある。(2007年)


Forum Shops内には古代ギリシャにちなんだ様々なオブジェがある。これはトロイの木馬か?(2007年)


噴水の中に巨大な彫刻。天井は本物の青空ではなく、空に見えるよう着色したもの。(2017年)


最深部の彫像は可動式になっており、決まった時刻になると動く人形や火や水を使ったショーが行われる。(2018年)

Mirage

 ホテル名のMirageを直訳すると「蜃気楼」であるが、どちらかというと自然やテーマにしたホテルに見える。 まず、入り口には滝が流れる大きな山がある。これが夜になると「火山」に定期的に変化し、火を噴き上げる。
 中に入ると、入口付近に巨大なドームがあって、熱帯の花などが咲き誇っている。この花園は結構広く、 Bellagioのものに対抗できそうなほどだ。また、入口付近にはモノレールがあって、隣のTIに移動できるようになっている。
 ホテルの奥の方は結構本格的な動物園で、イルカなどの動物がいるほか、 珍しいホワイトタイガーもいた。餌を十分与えられているのか、ややダルそうであった。 私が訪れたときは無料で入れたのだが、その後有料化されたらしい。
 その他、建物の上部にはビートルズを題材にしたナイトショーの看板が目立つ。 結構長いこと続いているようなので、きっと好評なのだろう。


入口付近の滝が特徴的なMirage。建物上部にはこのホテルで行われる"Beatles LOVE"の広告となっている。(2006年)


入口の滝は火山となっていて、夜間の決まった時間になると「噴火ショー」が行われる。(2007年)


入ってすぐのカジノフロアの脇に大きなフラワードームがある。(2007年)


奥の方にはちょっとした動物園があり、珍しいホワイトタイガーがいる。(2007年)


休憩するホワイトタイガー。この他、ホワイトライオン、イルカなどもいる。(2007年)

Treasure Island TI

 Treasure Islandというタイトル通り、宝島や冒険をテーマにしたホテルで、 かつては入口付近で行われる本格的な海賊ショーが名物であった。 しかし、近年はマンネリを防ぐためか脱テーマホテル化を進めており、 海賊ショーもなくなってしまった。今は海賊船だけが残り、往時をしのばせている。
 ちなみに海賊ショーは、セクシーなお姉さんが舞い踊る船に突如海賊がやってきて、 武器でドンパチ戦ったところで最後は海賊船が海に沈むというものだったと記憶している。 登場する役者の数も多く、セットも大掛かりで無料とは思えないほど立派なものだった。


Treasure Islandの建物は一見小さく見えるが、窓1つが2フロア分あるので意外に大きい。入口付近は遊園地のアトラクションのよう。(2007年)


入口付近の前庭では、かつて無料の海賊ショーが行われていた。序盤はセクシーなお姉さんが舞い踊る。(2007年)


そこに、海賊船に乗った海賊たちがやってきた。(2007年)


いろいろ戦闘があって、最終的に海賊船は爆破されてしまう。この時の炎と音はなかなか迫力があった。(2007年)


結果、海賊船は沈没してしまった。(2007年)

Venetian, Grand Canal Shops

 ベネチアをテーマにしたホテルで、中の雰囲気や客層、施設の構造もCeasers Palaceによく似ている。 ところどころにあるヨーロッパ調の大天井も豪華だ。 ベネチアということで屋外には水路が張り巡らされゴンドラが浮かんでいる(後述する室内のものとほぼ同じ)。 また、サンマルコ広場の鐘楼もストリップ通り沿いに建っていて、よく目立っている。
 別館のPalazzoも含めたホテルの下層階全体が、Grand Canal Shopsというショップ群となっており、 Forum Shopsに負けないぐらい広い。店舗のラインナップもよく似ている。 屋外と同じく屋内にも水路が張り巡らされていて、実際にゴンドラに乗って回遊することもできる。 また、水路沿いにレストランが配されているところもあって、変幻自在な風景には飽きない。


Venetianの建物はクラシックな洋風。別館Palazzoを合わせるとかなりの広さを誇る。(2006年)


ベネチアのサンマルコ広場にある鐘楼を模したと思われる塔。当時行われていた「オペラ座の怪人」の宣伝が張られていた。(2006年)


内部のショッピングモールには川が流れ、ベネチアを思わせるゴンドラがあって乗ることもできる。(2017年)

Wynn

 Wynnはストリップ通りに並ぶホテル群の中では最北端にある。 (本当はもっと北にもホテルがあるのだが、やや距離がある上、人通りもぐっと少なくなるので、 徒歩でのアクセスは避けた方がいいだろう)
 このホテルはBellagioを作ったWynn氏という人が手掛けたホテルらしく、いくつか似通っている点がある。 まず、入口には(Bellagioには規模は及ばないものの)噴水池があり、音楽に合わせて様々な光を放っている。 その横には人口の滝があって、その後ろに独特のカーブを描くWynn本館が見える。
 館内に入ると、Bellagioにもあった高級品店が並ぶ回廊を進むことになる。 雰囲気に圧倒されたところでカジノやロビーへ。吹き抜けのロビーの向こうには巨大な池があり、 その手前にはレストランやカフェが配置されている。調度品も自然の花や植物を使った豪華なもので、 Bellagioにもあった広い花園もある。全体的にBellagioをよりゴージャスかつ落ち着いた感じにしたもの、という印象がある。 当然値段もトップクラスだが、 観光客の喧騒の真っ只中にあるBelaggioよりも落ち着いたホテルステイを楽しみたい場合はこのWynnを選べばいいのではないだろうか。


Wynnの建物は複雑な曲線からなる独特の形状をしている。Treasure Islandの前から撮影したが色が飛んでしまった。(2007年)


入口付近にはなかなか高低差のある大きな滝があるほか、Belaggioのをコンパクトにした噴水の出る池もある。(2017年)

Stratsphere(現・Strat)

 このホテルも一応ストリップ通り沿いにはあるが、一番近いWynnからでも2kmほど離れているので、 他のホテルへのアクセスはタクシーやバスを使わないとほぼ不可能である。 安いツアーだとこのホテルに泊まる場合もあるようだが、不便さは覚悟しておく必要がある。
 旧名のStratsphereは日本語だと成層圏という意味で、 さすがに成層圏には届かないものの350mもの高さを誇るタワーがこのホテルの名物である。 巨大ホテルが並ぶラスベガスでも流石にこれほど高い建物はなく、遠くからでもその姿は目立つ。
 2007年にこのホテルを訪問し、タワーに登ったことがある。 やや場末の感があるカジノフロアを抜け(今は改装され奇麗になっているらしい)、 チケットを買ってエレベータ乗り場に向かう。結構厳重なセキュリティチェックを受けた後、 しばらく待ってエレベータで展望台へと向かう。 展望台の高さは260mなのだが、周辺のビルは全て見下ろす形となり高さを実感する。 ラスベガスにやってきた航空機が旋回しながら空港へ続々と着陸する様子もよく見える。
 また、展望台の高さを生かしたアトラクションがあるのも面白い。 フリーフォール、回転ブランコのほか、(暗くてわかりにくいが)写真のようなゴンドラごと展望台の外にせり出し、 高さ260mの恐怖を味わえるという乗り物もあった。


Wynn付近から見たStratsphereのタワー。結構距離があることが分かる。(2007年)


展望タワーからの夜景。機材がいまいちで大した写真ではないが、周囲の建物に比べ高さは圧倒的であることが分かると思う。(2007年)


タワーの屋上に設置された乗り物。椅子に座るとアームがタワーの外に出て…(2007年)


このようにぐるぐると大回転し、空中に放り出された気分が味わえる。(2007年)

ラスベガスの観光地

Fashon Show Mall

 WynnやTIに隣接した場所にある巨大ショッピングモールで、複数のデパートや専門店が入居する大規模なもの。 大きな楕円形の屋根と、それを支える円柱が特徴的である。 これまで述べたGrand Canal ShopsやForum Shopsはやや高級志向で、浮世離れした店が多いのに対し、 Fashon Show Mallは一般的なアメリカのモールに雰囲気が近く、庶民でも買い物しやすいかもしれない。 この他、ラスベガスにはストリップ通りの南北2か所にPlemium Outletがあるので、比較してみるのもいいかもしれない。
 ちなみに、Fashon Show Mallの奥の方にはABC Storeがあり、お土産調達に使える。


楕円形の巨大な屋根が特徴的なFashon Show Mall。右手に見えるのはWynnの別館のEncore。(2017年)


モールの内部はとにかく屋根が高く、巨大な空間が広がっている。(2007年)

Downtown, Fremont Street

 Downtown地区はストリップ通りをWynnから北に5kmほど行った場所にある。 実はかつてこの位置にはAmtrakの駅があり(線路は現存していて貨物列車は通っている)、 その駅前通りにいくつかのカジノホテルが立ち並んだのがDowntown地区の原型である。 その後、南のストリップ通り沿いに巨大ホテルが次々でき、再開発が遅れたDowntownは次第に存在感を失っていったという。
 そんなDowntownの起死回生の策として考えられたのが、Fremont Streetの電飾アーケードである。 長さ300mものLED式のビジョンを通りの天井に設け、定期的にショーを行うようにしたのだ。 また、アーケードのすぐ下には「ジップライン」というアトラクションのケーブルが張り巡らされていて、 通りの上空を鳥のように滑空することができる仕組みになっている。 ちなみに、アーケードの電飾がない状態でも、ホテルの電飾は結構派手なので見比べておくといいだろう。 (電飾アーケードのショー中はホテルの電飾は消されてしまう)
 Downtownのホテルはどれも小ぶりでテーマ性も少なく、日本人が泊まることはほとんどないだろう。 カジノのルールが若干ギャンブラーに有利なので、それ目当てで来る人もいるようだ。


多くの人でにぎわうダウンタウン。4 QueensとFremontの2軒のホテルを撮影。(2006年)


Golden Nugget, Binion'sの両ホテルのネオンは非常にきらびやか。(2006年)


イルミネーションの時間になるとホテルのネオンは消え、上空のスクリーンに映像が写される。(2006年)


スクリーンの長さは300m以上もあり、世界最長のスクリーンといわれる。(2006年)

Redrock Canyon

 Redrock Canyonは、ラスベガス市街から西に20kmほどの場所にある景勝地である。 その名の通り赤っぽい荒々しい奇岩が延々と並んでおり、ハイキングコースとして人気がある。 コースの中には本格的な登山装備が必要なものもあるが、もちろん軽装で歩けるものもある。
 2006年、ツアーに参加してここを訪問した。 案内されるがままに岩と岩の間を通り抜けたり、小高い岩山によじ登ったりしたのを覚えている。 現地は自然そのままで案内看板などはあまりなく、地図片手に個人で歩いて回るのはやや難しい気がするので、 できればツアーに参加する方がいいだろう。


道路のすぐ脇に、赤い奇岩の山がそびえる。(2006年)


ツアーガイドに連れられ、狭い岩と岩の間を歩いて通過する。(2006年)

Grand Canyon South Rim

 2017年には、Grand Canyon South Rimを訪問した。 飛行機とバスを乗り継いでBright Angel Lodgeに到着し、 サンドイッチにポテチというアメリカらしい組み合わせのランチボックスを受け取った後、 まずは散策路を歩いてロッジ裏手のビューポイントに向かう。 言葉で説明するのは野暮なので画像を見てくださいというしかないが、ここからの景色は正に圧巻だった。 散策路はかなりしっかりしていて、普通に歩く分には転落の心配はほぼないものの、 転落防止用の柵はほとんどなく、それが迫力を倍加させる。
 しばらく散策した後、今度はMather Pointという別のポイントに移動。 ここは高さ数百メートルはあろうかという断崖絶壁に張り出した岩の上を歩くことができるようになっていた。 ここから転落すると本当に危険であるため、さすがに岩の上には柵が付いていた。 そんな断崖の上を、野生のリスが平然と行き交う光景も見ることができた。


空港からバスで移動し、Bright Angel Lodgeという施設で下車。(2017年)


休憩時には昼食が配られる。サンドウィッチ、カットりんご、プリングルス、甘い大きなクッキーの詰め合わせ。(2017年)


ビューポイントからのグランドキャニオンの眺め。写真では伝わりにくいと思うが、まさに絶景。(2017年)


右手には先ほど見たロッジがごく小さく見え、いかに断崖が高いかを実感する。(2017年)


写真のリスのような生き物など、自然の宝庫でもある。(2017年)

ラスベガスの食事

 アメリカの食事というと味気ないものが多いという印象があるが、 ここラスベガスに関しては高級から低級まで非常に多くのレストランがひしめいており、 やや観光地価格で高額なことに目をつぶればそこそこ美味しいものを食べることができる。 中でもお勧めはやはり肉料理だろう。やはり量には圧倒されるが、 ローストビーフ、ステーキ、ハンバーガーといずれも満足できた。
 予算不足の際は、マクドナルドやバーガーキングといった日本にもあるファストフード店にいけば無難に食事ができる。 ストリップ通りに数店舗が点在しており、手軽に行けるので有難い。 写真のPanda Expressは日本にも進出している中華料理のチェーン店で、 麺やご飯ものが恋しくなってきた時に重宝する。


アメリカといえばやはり肉料理。一度はステーキや写真のようなローストビーフを堪能したい。(2018年)


アメリカのバーガーは肉が大きく分厚い。ただしなかなかの値段がする。(2017年)


予算を抑えたい向きにはファーストフード。これは日本にもあるPanda Expressの食事の一例。(2006年)