JR路線サミット2010

 今は亡き宮脇俊三氏の作品に、「国鉄全線大集合」というのがある。 国鉄の全路線が大集合して会議を行うという内容なのだが、 機会があってこれを読んだところ、現代版を書いてみたくなった。 不景気や少子高齢化、クルマや航空といったライバルの台頭で苦しい状況のJR各路線の悲喜こもごもを描いてみたつもりである。 本家本元の足元にも及ばない駄文であるが、ご笑覧いただければと思う。
 なお、会議は2010年12月に行われたという設定で記述した。

JR路線サミット2010、開幕

議長:
 皆さん、本日はお忙しい中お集まり頂きありがとうございます。 こうやって見てみると、皆さん総じて景気の悪そうな表情をしておられますな。 普段と変わらないのは山手線さんぐらいでしょうか。 やはりこの不景気、少子高齢化、クルマの普及に加え、例の「高速1000円」のせいでどこも苦労が絶えないそうで。
 それにしてもこうやって一堂に会した皆さんを見ていると、多士済々というか、 色んな方がおられるんだなということを改めて感じます。 ちなみに今日の最年少はおおさか東くんですが、姿が見えませんな。 ・・・え、ぐずって退席してしまわれた? まあ2才の坊やですから仕方ありませんな。
 そして最も身長が小さいのは宮崎空港線さん、最も大きいのが山陰本線さんですか。 ・・・あれ、この間までは東北本線さんが一番大きいのではありませんでしたか?

東北本線:
 それがですな、東北新幹線の奴が八戸まで延びたときに、 盛岡より北が「銀河鉄道」とかいうよく分からん第三セクターに移管されてしまったのです。 新幹線があるからお前は用なしだ、と言わんばかりの扱いで愉快ではありませんわ。 しかも、東北新幹線が新青森まで延びたから八戸から先も三セクだ、とさらに路線を削られてしもうた。

東北新幹線:
 まあ東北本線の爺さん、仕方ないじゃん。 青森の人たちだって、「ようやくおらが村にも新幹線が来た」って喜んでるし。 東京に早く行けるようになる訳だしさ。

八戸線:
 東京もんの甘言を間に受けおって、全くこれだから若造は困る。 私は長年東北さんにお世話になってきて、気動車を乗り入れたりもしていたのじゃが、 この12月からは「青い森鉄道」とかいう奴としか接続せんことになってしもた。

大湊線:
 八戸さんはそれでも東北新幹線と接続するからいいじゃないですか。 私は野辺地で東北さんと繋がっていたのですが、東北さんがいなくなってしまうとまさに天涯孤独、 他のJR線と接続のない路線という前代未聞の肩書を頂戴する羽目になりました。どうすればいいんでしょう。

議長:
 八戸さんや大湊さんの心痛お察しします。 それにしても、長野新幹線さんができた頃からでしょうか、 新幹線が開業すると並行在来線が廃止になるという悪しき慣習ができてしまっておるのですが、 これは由々しき事態ではないでしょうか。

信越本線:
 議長さんよ、全くだ。ワシなんて身体の真ん中でぶった切られてしまって、 群馬の路線なんだか新潟の路線なんだか分かったもんじゃない。 ただ、これはワシの身から出た錆というか、至らない面もあったと思っとる。 そもそもワシの身体の途中にあった横川〜軽井沢間、通称横軽という区間、 ここはEF63という専用機関車をつけないと走行できない急勾配で、運転上のネックになっておった。 そんな区間だもんで鉄道マニアには人気のスポットだったが、 いかんせん経費が掛かるもんでバス転換もやむなしと思うとった。
 ところがJR東日本の奴め、横軽廃止のどさくさにまぎれて軽井沢〜篠ノ井間も三セクに転換すると言い出した。 ワシは長野県民がそんなことを許すはずがないと余裕を決めこんどったが、 1998年のオリンピックまでに新幹線を開通させにゃならんと言ってあっさりJRの要求を呑んでしもうた。 全く、あそこで断固たる姿勢を見せておいたらと今でも後悔しておる。

七尾線:
 その長野新幹線さんが今度、金沢まで伸びてくるでしょう。 そうすると、並行する北陸さんが三セクになるというじゃありませんか。 そうなってしまうと、私も大湊さん同様離れ小島です。 しかも小耳に挟んだ噂によると、私や城端さん、 氷見さんもろとも北陸さんの巻き添えで三セク化という話もあるらしく、もう不安で不安で。 あぁ、地元出身の某総理経験者が票欲しさに我田引鉄をやったばっかりに・・・

鹿児島本線:
 おいどんも、東北さんや信越さんと同じような憂き目に遭ってしもうたばってん。 八代より南は折角景色のええ区間やったのに、三セクになってしもうたばい。

議長:
 そういえば鹿児島さんも一部区間が廃止になりましたよね。 幸い来年の九州新幹線全通の際に廃止される区間はないようですが。 そういえば、山陽新幹線さんは九州新幹線さんと婚約しておきながら、 九州新幹線さんの嫁入り前に博多南くんという私生児を設けておりましたな。 来年、九州新幹線さんとの乗り入れが本格化したら、博多南くんはどう処遇されるおつもりですかな?

山陽新幹線・九州新幹線:
 ・・・家庭の事情に首を突っ込むのは止めてください!

議長:
 失礼いたしました。少し話が脱線してしまいました。 そういえば、今日は残念ながら岩泉さん、美祢さん、名松さんが大怪我で入院されてご欠席だそうで。 呉さんは11月に無事退院してご静養中だとご連絡を受けましたが、他の方々は退院の目処すら立っていないと伺っております。 もしかするとこのまま・・・おっと、滅多なことを言うもんじゃない。

越美北線:
 私も大怪我で3年ほど入院しておりましたが、最近、大怪我で入院する仲間が増えている気がするのです。 1ヶ月程度の入院だったら昔からよくある話ですが、1年以上の長期入院というのが明らかに増えてきている。

高山本線:
 ワシも越美北と同じ時期に入院しておったが、この所のゲリラ豪雨とかいうやつ、これは尋常ではないわ。 明らかに地球レベルで環境がおかしくなってきておる。 この原因はCO2の増加が原因であることは明らかなのに、 政府は「高速1000円」やら「エコカー減税」などと訳の分からん政策でクルマばかり優遇しよって。 そんな政策をしておきながら、外国にはCO2を何十パーセント減らすなどと大言するとは、もはや意味不明じゃ。

議長:
 高山さん、お気持ちは分かります。ですが、ここは政治や環境問題を議論する場ではありませんので、 そういう話は他所でやってもらえればと・・・。 いずれにしても、入院中の皆様には早く戻ってきて頂きたいものです。 名松さんなどは、身体の半分を除去しないと退院できないと言われているようですが。

可部線:
 議長、身体の一部を切除する手術は随分大変だとお思いでしょうが、 長生きするには大手術も必要ですよ。私は2003年に、可部から北の非電化区間の除去手術を受けましたが、 あれ以来採算のいい電化区間が残ったおかげで、中国地方の路線の中では成績優秀です。 大阪の本社からもお褒めの言葉を頂いていますよ。

芸備線:
 (小声で)・・・何を言うか、本社の犬め。

議長:
 可部さん、辛い思いをされたのは分かりますが、そんな廃線を肯定するような物言いはお止めください。 同じ釜の飯を食った仲間が廃止されていくのは心が痛みませんか?

小野田線:
 議長のおっしゃるとおりです。そもそも、大阪の本社の連中のいうことは信頼ならん。 以前から秘密裏に我々ローカル線を廃止にしようと画策しておったようだが、 この前ついに「赤字線をバス転換する」と公言しよった。 そうなったら、私や仙崎支線さんあたりの零細な路線が真っ先に切られるんじゃないかと、気が気でないわ。

仙崎支線:
 お、小野田さん、こんな所で私の名前を挙げないでくださいよ。 本家の山陰本線さんを隠れ蓑にして、何とか赤字が目立たないようにカモフラージュしてるんですから。

三江線:
 しかし仙崎支線さん、あなたの所の列車はいつ見てもがらがらじゃないですか。 乗客0なんてことも珍しくない。もう潮時なんじゃないですか?
 そういうお前はどうかって? ご想像の通り、ウチの列車も18きっぷを携えた鉄道マニアを除くと寂しいもんです。 一日5本しか列車が走らないというのにです。 最近思うのですが、もう私なんて消えてなくなってしまったらいいのに・・・ ああ、このまま江の川に流されてしまいたい・・・

議長:
 さ、三江さん、どうか落ち着いてください。

因美線:
 議長、三江さんは不幸な身の上なんです。何せ陰陽連絡線の一つとして建設されながら、 完成してみると優等列車は一本も走らず、お前は穀潰しだ、要らない子だと罵られ続け、 ついにはあんな状態に・・・もう不憫で不憫で。

議長:
 しかし、三江さんも一時は一年ほど入院されていたようだが、 何とか直してもらえたじゃないですか。どうか希望を捨てないでください。

JR神戸線:
 しかし、ニュースなどで岩泉さんや美祢さんの様子を伺っていると、 まだ復旧工事に着手すらしてないようじゃありませんか。 三江さんや越美北さんも、沿線自治体に迫られて嫌々直させられた感がある。 おそらく本社は内心では「どうせ赤字線だから復旧させたくない」 「このまま廃止したい」と思っているんじゃないですか。
 私や山陽新幹線さんも1995年の大地震で大怪我を負いましたが、 JR各社が総力を挙げて復旧させてくれたお陰で、数ヶ月で退院しましたよ。 近所の阪神電鉄だって、石屋川の車庫が崩壊する惨状だったのに半年掛からずに復旧しましたし。 要はやる気の問題なんじゃないかな?

議長:
 ・・・ちょっと待ってください。見慣れない名前の方が紛れ込んでいる。あなた誰ですか?

東海道本線:
 議長さんよ、あれはワシの倅のJR神戸線じゃ。以後お見知り置きを。 最初の断っとくが、ワシは別に自分の名前が嫌いだから子供に別名を与えておる訳ではない。 むしろ東海道五十三次の時代から続く「東海道」という名前には誇りを持っておる。
 ところがじゃ、知っての通りワシは図体が大きい。 しかも、国鉄の分割民営化でJR東日本・東海・西日本という3つの会社間で取り合いになり、 バラバラにされてしもうた。人気者ゆえの宿命だと思うとるがの、 ともかく頭とお尻とで走っている車両も違えば運営する会社も違うという妙な事態になってしもうたのじゃ。 こうなってくると、例えば「東海道線の○○駅」と言った時、 その駅がややマイナーな駅だったりすると、所在地が神奈川なのか静岡なのか滋賀なのかよう分からん。 そこで、米原より西の区間を琵琶湖線・JR京都線・JR神戸線と愛称を付けて走らせることにしたのじゃ。

議長:
 3社で取り合いになった、とのお話は少々眉唾ですが、 事情は分かりました。しかし東海道さん、京都線・神戸線という愛称はもうちょっとどうにかならなかったのですかな。 福知山さんのところのJR宝塚線を含めると、まるで阪急のパクリじゃないですか。
 それにしても分割民営化の頃からでしょうか、息子さんに別の苗字を名乗らせたり、 通名を名乗る方が増えて参りまして、私共が皆さんに案内状を送るときにも随分戸惑いました。

片町線:
 ワイは大阪の片町やけど、最近は学研都市線と名乗っておる。 最近は新しい名前の方が定着してきて、片町線といっても若いモンには通用しませんわ。 しかし、名前を変えたのにはちゃんと理由がある。 近所の桜井はんが「万葉まほろば線」などとケッタイな芸名を名乗るような自己満足とは違うんですわ。

桜井線:
 (憮然としながら)・・・その理由とやらを言ってみなはれ。

片町線:
 JR東西線が開通したときに、かつての終点である片町駅が廃止になったのですわ。 せやから「片町線」という本名も早く代えてしまいたいのやけど、お役所はなかなか頭が固くて認めてくれんのですわ。

議長:
 片町線、もとい学研都市線さん、分かりました。 そういえば、北海道の方にも似たような名前の方がいらっしゃったような・・・田園都市線とか言ったかな?

札沼線:
 学園都市線です、失礼な。あんな東京の風情のない通勤電車と一緒にしないで頂きたい。

議長:
 これはこれは札沼さん、失礼しました。しかし、あなたも北海道の路線にしては旅情に欠けるというか、 通勤輸送に偏ってはいやしませんか。せっかく旅情のある石狩当別以北は本数が少なくて乗れたもんじゃないですし。 あと、札沼さんの「沼」はかつての終点だった石狩沼田の「沼」なんですね。 片町さん同様、本名の変更を検討されてはいかがでしょうか。

横浜線:
 まあまあ、そんな堅苦しい事言うのは止めましょうや。 私なんて、「横浜駅まで行かないくせに横浜線」などといつも馬鹿にされております。アハハハ・・・

議長:
 横浜さんは、もっと桜木町まで直通する列車を増やしたらどうですかな。 何で東神奈川なんて中途半端な所で折り返しているんですか?  無理だというなら、「相模原線」とでも改称されてみては・・・ おっと、京王さんの所と区別がつかなくなるか。

舞鶴線:
 議長さん、さっきから名前を変更せよなどと安易におっしゃるが、 私は歴史ある線名をコロコロ変えたり、妙な愛称を付けるのには反対や。

議長:
 舞鶴さん、ですか。そういえばそんな方もいらっしゃいましたね。 失礼ながら、存在感があまりに薄いものでお名前を忘れておりました。で、反対の理由は何でしょう?

舞鶴線:
 最近、山陰本線さんの所の息子が「嵯峨野線」などと名乗り出したおかげで、えらい迷惑しとる。 京都駅のホームの案内板も軒並み「山陰本線」から「嵯峨野線」に書き換えられてしもて、 嵐山や太秦あたりに行く観光客は良いかもしれんが、 特急で舞鶴に来てくれるお客さんは「ホンマにこの乗り場で大丈夫かいな?」と不安がっていると聞く。

赤羽線:
 舞鶴さんのおっしゃることに賛同します。やはり、生まれ持った名前というのは大切にしなきゃいかん。 私も本名を名乗りたいのだが、東北さんの倅の埼京線とやらがしゃしゃり出てきてからというもの、 みんな私までも埼京線と呼ぶようになってしもうた。

埼京線:
 あーあ、赤羽の爺さんがまたグチグチ言ってるよ。 そもそも、俺が出てきたお陰で新宿や渋谷に行けるようになったんだから、むしろ感謝してもらわないと。 それまでは池袋と赤羽の間をチマチマ往復してただけなんでしょ?

赤羽線:
 やかましい! だいたい若いもんは駅の造りからしてなっとらん。 いずもこ判で突いたような殺風景な高架駅じゃないか。 それに比べ、ウチの線区の板橋駅、十条駅は古き良き時代の色香を残しておる。 今度ご乗車の折には、是非見比べて頂きたい。

高崎線:
 全くです。東北本線さんの所の息子は図々しくて困る。 東北本線さんは、別の息子さんに宇都宮線などと名乗らせておられるようですが、 「東北」という名前にそんなにやましい所があるのでしょうか。 田舎者のコンプレックス丸出しと言わざるを得ませんな。

宇都宮線:
 何だと、失礼な。もう大宮より南にアンタの所の列車を乗り入れさせてやりませんぞ。

川越線:
 お二人とも、見苦しい言い争いはやめて下さい。 東北さんと高崎さんは昔から大宮〜赤羽間の線路容量を奪い合っていて、仲が悪いのです。 いつもいつも仲裁に入らされる私はたまったもんじゃない。
 議長さん、このままでは近所同士の罵り合いで時間切れになってしまう。 いい加減本題に入ってもらえませんか?

議長:
 私も本題に入ろうと機を伺っていたのですが、皆さんの議論が予想外に白熱しているものですから、 なかなか本題に入れなくて・・・申し訳ない。それでは皆様、しばしご静粛に願います。
 ええと、案内状にも書かせて頂きましたとおり、この会の趣旨は「JR路線の魅力を探る」ことであります。 先程も申しましたとおり、この所の少子高齢化で鉄道の旅客数は右肩下がりの状況が続いておりまして、 この傾向は過疎化の続く地方の路線においてより顕著であります。残念なことに、 国鉄末期の特定地方交通線の廃止基準を下回る路線も多数出てきていると聞いております。
 そんな暗い状況ではありますが、蜘蛛の糸といいますか、わずかながら光明も見えてきております。 この所、ちょっとした鉄道ブームとやらが起きているようでありまして、 鉄道路線をひたすら記載した地図帳がベストセラーになったり、 テレビの旅番組でも鉄道を取り上げた回は視聴率がいいそうであります。 また、ローカル線を乗り歩くバスツアーなる、何とも矛盾に満ちた団体旅行まで登場しておるようで。 そして、今まで鉄道マニアというとむさ苦しい男、というのが定番だったのでありますが、 最近は若い女性のファンも増えてきているようなのであります。 皆さんの所でもぽつぽつと見かけるようになったのではないでしょうか。 別に女性ファンが増えたから経営が楽になる訳ではないのでありますが、 新しい支持層が開拓されつつあるというのは悪いことではないと思うのであります。
 しかし、であります。これは私の主観なのですが、 このブームはどうもマスコミによって作られたブームではないかという気がするんです。 マスコミは移り気ですから、あっという間にブームが去る恐れがある。 そこで、鉄道ブームの今のうちに新しいファンに鉄道の魅力を深く啓蒙して、 にわかファンで終わらないように引き止める必要があると思うのです。 そのためには、ここにお集まりのJR路線の皆様の魅力を積極的に発信する必要がある。
 ところが、皆さんの魅力を伝える側が皆さんのことを十分に知っているかというと、 必ずしもそうでない気がするのです。このブームで鉄道ファンを自称する有名人が何人も現れてきて、 挙句には鉄道アイドルなる者まで出現する始末ですが、あの人たち本当に鉄道に詳しいんでしょうか?  テレビ局も同様です。最近は東京の局も不景気ですから、 取材費を節約するために近場の大井川鉄道さんか、久留里さんあたりを安易に取材してお茶を濁したりしている。

久留里線:
 お茶を濁す、とは何ですか。

議長:
 失礼しました。別に久留里さんの魅力がないといっている訳じゃないですよ。 しかし、久留里さんと似たようなローカル線は全国に沢山あるのに、片やマスコミから引っ張りだこ、 片や東京から遠いというだけで日の目を見ない、そんな現状があるわけです。 そこで、お集まり頂いた皆さん自身に議論して頂いて、 魅力的なJR路線の公平なランキングを作成して、 鉄道の本当の魅力を世間にアピールしようというのがこの会の趣旨なのであります。

横須賀線:
 議長さん、「魅力的」などと漠然とおっしゃるが、 路線の魅力とは何なのですかな? 手前味噌ですが、私の所には古都鎌倉があって、 休日ともなると大勢の観光客がお見えになります。 沿線も高級住宅街が多くて、「住んでみたい路線」にも度々取り上げられております。 僭越ながら、そういう意味では非常に魅力的だと思いますが。

議長:
 横須賀さん、ご発言ありがとうございます。しかしあなたのおっしゃる魅力というのは、 あなた自身の魅力というより、沿線の土地の魅力に聞こえるのです。 私の説明が不足しておりましたが、皆様方自身の魅力といいますか、 純粋に乗車するだけで楽しい路線、これを選んでランキングを作成したい。

山手線:
 乗車するだけで楽しい路線、といいますが、すき好んで列車に乗る人なんてそんなにいるのですか?  私の所の客は仕方なくというか、嫌々乗っている人ばかりなので、そういう感覚は理解できませんな。 だいたい私、都内をぐるぐる回っているばかりで、田舎のことなんてよく分からんのですよ。 こんな私に議論に参加しろと言われましても、困ってしまいます。

大阪環状線:
 山手はん、今の時代は同じ所に閉じこもっていてはあかん。 私も昔はそうでしたが、一念発起して阪和はんや関西はん、東海道はんの所と交換留学することにしたんですわ。 おかげで県外の事情もだんだんと分かるようになってきましたわ。

山手線:
 実は私もこのままじゃいかんと思いまして、 息子の湘南新宿ラインを高崎さんや宇都宮さんの所に派遣しております。 しかしあいつはドラ息子なもので、ポイント故障だ、信号故障だといっては仕事を休んでおる。困ったものです。
 それはさておき、議長さん、どんな路線が乗って楽しいのかもうちょっと具体例を示されてはいかがですか?

議長:
 そうですね。では、鉄道ファンにとって乗りたくなる路線の条件というのを、私の方でいくつか考えてまいりましたので、 その条件に該当するとお思いの方に名乗り出て頂いて、自己アピールをして頂く、 そういった形で進めさせて頂こうかと思います。
 鉄道旅行の最大の魅力は、車窓の楽しさであることに異論はないかと思います。 そこでまず、皆様の所の車窓の素晴らしさについて議論したい。 車窓といいましても、海、山、川など色々ありますが、まずは海の綺麗な路線、これに該当するという方はおられますか?

五能線:
 海のよく見える路線といえば、私をおいて他にはないでしょう。 能代を出ると鯵ヶ沢まで延々と海、海、海です。しかも単に海が見えるばかりでなく、 地形の複雑な日本海の荒々しい海岸なので、飽きが来ないと来ている。 あまりにお客様が多いもので、観光列車の「リゾートしらかみ」も、3往復まで増えました。

羽越本線:
 日本海の眺めなら、ウチの笹川流れも負けておりません。 五能さんに対抗するべく、「きらきらうえつ」という臨時列車を走らせております。

山陰本線:
 いやいや、日本海といえばワシじゃ。出雲市から大田市にかけての眺めもよいが、 やっぱり一番風情があってええのは餘部の新橋梁から見る日本海じゃな。

釧網本線:
 北海道の釧網です。確かに日本海もいいですが、オホーツクの流氷もとても素晴らしいですぞ。 ウチは今やオホーツク海を車窓から眺められる唯一の路線ですので、 列車から流氷が見えるのも私のところだけということになります。

日高本線:
 釧網さんがオホーツク海なら、私のところは太平洋です。 あまりに海に近いもんで、民営化直後に導入したレールバスはわずか10年ちょっとでお釈迦になってしもうた。 大狩部の駅など、ホームに立っているだけで波しぶきが飛んでくるぐらいですからな。

議長:
 おっと、ベストテンの有力候補の面々が次々と登場してきましたな。 他に我こそは、という方がおられましたらどうぞ。

山陽本線:
 ワシの所は、日本三景の安芸の宮島が見えるぞ。 もっとも、あとは須磨のあたりを除くと海なんて見えんがの。

仙石線:
 宮城の仙石ですが、私の所も日本三景の松島が見えます。 列車から日本三景が見える路線など、山陽さんと私以外に他にありますまい。

石巻線:
 しかし仙石さん、おたくの所はどの列車も山手さんのお下がりの通勤電車じゃないですか。 あれでは折角景色が良くてもお客さんが見づらくて駄目です。 わずかばかりの車両にクロスシートを取り付けたりされておるようだが、 やはり単線のか細い線路を気動車が行く、これが旅情をかき立てるのです。 皆さんそう思いませんか?

仙石線:
 石巻さんのところは末端の方でちょっと海が見えるだけで、あとはずっと田んぼしか見えないではないですか。 だいいち、石巻線という紛らわしい名前を勝手に名のられてこちらは迷惑している。 女川線とでも改名されてはいかがですかな?

筑肥線:
 九州の筑肥ですが、私や仙石さんは石巻さんと違ってお客様が多く乗ってくださるので、 やむなくロングシートの国電型を走らせているのです。 どちらも100万都市に乗り入れておりますからな。 ウチも玄界灘が見える区間はロングシートですが、車両が何だろうと景色がよければ別にそれでいいじゃないですか。

三角線:
 いや、筑肥さんや仙石さんは鉄道ファンの気持ちというものを分かっておらん。 ワシは熊本の三角じゃが、旅情溢れるローカル線と3条件は「単線・非電化・盲腸線」、これに尽きる。 この3条件を満たさんとローカル線を名乗るべきではないと思っとる。 盲腸線、すなわち終点が行き止まりの線に乗って終着駅に降り立ち、構内の外れにポツンと佇む車止めを眺める、 この時のゾクゾクッ、とする感覚といったら・・・

議長:
 ・・・み、三角さん、何を変なことを言っておられるのですか?  ともかく、三角さんから新しい提案がありました。海が見えて、かつ単線・非電化で終点が行き止まり、 この3条件に当てはまる方はどれくらいおられますかな?

日南線:
 宮崎の日南ばい。昔は盲腸線ではなかったが、 お隣の志布志線・大隈線さんが亡くなって、しもうて志布志駅は行き止まりになってしもうた。

左沢線:
 あの、私もこの条件に当てはまるので、立候補してよろしいのでしょうか?

参宮線:
 ヒダリ沢さん、お宅は海が見えないどころか見えるのは地味な果樹園ばかりじゃないですか。

左沢線:
 「あてらざわ」です、失礼な。

議長:
 うーん、やはりこの条件を付けるのは止めておきましょう。 国鉄の頃は、終点が行き止まりという方も結構お見えでしたが、 分割民営化のときに軒並み切り捨てられてしまった。 海自慢の路線はだいたいこんな所でしょうか?

京葉線:
 議長さ〜ん、さっきから田舎の人が海が見えるって自慢してるけど、それがどうしたの〜? 海だったら俺の所から超見えるし〜。田舎と違ってディズニーランドやメッセやららぽーともあるし〜。 何もない田舎行くぐらいならウチに来る方が良くね?

議長:
 ちょ、ちょっと何ですかあの人?

武蔵野線:
 あいつ、沿線のレジャースポットで遊び呆けてるチャラチャラのチャラ男なんです。 全く、そろそろ地に足を付けて通勤ダイヤを改善しろよ・・・

鶴見線:
 私は京葉くんの言うことも分かる気がします。 うちは東京湾沿いの工業地帯へ通う人を運ぶ線ですが、海芝浦駅などは海の真横にあって、 休日ともなると海を眺めに来る鉄道ファンが多く訪れてきます。 確かに北海道やなんかの路線の方が海の眺めはいいだろうが、 この不景気の中、金がなかったり忙しくて行きたくても行けない人もおる。 私や京葉くんはそういった人たちの心を慰めておるのです。

議長:
 そうですか。皆さんの話を伺っていると都会がいいのか田舎がいいのか、訳が分からなくなってまいりました。 海沿いの線区の方々はどうも自己主張が強くて困る。 もう海の話は止めにしましょう。では次に、山とか高原とか、 そういったの車窓に自身をお持ちの方はいらっしゃいますか?

小海線:
 高原といえば私にお任せください。 何せJR最高地点の野辺山駅を抱えておりますので、もはや私自身が高原鉄道の代名詞といっていいぐらいです。

中央本線:
 しかし小海くん、君の所は確かに野辺山や清里あたりの景色はいいけれども、 北の方の中込や小海あたりは普通の田園地帯ばかりじゃないかね。 私の所は小仏峠、笹子峠、鳥居峠があって地形も複雑だし、山も南アルプス、八ヶ岳、富士山だって見える。

議長:
 なるほど。・・・あれ、山自慢の方はこれだけですか。 海沿いの方たちとは違って謙虚だなあ。四国の方は先程からほとんど発言がないようだが、 土讃さんあたりいかがですかな?

土讃線:
 ワシの所は景色よりもアンパンマン列車が今のウリじゃから、止めておくわ。

議長:
 さようですが。何を年甲斐もなく・・・いえ、何でもありません。 では次の鉄道ファンに好まれる条件をご紹介しましょう。 これは少し言葉では言い表しにくいのでありますが、その路線の醸し出す旅情といいますか、 ともかく都会で列車に乗っていてもなかなか接することのできないモノ、 これはアピールポイントになるのではないかと考えております。
 少し例を挙げますと、スイッチバックが挙げられると思います。 昔は勾配を克服するために色んな所に設置されておりましたが、今は随分数が減ってしまいました。 そういった訳で、最近は鉄道ファンに珍重されているようなのです。

豊肥本線:
 スイッチバックといえば私でしょう。 平凡な普通列車でも、スイッチバックを通るとなるとぐっと旅情が出ますからな。

木次線:
 私も豊肥本線さんの所と同じく、3段スイッチバックがあります。 ただ、スイッチバックの区間はめっきりお客さんが減ってしまって、 昔は急行も走っていたのですが、今は一日3往復しか列車がありません。 ですので大々的に乗りに来てくれとは言いにくいのですが・・・。 でも、車窓には自信があるし、観光シーズンには観光列車を走らせたり努力はしているんです。

和歌山線:
 いえいえ木次さん、あんたの所の車窓はええという話は関西にも聞こえてきますわ。 実は私の所も北宇智いう駅にスイッチバックがあったんやが、 スピードアップのために廃止してしもたんや。 でも議長さんが「スイッチバックは人気がある」言うんやったら、復活させてみようか。

議長:
 うーん、和歌山さんはその前にまずは車両を何とかしたらどうでしょうか。 常磐線のお下がりの105系、あれボロボロなんですけどいつまで使い続けるんですか? 福知山さんや湖西さんが持て余している117系を貰ってきたらどうでしょうか。
 えーと、あと鉄道ファンの間では「秘境駅」、 すなわちお客さんが滅多に乗り降りしないような駅というのが最近人気なのだそうです。 そういえば、飯田さんなんかは「秘境駅号」というのを走らせていませんでしたっけ?

飯田線:
 そうなんです。お陰さまですっかり秘境駅のメッカとして知られるようになりまして、 小和田駅なんかは休日になると鉄道ファンが大挙も来るようになりました。

山田線:
 岩手の山田ですが、私や岩泉君の所も秘境駅めぐりの列車を何度か走らせました。 しかし、私は正直言って乗り気ではなかったのです。

議長:
 ほう、それは何でですかな。

山田線:
 「秘境駅」などと呼べば何だかかっこよく聞こえるが、要するにそれだけお客さんが少ないということでしょう?  それだけ需要が少ないということを逆手に取って、図々しく臨時列車まで走らせるなんて、 本当はそんな厚かましい事したくなかったのです。 お客さんが少ないということが世間に知られると、赤字線だから廃止してしまえ、と言われそうで・・・

飯田線:
 確かに山田さんの所は列車本数も少ないですからなあ。 私の所は特急列車も走っている路線ですのでご心配なく。秘境駅が多いのも、 元私鉄で駅の間隔が短いというのが大きな要因ですので。

石北本線:
 ワシは山田さんの意見に賛成じゃ。だいたい、いくら秘境だ無人地帯だというても、 最初からその駅の周辺に誰も住んでおらんかったわけではない。 先人たちが必死になって開墾したが、気候の厳しさに耐え切れず離農していった、 そんな厳しい歴史を背負っておるんじゃ。なのに鉄道ファンは、今の状況だけしか見ておらん。

議長:
 なるほど。確かに秘境駅を訪れる鉄道ファンには、 その駅ができた経緯や歴史に思いをはせてほしいですな。
 その他、旅情のある路線の条件としては、日本の北端や東端といった最果ての地を走る路線、 これもいい味を出していると思うのですが、どうでしょうか。 最果てというと真っ先に思い浮かぶのは、宗谷さんや根室さんでしょうか。

宗谷本線:
 ご指名に預かった宗谷です。ウチは音威子府より北はほとんどが無人地帯です。 乗って下さった方にはきっと「最果て」を実感していただけると思っております。

根室本線:
 同じくご指名を受けた根室ですが、私の所は根室の手前の厚岸を過ぎたあたりで湿原が見えます。 湿原というと皆さん釧路湿原しか知らないようで、あまり知名度はないですけれども。

指宿枕崎線:
 JR最南端の指宿枕崎じゃ。時々、終点の枕崎が最南端だと勘違いしておる者がおるが、 本当の最南端は西大山ちゅう無人駅で、ここからの開門岳の眺めは見事なんじゃ。

佐世保線:
 あの、私のところも佐世保駅が一応JR最西端なんですが、 お仲間に加えていただいてよろしいでしょうか。

津軽線:
 佐世保さんのところはJR最西端といっても、元松浦線の松浦鉄道さんがさらに伸びているし、 しかも最近になって沖縄にモノレールまでできたじゃないですか。 それより私の所は本州最北端、竜飛岬の手前の三厩まで行きます。 駅前は最果てという感の漂う寒村です。こっちの方が旅情があるでしょう?

議長:
 演歌の「津軽海峡冬景色」の世界ですなあ。 しかし、三厩まで行く列車は一日5本でしたっけ?  津軽海峡線が通る蟹田までとの落差が大きすぎるのがちょっと可哀想というか何というか。
 ともかく、3番目の鉄道ファンに受けるポイントをご紹介しましょう。 それは、最近流行の「リゾートトレイン」です。 国鉄時代から、団体客用の貸切列車は多数運転されておりましたが、 近年は個人主義の台頭の影響でしょうか、職場やご近所で連れ立っての団体旅行はめっきり減少し、 代わりに個人での旅行が台頭してきました。そこで、個人の観光客をターゲットにしたのが「リゾートトレイン」で、 設備の豪華な専用車両が使われるため、鉄道ファンには人気の存在です。
 時間も無いですので、リゾートトレインの走っている線区を列挙してみましょう。 まずは北海道から行きますと、函館さんのところではSLを走らせていますし、 釧網さん、富良野さんの所は「ノロッコ号」を走らせていますね。 しかし、真冬にトロッコなど走らせてお客様から苦情は出ないのですか?

富良野線:
 あれは真冬に走らせるからいいのです。 冬の北海道の凍てつくような寒さ、これを体験しないと北海道を旅したとはいえません。 夏場にばっかり来るような人が北海道通を自称して頂きたくない。

議長:
 (半分呆れながら)・・・はあ、そうですか。
 次は東北・甲信越地方ですが、ここは該当者がいっぱいいらっしゃいますね。 五能さん、下北さん、津軽さん、陸羽東さん、磐越西さん、羽越さん、大糸さん、 定期的に走らせている方だけでもこれだけいらっしゃいます。 JR東日本が妙に熱心であるというのもあるし、大消費地たる関東に近いというのもあるでしょうか。
 対照的に関東・東海地方はほとんど走っておりません。 飯田さんの所は、117系のドアを開放して走らせるというのをやっておられますな。 南海のパ・・・いえ、何でもありません。
 関西や中国四国地方も少ないです。 木次さんのところの「おろち号」と、予土さんのところのトロッコ列車ぐらいですか。 ここまで四国の方のアピールが少ないですので、予土さん、ここで是非アピールされてはいかがですかな?

予土線:
 いえいえ。定期列車に、貨車を改造したトロッコをこじんまりと牽引させているだけですから。 それに四万十川の眺望を謳っておりますが、 実際はトンネルだらけで川はあんまり見えませんし。

議長:
 相変わらず四国の方は謙虚というか何というか・・・。
 最後は九州に行きましょう。うわぁ、ここは凄いですね。 久大さん、豊肥さん、日南さん、肥薩さん、それに指宿枕崎さんも今度走らせる計画がおありなのですね。 さすがは一番力を入れていらっしゃるJR九州だけあります。 ただ、同じデザイナーの先生に発注しておられるので、 最近どの車両も似たり寄ったりなのが気にはなりますが。

久大本線:
 確かにどの車両も似通ってきてしまっておるのは事実かもしれんが、 元祖は俺ん所の「ゆふいんの森」じゃ。その辺をお忘れなく。

議長:
 はいはい、分かりました。・・・こうやって長々と議論してきて、流石の私も疲れてまいりました。 さっさと決選投票に参りましょう。それでは、お手元の投票用紙に、 最も魅力があるとお思いの路線を・・・。

山手線:
 あの、議長・・・。

議長:
 何でしょう?

山手線:
 皆さんの議論を聞いていると、結局どこが魅力のある路線なんだか分からなくなってまいりました。 今日の議論を踏まえて、もう議長の独断で決めていただいたらいいと思いますが。(賛成の拍手が沸く)

議長:
 そうですか。それを決めて頂くために一生懸命議論して参りましたが、 そう言われると返す言葉もございません。 では、私家版の魅力ある路線トップ10を発表して、この会議を締めさせていただくことにしましょう。
 まずは北海道の宗谷本線、釧網本線、根室本線。 原野、流氷、湿原と、本州ではまず見られない車掌に接することができる点が素晴らしいと思います。 この点は皆さん異論はないでしょう。
 次は東北地方の五能線、只見線。どちらも秘境ですし、五能線は海が延々と眺められる点が良い。 関東・中部地方からは中央本線と飯田線を選びたいと思います。 飯田線は大嵐から天竜峡あたりまでの天竜川の渓谷が圧巻ですし、 中央本線はベッドタウンの高尾を出るといきなり山登りが始まるという、あのギャップが面白いのではないでしょうか。
 中国地方からは木次線を選に加えたい。スイッチバックも面白いし、 終点の備後落合の寂れた感じもいい。 あとは九州の豊肥本線と肥薩線です。どちらもリゾートトレインが走っていて、 飽きることなく車窓を楽しめる工夫がなされている点を評価したいと思います。
 次点は、日高本線、山田線、羽越本線、京葉線、小海線、久大本線、指宿枕崎線を挙げたいと思います。

武蔵野線:
 ちょ、ちょっと待ってください。何で京葉線の奴がランクインしてるんですか。 (「不公平じゃないか」「えこひいきだ」と野次、罵声が飛ぶ)

議長:
 い、いや海だってよく見えますし、ディズニーランドだってあるし・・・。 それでは、これをもちましてこの会議を終了させて頂きたいと思います。 次回まで、ごきげんよう。