最終更新日:2019/1/2

JR各社の乗車サービス:モバイルSuica特急券

【注意】本サービスは廃止されました

 「モバイルSuica特急券」は、東北・上越・北陸系統の各新幹線の予約をモバイルSuicaアプリ上で行えるサービスでしたが、 「新幹線eチケットサービス」に移行する形で廃止されました。本ページは廃止されたことを周知するため残しておきます。

目次

モバイルSuica特急券の概要

 「モバイルSuica特急券」は、携帯電話・スマートフォンの「モバイルSuica」 アプリからのみ購入できる新幹線の乗車券・特急券です。 対象となるのはJR東日本の所属である東北・山形・秋田新幹線、上越・北陸新幹線と、JR北海道所属の北海道新幹線です。 (北陸新幹線の上越妙高〜金沢間はJR西日本管轄ですが、これも発売対象となります) みどりの窓口で売っている紙のきっぷに比べ、若干値段が安くなっています。

モバイルSuica特急券の基礎知識

乗車券・特急券がセット

 JR東日本には別のオンライン予約サービス「えきねっと」がありますが、 そちらとはまったく連動していない予約システムであり、料金体系もまったく異なります。 モバイルSuica特急券で予約した乗車券は携帯電話・スマートフォン上でのみ有効で、紙のきっぷとして受け取ることはできません。 (なお、JR東日本としても2つの異なるシステムを維持していくのは面倒なのか、 2019年度末を目途に「えきねっと」を主体としたサービスに一本化し、モバイルSuica特急券は廃止となるそうです。)
 従来の切符よりも料金は割り引かれ、 例えば東京−仙台間だと従来に比べて特急料金が1230円引き(通常期の「はやぶさ」「こまち」指定席特急券と比較)となり、 自由席特急料金と比べても400円安くなります。
 エクスプレス予約と同様、閑散期・繁忙期であっても特急料金は変わりません。 また、自由席特急料金と指定席特急料金も同額です。 東北新幹線の「はやぶさ」「こまち」は、「やまびこ」などより本来特急料金が高いのですが、モバイルSuica特急券ではこの差はありません。

使用する
列車・座席
従来のきっぷ モバイルSuica
特急券
東京〜仙台間
_ 「はやぶさ」「こまち」指定席利用11200円(通常期)
11400円(繁忙期)
11000円(閑散期)
9970円
「はやて」「やまびこ」指定席利用10890円(通常期)
11090円(繁忙期)
10690円(閑散期)
自由席利用10370円
東京〜新青森間
 「はやぶさ」指定席利用17350円(通常期)
17550円(繁忙期)
17150円(閑散期)
15430円
東京〜新函館北斗間
 「はやぶさ」指定席利用22690円(通常期)
22890円(繁忙期)
22490円(閑散期)
20630円
東京〜新潟間
 指定席利用10570円(通常期)
10770円(繁忙期)
10370円(閑散期)
9670円
自由席利用10050円
東京〜金沢間
 指定席利用14120円(通常期)
14320円(繁忙期)
13920円(閑散期)
13380円
自由席利用13600円

変更は自由自在

 エクスプレス予約と同様、変更は何度でも可能で、変更時に料金も掛かりません。 ただし、変更できるのは特急券を購入した日から3ヶ月以内の列車に対してのみです。 これもエクスプレス予約と同様です。

モバイルSuica特急券、こんな人ならお得

ビューカード所持者なら確実にお得

 これまでさんざん述べたように、モバイルSuica特急券を買うには、 JR東日本の「モバイルSuica」に加入する必要があります。 モバイルSuicaに加入するにはクレジットカードと、モバイルSuicaに対応する携帯電話かスマートフォン (よほど古い機種でなければたいてい対応済み)を持っている必要があります。
 クレジットカードがビューカード以外の場合、年会費1030円が必要となりますが、 ビューカードを持っていれば会費は「当面の間無料」とされています。 つまり、既にビューカードを持っている人であれば、無料で「モバイルSuica」に加入できます。

ある程度長距離の区間でないと安くならない

 当然ながら、乗車する距離が長くなれば長くなるほど「モバイルSuica特急券」の割引額も大きくなります。 大宮から東北新幹線に乗るケースを例にとると、 宇都宮・郡山・福島といった駅まで乗る場合の割引額は通常期指定席に比べていずれも500円台、 自由席に乗るのとさほど変わりません。 仙台まで乗ってようやく920円の割引となります。
 ビューカードを持っておらず、大宮から宇都宮や高崎といった近場へしか行かないような人の場合、 わざわざ年会費を払ってまで、割り引き目当てに「モバイルSuica」に加入する意味は無いかもしれません。

在来線特急との乗継割引は適用されない

 従来の紙のきっぷの場合、 新幹線と在来線特急を特定の駅で乗り継ぐ場合、在来線特急料金が半額となる「乗継割引」という制度があります。 エクスプレス予約と同様、モバイルSuica特急券に乗継割引は適用されません。
 そのため、新函館北斗から「スーパー北斗」を乗り継ぐ場合など、 足の長い在来線特急と新幹線を乗り継ぐケースでは、従来の紙のきっぷを買うほうが安くなります。

さらにお得な「スーパーモバトク」も

 エクスプレス予約における「IC早特」と似たような位置づけの商品として、 モバイルSuica特急券にも「スーパーモバトク」という割引商品があります。 利用可能な区間や列車、払い戻し条件などに制約があるものの、そこそこの割引率となっています。

利用可能な区間は「首都圏〜近・中距離の主要都市」

 「スーパーモバトク」は、「東京・上野・大宮」の各駅から、 「宇都宮・仙台・山形・高崎・新潟・大曲・秋田・金沢・新高岡・富山・新函館北斗」の各駅との間を利用する際にのみ発行されます。 基本的には東京から見て近・中距離の主要都市がターゲットですが、 航空との競合を意識してか、大曲・秋田・新函館北斗も対象となっています。
 割引額は、通常のモバイルSuica特急券に比べて00円〜1000円程度となっています。 ただし、対秋田は2000円程度、対新函館北斗は5000円強の割引となっています。 従来の紙の切符と比べると対秋田はおよそ4000円、対新函館北斗は6000円強、それ以外は1300円〜2000円引きとなります。

発売は前日まで、変更不可、利用列車に制限あり

 「スーパーモバトク」は、出発の前日まで購入が可能です。 ただし「スーパーモバトク」の枠は全体の座席の中でも限られているため、 列車に空席があるからといって、「スーパーモバトク」料金でその列車に乗れるとは限りません。 また、仙台まで行く場合でも「はやぶさ」が利用できないなど、利用できる列車に制限がある場合もあります。
 「スーパーモバトク」で購入したきっぷは変更が一切できません。 そのため、どうしても変更したいときはいったん払い戻しが必要となります。
 また、払い戻し手数料も普通のきっぷに比べて高額です。 上記の「モバイルSuica特急券との差額」の半額強が手数料に相当する額となります。

実際に乗ってみよう

 最後に、実際にモバイルSuica特急券で新幹線に乗る際の注意すべき点を書いておきます。

受取り操作が必要です

 「モバイルSuica特急券」はエクスプレス予約と異なり、 携帯電話・スマートフォン上で座席予約操作をするだけでは乗車できません。 特急券のデータを携帯電話・スマートフォンにダウンロードするための「受取り」操作が必要です。 乗車直前に予約した場合など、時間的余裕がない際は注意が必要です。

中間改札の罠

 新幹線の改札口には、直接改札外に繋がっているものと、在来線との連絡改札口があります。 「モバイルSuica特急券」は乗車券を含んでいるので、 在来線に乗らない場合は本来モバイルSuicaのチャージは不要なのですが、 新幹線に乗車・もしくは下車する際に在来線改札内を通り抜ける場合、初乗り運賃分のチャージが必要になります。 (在来線改札内を通り抜けるだけならチャージされた料金が引かれることはありません。)
 例えば大宮駅のように、新幹線乗り場から改札外に出るのに在来線改札内を通り抜けなければいけない駅だと、 必ずモバイルSuicaにチャージが必要になります。お気をつけください。